婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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春が来た! 224

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「甘味は果物をメインに色々出しましょう。温かい物が多いから、少し冷たい物も用意してちょうだい。ああ、お母様にぜんざいを用意してちょうだい。ただし、作った後鍋ごと冷やしてね」

これで甘味は何とかなりそうね。

「ほいひぃ~!」

ラーラルーナ様の幸せそうな笑顔にホッコリしますが、やっぱり頬パンパンです。

「ねぇ、ルーク。子供の頃からこんな感じだったの?」

こっそり聞きます。

「ああ。好きな物を食べてる時はああだったな」

「そう。じゃあ夜はずっとあの笑顔を見れるのね」

「まぁな」

子供の様に無邪気な笑顔でカニステーキ食べてるけど、夜も食べれるのかしら?

「あ、安心してくれ。一日カニでも大丈夫な位好きだから」

「あら、そうなのね。じゃあ夜のカニ祭りは大丈夫ね」

コソコソとルークと会話して、夜のカニ祭りは決行しても大丈夫と安心しました。

「料理長。今夜のカニ料理、鍋も食べたいのだけど出汁の調整を私がやろうかと思うのだけど、どうかしら?」

「助かります。それにしてもう……カニは見た目に反して実に美味ですな」

「そうね。見た目に騙されてはいけないわよね」

てな訳で料理長と出汁作成を始めます。
横目でラーラルーナ様を見ればまだモグモグしてます。

「帝国令嬢と聞いてましたが、実に美味しそうに食べますな。次期様の婚約者様でしょう、お仕えするのが楽しみになりそうですな。勿論姫様が一番ですからな」

料理人達を見ると、皆微笑ましい者を見る目でラーラルーナ様を見てました。
キャスバルお兄様と婚姻してもきっとラーラルーナ様なら上手くやれますね。
さ!私はカニすきの出汁作りに全力出しますよ!

「エリーゼ、ラーラルーナ嬢の事頼む。俺は義父上の所に行ってくる。色々手伝ってたいんだ」

「分かったわ。行ってらっしゃい!」

さあ!頑張るわよ!

……全力出しました。数回のトライで出来ましたよ!
今晩のカニ祭りにはあの巨大脚二本あれば十分との事なので、二本だして切り刻んだり切り刻みました!
ふぅ~!大きいと労力もそれなりにいりますね!
もちろんエアーカッターは私とラーラルーナ様でシュンシュンと手早く切ったんですけどね!
カニ身は料理人達にお任せです!さすがにカニ刺はハードル高いみたいで、お客様には出さない方向になりました。
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