婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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new world 45

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ダッダカダッダカ急な坂道を駆け上がっております。
チラッと遠くを見ればかなりの高さです。改めてシルヴァニア産の馬の能力の高さに驚いております。
相変わらず草がバチバチ当たってますが、草丈は肩の辺りまでなので顔は無傷です。
前傾姿勢ですけどね。
あー……湖キレイだなー……近くで見たら大きくてキレイな湖だったけど、登ってる最中だと遠くでキラキラしてるのが良く分かるわー……(棒)

「エリーゼ様!大分登って来ましたね!あと少し頑張って下さい!」

「分かったわ!」

とりあえずあと少しで登り切るのか……そう思うとチョロギー達シルヴァニア産の馬のポテンシャルの高さに驚きが隠せません!
速度が全然落ちません。そして無傷!え?そこらの柔な馬とは違うぜよ!って事なの?
……どんどん登って、既に山の麓の家々は判別もつかない程小さくなり、街だな……と分かる程度の景色になってしまった。

「見えて来ましたよ!」

弾むようなアニスの声に前方わ見る。
朱塗りの大きな門が見えて……うん、どこかの楼門みたいですね。どうなってるのかしら?

「新しい門はキレイですね!」

「新しい?」

「はい!里の入り口に門を誂えるのは決まりらしいのですが、前は地味な感じだったんですよ」

「へぇ……」

何年毎とか決まってるのかしら?だとしたらやっぱり日本人らしいと言えばらしいのか……
勢いそのままに楼門をくぐり抜ける。騎乗したままくぐり抜けれる様にかなり高さも幅もある。立派過ぎて無言になっちゃう……
お母様は止まらずそのまま進んで、広場みたいな場所まで行き止まって、馬から降りた。
……お母様の侍女トリオが既に待っていました。
え?馬より速いってどういうこと?

「やっぱり一直線に駆け上った方が速いのねぇ……」

は?一直線に駆け上ってですって?

「アニス?一直線にって……」

「馬だとちょっと曲がったりしてたじゃないですか。でもお母さま達は真っ直ぐ上がって来るので、距離も短いですから速いんですよ」

……崖みたいな道なき道を駆け上って来るとか忍者か何かなの?
一つため息を吐いてチョロギーから降りて、アニスが降りるのを手伝う。
侍女トリオがお母様の所へ行ったので私もお母様の近くへと歩いて行く。
馬達は里の男性が手綱を引いてどこかに連れて行かれるけど、暴れる事もなく大人しく連れて行かれる。
ルーク達もお父様も馬達を預けてお母様の所にやって来た。
初めて見るシルヴァニアの里はどこか懐かしいと言うより、歴史的建造物が建ち並び、日本庭園みたいな庭とかあって混乱しそうです。
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