婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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new world 44

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「さて、皆支度も出来たし里に行きましょう」

お母様の一言でお父様もキリッとしたお顔で「そうだな」と言い、私達も馬達の元へと歩き出す。
勿論ルークもちゃんと立ち上がって私の隣わ歩いてます。
私のチョロギーはクワイと共にキースの側にいました。

「チョロギー!今日は頑張って里に行きましょうね!」

ヒヒーン!(お任せ下さい!)

……うん、頼もしいけどチョロギーってイケメンよね。
二人乗り用の鞍を着けられてるので先にアニスに乗って貰います。
前にアニス、後ろに私で登って行くわよ~!ん?チラッと見たらルークが前になってた。キースが後ろなんだね……ふーん……ああ、革手袋なのはその為なのかしら?
まぁ、いいや。
ヒョイと乗って手綱を握る。勿論手綱と私の間にアニスがおります。

「ウフフ♡背中にエリーゼ様のお胸が当たって至福です♡」

……喜んでるけど、それで良いの?

「皆、騎乗したわね。では私が先頭で行きます、ハインリッヒ、貴方は殿をお願いね」

「ああ。久しぶりで緊張するな。皆、落馬しないようにしっかり掴まって登ってくれ」

「「はいっ!」」

あれ?お母様は単騎なんだけど……

「ではフェリシア様、私達はこのまま登って行きます。後ほど!」

「ええ。後でね」

お母様の侍女トリオは自力で登る様です。
……ん?登山口にあたるのってあそこ?人一人が通れるとこ……崖?道じゃない気がするんですけど……って侍女トリオ走って上がっていったぁ!

「遅れる訳にはいかないから、こっちも行きますよ」

そう言うとお母様の馬がガッ!と走り出したのでチョロギーがついて走り出して行き……って斜度ぉぉぉ!

「エリーゼ様、しっかり掴まって下さい。体を前に倒して!」

言われるまま前傾姿勢になる。バチバチと足やら体やらに当たる草!チラッと見たらススキ?みたいなのでした。
よく似た物ならこの速度だと傷だらけになるのも理解出来る。
チョロギーの速度もかなりのもので、多分……多分だけど時速五十とか六十の様な気がする。風は感じないけど、こう……流れる景色?って言うのかしら?それが速いのよね……
道は狭くて急だし、確かに馬車はムリ。
それにしてもシルヴァニア産の馬って丈夫だし、大人二人が乗ってガンガン走れるって凄いわね。
軍馬とは比べものにならないわ……
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