婚約破棄されまして(笑)

連載

若奥様は身重です！ 33

「それにしても、この内装落ち着くわ～」

赤いソファの喫茶店、懐かしい～。たまに行ってはジョッキにしか見えないグラスに入ったコーヒー飲みながら友人達と何時間も喋ったわね。間々にバスケットとかミニ何たらとか何ならバーガーとかサンドイッチとか頼んでたわ。数人でシェアして食べるから、幾つも頼んで楽しんだわね。
……二人でフードメニューには挑戦出来ませんけど！それにお昼ご飯はルーク達を誘ってフライドチキンメインのお店でモリモリ食べるつもりなんで！え？ちゃんとお肉以外も食べますよ。多分用意されてると思うんで！

「はい！こういう感じのお店がり……公都なもあると良いですね」

「公都ねぇ……土地に余裕が無いからムリだと思うわ。むしろエリノユの方が余裕ありそうだから作れると思うけど」

「あ～エリノユの街！目新しい施設やお店が多くて楽しい街ですよね！公都から近い事もあって乗り合い馬車がよく行き来してるみたいですけど」

「そんなに行き来してるの？」

「前は一日に数本だったらしいですけど、母さまの話しでは一時間にニから三本出てるらしいです」

新情報！え？便利になってる！

「でも朝夕は商人や農家のお手伝いの人達が多いらしいです」

「まあ……」

労働者も多く移動してるって事か……え？通勤馬車？トロッコ列車でも公都からエリノユの街までのが必要な気がしてきた……でもなぁ……技術がなぁ……いや、ナビさんからドワーフのおじいちゃん達に説明して貰って……ってルークも何か知ってるはず！だって島に線路引いて列車走らせてるんだもん！

「人気なのね」

「そうですね！やっぱり新しい街というだけでなく、王都からの人達が今も来てるというのも大きい理由かも知れません……」

「ん？」

言葉を濁したアニスに、おや？と思う。
王都からまだ流入してるのか……とも思う。冬の間は生活がかかってるから、うちに来たんって思ったけど……それだけじゃないのかしら？
あっ！目を逸らされましたぁ！どゆこと！

「あ……あー……そのー……ですね、エリノユの街はその……公都より華やかで、その……娯楽も王都でやってたようなお店もあるらしくて……」

「王都の娯楽？って何？」

率直な疑問です。あれかな？大人の社交的なムフフな娯楽施設かしら？

「え……あの……女性が……その……その……拳で殴り合うんですっ！」

よもやよもやのキャットファイトでした。