婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

若奥様は身重です! 59

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「はふぅ……大分大きくなったからちょっと大変ねぇ……」

「はい……母さまもこんなに大変だったのかと思うと尊敬です」

「分かるわ……」

はい、今は島でマッタリしてる最中です。
南地区のカフェでバンブーソファに沢山のクッションが置かれてます。
気遣いありがたいです。
目の前に置かれたカップの中身ははちみつミルクです。ホットよりのほんのり温かな感じで癒されます。
アニスも同じ物を飲んでます。

「次期様の婚姻式はかなり大々的にやるんですよね……」

「やるわね。何か思う所があるの?」

「賓客の皆様、驚かれるかな……と」

「そりゃあ驚くでしょ」

そう。帝国貴族令嬢のラーラルーナ様が輿入れしてくるのだけど、同じ辺境を守る者同士だった我が家が独立して公国樹立とかビックリでしょうしね。
食事もお酒も色々普及したからワインオンリーじゃなくなったしね。
蒸留酒が成功したので、そりゃあもうドワーフの皆様方が全力出しまくってるんですよ……
しかもエリノユの街は温室栽培もやってるけど、植物の成長促進魔法も使いまくってやりたい放題の現状。
誰も止めないし、何ならもっとやれ!状態。そりゃあ、お酒の種類も増えるし量も増えますよね。
私は赤ちゃん生まれた後数年はアルコール禁止です。良いんですけどね!チッ!

「今回、エリーゼ様のお側に席が用意されるのですが、頑張ってお支えしますからね!」

「ファッ?!」

急に何を言い出すのよ!お支え?お支えって何?

「エリーゼ様が丈夫なのは良く知ってますが、何があるかも分かりませんからルーク様の反対側に用意して下さるって母さまから聞きました。エリーゼ様のドレスは軽い方ですが、色々作り込んでいったら中々の重さになってしまったのよね……って母さまから教えて貰いました。お飾りは言わずもがなです」

「待って!ドレスを作り込んだ?え?ドユコト?」

混乱です!混乱してます!

「はい。冷えてはいけないので一番最初に着付ける物が五枚重ねになり、その次が三枚重ね、一番上に着る物が厚手で更に刺繍がかなり入るとか……近日中に出来上がるので、そうしたら試着してもらって微調整して出来上がりですって!楽しみですね!」

ヤベェ……一番最初のってペチコートか……五枚重ねってのは胸下の切り替えの所でスカート部分が薄い織物かレースなんかしら?
その次ってのは、いわゆる見える薄布部分みたいなヤツで色は薄く、生地自体はそこそこ厚みがある。それが三枚重ね?長丁場だから冷えるかもだけど、結構な重ね着ね。
でラストの表地が刺繍多めか……厚手って事は中々よ……ウールに近い厚さかなぁ……少しでも軽い事を願っておこう……
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