婚約破棄されまして(笑)

連載

兄の婚姻式 14

朝です。さわやかな朝です。外から聞こえる人の声……朝から皆さん元気ですね。
きっと朝風呂を楽しんでからのお宅のお庭散策でしょうね。
中庭はそれぞれが趣向を凝らした庭園ですので、どの中庭も見応え充分ですし、何ならお茶も中庭でいただける様に四阿だったりテーブルセットなり設置してありますからね。
お客様の数が多すぎて大変だとは思うけど、りょ……近衛隊を始め私兵だった皆さんが頑張ってくれるでしょ。
あ、私の犬達はローテーションで島で訓練なので居残り組（邸で警備とかね）は訓練か警備か何かやってると思う。
今はぶっちゃけ興味は無い。でも管理はちゃんとしてますよ。

「エリーゼ様。お目覚めですか？」

「あら、アニス。ええ、今目が覚めたところよ」

「ではお支度の手伝いを致しますね」

いつもの朝のルーティンです。習慣付けておく事は大事です。毎日の習慣だと思えば、さっさと出来ますし心の準備も整うってもんです。

「各貴族家のご婦人方とご令嬢方が裏庭のお風呂に行かれて大変楽しまれたと報告が上がっております」

報告してくれてるアニスの手は淀みなく動いてます。

「ええ。中庭から話し声が聞こえたわ」

「あちらこちらの中庭でお茶を楽しんでる方もいますね。今日の御髪はどうですか？」

「きつくないしさすがね。アニスの髪結いの技術はスゴイわね」

「ふふっ……ありがとうございます。では髪用のお飾りを着けますね」

今日のドレス（薄手の生成りが幾重にも重ねて作られた可憐な物です！）に合わせた真珠のピンを差し込んでいく。
最後に大小の真珠で作られた花々が可愛い（お値段は可愛くない）ヘッドドレスを着けて仕上がりとなりました。
妊婦だし、お腹めっちゃ大きいけど可愛い♡可愛いは正義よね！
さて、婚姻式二日目です。
二日目と三日目は主役はキャスバルお兄様一人になります。
理由は妻となったラーラルーナ様のお体を労っての予定です。
お祝い事なので、お祝いしたい人達が大広間（前庭開放します）でキャスバルお兄様に挨拶に来たりします。
次期公主ですからね、お客様は多いです。
お父様とお母様は強制参加ですが私（ルークもよ！）とトールお兄様は自由参加ですので、大広間に行かずにゆったり過ごそうと思ってます。