殺人鬼転生

藤岡 フジオ

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奴隷反乱

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 屋根のない檻の中で、雨粒を数える以外に何をやる事があるだろうかとトウバは思ったが、視線の先にある黒焦げた大きな串焼きを見て拳を作る。

「あんな小さな子まで・・・」

 樹族の獣人に対する扱いは動物とそう変わりがない。動物よりも便利な存在程度にしか思っていないのだ。

(解放同盟のリーダーとは名ばかりだな。真っ先に俺が動かないと纏まりの無いレオンの部族たちは、同盟を信用していない。指針となるべく行動した結果がこれだ。情けねぇ)

「クソが!」

 床も檻でできており、その下に他の奴隷がいるのもお構いなしで、トウバは鉄格子を強く踏んだ。

 足元の奴隷の猫人が喚く。

「なんだ? 糞か? 糞をひるならここではなく端っこで頼む。もうお前らの糞やションベンを浴びるのはこりごりだからよ。おい、獅子人! ちょっと隙間を開けてくれ! 雨で体を洗うから」

 別の獣人も喚いた。

「お前らは上でいいな。俺たちは下だ。下だと雨はあまり落ちて来ねぇが、糞やションベンは落ちてくる。中には空腹に負けて、お前らの糞を食う奴までいるんだわ。まぁ食い物にありつける分、お前らより幸運ってか? グハハ!」

 奴隷として捕まえられたばかりなのか、まだ気力を失っていない犬人の冗句を笑う者はいない。実際空腹に負けて糞を食う者もいたからだ。

「今笑った奴ぁ、誰だ!」

 檻の外をうろつく、鞭を持った奴隷が、檻の外から威嚇すると誰もが黙った。

「お前だろ! 白い犬人」

「いえ、違います、閣下。隣の豚人でございます」

 奴隷を見張るという役目を与えられたサル人の奴隷を、閣下と呼んで卑屈に笑う犬人は隣の男を指さす。

「お前か豚人! 誰が笑って良いと言った?」

 短い革の鞭が、檻を掴む豚人の手を叩いた。

「ブヒィィ! ちょっと! 誰が豚人でつか! 拙者人間なんですがぁ? 遊びでこの檻に入ってたけども、も~頭に来た! 【衝撃の塊】!」

 豚人と呼ばれた男は、無詠唱の魔法で見張りの奴隷に反撃する。

「ぐあぁ!」

 倒れた看守の腰から鍵束が落ちた事に、気付いていない。

 自分をニンゲンと呼ぶ豚人は、さっと鍵を拾って素知らぬ顔をした。

「くそが。主様に報告してくるからな。反抗的な奴隷の処分の仕方を聞いて戻って来るぞ、豚人! 覚悟しておけ!」

「おふふっ! よく躾けられたサルですなぁ」

「クッ!」

 サル人が豚人を煽るようにゆっくりと立ち去ろうとすると、檻の中に剣呑な空気が生まれる。

「おい! 俺らまでとばっちりを受けたらどうすんだよ!」

 猫人が自称ニンゲンと名乗る豚人を突っつく。

「あれ! おたく、拙者に対してそんな事していいの? これが目に入らぬ? これ」

 豚人と思われている男が、檻の鍵を猫人の前にちらつかせた。

「あ? いつの間に!」

「オフッオフッ!」

 豚人は細い目を更に細めて笑った。

(拙者、皆を無責任に扇動するのは得意なんでつよ)




 砦の大広間に集まる客たちは、テーブルの上の料理に舌鼓を打ってワインを飲んでは騒いでいた。

 そんな中で一緒くたにされた大貴族の娘と息子は、不快そうな顔をしたままだ。

「なぜ私がこんな小間使いどもと一緒に、料理を食わねばならんのだ」

 給仕がゴブレットに注いだ赤ワインをステコは不満顔で飲む。

「ふん、ワインの味はまぁまぁだな」

 ステコがそう言うので、俺もワインを飲んでみる事にする。

 ワインを口に含んでから俺は鼻に皺を寄せた。

「かぁ~! クッソ不味いな・・・。雑味のオンパレードじゃねぇか」

「君にフルボディのワインは口に合わないようだな」

「フルボディとかライトボディとかの問題か? ストレートに不味いと思うがな。糞でも入れて醗酵させてんのか?」

「平民のくせに舌が肥えているのだね」

 ガノダがフンと鼻で笑ってワインを飲んだ。

「普通だと思うが」

 悪魔の力で味覚まで鋭くなっているせいか? とにかく洗練されてない味のように感じるが、この時代はこれが当たり前なのかもしれねぇ。魔法学園で飲んだワインはもっと美味かった。

「料理は口に合いますか? 皆さま。私はこの奴隷競り場の主、レバシュと申します」

 奴隷商人のボスが、しなを作って歩いてくる。その紫のスパンコールドレスは趣味が悪いな。

「ああ、料理に不満はないね。しかしなぜ我らが小間使いどもと一緒に、食事をしないといけないのかね? 臭くて敵わんよ」

 ステコの不満に樹族の女ボスは「あら」と言って扇子で口元を隠して笑った。

「生憎、この砦に貴族を迎える立派な部屋はないのです。お許しください。それからマントは決して脱ぎませんよう。大貴族の令嬢やご子息が奴隷の競り場にいるなんて知られれば、大変でございましょう?」

 皆が入る広間への入り口とは別の出入り口で、薄手の黒マントを羽織るように言われたのはこのせいか。

 本来堂々と見せるべく家紋の付いた服や鎧の紋章を隠さないといけないとはな。貴族も大変だ。

「遅ればせながら、お礼を言わせて頂きますわ。こんな近くまで奴隷解放同盟の獣人たちが近づいていたなんて、全く気が付きませんでしたの。部下がステコ様とガノダ様に助けてもらったとか。これはほんのお礼です」

 トメオはステコのことを、異母兄弟だと伝えていないようだ。主の口から話題にも上らねぇからだ。そもそもこの女主人はトメオが元ワンドリッター家の者だとは知らないのかもしれねぇ。

「どうぞ」

 レバシュはそう言って二人の前に金貨の入った小さな袋を置いた。二人は当然のように懐に納めて、また威張りだした。

「しかし、汚い小間使いばかりだな。中規模レベルの貴族がここで奴隷を買っているのだろう?」

 ステコの質問に、レバシュはまたクスクスと笑う。

「いいえ、私は誰にでも売ります。アルケディアの貴族にも、ワンドリッターの貴族にも、ムダンの貴族にも。唯一買ってくれないのは、すぐ近くのブラッド領の貴族の方々だけですわ。あそこは錬金術が盛んですから、小さなゴーレムがいます。何より気位の高いエリート種の樹族ばかりなので、獣人を受け入れようとはしません」

「だろうね」

「シュラス国王陛下もブラッドの出身だ」

 シルビィがレバシュを睨んでからワインで喉を湿らせる。

「ええ、聞いております。シルビィ様」

「王が奴隷制度を嫌っているのを知っているな?」

「はい、聞いております」

「ではなぜ奴隷売買を止めない?」

「シルビィ様は、どういう者がこの商売に関わっているのかご存知ですか?」

「冒険者崩れ、犯罪者、そして知恵を絞って真っ当な商売をしようとしない、お前のような者だ」

「そうです。社会のはみ出し者ばかりです。では一体、誰がその社会のはみ出し者を雇うのです? 貧者にパンを与える司祭様? それとも毎日娼館で女を抱いて酒を飲む貴族様? 統治に忙しい王様? いいえ、誰も彼らを助けようとはしません。だから彼らは犯罪に手を染めるのです」

 レバシュは手に持っているゴブレットからワインを一口飲んでまた話を続けた。

「犯罪以外に道のない彼らが、更生するチャンスなど殆どありません。でも彼らが働いて賃金を得る事が出来る唯一の仕事がここにあります。奴隷売買なら合法ですし、社会のはみ出し者も、真面目に私の言う事を聞いていれば、大金を稼ぐ事ができます。何度も言いますが、奴隷売買は法にも認められており、真っ当な仕事ですよ。シルビィ様」

「ああ。今のところはな。しかし奴隷にされる側はたまったもんではない。親から引き離され、自分を知る者もいない樹族国に連れてこられた挙句、串刺しにされて焼かれる子供なんかは、特にな」

「逃げようとする者には見せしめが必要ですから」

 レバシュの目が冷たくなったように見えた。非情の女って雰囲気が出て来たな。

「それはお前らの都合だ。法には奴隷を焼き殺して良いとあるか?」

「それを許しているのは貴方たち、貴族ではないのですか?」

「貴様・・・」

 はぁ・・。めんどくせぇな。俺たちの目的を忘れてんのかシルビィは。

「もういいだろ、シルビィ。俺も言っただろう? この商売が合法である以上こいつらを責める事はできねぇと。こいつらのことはもうほっとけ」

「・・・」

 シルビィは上げかけた腰を下ろしてそっぽを向いた。あ~あ、俺は嫌われちまっただろうなぁ。クハハ!

「貴方がトメオの言っていた平民の剣士様? 貴族にそんな口をきけるなんて凄いのね」

「まぁな。俺は強いからな。弱者は強者に従うもんだ。ところで風呂に入りてぇんだが、風呂はあるか? 体が臭くてかなわねぇ」

「お風呂・・・、ですか? 剣士様は綺麗好きなのですね。わかりました。すぐに準備させます。女は何人です?」

「女? いや、要らねぇ」

「では男?」

「男も要らんが? ただ風呂に入りたいだけだ」

 酔っぱらったステコがニヤニヤしながらリンゴを齧った。

「我らが剣士様は、シソ陛下のように体臭を気になさる」

 シルビィが今の発言を王への侮辱と捉えて、ガタリと立ち上がった。

「おい! ステコ! いくら酔っぱらっているとはいえ! 今のは聞捨てんらんな」

「事実を言ったまでだ。何が悪い?」

 はぁ~。こいつらはいっつも喧嘩してばっかりだ。

「座ってろ、シルビィ。おい、ステコ。シソ閣下の体臭は、夏の沢のように爽やかな香りだ。俺はあの匂いを随分と気に入ってんだ。今度同じことを言ったらお前の鼻を削ぐからな」

 ステコは刀の刃を見せる俺にビビッて縮こまった。

「ふ、ふん、悪かった。陛下には報告しないでくれたまえよ? 王の使い殿」

「あのなァ、俺は皮肉は嫌いじゃねぇけどよ、一日中皮肉合戦を聞いてるのは好きじゃねぇ。程々にしてくれ。じゃあ風呂に行ってくる」

「私も風呂に入るか。体にワンドリッター家の大好きな、ニンニク料理の臭いが染み付いた」

 シルビィが立ち上がって召使いについて行こうとしたが、その後ろでステコが喚く。

「ふん、今度ニンニク料理を食ってみるといいよ。きっとシルビィも好きになるぞ。ここはニンニクの名産地だからね」

「ハ! お前の股間にぶら下がっているニンニクならいつでも齧って・・・」

 また皮肉合戦が始まりそうだったので、俺は念願のシルビィの尻を叩いて顎で行けと指示をだした。

「風呂入るならさっさと行け。アホが」

「し、尻を叩いたな! 私の尻を叩いた! 夫になる男でもないのに!」

 少年のような顔を乙女のように赤くして、シルビィはぶつくさ言いながら風呂場へと向かう。

「早く行け(鍛えている割に凄く柔らかかったぜ。クハハ!)」



「お尻触った」

 脱衣所で脱いでいるとアマリが人の姿になって、怒りながらぴっちりスーツを脱ぎ始めた。

「違う。叩いたんだ」

「キリマルはシルビィが好みなんでしょ? ショートヘアーだし、日に焼けて少し肌も茶色いし」

「俺はお前に好みのタイプの話をしたっけか?」

「何となく伝わってくるからわかる」

「迂闊に個人的な事も考られねぇな」

 俺はやれやれと呆れながら風呂場へと入った。

「なんだか不潔感があるなぁ。石の床はヌルヌルしてるし、湯船に入ってる奴はヘチマで体を擦っているしよ。汚ねぇ」

 その体を洗っているクソが、シルビィだった。

「何でお前が入ってんだぁ?」

 女騎士は俺の裸を気にした様子もなく、ヘチマで体を洗っている。

「なんでって、さっき私は風呂に入ると言っただろう?」

「男女混浴なのか? ここは」

「大体どこでもそうだろ。王族や大貴族なら個人の風呂があるが。キリマルの国では男女別なのか?」

「まぁな。大昔は混浴だったらしいけどよ」

 俺はシルビィとは別の浴槽に入った。アマリも後に続く。

「なんだ、キリマルは娼婦は要らんと言っていただろう・・・。それにしても、その地走り族の娼婦は、出るとこは出ていて引っ込んでいるところは引っ込んでいる・・・。羨ましいな」

 アマリの巨乳と大きな尻を見て、シルビィは自分の普通サイズの胸を隠した。

「地走り族でもねぇし、娼婦でもねぇ。愛人だ」

「嘘を言え。見かけたことはないぞ。その女は裏側のように陰に潜んで我々をつけていたのか?」

「んなアホな。こいつは俺の刀だ。人の姿にもなれるんだわ。それから裏側の気配はないぞ。アルケディアを離れた時点で気配は消えている」

「インテリジェンスウェポンか。随分といやらしい体をしているな」

「だろう? 名器持ちでな。どんどんと床上手になっていてよ、最近は気を抜くと一分程で発射してしまう」

「ふ、ふ~ん」

 今の話だけで欲情しやがったか。シルビィからメスのフェロモンが漂ってくる。エロい女騎士様だな。

 欲情した騎士様はほっぺを叩いて顔を擦ると、何故か俺の入る湯船に入ってきた。

 彼女は陰部を隠しながら湯船に浸かったが隠しきれておらず、無毛のぷっくりしたアソコをしっかりと拝ませてもらったぜ! クハハ!

「キリマル」

 アマリが光のない黒い目で睨むので、俺は鼻歌を歌って誤魔化す。

「ところで、キリマル。そのペンダントにはアルケディアの木の紋章が付いている。王が下賜されたのか?」

「ん? ああ、まぁな」

「魔法がかかっているな。何のペンダントだ?」

「言えるわけないだろ。詮索はするな」

「いいではないか。チラッ」

 シルビィは胸を隠している指を開いて、一瞬だけ乳首を俺に見せた。

「そんな色気のない色仕掛けがあるか、アホが」

「嘘を言え、きっと今頃お前の股間は・・・」

「シッ!」

 俺の耳に剣戟の音や【火球】がさく裂する音が聞こえる。

「あ~。こりゃ大変だな。どうやら奴隷が反乱を起こしたようだ」
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