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反逆の悪魔
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揺れる馬車の中で、辛気臭い顔をした三人と向かい合って座るのは退屈だな。いや、二人か。セリススはシソの膝枕で眠っている。
「キリマルも私たちの間柄の事を聞いたのだろう?」
サラサスは恥ずかしそうな顔をして、俺の目を気にしている。
「知らん」
こっちは国境付近でお前らを殺す事になっているからな。これから死に逝く奴らの事情なんか聞いてもしょうがねぇ。そんな事よりもこの食欲をそそる匂いよ。
「ん~、大葉の良い香りだ。ささみを大葉で巻いた天麩羅が食いてぇ」
俺は鼻から息を吸って、脳内に日本の料理を思い浮かべて懐かしんだ。
それから目を開けると、糞みたいなタイミングで悪魔の目の力が発動する。
第七位階までの魔法を使える実力者のサラサス、そして人修羅レベルの悪魔を召喚する力があるシソの情報が頭に流れる。
―――が、流れるままにするさ。さっきも言ったが知るだけ無駄だからだ。
そういや、まやかしを見抜くだけじゃなかったのかよ、悪魔の目は。爆発の手と同じく悪魔の能力も進化していくんだな。
要らん事に頭の容量を使いたくねぇから、俺は外の景色でも眺めて頭を空っぽにしようとした。
だがやはり目に留まる情報が気になる。シソの膝枕の上で寝顔を見せるセリススは二人の子だということだ。近親婚か・・・。
そういやアマリが読んでた本にそういった禁断の愛の話があったな。
樹族は他の種族と違って近親者同士で子供を作っても奇形児が生まれにくいと。だから他種族よりも恋愛に発展する兄弟姉妹が多いそうな。
きっと樹族は遺伝的にそういうのに強いんだろう。知らんが。こういうのは坂本博士や大神聖の得意分野だしよ。俺にはわからん。
もう一つ、気になるものが見えた。これは精度の悪い遠視の呪いのようなものだ。馬車の天井に霞みが現れ、その霞が渦巻き、中心部に樹族の爺の目が見える。
そしてその目の主が元老院の一人というところまでは、悪魔の目で見通せた。覗き爺の名前までは知らん。
俺はヒュッと刀を振って呪いを消滅させられるか確かめてみた。狭い馬車の中でこれをやるのは中々難易度が高い。
抜刀から納刀まで二人は全く気がついていねぇ。俺が少々身じろぎした程度にしか思ってねぇんだろうな。
(呪術師でもねぇ俺は、呪いなんて断てねぇ)
そう念じて刀を真っ直ぐと、渦の真ん中に向かって突く。爺の目玉にアマリが深々と突き刺さり、眼窩を越えて脳まで到達した手応えがあった。
―――イギャアア! と悲鳴が聞こえたような気がして実に気分が良い。間違いなく元老院の爺は死んだ。殺意よりも呪いを消す事に専念したからなぁ。クハハ!
覗き見していた爺がいきなり死んで周りの者は、さぞかし驚いているだろうなぁ。その場面が見たかったぜ。
霞の渦と目は消えて、呪いは完全に消えた。
「呪いってのは、かけられてもわからねぇもんなのか?」
突然脈略もない話をされて、サラサスとシソは戸惑う。
「小さな呪いは感知できない。呪術師がやるような蝕む呪いや、強大な呪いは感知ができる。それが?」
「お前らは元老院の爺に呪いをかけられていた。情報が筒抜けだったわけだが、今その呪いを断ち切った。どこからどこまで覗かれていたかは知らねぇが、少なくとも馬車の中の様子は見られていたな。間抜けだな、おめぇら」
「・・・!!」
(お前らは息子を溺愛するあまり、爺どもの甘言に乗ってしまったってとこか。はぁ・・・。絆ってのは脆くて厄介でもあるな)
あの荒い呪いだと、細かい情報を知るのは難しいだろう。だが、王子暗殺の情報だけは二人の会話から漏れ出ていた可能性が高い。
それを口実にして元老院とワンドリッターはシュラスを脅し、王座から引きずり下ろすつもりだったかもしれねぇ。
だが、そうはならねぇ。これ以上、情報が元老院に渡る事はねぇし、こいつらは死ぬからな。
あの小さな王も元老院に詰め寄られても証拠がないと言うだろうし、上手く切り抜けるだろう。
「そろそろ終わりが見えてきた」
前にも見た風景だ。そこの森へ続く道に曲がればスキュラとムダンの騎士がいる砦だ。
国境の前につくと馬車は止まり、俺たちを下すと急いで引き返していった。
「どうして馬車はキリマルを待たなかったのだ?」
王族相手に緊張する国境騎士に書類を提出し、難なく国境を越えながらサラサスは訊いてくる。
「待つ必要がないからだ。俺はよぉ、物語の終わりが何となくわかるようになってきたんだ。そして俺が付けた付箋にコズミックペンが書き加えたお話は、この辺で終わりだって予感がする。ああ、そう言う事か。コズミックペンの意図が分かってきたぜ。奴は俺に話を書き加える場所を作らせたかったんだ。俺の捻くれた性格を見抜いてな。出来る限り付箋を大きくするように、奴は俺を動かしている。そして俺がお前の興味に沿わない動きをしたり、課したミッションをクリアしたりすれば次の物語に飛ばす。そうだろう? コズミックペンさんよぉ!」
俺は空に向かって両手を広げて喚いてみた。勿論、返事はねぇ。だからこの考えは、直接本人に訊くまでは俺の勝手な想像に過ぎない。
そもそもQですら見つけられないコズミックペンを、俺が見つけられるものか。
「物語? なんの話だ? 悪魔の世界の誰かと通信しているのか?」
不審がって胸元のワンドを握るサラサスを見てから、俺はもう一度天を仰いで笑った。
「クハハ! こいつらを殺した方が、お前の気に召す物語になるのか? それとも殺さない方がいいのか? どっちだ! コズミックペン!」
「なに? 我らを殺せと命じられているのか? 兄さんに?」
「うるせぇ! 黙ってろ!」
俺はアマリの柄を掴んで目を瞑り腰を低く構える。
俺的にはこいつらを殺せるならば気分がいい。
しかしそれはペンの思い通りになるのでは? と心の中で別の自分がそう囁く。
だったら賭けだ。
殺気を放ってサラサスが攻撃を仕掛けてきたら殺す。怯えたら逃がす。
どす黒い覇気のようなものを発して刀を構える俺を見て、果たしてサラサスはどうでるか。
少し動いたのか衣擦れの音がする。そしてワンドを構えた音もした。サラサスとシソ、二人とも構えている。
「せめて、子供だけは・・・。お願い、キリマル!」
シソの泣きそうな声が耳に入ってくる。お前の匂いは好きだったぜ。さぁどうする? 俺は黙ったまま、まだ殺気を放っている。雑魚ゴブリンなら気絶するほどの殺気だ。
「逃す気はないって事か?」
短気なサラサスがとうとう詠唱を開始した。運命はこの親子を殺せと命じたのだ。
刹那の斬撃が飛ぶ。使用頻度ナンバーワンの無残一閃。名前に無残と付いてはいるが、言うほど無残ではねぇ。スッパリと首が綺麗に飛ぶからな。
詠唱が終わるよりも早く、サラサスとシソの首が回転しながら空中に刎ね飛んだ。
「うわぁぁぁ!!」
セリススは小便を漏らしてへたり込んだ。
小便を漏らす奴を見ると、頭の片隅でピンク髪の猫人の顔が浮かぶ。もうあの癖が治っているといいがな。
「あぁぁ、父さん・・・。叔母さん!」
一番つまらなそうな終わり方を選んでやったぜ。そう、中途半端な終わり。実に尻切れトンボ。親だけ殺して子を残す。
俺は二人の首を掴んではポイポイ投げた。落ちた先の草むらで、肉と頭蓋骨の汚い爆発が二回起きて、セリススは更に悲鳴を上げた。
そんなセリススの首に俺は魔法のペンダントをかける。
「ここで生き延びたお前が、将来何をするかは知らねぇが、姿だけは変えておいたほうがいいな」
【完璧なる変装】という魔法が永続的にかかったマジックアイテムを外したので、勿論俺の姿は悪魔の姿に戻り、セリススの姿は地走り族に変わった。
俺は国境騎士を穿孔一突きで建物ごと貫いて殺すと、道の先を指さす。
「道を真っ直ぐ行けば途中で森が見えてくるから、森へ続く道へ進め。そしたら砦が見えてくるだろうよ。そこにいる騎士かスキュラに、ガノダとキリマルの知り合いだと言え。そうすればお前の居場所ぐらいは作ってくれる。ただ自分が何者かは言うな。絶対にだぞ。言えばお前の居場所はなくなる。二人の言う事を何でも聞いて真面目に働け。そして今日見た事は忘れろ。俺が憎ければ強くなってから探し出して殺せ。この通り俺は悪魔だからな・・・」
そう言って俺はセリススの小便溜にチラリと映った自分の影を見て驚く。
「あ?」
人の姿をしてねぇ。
なんだこのギザギザの裂けた口は。積み木で作った黒い鉄砲みたいな顔と首してんぞ! 目はどこだ? 目がねぇ! その代わり、顔に赤い筋があちこちにあって光ってる。なんだ? サイコフレームか? 感情が滾ると〇ニコーンガンダムみたいに変身するのか? 長い髪はどこいった?
俺が驚いてフリーズしていると、ズボンを濡らしたままの小僧が必死になって国境に向かって走っていく。余程この姿が怖かったようだ。
「どうなってやがる・・・」
そんな事も知らなかったの? といった雰囲気でアマリが話しかけてきた。
「キリマルは成長すればするほど悪魔の姿になっていく。人修羅本来の姿に。そのうち脚は獣のように曲がってつま先立ちみたいになり、武器としての私を必要としなくなる。なぜなら鋭くて長い爪が生えてくるから」
「まじか・・・。人格は勿論このままだよな?」
「そこまでは知らない」
なんてこった・・・。
その場に佇んで一時間程経ってから我に返り、真っ先に思い浮かんだのはチンコは残っているかどうかだった。ズボンに手を突っ込んでまさぐるとソレはあった。
「あった・・・」
ホッとしているとアマリがボソリと呟く。
「キリマルはおチンチンが本体。おチンチンさえ残っていればいい」
「殺すぞ」
俺はアマリの柄頭を軽く叩くと世界が歪み始めた。
そう、コズミックペンが新たな物語へと誘っているのだ。
「キリマルも私たちの間柄の事を聞いたのだろう?」
サラサスは恥ずかしそうな顔をして、俺の目を気にしている。
「知らん」
こっちは国境付近でお前らを殺す事になっているからな。これから死に逝く奴らの事情なんか聞いてもしょうがねぇ。そんな事よりもこの食欲をそそる匂いよ。
「ん~、大葉の良い香りだ。ささみを大葉で巻いた天麩羅が食いてぇ」
俺は鼻から息を吸って、脳内に日本の料理を思い浮かべて懐かしんだ。
それから目を開けると、糞みたいなタイミングで悪魔の目の力が発動する。
第七位階までの魔法を使える実力者のサラサス、そして人修羅レベルの悪魔を召喚する力があるシソの情報が頭に流れる。
―――が、流れるままにするさ。さっきも言ったが知るだけ無駄だからだ。
そういや、まやかしを見抜くだけじゃなかったのかよ、悪魔の目は。爆発の手と同じく悪魔の能力も進化していくんだな。
要らん事に頭の容量を使いたくねぇから、俺は外の景色でも眺めて頭を空っぽにしようとした。
だがやはり目に留まる情報が気になる。シソの膝枕の上で寝顔を見せるセリススは二人の子だということだ。近親婚か・・・。
そういやアマリが読んでた本にそういった禁断の愛の話があったな。
樹族は他の種族と違って近親者同士で子供を作っても奇形児が生まれにくいと。だから他種族よりも恋愛に発展する兄弟姉妹が多いそうな。
きっと樹族は遺伝的にそういうのに強いんだろう。知らんが。こういうのは坂本博士や大神聖の得意分野だしよ。俺にはわからん。
もう一つ、気になるものが見えた。これは精度の悪い遠視の呪いのようなものだ。馬車の天井に霞みが現れ、その霞が渦巻き、中心部に樹族の爺の目が見える。
そしてその目の主が元老院の一人というところまでは、悪魔の目で見通せた。覗き爺の名前までは知らん。
俺はヒュッと刀を振って呪いを消滅させられるか確かめてみた。狭い馬車の中でこれをやるのは中々難易度が高い。
抜刀から納刀まで二人は全く気がついていねぇ。俺が少々身じろぎした程度にしか思ってねぇんだろうな。
(呪術師でもねぇ俺は、呪いなんて断てねぇ)
そう念じて刀を真っ直ぐと、渦の真ん中に向かって突く。爺の目玉にアマリが深々と突き刺さり、眼窩を越えて脳まで到達した手応えがあった。
―――イギャアア! と悲鳴が聞こえたような気がして実に気分が良い。間違いなく元老院の爺は死んだ。殺意よりも呪いを消す事に専念したからなぁ。クハハ!
覗き見していた爺がいきなり死んで周りの者は、さぞかし驚いているだろうなぁ。その場面が見たかったぜ。
霞の渦と目は消えて、呪いは完全に消えた。
「呪いってのは、かけられてもわからねぇもんなのか?」
突然脈略もない話をされて、サラサスとシソは戸惑う。
「小さな呪いは感知できない。呪術師がやるような蝕む呪いや、強大な呪いは感知ができる。それが?」
「お前らは元老院の爺に呪いをかけられていた。情報が筒抜けだったわけだが、今その呪いを断ち切った。どこからどこまで覗かれていたかは知らねぇが、少なくとも馬車の中の様子は見られていたな。間抜けだな、おめぇら」
「・・・!!」
(お前らは息子を溺愛するあまり、爺どもの甘言に乗ってしまったってとこか。はぁ・・・。絆ってのは脆くて厄介でもあるな)
あの荒い呪いだと、細かい情報を知るのは難しいだろう。だが、王子暗殺の情報だけは二人の会話から漏れ出ていた可能性が高い。
それを口実にして元老院とワンドリッターはシュラスを脅し、王座から引きずり下ろすつもりだったかもしれねぇ。
だが、そうはならねぇ。これ以上、情報が元老院に渡る事はねぇし、こいつらは死ぬからな。
あの小さな王も元老院に詰め寄られても証拠がないと言うだろうし、上手く切り抜けるだろう。
「そろそろ終わりが見えてきた」
前にも見た風景だ。そこの森へ続く道に曲がればスキュラとムダンの騎士がいる砦だ。
国境の前につくと馬車は止まり、俺たちを下すと急いで引き返していった。
「どうして馬車はキリマルを待たなかったのだ?」
王族相手に緊張する国境騎士に書類を提出し、難なく国境を越えながらサラサスは訊いてくる。
「待つ必要がないからだ。俺はよぉ、物語の終わりが何となくわかるようになってきたんだ。そして俺が付けた付箋にコズミックペンが書き加えたお話は、この辺で終わりだって予感がする。ああ、そう言う事か。コズミックペンの意図が分かってきたぜ。奴は俺に話を書き加える場所を作らせたかったんだ。俺の捻くれた性格を見抜いてな。出来る限り付箋を大きくするように、奴は俺を動かしている。そして俺がお前の興味に沿わない動きをしたり、課したミッションをクリアしたりすれば次の物語に飛ばす。そうだろう? コズミックペンさんよぉ!」
俺は空に向かって両手を広げて喚いてみた。勿論、返事はねぇ。だからこの考えは、直接本人に訊くまでは俺の勝手な想像に過ぎない。
そもそもQですら見つけられないコズミックペンを、俺が見つけられるものか。
「物語? なんの話だ? 悪魔の世界の誰かと通信しているのか?」
不審がって胸元のワンドを握るサラサスを見てから、俺はもう一度天を仰いで笑った。
「クハハ! こいつらを殺した方が、お前の気に召す物語になるのか? それとも殺さない方がいいのか? どっちだ! コズミックペン!」
「なに? 我らを殺せと命じられているのか? 兄さんに?」
「うるせぇ! 黙ってろ!」
俺はアマリの柄を掴んで目を瞑り腰を低く構える。
俺的にはこいつらを殺せるならば気分がいい。
しかしそれはペンの思い通りになるのでは? と心の中で別の自分がそう囁く。
だったら賭けだ。
殺気を放ってサラサスが攻撃を仕掛けてきたら殺す。怯えたら逃がす。
どす黒い覇気のようなものを発して刀を構える俺を見て、果たしてサラサスはどうでるか。
少し動いたのか衣擦れの音がする。そしてワンドを構えた音もした。サラサスとシソ、二人とも構えている。
「せめて、子供だけは・・・。お願い、キリマル!」
シソの泣きそうな声が耳に入ってくる。お前の匂いは好きだったぜ。さぁどうする? 俺は黙ったまま、まだ殺気を放っている。雑魚ゴブリンなら気絶するほどの殺気だ。
「逃す気はないって事か?」
短気なサラサスがとうとう詠唱を開始した。運命はこの親子を殺せと命じたのだ。
刹那の斬撃が飛ぶ。使用頻度ナンバーワンの無残一閃。名前に無残と付いてはいるが、言うほど無残ではねぇ。スッパリと首が綺麗に飛ぶからな。
詠唱が終わるよりも早く、サラサスとシソの首が回転しながら空中に刎ね飛んだ。
「うわぁぁぁ!!」
セリススは小便を漏らしてへたり込んだ。
小便を漏らす奴を見ると、頭の片隅でピンク髪の猫人の顔が浮かぶ。もうあの癖が治っているといいがな。
「あぁぁ、父さん・・・。叔母さん!」
一番つまらなそうな終わり方を選んでやったぜ。そう、中途半端な終わり。実に尻切れトンボ。親だけ殺して子を残す。
俺は二人の首を掴んではポイポイ投げた。落ちた先の草むらで、肉と頭蓋骨の汚い爆発が二回起きて、セリススは更に悲鳴を上げた。
そんなセリススの首に俺は魔法のペンダントをかける。
「ここで生き延びたお前が、将来何をするかは知らねぇが、姿だけは変えておいたほうがいいな」
【完璧なる変装】という魔法が永続的にかかったマジックアイテムを外したので、勿論俺の姿は悪魔の姿に戻り、セリススの姿は地走り族に変わった。
俺は国境騎士を穿孔一突きで建物ごと貫いて殺すと、道の先を指さす。
「道を真っ直ぐ行けば途中で森が見えてくるから、森へ続く道へ進め。そしたら砦が見えてくるだろうよ。そこにいる騎士かスキュラに、ガノダとキリマルの知り合いだと言え。そうすればお前の居場所ぐらいは作ってくれる。ただ自分が何者かは言うな。絶対にだぞ。言えばお前の居場所はなくなる。二人の言う事を何でも聞いて真面目に働け。そして今日見た事は忘れろ。俺が憎ければ強くなってから探し出して殺せ。この通り俺は悪魔だからな・・・」
そう言って俺はセリススの小便溜にチラリと映った自分の影を見て驚く。
「あ?」
人の姿をしてねぇ。
なんだこのギザギザの裂けた口は。積み木で作った黒い鉄砲みたいな顔と首してんぞ! 目はどこだ? 目がねぇ! その代わり、顔に赤い筋があちこちにあって光ってる。なんだ? サイコフレームか? 感情が滾ると〇ニコーンガンダムみたいに変身するのか? 長い髪はどこいった?
俺が驚いてフリーズしていると、ズボンを濡らしたままの小僧が必死になって国境に向かって走っていく。余程この姿が怖かったようだ。
「どうなってやがる・・・」
そんな事も知らなかったの? といった雰囲気でアマリが話しかけてきた。
「キリマルは成長すればするほど悪魔の姿になっていく。人修羅本来の姿に。そのうち脚は獣のように曲がってつま先立ちみたいになり、武器としての私を必要としなくなる。なぜなら鋭くて長い爪が生えてくるから」
「まじか・・・。人格は勿論このままだよな?」
「そこまでは知らない」
なんてこった・・・。
その場に佇んで一時間程経ってから我に返り、真っ先に思い浮かんだのはチンコは残っているかどうかだった。ズボンに手を突っ込んでまさぐるとソレはあった。
「あった・・・」
ホッとしているとアマリがボソリと呟く。
「キリマルはおチンチンが本体。おチンチンさえ残っていればいい」
「殺すぞ」
俺はアマリの柄頭を軽く叩くと世界が歪み始めた。
そう、コズミックペンが新たな物語へと誘っているのだ。
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