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怒りの理由
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「ひぃぃー! 野生の怒り聖下が現れた!」
「野生の怒り聖下ってなんだよ。ポケモ〇か!」
オビオが謎のツッコミをピーターにしたが、ツッコんだその先にピーターはいない。ムクを連れて陰に潜ってしまったからだ。
いつも冷静で自信満々な顔をしている聖下が、こんなに怒るなんて珍しい。ピーターが悲鳴を上げるのも、仕方ねぇ。
「ほら、謝れよ! オッサン! 俺たちの神を貶すからこうなるんだ。聖下は俺らが束になっても勝てない相手だぞ!」
俺はオッサンに謝罪を促す。
「ふん。あの程度で怒るなど、狭量な神だな。俺が力を試してくれるわ」
黒いアーマーボディスーツ(と言っても、殆ど全身タイツみたいな服に見える)に紫電を纏わせる聖下に、オッサンは飛びかかった。馬鹿な事を・・・。
相手はカウンターの達人。
オッサンは腕を掴まれると、簡単に投げ飛ばされて、中庭の壁に頭から激突した。
頭蓋骨が潰れているんじゃないかと冷や冷やしたが、ギャグ絵草子みたいに壁にめり込んでいるだけだった。不思議だぜ。
「何やってんだよ、ヒジリ聖下。ここまでやらなくてもいいだろ」
オビオがめり込んだオッサンを引っ張り出して、拳を頭上で振り回して現人神に抗議する。
「ん? 何かが飛んできたら、投げ飛ばすのが、世の常だろう」
「そんな世の常なんてねぇよ!」
あれ? もう怒ってないぞ。そういや、この神は感情がコロコロと変わるのだった。
オッサンは、パンの癒しの祈りで回復した。壁に激突した割に大した怪我はない。で、胡散臭いと言った事を後悔したんだろうな。聖下を神と認識しその御前で跪いている。
「申し訳ありませんでした、現人神様。無礼の数々をお許しください」
あの一投げで、聖下の実力を推し測ったオッサンも凄いな。いや、手のひら返しの早さが凄い。
「いいだろう。なんの謝罪だか分からんが、受け入れよう」
相変わらず囁くような、それでいて芯のあるミステリアスな声だ。
「で、何で怒ってたんだ?」
オビオが、ビャッコのオッサンに肉人のジャーキーを渡しながら、聖下に尋ねる。
「それだ! オビオ。もう腹が立ってな、勢い余って感情制御装置が壊れてしまったのだ」
「そこまで怒るなんて、相当ですよ。何に腹を立ててんですか? 聖下」
「奴らが、ビーム武器を使っているのだ」
おお、丁度その話をしていたところだ。奴らが誰なのか気になるぜ。
「奴らって? それに、よくここまで転移できましたね。遮蔽装置の霞の影響は大丈夫なんですか?」
「怒り狂って、それどころじゃなかった」
ここでやっとウメボシが口を開いた。ため息と同時に。
「ハァ。私は止めたのですが、マスターが無理やりカプリコンに、転移ビームを照射するよう命令したんです」
「奴らの事で?」
「そうだ。奴らとはドラコニアン。オビオの報告にあった異星人だ」
ドラコニアン? 神の国で戦ったあいつか。 確かセブンって名前のヤツがいたな。
「じゃあ、一掃すればいいじゃないですか。未だにビーム兵器を使っているような奴らですよ?」
一掃だと? 簡単に言うなよ、オビオ。相手は得体のしれん武器を使う連中だぞ。
「そう思ってな。一度、地球政府に報告をしたのだ。悪意ある異星人が、惑星ヒジリを狙っているので、交戦許可をくれと。そうしたら、政府はなんと答えたと思う?」
「まぁ、大体想像はつきますよ。異星人の事は地球政府が引き受けるとかなんとかで、許可が下りなかったんでしょう?」
「そうだ!! マザーは平和ボケし過ぎている。こうしている間にも、侵略は進んでいるというのに!」
なんか分からんが、神の国も色々問題を抱えているという事か。
「勿論、地球政府は、ドラコニアンと接触を試みたのですよね?」
「ああ。だが、ドラコニアンは呼びかけに対して無視を決め込んでいる。そして、厄介な事に彼らが拠点にしているのが、この星だという事だ。つまり、この星から奴らを引っ張り出さないと、地球側のテーブルに着く事はないのだ」
「でも、惑星ヒジリの支配権は聖下にある。対処はしないといけない。なのに地球政府は手出しはするなと」
え、この星の支配権は聖下にあるのか? まぁ神だからそれはそうか。他の神は一体どこにいるんだ?
「その通り。早く対処しろと言ったのだが、善処するで終わり。だから癇癪を起したのだ。で、シルビィの情報提供にあった国―――、獣人国レオンに飛んで来たてみたら、オビオがいたというわけだ」
「隊長の情報? 俺らは、なんも聞いてないですよ?」
「あぁ、そうだろうな。最近の出来事だからな。シルビィがとある件で見つけた、ビームダガーを持ってきてくれたのだ。それに触れて即座に検討がついた。これはノーム製の物ではないと。何せ、ノームの武器にも何かしらのエネルギー源にマナが使われているからな。私が魔法の武器に触れば壊れるのだが、そのビームダガーは壊れなかった」
「つまり、ドラコニアンの作った物であると」
「そうだ。地球のヴィランが作った可能性も疑い、調べてみたが、仕組みや部品が地球のそれとは違った」
「で、どうするんです?」
「どうする事もできないだろうな、私やウメボシは。勿論、君もだ。オビオ」
「俺もかよ・・・」
暫く沈黙が流れる。オビオが加勢してくれないのは困るぜ。俺ぁ、こいつのドラゴン化に期待してたんだが。
「それでは・・・」
柱の影から、見覚えのない猫人が二人現れた。
「現人神様もその眷属も、この件に手出しできないという事かニャ?」
「そうだが、君たちは誰かね?」
腕を組んだ聖下が、片目だけで二人を見ている。
この声、聞き覚えのあるぞ。ニャットだ!
ニャットとニャンゾウに警戒したオッサンが身構えたが、俺が手で制す。
「こいつらは、俺の知り合いだ。というか、シルビィ隊の隊員だ」
「なに? あの王国近衛兵騎士団独立部隊の騎士だと!」
まぁ、ビャッコのオッサンが激高するのも無理はねぇ。シルビィ隊は、その昔、獣人国レオンの村々を焼き払った連中だからな。
でも、厳密に言えば、オビオやサーカもシルビィ隊に属しているんだがよ。それは気にしないんだな、オッサンは。
「おっと、待つニャ。私たちは例の件には参加していないニャ。まだ新参者だからニャ」
「関係ねぇ! まず、ぶん殴らせろ!」
「ジャイアニズムか!」
またオビオがわけの分からんツッコミを入れている。
「落ち着きたまえ、ビャッコ族長。殴って全ての問題が解決するわけではなかろう?」
「ぐむぅ。聖下がそう仰るのなら、この拳、下ろすとしましょう」
「さっきまで、怒り狂っていた人が『落ち着きたまえ』とは滑稽ですね、マスター」
嫌味を言っているのに、全く嫌味に聞こえない清涼な声のツッコミが入った。聖下はウメボシのツッコミに口を真一文字にして、何も言い返せないでいる。
そんな事はどうでもいいか。まぁ、無駄に血が流れなくて良かった。
「助かったニャ、聖下。ビャッコなんかに殴られたら、私は死ぬニャ」
「君たちはいつから、私たちの話を聞いていたのかね? シルビィの命令はなんだ?」
「話を聞いていたのは、丁度、聖下が現れた頃ニャ。シルビィ様はただ情報収集をしろと仰ってましたが、私たちはスルターンの後ろに、何者かがいるのではないかと思って、探っていたところだニャ」
勘が鋭いな。勘の良さだけで言えば、オビオ並みじゃないか? この二人は。
「聖下のお陰で、その何者かが分かりました。感謝するでござる」
「ふむ、一応名前を聞いておこうか。まずは白髪にピンクのリボンをしている君からだ」
ん? 聖下はニャットを見てそう言った。ニャットの現在の姿は虎柄の猫人だ。あぁ、そうか。聖下には魔法が通じないんだった。という事は二人の真の姿が見えているという事か。
「一応、この国ではニャットと名乗っておりますが、本名はマリー・マリソンです」
「覆面の君は?」
猫人のニャンゾウは覆面などしていない。
「ニャンゾウと名乗っておりますが、真の名はシンゾウです。元裏側の」
「ウメボシ、実際にいる隊員かどうか、照会を頼む」
「はい。問題ありません。二人ともシルビィ隊の隊員です」
どうやって身元を調べたのか分からねぇが、仕事が早いな、ウメボシは。
「野生の怒り聖下ってなんだよ。ポケモ〇か!」
オビオが謎のツッコミをピーターにしたが、ツッコんだその先にピーターはいない。ムクを連れて陰に潜ってしまったからだ。
いつも冷静で自信満々な顔をしている聖下が、こんなに怒るなんて珍しい。ピーターが悲鳴を上げるのも、仕方ねぇ。
「ほら、謝れよ! オッサン! 俺たちの神を貶すからこうなるんだ。聖下は俺らが束になっても勝てない相手だぞ!」
俺はオッサンに謝罪を促す。
「ふん。あの程度で怒るなど、狭量な神だな。俺が力を試してくれるわ」
黒いアーマーボディスーツ(と言っても、殆ど全身タイツみたいな服に見える)に紫電を纏わせる聖下に、オッサンは飛びかかった。馬鹿な事を・・・。
相手はカウンターの達人。
オッサンは腕を掴まれると、簡単に投げ飛ばされて、中庭の壁に頭から激突した。
頭蓋骨が潰れているんじゃないかと冷や冷やしたが、ギャグ絵草子みたいに壁にめり込んでいるだけだった。不思議だぜ。
「何やってんだよ、ヒジリ聖下。ここまでやらなくてもいいだろ」
オビオがめり込んだオッサンを引っ張り出して、拳を頭上で振り回して現人神に抗議する。
「ん? 何かが飛んできたら、投げ飛ばすのが、世の常だろう」
「そんな世の常なんてねぇよ!」
あれ? もう怒ってないぞ。そういや、この神は感情がコロコロと変わるのだった。
オッサンは、パンの癒しの祈りで回復した。壁に激突した割に大した怪我はない。で、胡散臭いと言った事を後悔したんだろうな。聖下を神と認識しその御前で跪いている。
「申し訳ありませんでした、現人神様。無礼の数々をお許しください」
あの一投げで、聖下の実力を推し測ったオッサンも凄いな。いや、手のひら返しの早さが凄い。
「いいだろう。なんの謝罪だか分からんが、受け入れよう」
相変わらず囁くような、それでいて芯のあるミステリアスな声だ。
「で、何で怒ってたんだ?」
オビオが、ビャッコのオッサンに肉人のジャーキーを渡しながら、聖下に尋ねる。
「それだ! オビオ。もう腹が立ってな、勢い余って感情制御装置が壊れてしまったのだ」
「そこまで怒るなんて、相当ですよ。何に腹を立ててんですか? 聖下」
「奴らが、ビーム武器を使っているのだ」
おお、丁度その話をしていたところだ。奴らが誰なのか気になるぜ。
「奴らって? それに、よくここまで転移できましたね。遮蔽装置の霞の影響は大丈夫なんですか?」
「怒り狂って、それどころじゃなかった」
ここでやっとウメボシが口を開いた。ため息と同時に。
「ハァ。私は止めたのですが、マスターが無理やりカプリコンに、転移ビームを照射するよう命令したんです」
「奴らの事で?」
「そうだ。奴らとはドラコニアン。オビオの報告にあった異星人だ」
ドラコニアン? 神の国で戦ったあいつか。 確かセブンって名前のヤツがいたな。
「じゃあ、一掃すればいいじゃないですか。未だにビーム兵器を使っているような奴らですよ?」
一掃だと? 簡単に言うなよ、オビオ。相手は得体のしれん武器を使う連中だぞ。
「そう思ってな。一度、地球政府に報告をしたのだ。悪意ある異星人が、惑星ヒジリを狙っているので、交戦許可をくれと。そうしたら、政府はなんと答えたと思う?」
「まぁ、大体想像はつきますよ。異星人の事は地球政府が引き受けるとかなんとかで、許可が下りなかったんでしょう?」
「そうだ!! マザーは平和ボケし過ぎている。こうしている間にも、侵略は進んでいるというのに!」
なんか分からんが、神の国も色々問題を抱えているという事か。
「勿論、地球政府は、ドラコニアンと接触を試みたのですよね?」
「ああ。だが、ドラコニアンは呼びかけに対して無視を決め込んでいる。そして、厄介な事に彼らが拠点にしているのが、この星だという事だ。つまり、この星から奴らを引っ張り出さないと、地球側のテーブルに着く事はないのだ」
「でも、惑星ヒジリの支配権は聖下にある。対処はしないといけない。なのに地球政府は手出しはするなと」
え、この星の支配権は聖下にあるのか? まぁ神だからそれはそうか。他の神は一体どこにいるんだ?
「その通り。早く対処しろと言ったのだが、善処するで終わり。だから癇癪を起したのだ。で、シルビィの情報提供にあった国―――、獣人国レオンに飛んで来たてみたら、オビオがいたというわけだ」
「隊長の情報? 俺らは、なんも聞いてないですよ?」
「あぁ、そうだろうな。最近の出来事だからな。シルビィがとある件で見つけた、ビームダガーを持ってきてくれたのだ。それに触れて即座に検討がついた。これはノーム製の物ではないと。何せ、ノームの武器にも何かしらのエネルギー源にマナが使われているからな。私が魔法の武器に触れば壊れるのだが、そのビームダガーは壊れなかった」
「つまり、ドラコニアンの作った物であると」
「そうだ。地球のヴィランが作った可能性も疑い、調べてみたが、仕組みや部品が地球のそれとは違った」
「で、どうするんです?」
「どうする事もできないだろうな、私やウメボシは。勿論、君もだ。オビオ」
「俺もかよ・・・」
暫く沈黙が流れる。オビオが加勢してくれないのは困るぜ。俺ぁ、こいつのドラゴン化に期待してたんだが。
「それでは・・・」
柱の影から、見覚えのない猫人が二人現れた。
「現人神様もその眷属も、この件に手出しできないという事かニャ?」
「そうだが、君たちは誰かね?」
腕を組んだ聖下が、片目だけで二人を見ている。
この声、聞き覚えのあるぞ。ニャットだ!
ニャットとニャンゾウに警戒したオッサンが身構えたが、俺が手で制す。
「こいつらは、俺の知り合いだ。というか、シルビィ隊の隊員だ」
「なに? あの王国近衛兵騎士団独立部隊の騎士だと!」
まぁ、ビャッコのオッサンが激高するのも無理はねぇ。シルビィ隊は、その昔、獣人国レオンの村々を焼き払った連中だからな。
でも、厳密に言えば、オビオやサーカもシルビィ隊に属しているんだがよ。それは気にしないんだな、オッサンは。
「おっと、待つニャ。私たちは例の件には参加していないニャ。まだ新参者だからニャ」
「関係ねぇ! まず、ぶん殴らせろ!」
「ジャイアニズムか!」
またオビオがわけの分からんツッコミを入れている。
「落ち着きたまえ、ビャッコ族長。殴って全ての問題が解決するわけではなかろう?」
「ぐむぅ。聖下がそう仰るのなら、この拳、下ろすとしましょう」
「さっきまで、怒り狂っていた人が『落ち着きたまえ』とは滑稽ですね、マスター」
嫌味を言っているのに、全く嫌味に聞こえない清涼な声のツッコミが入った。聖下はウメボシのツッコミに口を真一文字にして、何も言い返せないでいる。
そんな事はどうでもいいか。まぁ、無駄に血が流れなくて良かった。
「助かったニャ、聖下。ビャッコなんかに殴られたら、私は死ぬニャ」
「君たちはいつから、私たちの話を聞いていたのかね? シルビィの命令はなんだ?」
「話を聞いていたのは、丁度、聖下が現れた頃ニャ。シルビィ様はただ情報収集をしろと仰ってましたが、私たちはスルターンの後ろに、何者かがいるのではないかと思って、探っていたところだニャ」
勘が鋭いな。勘の良さだけで言えば、オビオ並みじゃないか? この二人は。
「聖下のお陰で、その何者かが分かりました。感謝するでござる」
「ふむ、一応名前を聞いておこうか。まずは白髪にピンクのリボンをしている君からだ」
ん? 聖下はニャットを見てそう言った。ニャットの現在の姿は虎柄の猫人だ。あぁ、そうか。聖下には魔法が通じないんだった。という事は二人の真の姿が見えているという事か。
「一応、この国ではニャットと名乗っておりますが、本名はマリー・マリソンです」
「覆面の君は?」
猫人のニャンゾウは覆面などしていない。
「ニャンゾウと名乗っておりますが、真の名はシンゾウです。元裏側の」
「ウメボシ、実際にいる隊員かどうか、照会を頼む」
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