史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます

白い彗星

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第十章 魔導学園学園祭編

666話 久しぶりの生徒会

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「さて、いきなりの呼びかけに応じてもらって、まずは感謝する」

 翌日。コロニアちゃんが言っていた通り、来週から学園が再開すると連絡があった。
 その直後。学園から支給されている私の端末にゴルさんからの連絡が入り、生徒会室へとやって来た。

 そこにいたのは、私に、いや私たちに連絡を送ってきたゴルさん……ゴルドーラ・ラニ・ベルザはじめ……

「なーんか、こうしてみんなで生徒会室に集まるのも久しぶじゃんね」

 タメリア・アルガ先輩。

「集まるにしても、ほとんどがゴルっちの入院先の病室じゃったからのぅ」

 メメメリ・フランバール先輩。

「それでは、まず紅茶を淹れますね」

 リリアーナ・カロライテッド先輩。

「またこうして集まれて、嬉しいです」

 シルフィドーラ・ドラミアス先輩。

 生徒会のメンバーが、ずらりと集まっている。
 先輩たちが言うように、このメンバーで生徒会室に集まるのも、なんだかとっても久しぶりな気がする。

 紅茶なら私が、とも申し出たけど、リリアーナ先輩は自分がやるからと言って譲らなかった。
 久しぶりに自分の手でみんなに紅茶を出したいのだとか。

「さて、早速本題に入ろう。今日集まってもらった理由は、来週から再開する学園について、だ」

「ま、それしかないだろねー」

 椅子に深く腰掛け、タメリア先輩がうなずく。
 この時期に生徒会メンバーに招集をかけるということは、まあそういうことだ。

「まだ一般生徒たちには通達してはいないが、学園が再開してから初めの行事として学園祭を行う」

「ほほぉ、楽しみじゃのう」

「えぇ。最後ですから、中止になったらどうしようかと思いました」

 学園祭開催の話に、メメメリ先輩が笑いリリアーナ先輩が小さくうなずく。
 そう、先輩たちにとっては最後の学園行事だ。あんな訳の分からない事件のせいで中止になったら、かわいそうなんてもんじゃない。

「一般生徒にはまだ、知らせていないのですか?」

「学園が再開した際、式で教員から説明があるだろう。
 今知らせても、皆になにができるというわけでもないしな」

 シルフィ先輩の質問にゴルさんが首を振る。
 今みんなに知らせても、学園祭の楽しみが膨らむだけでできることはなにもない。

 ならば、学園再開と同時に知らせるほうがいいと。
 再開したら、とりあえずはみんなで集まることになっている。そこで先生からいろいろ話があるんだろう。

 一方で、私たちにはできることがある。生徒会だから。

「なら、学園が再開してからスムーズに進められるように、あらかじめ我々で諸々準備しておこうということですね」

「そういうことだ」

 私は一年生だし、生徒会メンバーになった期間も短い。だから、とりあえずみんなの指示に従うだけだ。
 スケジュールを決めたり、場所の設営を考えたり、やることはたくさんある。

 話が進められていく中で、目の前にコト……とカップが置かれた。

「ありがとうございます」

「いえ」

 リリアーナ先輩が、淹れてくれた紅茶をみんなに配っていたのだ。
 うーん、久しぶりの先輩の紅茶……いい匂い。

 私も、師匠のとこでずっとお茶を淹れてきたりはしたけど……リリアーナ先輩は、そういう育ちって感じだから上品と言うか、味が全然違うんだよね。悔しいけど。

「やはり、リリアーナの紅茶は最高だな」

「っ、光栄です」

 あ、ゴルさんに褒められて照れてる。照れてるの必死に隠そうとしてる。
 クールな先輩のああいう姿、とてもいい。

 さて、話し合いが進む中で、とりあえず私はうんうんとうなずいていた。
 ゴルさんが話す内容にはやっぱり説得力のようなものがあるし、他のみんなもうなずいて聞いている。

「……というスケジュールで動こうと思うが、異論はあるか?」

「いやぁ、さすがというか、わしらがなにを言うより先に全部まとめとるのう」

「さっすが、歴代二年連続生徒会長は違うねぇ」

 そう、ゴルさんは二年生から、二年連続で生徒会長を務めている。歴代初って話だ。
 つまり、去年の学園祭でも同じような立場だったわけだ。

「去年の仕事で慣れた、というのはあるかもしれないな。それに、入院期間は暇だったので学園祭のことも含め考えを巡らせていた」

「巡らせないでいいので休んでください」

 あれよあれよと展開が進み、正直私の脳内はパンク寸前なわけだけど……
 みんな賛成してるし、楽しくなりそうならオッケーだ。

 ゴルさんが事前に考えてくれていたおかげで、スムーズにいったのはあるだろう。
 それでも、ちゃんと療養してほしいものだけど。

「休むといえば、ゴルさんはもう体は問題ないの?」

「あぁ。迷惑をかけたな」

「私は別にかけられてないけど……」

 ゴルさんは魔物にやられて重傷を負ったって話だ。しかも人を庇って。
 その間の出来事は、私はこの国にいなかったんだから聞いた話でしかない。

 それでも、元気になったっていうのなら、よかった。

「そうだ……これも一応、話しておいたほうがいいか」

「ん?」

 ふとなにかを思い出したようにして、ゴルさんがみんなの顔を見る。
 それはどこか、真剣な顔だ。さっきも真剣だったけど、それ以上。

「俺は、学園卒業後正式に王位を継ぐことになる」

 それは、昨日コロニアちゃんが言っていたこと。
 でも、それを……本人の口から言うことが、どれだけの意味を持っているか。この場にいる全員が、わかっているはずだ。
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