史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます

白い彗星

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第十一章 使い魔召喚編

850話 新たな人材を

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 とりあえず、動機こそ不純なものもあるけどノマちゃんが生徒会に入ってくれる可能性があるというのは、私としてもありがたい。
 コーロランへの気持ちについては、まあまた考えるということで……事態が事態だけに慎重にならないとね。

 で、その翌日。

「うわぉ」

 教室に行くと、そこではみんなが使い魔と戯れている姿があった。
 教室内なのであんまり多くは出せないけど、小さいモンスターとか出して遊んでいる形だ。

 私は自分の席に向かいつつ、その光景を見ていた。

「なんか、一気ににぎやかになったねぇ」

「昨日の今日だから、それも当然でしょう」

「クレアちゃん」

 私に声をかけてきたクレアちゃんは、肩にこうもりを乗せている。
 なんだかんだ言ってても、仲良さそうじゃん。

「どう、その子とは」

「あぁ……なんでか、サリアがめちゃくちゃうらやましがってたわ」

 苦笑いを浮かべながら、クレアちゃんは言った。どうやらルームメイトのサリアちゃんが、思ったよりもこうもりに興味津々だったらしい。

 サリアちゃんかぁ……師匠のめっちゃファンだったり、ちょいちょいお話することもあるけど。とてもいい子だ。
 その子の美的センス的に、クレアちゃんの使い魔はめっちゃいいみたいだ。

「よかったじゃん、怖がられるよりさ」

「ま、正直それも覚悟していたからそれよりは全然いいんだけどね」

 せっかく使い魔を召喚しても、同室の子に怖がられたんじゃ……あんまりだからなぁ。
 使い魔は契約者の次に、契約者と同室の子と接する機会が多いと言えるし。

 だから同じ部屋の子に使い魔を怖がられちゃったら……ちょっと、やりにくくなっちゃうかもしれないもんね。

「おいお前ら、使い魔を出すな」

 それから先生が来て、騒がしかった教室は静かになる。
 やっぱすごいな。すぐにみんなを静かにしちゃうなんて。

 昨日はほとんど外にいたから、今日の座学はいささか退屈に思えた。
 だけど、その内容は使い魔に関するものだったから、みんなわりと興味津々に聞いていた。

「さて……フィールド、ちょっと来い」

 そして授業が終わり先生に呼び出された。

「なんです?」

「いや……生徒会のことでな。本当なら顧問やウーラストに任せるところだが、ウーラストは赴任したばかり。顧問に至っては今学園を留守にしている」

 どうやら、話は生徒会長関連のことだ。
 これも昨日の今日だけど、ゴルさんあたりが話をしてくれたのだろうか。

 確かに、生徒会とは関係ない先生が話すことでもないけど……副顧問のウーラスト先生は、教育実習生で来たばかりだ。

「あの、私生徒会の顧問と会ったことないんですけど。実在してるんだよね?」

「なに、そうなのか。あぁ、ちゃんといるから安心しろ。めったに顔を出さないだけで」

 それはもはや顧問と言えるのだろうか。
 というか、私が生徒会に入ってから今日まで会ったことがないの、わりと問題だと思うの。

 まあ、それでちゃんと回っていたんだから、別にいいんだけどさ。

「本来なら、来年度に新入生が生徒会に入る可能性はあるが……そうでなくても、三年生が卒業したら残っているのはお前と、ドラミアスだけだ。
 なので同学年から、何人か募った方がいいと思ってな」

 やっぱり、人数のことか。残るのは二人だけだもんなぁ。
 その上、もしも誰も入ってこなかったりしたら……悲惨だ。

「どうだ、誰か入れようと考えているやつはいるのか?」

「一応、入ってくれそうな子はいますよ。シルフィ先輩にも話してみるつもりですけど」

「そうか。ま、お前は妙に人脈が多いからな……一年とはいえ、なんとかなるだろうな」

 それから一言二言交わしてから、先生は去っていく。

 それにしても、指摘されて気づいたけど……顧問も副顧問も、頼りにならないなぁ。
 特に顧問に関しては、私は顔も見たことないし。ゴルさんたちが言うには、存在はしているみたいだけど。

 もしかしてこのまま、顔を見ることもなく過ぎて行ったりして。なんてね。

「おい、エラン」

「ん?」

 後ろから声がしたので、振り向くと……そこには、神妙な顔をしたダルマスがいた。

 普段怖い顔だけど、こうして真面目な顔をしていると……やっぱり怖いな。
 いや、それよりもだ。

「どうかした?」

「……今、先生と話していたことだが……」

 わざわざ教室の外に出てまで、私に話しかけてくれたんだ。なにか用事があるはず。
 そう思って問いかけると、さっきの話を聞いていたらしいことを返してくる。

「……俺も、生徒会に立候補してもいいか」

「へ……?」

 さっきの話を聞いて、その件で話しかけてきた。その時点で、話題は絞られている。
 だけど……まさかそんなことを言われると思わなかったので、私は間の抜けた声を出してしまう。

 俺も、って……だ、ダルマスが生徒会に立候補?

「だめか?」

「え、あ、だめってことはないと思うけど……なんで、私に?」

「……話が聞こえたのと、前々から興味があったからな。現役員のお前に話を通した方が、話が進むと思ったからな」

 話が聞こえたって、わざわざここに来なければ聞こえるもなにもないと思うけど……まあ、それはいいか。

 それにしても、ダルマスが生徒会の活動に興味があるなんて知らなかったな。
 ダルマスなら、見た目こんなんでもちゃんとしてるし……結構、いい人材なんじゃないだろうか。
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