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王国潜入
513:首狩り・再び
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「またここに戻って来たな」
「思ったよりも早くこれましたね」
再び国境を越えた俺たちは、またも王都の近くにある森へとやって来ていた。
今回は途中の村などに止まることもなく、できる限り早く前に進むことを優先したために、最低限の安全を確保しつつもほぼ直進で走ってきた。
あとは例の装置がある村に行って破壊するだけだが、ここまでろくな休憩を挟まずに走ってきたので、俺たちの調子は万全とは言い難い。
……まあ、あくまでも俺と環の調子であって、イリンはまだまだ元気そうだけど。
それはともかくとして、そんなわけで俺たちは以前作った洞窟というか小部屋で休んでいた。
「でも、他の所は大丈夫かしら?」
「……エルミナ達か」
俺たちを進ませるために代わりにあの隊長と戦ってくれたエルミナだが、本当に大丈夫だろうか?
……いや、あの場には他にも冒険者がいたし、なんなら少し離れた場所にはボイエンがいた。危うい所はあるかもしれないが、負けることはないだろう。
「そっちもだけど、獣人国の方も攻められてるんでしょ?」
「更に言うなら、おそらくは教国も、だな。この国の周りを囲んでる三つのうち二つに仕掛けたんだ。残る一つだけ放置ってのは考えづらくないか?」
これで教国がミアではなく教皇を頭として支配できていたのなら確実に攻めていかないと断言できるが、生憎と、今の教国はこちら側だ。
「ですが、なにをしたいのかが良くわかりませんね。複数の戦場を抱えると言うのは悪手です」
「だな。考えとしては……俺たちの反応を見てる可能性か? 俺たちがいるところに自分たちの勇者をぶつけて復讐する、とか。ほら、国境で突っかかってきた警備隊長はかなりキレてたし、なくはないと思うんだ」
あの隊長が俺のことを恨んでるからって王女様もあんな風に怒り狂うってわけでもないけど、あの様子を見てると、色々と計画を邪魔された王女様が次の計画に移る前に邪魔者である俺を消そうとしてる、とも考えられる。
だが、イリンはそんな俺の考えに疑問の声を出した。
「あるかとは思いますが、果たして一国を動かすものがそのような理由で今回の様な『全国民の洗脳』などと言うことをするでしょうか? とはいえ、私は件の王女というのを直接見たことはないので確かなことは言えませんが」
「言われてみればそうなんだが、あの王女様の場合はどこかやりそうな雰囲気があったんだよな……」
冷静に考えれば、そう。イリンの言う通り、為政者がそんなことのために国を動かすか? ってなる。それも危険な方に舵を切るのであれば、その程度の理由では足りない気はする。
だがそれでも、あの王女様は目的のためならやりそうな狂気を感じられた。
「あるいは、敵の戦力を削って余計なことをできないようにすると言うのはどうでしょう? 度重なる作戦の失敗によって自国が疲弊している今、他国に攻められてはまずい。ならば自国以上に周囲の国々を疲弊させてしまおうと考えたのでは?」
「疲弊か……」
度重なる作戦の失敗って、だいたい俺のせいじゃないか?
いやまあ、それで俺が悪いとは思わないけど。だって、どう考えても悪いのはあっちだし。
流石に他国を滅ぼそうとしたりするのを止めるのは悪いことじゃないよな? 攻める方が悪いよな?
「操った国民を攻めさせて敵国の戦力を集め、その場所に勇者を送ることで一気に数を減らす。それができれば疲弊させることは可能かと思います。少なくとも、敵の兵士の数を減らし、時間は稼げます」
うーん。俺を排除するため、ってよりはそう考えた方がしっくりくるか。
まあ、どうせやるんだったらそれだけじゃなくて俺の排除も一緒に考えてるだろうけど。
「……時間稼ぎ、とかどう?」
「え?」
そう考えていると環が口元に手を当てながら言ったが、その意味がわからなかった。
時間稼ぎって答えは今イリンが言ったばかりだ。なんで環はそのことを繰り返した? 聞いてなかった……てのはないだろうし……。
そんな俺の疑問によって溢れた声を聞いて、環は自分の考えを説明し始めた。
「戦いの副産物としての時間稼ぎじゃなくて、最初から時間稼ぎを目的としての進行だったらどう?」
「戦いの目的そのものが時間稼ぎだったらか」
「そう思った理由はなんですか?」
「だってそうでしょ? いくら国民全てが命を惜しまない駒として使えるって言っても、分散させてたらその効果だって下がるもの。全国民を一箇所に集めて攻め落として、そのまま首都を落とした方がいいんじゃない? それをしなかったってことは、最初から攻める気がなかったからじゃないかなって」
環の言いたいことはわかる。イリンも言っていた様に、複数の戦場を同時にってのは危険なことだし、仕掛けられたのならともかくとして、自分から仕掛けるべきではない。
もし他国を襲うのであれば、戦力をまとめて一気に襲いかかった方が良いに決まってる。
だが、今回の王国に限っては少々事情が違う。
「ですが、その場合は洗脳が永遠に続く、と言う前提がなければ成り立ちません。王国は国を囲っている結界と連動することで洗脳をかけているようですが、国外に出てしまえばいずれ洗脳は解けてしまうはずです」
そうだ。王国が国民全員、なんて馬鹿みたいな数を洗脳してられるのは、大掛かりな準備をしているからだ。
俺にかけられた洗脳の障害が国を出てしばらくしたら消えた様に、今洗脳されている人たちだって王国を出てから数日もすれば元に戻るだろう。
「あ、そっか」
「可能性としては洗脳が解ける前に首都を攻め滅ぼし、洗脳の魔術具を設置して国全体を支配下に置く。もしくは、進みながらも洗脳の魔術具を設置していき、洗脳が切れないようにするということができれば可能ですが、洗脳という特殊な魔術具がそんなことができるほどに数があるのかわかりませんし、設置するにしてもそうすぐにできるとは限りません」
多分無理だろうと思う。国全体を覆う様な魔術の装置をそう何個も用意できるとは思えないし、範囲を限定した物であったとしても、何十と用意できるとも思えない。
仮に物が用意できたとしても、それを置いておしまい、とはならないだろう。なにかしらの準備があるはずだが、それが完了するまでに洗脳が解ける可能性だってある。
洗脳が解けるか、新たな洗脳をかけるかどっちが早いのか、なんてチキンレースはしないはずだ。
「そもそも、時間を稼ぎたいのなら攻め込まなければ良かったはずです」
まあそうなんだよな……そのうちは王国の周りにある三つの国が手を組んで攻めたかもしれないけど、それまでは時間があった、ってことでもある。
「けど、考え方としてはそれもありだろ。もしかしたら本当に時間を稼いでいるのかもしれないと考えておくのは悪くない」
人が考えられる物事が起こる可能性は、それがどれほどあり得ないことだったとしても必ずしも起こらないとは限らない。
そんな感じの言葉を地球にいたときに聞いたことがあった。
だが、だとしたら環が考えたことだってあり得るかもしれない。だからそのことも考えの一つとして頭の中に入れておいても良いだろう。
「ならなんのために時間を稼いだのか、ですね」
「国民全員を魔族にするためっていうのはどう? 王国は人を魔族にすることができるみたいだし」
「いや、それはないと思う。あの王女様は『人間』と言う種族以外を毛嫌いしてるからな。利用することはあっても、自分の国民を全て魔族に、なんてのは考えづらい」
以前王国から魔族が送り込まれた事件があったが、だからといってあの王女様が自分の国に魔族がいることを認めるわけがない。
そもそも、今までの魔族だってどこから用意したのかよく分かってないし、国民全員を魔族にってのはないだろうと思う。
「……案外、失敗し続けて自暴自棄になったとか?」
「それならそれで良いのですが、あまり楽観はしすぎない方が良いかと」
だよなぁ。そんな単純な理由なら良いんだけど、ないだろうからなぁ……。
「とりあえず、ここで考えててもわからないし、村に行って洗脳の魔術具を破壊することからだな」
できるだけ早く洗脳魔術の装置は壊した方がいいし、もう十分休憩はとった。
それに、今は夜だ。やっぱり、襲撃をするんなら夜だろ。
「それで、ここまできたけど……地上に出たら私が思い切り魔術を使う、で良いのよね?」
俺たちは森の中に用意した拠点を出て、件の村のそばまで来ていた。
だが、だからといってなにも堂々と村の前に立っているわけではない。
例の如く、環の魔術によって人の居る方へと俺が収納を使って地下道を掘り進めてきたのだ。
この間も地下通路作ったし、炭鉱夫にでもなった気分だな。
だがこれで、洗脳魔術の装置のすぐそばまで来れたことに変わりはない。
「ああ。あれがどの程度で壊れるかわからないけど、流石にお前の本気なら壊せるだろ」
「万が一壊せなかった場合は私がやりますので、あなたが失敗しても平気です」
「舐めないでちょうだい。一撃で終わらせてみせるわ」
「それじゃあ、行くぞ」
そう言うと俺は地上への道を繋げ、そこから顔を出した環が魔術を構築していき、そして件の装置を中心に凄まじい音を轟かせて爆発が巻き起こった。
「どう?」
爆発の煙で視界が悪くなっているが、わずかに見えるシルエットは先ほどまで見えていたものとは比べ物にならないくらいに小さくなっていた。
俺も何度か手を握ったり開いたりと自分の体の調子を確認するが、先ほどまでよりもわずかではあったが負担が軽くなったのを自覚できた。
つまりは、装置の破壊に成功したってことだ。
「よし! このあとはこの場所を制圧するだけだ。二人とも、頼む」
「では行って参ります。お気をつけください」
「私も行くわね」
洗脳の装置を破壊したところで、全部終わったわけじゃない。
王国の戦力としてここを守っていた奴はいるだろうし、なんなら洗脳の魔術を使うやつだっているかもしれない。
少なくともここを制圧することで王国の戦力は削げるので、制圧は必須だ。
「やあやあ。またあったねぇ。元気してた?」
そうして二人の後を追って俺も地下道から完全に外に出て村を制圧しようと動き出したところで、この場には相応しくない様なことを言いながら正面から誰かがやってきた。
だれ……! いや、あれはっ──
「お前は……っ!」
「ん? 必死ぶりで名前忘れちゃった感じかね? なら改めて名乗ろうか。俺は──」
戯けた様子で首を傾げながらこちらへと近づいてくる相手に向けて、俺は収納から槍を射出した。
「おいおい、話の途中だろ? そんなにせっつくなよ」
だがそれはいとも容易く相手の持っていた盾に弾かれてしまった。
「……ベイロン。お前はなんでこんなところにいる?」
ベイロン。こいつは以前ギルド連合であった騒ぎの時に俺を殺しに来たやつだ。
あの時は逃げられたが、どうやら王国に来ていた様だ。
だが、ここは洗脳の魔術が国全体に広がっていると言うのに、ベイロンは洗脳されている様子がない。王国に……と言うよりあの王女様に雇われでもしたのだろうか?
「そりゃあ雇われたからに決まってんじゃん。ここを守れってね」
「ここがなんのためにあるのか、なにをしてるのか知ってるのか?」
「そりゃあね。守れって言っても、人か物か、どの程度の損害までなら許容できるかで守り方が変わるんだから、それを知らずに仕事を完全に果たせるわけないし」
そうか。知っててここを守るために行動してるのか。
ここで行なわれていることを知っていて、それでも尚協力するベイロンを見て俺は自分の表情が険しくなるのを自覚していた。
だがそんな俺の態度を見てもベイロンは相変わらず戯けた様子で飄々としている。
「ああ、そっちがなにを言いたいのかはわかってるよ。けどさ、報酬が良くて、大抵のものは用意してくれて、どれだけ人を斬っても女を犯しても誰からも文句を言われない。控えめに言って最高じゃね? ま、ちょっと街から離れてて騒がしさが足んないのが不満だけど」
「なら、殺されても文句はないよな?」
「あるね。あるから……抵抗させてもらうとするよ」
俺が武器を構えると、ベイロンも武器を構えた。
そしてベイロンは俺に向かって走ってくると、持っていた剣を振り上げて俺へと振り下ろした。
なんだ? 前回俺に攻撃しても無効化されたことを忘れた?
いや、そんなことがあるはずがない。ならなにかしらの対策をしてきたってことだろうけど……とりあえず、今はベイロンの攻撃を防がないと。
「そらっ!」
「ぐっ……ふっ!」
「おっと」
半信半疑ながらもベイロンの攻撃に合わせて剣を振るいベイロンの剣を迎撃するが、重い。
だがそれでもと、すぐさまベイロンの腹へと掌底を叩き込む。
相手の余裕の態度のタネが割れてないのに不用意に触るなんて危険ではあるが、それを承知で踏み込まなくては先に進めない。
だが、ベイロンの腹部へと掌底を叩き込みその部分にあったはずの鎧に触ったはずなのに、収納でしまうことができなかった。
「驚いた顔してるね。なんの対策もしてないと思った? するよ。するする。対策するに決まってんじゃん」
腹に攻撃を受けたベイロンは一旦その場から飛び退いて自分の腹部を確認すると、ニヤリと笑ってから俺へと顔を向けてそういった。
対策をしたと言うベイロンの言葉は、まあ良い。だが、具体的にはなにをしたんだ?
収納は無生物ならなんでもしまうことができる能力だ。それでしまうことができなかったってことは、鎧を生物にした? ……ないな。どう見てもアレは生き物じゃない。
あるとしたら、あの鎧をどうにかして自身と同化させたとか、そんな感じか? 以前魔族が自身の主と同化して無生物から生物へと変わった。それと同じ様なことをすれば、収納できなかったことにも一応の説明は付く。
だが、なんか違う気がする……。
「君の使う魔術は空間系。どれだけ武器や魔術で攻撃しても傷つけることはできない。……けど、それだって例外がある。空間系の魔術は、同じ空間系の魔術には効果がないんだよ。つまり、こっちも同じ様に魔術を使ってやれば、なんの問題もなく触れるってことだ」
そうか……そんな方法もあったな。そういえばケイノアの故郷であるエルフ達の里に行った時にも同じ様なことを言われたな。くそっ。
「まあ魔術って言っても、空間系の魔術なんて俺には使えないからもどきでしかないけど。でもそんな魔術未満の出来損ないなものでも、こうして自分への効果を無効化する程度なら問題はないんだよね。あとは純粋な勝負ってわけだけど……負ける気はしないねぇ」
ベイロンはそう言うと持っていた剣を改めて俺に向けて構え、それまでの戯けた笑みに加えて好戦的な笑みを混ぜて言い放つ。
「改めて自己紹介をしようか。『首狩り』のベイロン。その首、もらい受ける……なんてね」
「思ったよりも早くこれましたね」
再び国境を越えた俺たちは、またも王都の近くにある森へとやって来ていた。
今回は途中の村などに止まることもなく、できる限り早く前に進むことを優先したために、最低限の安全を確保しつつもほぼ直進で走ってきた。
あとは例の装置がある村に行って破壊するだけだが、ここまでろくな休憩を挟まずに走ってきたので、俺たちの調子は万全とは言い難い。
……まあ、あくまでも俺と環の調子であって、イリンはまだまだ元気そうだけど。
それはともかくとして、そんなわけで俺たちは以前作った洞窟というか小部屋で休んでいた。
「でも、他の所は大丈夫かしら?」
「……エルミナ達か」
俺たちを進ませるために代わりにあの隊長と戦ってくれたエルミナだが、本当に大丈夫だろうか?
……いや、あの場には他にも冒険者がいたし、なんなら少し離れた場所にはボイエンがいた。危うい所はあるかもしれないが、負けることはないだろう。
「そっちもだけど、獣人国の方も攻められてるんでしょ?」
「更に言うなら、おそらくは教国も、だな。この国の周りを囲んでる三つのうち二つに仕掛けたんだ。残る一つだけ放置ってのは考えづらくないか?」
これで教国がミアではなく教皇を頭として支配できていたのなら確実に攻めていかないと断言できるが、生憎と、今の教国はこちら側だ。
「ですが、なにをしたいのかが良くわかりませんね。複数の戦場を抱えると言うのは悪手です」
「だな。考えとしては……俺たちの反応を見てる可能性か? 俺たちがいるところに自分たちの勇者をぶつけて復讐する、とか。ほら、国境で突っかかってきた警備隊長はかなりキレてたし、なくはないと思うんだ」
あの隊長が俺のことを恨んでるからって王女様もあんな風に怒り狂うってわけでもないけど、あの様子を見てると、色々と計画を邪魔された王女様が次の計画に移る前に邪魔者である俺を消そうとしてる、とも考えられる。
だが、イリンはそんな俺の考えに疑問の声を出した。
「あるかとは思いますが、果たして一国を動かすものがそのような理由で今回の様な『全国民の洗脳』などと言うことをするでしょうか? とはいえ、私は件の王女というのを直接見たことはないので確かなことは言えませんが」
「言われてみればそうなんだが、あの王女様の場合はどこかやりそうな雰囲気があったんだよな……」
冷静に考えれば、そう。イリンの言う通り、為政者がそんなことのために国を動かすか? ってなる。それも危険な方に舵を切るのであれば、その程度の理由では足りない気はする。
だがそれでも、あの王女様は目的のためならやりそうな狂気を感じられた。
「あるいは、敵の戦力を削って余計なことをできないようにすると言うのはどうでしょう? 度重なる作戦の失敗によって自国が疲弊している今、他国に攻められてはまずい。ならば自国以上に周囲の国々を疲弊させてしまおうと考えたのでは?」
「疲弊か……」
度重なる作戦の失敗って、だいたい俺のせいじゃないか?
いやまあ、それで俺が悪いとは思わないけど。だって、どう考えても悪いのはあっちだし。
流石に他国を滅ぼそうとしたりするのを止めるのは悪いことじゃないよな? 攻める方が悪いよな?
「操った国民を攻めさせて敵国の戦力を集め、その場所に勇者を送ることで一気に数を減らす。それができれば疲弊させることは可能かと思います。少なくとも、敵の兵士の数を減らし、時間は稼げます」
うーん。俺を排除するため、ってよりはそう考えた方がしっくりくるか。
まあ、どうせやるんだったらそれだけじゃなくて俺の排除も一緒に考えてるだろうけど。
「……時間稼ぎ、とかどう?」
「え?」
そう考えていると環が口元に手を当てながら言ったが、その意味がわからなかった。
時間稼ぎって答えは今イリンが言ったばかりだ。なんで環はそのことを繰り返した? 聞いてなかった……てのはないだろうし……。
そんな俺の疑問によって溢れた声を聞いて、環は自分の考えを説明し始めた。
「戦いの副産物としての時間稼ぎじゃなくて、最初から時間稼ぎを目的としての進行だったらどう?」
「戦いの目的そのものが時間稼ぎだったらか」
「そう思った理由はなんですか?」
「だってそうでしょ? いくら国民全てが命を惜しまない駒として使えるって言っても、分散させてたらその効果だって下がるもの。全国民を一箇所に集めて攻め落として、そのまま首都を落とした方がいいんじゃない? それをしなかったってことは、最初から攻める気がなかったからじゃないかなって」
環の言いたいことはわかる。イリンも言っていた様に、複数の戦場を同時にってのは危険なことだし、仕掛けられたのならともかくとして、自分から仕掛けるべきではない。
もし他国を襲うのであれば、戦力をまとめて一気に襲いかかった方が良いに決まってる。
だが、今回の王国に限っては少々事情が違う。
「ですが、その場合は洗脳が永遠に続く、と言う前提がなければ成り立ちません。王国は国を囲っている結界と連動することで洗脳をかけているようですが、国外に出てしまえばいずれ洗脳は解けてしまうはずです」
そうだ。王国が国民全員、なんて馬鹿みたいな数を洗脳してられるのは、大掛かりな準備をしているからだ。
俺にかけられた洗脳の障害が国を出てしばらくしたら消えた様に、今洗脳されている人たちだって王国を出てから数日もすれば元に戻るだろう。
「あ、そっか」
「可能性としては洗脳が解ける前に首都を攻め滅ぼし、洗脳の魔術具を設置して国全体を支配下に置く。もしくは、進みながらも洗脳の魔術具を設置していき、洗脳が切れないようにするということができれば可能ですが、洗脳という特殊な魔術具がそんなことができるほどに数があるのかわかりませんし、設置するにしてもそうすぐにできるとは限りません」
多分無理だろうと思う。国全体を覆う様な魔術の装置をそう何個も用意できるとは思えないし、範囲を限定した物であったとしても、何十と用意できるとも思えない。
仮に物が用意できたとしても、それを置いておしまい、とはならないだろう。なにかしらの準備があるはずだが、それが完了するまでに洗脳が解ける可能性だってある。
洗脳が解けるか、新たな洗脳をかけるかどっちが早いのか、なんてチキンレースはしないはずだ。
「そもそも、時間を稼ぎたいのなら攻め込まなければ良かったはずです」
まあそうなんだよな……そのうちは王国の周りにある三つの国が手を組んで攻めたかもしれないけど、それまでは時間があった、ってことでもある。
「けど、考え方としてはそれもありだろ。もしかしたら本当に時間を稼いでいるのかもしれないと考えておくのは悪くない」
人が考えられる物事が起こる可能性は、それがどれほどあり得ないことだったとしても必ずしも起こらないとは限らない。
そんな感じの言葉を地球にいたときに聞いたことがあった。
だが、だとしたら環が考えたことだってあり得るかもしれない。だからそのことも考えの一つとして頭の中に入れておいても良いだろう。
「ならなんのために時間を稼いだのか、ですね」
「国民全員を魔族にするためっていうのはどう? 王国は人を魔族にすることができるみたいだし」
「いや、それはないと思う。あの王女様は『人間』と言う種族以外を毛嫌いしてるからな。利用することはあっても、自分の国民を全て魔族に、なんてのは考えづらい」
以前王国から魔族が送り込まれた事件があったが、だからといってあの王女様が自分の国に魔族がいることを認めるわけがない。
そもそも、今までの魔族だってどこから用意したのかよく分かってないし、国民全員を魔族にってのはないだろうと思う。
「……案外、失敗し続けて自暴自棄になったとか?」
「それならそれで良いのですが、あまり楽観はしすぎない方が良いかと」
だよなぁ。そんな単純な理由なら良いんだけど、ないだろうからなぁ……。
「とりあえず、ここで考えててもわからないし、村に行って洗脳の魔術具を破壊することからだな」
できるだけ早く洗脳魔術の装置は壊した方がいいし、もう十分休憩はとった。
それに、今は夜だ。やっぱり、襲撃をするんなら夜だろ。
「それで、ここまできたけど……地上に出たら私が思い切り魔術を使う、で良いのよね?」
俺たちは森の中に用意した拠点を出て、件の村のそばまで来ていた。
だが、だからといってなにも堂々と村の前に立っているわけではない。
例の如く、環の魔術によって人の居る方へと俺が収納を使って地下道を掘り進めてきたのだ。
この間も地下通路作ったし、炭鉱夫にでもなった気分だな。
だがこれで、洗脳魔術の装置のすぐそばまで来れたことに変わりはない。
「ああ。あれがどの程度で壊れるかわからないけど、流石にお前の本気なら壊せるだろ」
「万が一壊せなかった場合は私がやりますので、あなたが失敗しても平気です」
「舐めないでちょうだい。一撃で終わらせてみせるわ」
「それじゃあ、行くぞ」
そう言うと俺は地上への道を繋げ、そこから顔を出した環が魔術を構築していき、そして件の装置を中心に凄まじい音を轟かせて爆発が巻き起こった。
「どう?」
爆発の煙で視界が悪くなっているが、わずかに見えるシルエットは先ほどまで見えていたものとは比べ物にならないくらいに小さくなっていた。
俺も何度か手を握ったり開いたりと自分の体の調子を確認するが、先ほどまでよりもわずかではあったが負担が軽くなったのを自覚できた。
つまりは、装置の破壊に成功したってことだ。
「よし! このあとはこの場所を制圧するだけだ。二人とも、頼む」
「では行って参ります。お気をつけください」
「私も行くわね」
洗脳の装置を破壊したところで、全部終わったわけじゃない。
王国の戦力としてここを守っていた奴はいるだろうし、なんなら洗脳の魔術を使うやつだっているかもしれない。
少なくともここを制圧することで王国の戦力は削げるので、制圧は必須だ。
「やあやあ。またあったねぇ。元気してた?」
そうして二人の後を追って俺も地下道から完全に外に出て村を制圧しようと動き出したところで、この場には相応しくない様なことを言いながら正面から誰かがやってきた。
だれ……! いや、あれはっ──
「お前は……っ!」
「ん? 必死ぶりで名前忘れちゃった感じかね? なら改めて名乗ろうか。俺は──」
戯けた様子で首を傾げながらこちらへと近づいてくる相手に向けて、俺は収納から槍を射出した。
「おいおい、話の途中だろ? そんなにせっつくなよ」
だがそれはいとも容易く相手の持っていた盾に弾かれてしまった。
「……ベイロン。お前はなんでこんなところにいる?」
ベイロン。こいつは以前ギルド連合であった騒ぎの時に俺を殺しに来たやつだ。
あの時は逃げられたが、どうやら王国に来ていた様だ。
だが、ここは洗脳の魔術が国全体に広がっていると言うのに、ベイロンは洗脳されている様子がない。王国に……と言うよりあの王女様に雇われでもしたのだろうか?
「そりゃあ雇われたからに決まってんじゃん。ここを守れってね」
「ここがなんのためにあるのか、なにをしてるのか知ってるのか?」
「そりゃあね。守れって言っても、人か物か、どの程度の損害までなら許容できるかで守り方が変わるんだから、それを知らずに仕事を完全に果たせるわけないし」
そうか。知っててここを守るために行動してるのか。
ここで行なわれていることを知っていて、それでも尚協力するベイロンを見て俺は自分の表情が険しくなるのを自覚していた。
だがそんな俺の態度を見てもベイロンは相変わらず戯けた様子で飄々としている。
「ああ、そっちがなにを言いたいのかはわかってるよ。けどさ、報酬が良くて、大抵のものは用意してくれて、どれだけ人を斬っても女を犯しても誰からも文句を言われない。控えめに言って最高じゃね? ま、ちょっと街から離れてて騒がしさが足んないのが不満だけど」
「なら、殺されても文句はないよな?」
「あるね。あるから……抵抗させてもらうとするよ」
俺が武器を構えると、ベイロンも武器を構えた。
そしてベイロンは俺に向かって走ってくると、持っていた剣を振り上げて俺へと振り下ろした。
なんだ? 前回俺に攻撃しても無効化されたことを忘れた?
いや、そんなことがあるはずがない。ならなにかしらの対策をしてきたってことだろうけど……とりあえず、今はベイロンの攻撃を防がないと。
「そらっ!」
「ぐっ……ふっ!」
「おっと」
半信半疑ながらもベイロンの攻撃に合わせて剣を振るいベイロンの剣を迎撃するが、重い。
だがそれでもと、すぐさまベイロンの腹へと掌底を叩き込む。
相手の余裕の態度のタネが割れてないのに不用意に触るなんて危険ではあるが、それを承知で踏み込まなくては先に進めない。
だが、ベイロンの腹部へと掌底を叩き込みその部分にあったはずの鎧に触ったはずなのに、収納でしまうことができなかった。
「驚いた顔してるね。なんの対策もしてないと思った? するよ。するする。対策するに決まってんじゃん」
腹に攻撃を受けたベイロンは一旦その場から飛び退いて自分の腹部を確認すると、ニヤリと笑ってから俺へと顔を向けてそういった。
対策をしたと言うベイロンの言葉は、まあ良い。だが、具体的にはなにをしたんだ?
収納は無生物ならなんでもしまうことができる能力だ。それでしまうことができなかったってことは、鎧を生物にした? ……ないな。どう見てもアレは生き物じゃない。
あるとしたら、あの鎧をどうにかして自身と同化させたとか、そんな感じか? 以前魔族が自身の主と同化して無生物から生物へと変わった。それと同じ様なことをすれば、収納できなかったことにも一応の説明は付く。
だが、なんか違う気がする……。
「君の使う魔術は空間系。どれだけ武器や魔術で攻撃しても傷つけることはできない。……けど、それだって例外がある。空間系の魔術は、同じ空間系の魔術には効果がないんだよ。つまり、こっちも同じ様に魔術を使ってやれば、なんの問題もなく触れるってことだ」
そうか……そんな方法もあったな。そういえばケイノアの故郷であるエルフ達の里に行った時にも同じ様なことを言われたな。くそっ。
「まあ魔術って言っても、空間系の魔術なんて俺には使えないからもどきでしかないけど。でもそんな魔術未満の出来損ないなものでも、こうして自分への効果を無効化する程度なら問題はないんだよね。あとは純粋な勝負ってわけだけど……負ける気はしないねぇ」
ベイロンはそう言うと持っていた剣を改めて俺に向けて構え、それまでの戯けた笑みに加えて好戦的な笑みを混ぜて言い放つ。
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六山葵
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生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
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その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
見捨てられた万能者は、やがてどん底から成り上がる
グリゴリ
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『旧タイトル』万能者、Sランクパーティーを追放されて、職業が進化したので、新たな仲間と共に無双する。
『見捨てられた万能者は、やがてどん底から成り上がる』【書籍化決定!!】書籍版とWEB版では設定が少し異なっていますがどちらも楽しめる作品となっています。どうぞ書籍版とWEB版どちらもよろしくお願いします。
2023年7月18日『見捨てられた万能者は、やがてどん底から成り上がる2』発売しました。
主人公のクロードは、勇者パーティー候補のSランクパーティー『銀狼の牙』を器用貧乏な職業の万能者で弱く役に立たないという理由で、追放されてしまう。しかしその後、クロードの職業である万能者が進化して、強くなった。そして、新たな仲間や従魔と無双の旅を始める。クロードと仲間達は、様々な問題や苦難を乗り越えて、英雄へと成り上がって行く。※2021年12月25日HOTランキング1位、2021年12月26日ハイファンタジーランキング1位頂きました。お読み頂き有難う御座います。
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
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旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
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勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
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