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一章
ロイド:闇ギルド
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——◆◇◆◇——
・ロイド
深夜、昼間とは打って変わって街中を行き交う人々が消え失せた道を歩き、僕は一つのボロ屋の前で立ち止まった。
そして一度大きく深呼吸をしてから扉を叩き、口を開く。
「天を貫き、切り刻む。逆天を成す刃を求める」
普段は間違っても言わないような言葉を口にしてから数秒ほどすると、扉が開いた。
その扉の奥からは、一人の老婆が蝋燭の火を灯りとしながら姿を見せて僕のことを招き入れる。
この中に入ったら後戻りはできない。だが、それでもやるしかない。せっかく掴んだ機会なんだ。ここで逃げるようなら、これまでの努力が無駄になってしまう!
そう自分を叱咤し、拳を握りしめてから老婆に続いてボロ屋の中へと入っていった。
ボロ屋の中は外観と同じくボロだったが、それは見かけだけのものだった。
建物の中に入って部屋を抜け、別の部屋に行くと、そこには地下へと続いている道があった。いわゆる隠し通路だ。
流石は、と言うべきだろうか。こんな場所があるなんてどう考えても普通ではないが、その普通ではない部分を求めてここに来たのだから、期待通りと言える。
「どうぞおかけください」
階段を下りた先には、建物の外観や上階とは違ってボロさは微塵もなく、全て質の良いものばかり。ともすれば、僕の家よりもいい物が置かれているかもしれない。……いや、かもしれない、ではなく確実に置かれている。
そのうちの一つであるソファを勧められ、一瞬だけ足が止まったがすぐに動かして席に着く。
「それで、本日はどのようなご用件でございましょうか?」
ローテーブルと、その上に乗った蝋燭を挟んで向かいに座った老婆。
その問いはやけにはっきりと聞こえてくるし、顔も先ほどよりも若く見えるが……。
女の声であることは間違いない。だがこれは、本当に老婆なのだろうか?
それとも、ここが地下だからはっきりと聞こえるだけか? 顔も、灯りが蝋燭の火だけだからはっきりと見えないだけ?
そんな考えが頭の中をよぎったが、今はそんなことはどうでもいいと、再び深呼吸をしてから口を開く。
「……アルフレッド・トライデンが魔創具の儀式を行うが、それの邪魔をしてほしい」
それが僕がここに来た理由だ。
この場所はいわゆる裏ギルドや闇ギルドと呼ばれる場所。殺しや誘拐など、非合法な依頼を受けてそれを実行する組織。
ここは、その中でも一際有能だと言われている場所だ。
どうして僕がこの場所を知っているのかと言ったら、言ってしまえば偶然だ。
僕の父は騎士として働いているが、犯罪者を捕らえる任務に当たった際、この辺にあると言う情報を手に入れたそうで、僕はたまたまその話をする父と部下の会話を聞いてしまっただけ。
その情報を元に調べ、見つけることができた。
「おや、これはこれは。また随分と大物ですねえ。そんな物騒なことを願うあなたはどこのどなたでしょうか?」
「……グロ——」
ここで本名を言うのは下策だろう、と偽名を口にしようとしたのだが……
「ああ、そうでした。ちなみにですが、ここでの会話に嘘でも吐こうものなら、依頼はなかったこととさせていただきます。加えて、あなたがここに来たという情報も然る場所に届けさせていただくこととなりますので、あらかじめご了承ください」
名乗る前から止められてしまった。これは、僕が偽名を名乗ろうとした気配を察したのか、あるいは元々僕の名前を知っていたのかのどっちかだろう。
だが、どっちにしても釘を刺された以上、偽名を名乗る勇気などなかった。
「……ロイド・トライン。トライデンの分家だ」
「なぜアルフレッド・トライデンを狙うので?」
「それも必要なことか?」
あまり情報を渡したくはない。そのため、無駄なこと聞くなと意思を込めて睨みつつ話す。
だが、老婆は僕の睨みなど知らないとばかりに頷き、話を続けた。
「ええ。ええ。基本的には殺すつもりでやりますが、目的いかんでは殺すよりも良い方法があるやもしれませんし、目的によって事故に見せかけるのか殺しとわかるようにするのか、色々と変わってきますので」
それは……そうか。
確かに老婆の言い分も一理ある。目標は変わらなくとも、目的によってはやり方を考える必要があるだろう。
そう理解すると、僕は仕方なく事情を話すことにした。
「……あいつ魔創具を使えなくなれば、俺が当主になれる」
「あなたが当主ですか。では、アルフレッド・トライデン自体の生死は問わないと?」
「ああ。だが、可能なら殺すな」
「それはなぜ?」
「あいつの評価は……高い。仮に死んだとしても、逆らう奴が出てくるかもしれない。だが、魔創具に失敗してみっともない姿を晒せば、すんなり当主候補の入れ替えができるだろ?」
それに、あいつが魔創具の儀式に失敗すればあいつはろくに魔創具を使えない無能となり、今まで散々馬鹿にしてきたことへの『お返し』ができる。
ただ死んだだけでは、『あいつはすごいやつだった』と思われ続けることになる。それは気に入らない。
「なるほどなるほど。では、ご依頼はアルフレッド・トライデンが魔創具の儀式に失敗するように。そして、できることならば殺さないようにすべきだが、最悪は死んでも構わない。で、あっていますか?」
「ああ。報酬は——」
「大金貨五百枚。五億エルドになります」
「五億……」
僕の言葉を遮って告げられた額は、とてもではないが支払うことができないほどの大金だった。
高いだろうとは思っていたが、まさかこれほどの額を提示されるとは思ってもみなかった。
……どうする? 値引きの交渉をするか? もしかしたらこの額は僕のことを侮ってふっかけているだけかもしれないし、できないこともないだろう。
だが、それで臍を曲げられて話事態が御破算となったらどうする?
だが現実問題としてそんな額を払えるはずもない。いや、ミリオラに頼むか? あるいは、僕が公爵になった時に……
「——ですが。ええ、ですが、あなたには特別に十分の一の五千万エルドで依頼を受けましょう。それでもまだ高い額ではありますが、分家とはいえ高位貴族であり王女の支援があるあなたならば、出せない額でもないでしょう?」
僕が迷った様子を見せていると、まるで僕が考えていることを読んだかのように老婆が提案してきた。
「……最初からそのつもりだったというわけか」
「いえ、五億というのは本当です。我々の適正価格ですよ。ただ、あなたには払えないだろうから下げた、というのも事実ではあります。しかしながら、本来の在り方を曲げて減額したのです。その分の見返りが欲しいところですねえ」
確かに、公爵家の嫡子ともなれば、ほぼ王族と言っても過言ではないような立場だ。そんな者を害するのであれば、五億ならば出す者もいてもおかしくないか。
それと同じ規模とはいかなかったとしても、同時ような依頼を受けているのであれば金なんていくらでもあるだろうし、僕から無理に搾り取らずとも問題ないのだろう。だからこその減額の提案というわけだ。
しかし、見返り? いったい僕に何を求めると言うんだ。
「見返りだと? ふん。五億〝ごとき〟も支払えない僕にどんな見返りを求めるっていうんだ?」
「あなたが公爵となった後で、貸しを一つ返してもらうということでいかがでしょうか?」
ああそうか。なるほどな。ここで僕みたいな弱小貴族から無理に金を取るよりも、将来アルフレッドを排除して公爵になった僕と繋がりができるのならば、それは金なんかよりもよほど価値がある〝報酬〟となるだろうな。
だが、その報酬が一度だけで終わるかは怪しいところだ。公爵との繋がりなどというものを、こいつらが手放すとは思えない。大方、闇ギルドとの繋がりや、アルフレッドの邪魔をしたことをバラすと脅していいように使おうとしているのだろう。
だが、それならそれで構わない。こちらが言うことを聞く代わりに、こいつらにも言うことを聞かせていればいいんだ。要は、切ることができない協力関係ができると言うだけ。
なら問題ない。大丈夫だ。僕ならやれる。公爵になった後も、こいつらをうまく使っていくことができる。
「……良いだろう。一度だけで良いんだな?」
「ええ。公爵にお願いを聞いてもらうのであれば、五億程度は安いものですので」
一度でいいと言う言葉に頷いたが、まあ嘘だろうな。だがそれは気にしない。こちらも存分に利用してやるのだから。
……しかし、せっかくだ。もっと減額してもらってもいいんじゃないか? 五億から五千万に減ったとはいえ、それでも大金であることに変わりはない。僕一人ではとてもではないが払うことができない。
「なら、依頼金の五千万程度も無くしても良いんじゃないか?」
「いえいえ、それはできませんよ。流石に、依頼金を受け取らずに仕事をするとなると、他とこじれることになりかねないので」
それは……まあ、わからないでもないが……仕方ない。ミリオラ様を誤魔化しつつ頼めば、五千万相当の者を用意することはできるだろう。それを売れば工面はできるはずだ。
「……まあいい。五千万は用意する。だから、必ず成功させろ」
「もちろんです。未来の公爵様のお役に立てるのであれば、この程度の仕事、失敗などするはずがございません」
・ロイド
深夜、昼間とは打って変わって街中を行き交う人々が消え失せた道を歩き、僕は一つのボロ屋の前で立ち止まった。
そして一度大きく深呼吸をしてから扉を叩き、口を開く。
「天を貫き、切り刻む。逆天を成す刃を求める」
普段は間違っても言わないような言葉を口にしてから数秒ほどすると、扉が開いた。
その扉の奥からは、一人の老婆が蝋燭の火を灯りとしながら姿を見せて僕のことを招き入れる。
この中に入ったら後戻りはできない。だが、それでもやるしかない。せっかく掴んだ機会なんだ。ここで逃げるようなら、これまでの努力が無駄になってしまう!
そう自分を叱咤し、拳を握りしめてから老婆に続いてボロ屋の中へと入っていった。
ボロ屋の中は外観と同じくボロだったが、それは見かけだけのものだった。
建物の中に入って部屋を抜け、別の部屋に行くと、そこには地下へと続いている道があった。いわゆる隠し通路だ。
流石は、と言うべきだろうか。こんな場所があるなんてどう考えても普通ではないが、その普通ではない部分を求めてここに来たのだから、期待通りと言える。
「どうぞおかけください」
階段を下りた先には、建物の外観や上階とは違ってボロさは微塵もなく、全て質の良いものばかり。ともすれば、僕の家よりもいい物が置かれているかもしれない。……いや、かもしれない、ではなく確実に置かれている。
そのうちの一つであるソファを勧められ、一瞬だけ足が止まったがすぐに動かして席に着く。
「それで、本日はどのようなご用件でございましょうか?」
ローテーブルと、その上に乗った蝋燭を挟んで向かいに座った老婆。
その問いはやけにはっきりと聞こえてくるし、顔も先ほどよりも若く見えるが……。
女の声であることは間違いない。だがこれは、本当に老婆なのだろうか?
それとも、ここが地下だからはっきりと聞こえるだけか? 顔も、灯りが蝋燭の火だけだからはっきりと見えないだけ?
そんな考えが頭の中をよぎったが、今はそんなことはどうでもいいと、再び深呼吸をしてから口を開く。
「……アルフレッド・トライデンが魔創具の儀式を行うが、それの邪魔をしてほしい」
それが僕がここに来た理由だ。
この場所はいわゆる裏ギルドや闇ギルドと呼ばれる場所。殺しや誘拐など、非合法な依頼を受けてそれを実行する組織。
ここは、その中でも一際有能だと言われている場所だ。
どうして僕がこの場所を知っているのかと言ったら、言ってしまえば偶然だ。
僕の父は騎士として働いているが、犯罪者を捕らえる任務に当たった際、この辺にあると言う情報を手に入れたそうで、僕はたまたまその話をする父と部下の会話を聞いてしまっただけ。
その情報を元に調べ、見つけることができた。
「おや、これはこれは。また随分と大物ですねえ。そんな物騒なことを願うあなたはどこのどなたでしょうか?」
「……グロ——」
ここで本名を言うのは下策だろう、と偽名を口にしようとしたのだが……
「ああ、そうでした。ちなみにですが、ここでの会話に嘘でも吐こうものなら、依頼はなかったこととさせていただきます。加えて、あなたがここに来たという情報も然る場所に届けさせていただくこととなりますので、あらかじめご了承ください」
名乗る前から止められてしまった。これは、僕が偽名を名乗ろうとした気配を察したのか、あるいは元々僕の名前を知っていたのかのどっちかだろう。
だが、どっちにしても釘を刺された以上、偽名を名乗る勇気などなかった。
「……ロイド・トライン。トライデンの分家だ」
「なぜアルフレッド・トライデンを狙うので?」
「それも必要なことか?」
あまり情報を渡したくはない。そのため、無駄なこと聞くなと意思を込めて睨みつつ話す。
だが、老婆は僕の睨みなど知らないとばかりに頷き、話を続けた。
「ええ。ええ。基本的には殺すつもりでやりますが、目的いかんでは殺すよりも良い方法があるやもしれませんし、目的によって事故に見せかけるのか殺しとわかるようにするのか、色々と変わってきますので」
それは……そうか。
確かに老婆の言い分も一理ある。目標は変わらなくとも、目的によってはやり方を考える必要があるだろう。
そう理解すると、僕は仕方なく事情を話すことにした。
「……あいつ魔創具を使えなくなれば、俺が当主になれる」
「あなたが当主ですか。では、アルフレッド・トライデン自体の生死は問わないと?」
「ああ。だが、可能なら殺すな」
「それはなぜ?」
「あいつの評価は……高い。仮に死んだとしても、逆らう奴が出てくるかもしれない。だが、魔創具に失敗してみっともない姿を晒せば、すんなり当主候補の入れ替えができるだろ?」
それに、あいつが魔創具の儀式に失敗すればあいつはろくに魔創具を使えない無能となり、今まで散々馬鹿にしてきたことへの『お返し』ができる。
ただ死んだだけでは、『あいつはすごいやつだった』と思われ続けることになる。それは気に入らない。
「なるほどなるほど。では、ご依頼はアルフレッド・トライデンが魔創具の儀式に失敗するように。そして、できることならば殺さないようにすべきだが、最悪は死んでも構わない。で、あっていますか?」
「ああ。報酬は——」
「大金貨五百枚。五億エルドになります」
「五億……」
僕の言葉を遮って告げられた額は、とてもではないが支払うことができないほどの大金だった。
高いだろうとは思っていたが、まさかこれほどの額を提示されるとは思ってもみなかった。
……どうする? 値引きの交渉をするか? もしかしたらこの額は僕のことを侮ってふっかけているだけかもしれないし、できないこともないだろう。
だが、それで臍を曲げられて話事態が御破算となったらどうする?
だが現実問題としてそんな額を払えるはずもない。いや、ミリオラに頼むか? あるいは、僕が公爵になった時に……
「——ですが。ええ、ですが、あなたには特別に十分の一の五千万エルドで依頼を受けましょう。それでもまだ高い額ではありますが、分家とはいえ高位貴族であり王女の支援があるあなたならば、出せない額でもないでしょう?」
僕が迷った様子を見せていると、まるで僕が考えていることを読んだかのように老婆が提案してきた。
「……最初からそのつもりだったというわけか」
「いえ、五億というのは本当です。我々の適正価格ですよ。ただ、あなたには払えないだろうから下げた、というのも事実ではあります。しかしながら、本来の在り方を曲げて減額したのです。その分の見返りが欲しいところですねえ」
確かに、公爵家の嫡子ともなれば、ほぼ王族と言っても過言ではないような立場だ。そんな者を害するのであれば、五億ならば出す者もいてもおかしくないか。
それと同じ規模とはいかなかったとしても、同時ような依頼を受けているのであれば金なんていくらでもあるだろうし、僕から無理に搾り取らずとも問題ないのだろう。だからこその減額の提案というわけだ。
しかし、見返り? いったい僕に何を求めると言うんだ。
「見返りだと? ふん。五億〝ごとき〟も支払えない僕にどんな見返りを求めるっていうんだ?」
「あなたが公爵となった後で、貸しを一つ返してもらうということでいかがでしょうか?」
ああそうか。なるほどな。ここで僕みたいな弱小貴族から無理に金を取るよりも、将来アルフレッドを排除して公爵になった僕と繋がりができるのならば、それは金なんかよりもよほど価値がある〝報酬〟となるだろうな。
だが、その報酬が一度だけで終わるかは怪しいところだ。公爵との繋がりなどというものを、こいつらが手放すとは思えない。大方、闇ギルドとの繋がりや、アルフレッドの邪魔をしたことをバラすと脅していいように使おうとしているのだろう。
だが、それならそれで構わない。こちらが言うことを聞く代わりに、こいつらにも言うことを聞かせていればいいんだ。要は、切ることができない協力関係ができると言うだけ。
なら問題ない。大丈夫だ。僕ならやれる。公爵になった後も、こいつらをうまく使っていくことができる。
「……良いだろう。一度だけで良いんだな?」
「ええ。公爵にお願いを聞いてもらうのであれば、五億程度は安いものですので」
一度でいいと言う言葉に頷いたが、まあ嘘だろうな。だがそれは気にしない。こちらも存分に利用してやるのだから。
……しかし、せっかくだ。もっと減額してもらってもいいんじゃないか? 五億から五千万に減ったとはいえ、それでも大金であることに変わりはない。僕一人ではとてもではないが払うことができない。
「なら、依頼金の五千万程度も無くしても良いんじゃないか?」
「いえいえ、それはできませんよ。流石に、依頼金を受け取らずに仕事をするとなると、他とこじれることになりかねないので」
それは……まあ、わからないでもないが……仕方ない。ミリオラ様を誤魔化しつつ頼めば、五千万相当の者を用意することはできるだろう。それを売れば工面はできるはずだ。
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