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五章
状況は整った
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父について話をしていると、その本人でありトライデン家当主である父がこちらへと顔を向けてきた。
俺たちの話し声が聞こえたのか、あるいは単なる勘か……いずれにしてもこちらを向いた父は訝しげな顔を見せた後、すぐさま目を見開いて驚きをあらわにした。そして、忌々しげに顔を歪めてこちらを睨み、スッと顔を逸らして再び聖剣の相手へと戻っていった。
「他にも使えそうな人はいますか?」
どうやら向こうは俺に話かけてくるつもりはないようだし、こちらとしても役に立っているのであれば今は何かを言う時ではないと、父のことは一旦頭から切り離し、他の者達について問いかけてみる。
「まあそれなりにいるんじゃない? これでも、今戦ってるのは大会の上位陣なんだから」
「……では、今からあれらの武器を体から切り離すので、各個撃破を頼めばできるでしょうか?」
他の者達がある程度スピカから武器を話してくれたとはいえ、まだ全てが離れたわけではない。まあ、ただ戦うだけでもしんどいのに、弾き飛ばして距離を取らせなくてはいけないのだから、手間取っても仕方ないだろう。
だがそれではいつまで立っても終わらないので、ここらで一気に切り離してしまいたいと思っている。そして、そのまま処理してもらいたいところだ。
「まあ、できないこともないんじゃない? 少なくとも、いくつかは処理できるだろうね」
全てを壊せずとも、俺がスピカをどうにかするまでの足止めをしてもらえればそれで十分だ。
「では、これから引き剥がしますので、そちらの指示出しと対処をお願いします。俺のような小僧が指示を出すよりも、六武であるあなたが命じた方が動くでしょうから」
「小僧って……歳で言えば僕も似たようなものだけど、まあ分かったよ。引き受けた」
キュオリア殿はそう言って頷き、その様子を見た俺は数歩程足を踏み出して武器を……フォークを構えた。
「それでは、行きます!」
そう告げるなりスピカとその周りに浮かんでいる聖剣の群にフォークを投げつけ、フォークが刺さった場所で強烈な爆発と、全てを吹き飛ばす嵐が巻き起こった。
「総員、切り離された武具を破壊し、隔離せよ!」
爆発と嵐によってスピカの近くで戦っていたもの達の何名かが吹き飛ばされたが、仮にも大会の上位陣。無様に転ぶこともなく、しっかりと受け身をとっている。
そして、そんな吹き飛ばされた者もそうでない者も、全員がキュオリア殿の指示を受け、逆らうことなく動き出した。
反発することなく文句の一つも言わずにすぐさま動けるのは、彼らが先頭のプロだからこそだろう。
だが……さて、これで状況は整ったな。
「これで切り離すことができたな」
スピカの周囲に浮かんでいた政権の群れは全て引き離すことができた。あとは本体をどうにかするだけだ。
「って言っても、まだ残ってるっぽいけど、それはどうすんの?」
しかしそれが難しい、とこの後の動きについて悩んでいると、どこからやってきたのかルージェが姿を見せた。
「ルージェ? 逃げたのではなかったのか?」
俺たちは仲間ではあるが命を賭け合うような間柄ではない。てっきり頼んだことだけやってそのままどこぞへと逃げたと思ったのだが……
「いやまあ、逃げようとしたんだけどさ……アルフ達も、それにあの子も。知らない仲でもないし、見捨てて逃げるのもアレだろう? 戦闘力はないけど、壊れた武具の回収程度ならできるし、だからまあ……手を貸すよ」
少し視線を逸らしながら話すルージェの様子に、俺は目を見開きわずかに動きを止めた後、ゆるく首を振ってから口を開いた。
「すまないな。正直言って、お前はもっと薄情な人物だと思っていた」
「うわっ。ひっどいなあ。でも、間違いじゃないよ。今回はたまたま出てきただけ。普段だったらやばそうになった時点で逃げてるから」
だが、もしそうなのだとしても今ここで手を貸しに姿を見せたという事実は変わらない。
「だとしても、今回は助けにきてくれた。共に戦う事を選んだ仲間であることに間違いはないだろう?」
どうやら俺はこいつの……ルージェという人物に関して測り違えていたようだ。
人の表面だけを見てそれがさも事実であるかのように評価しているなど……全くもって愚かしいことだ。どうやら俺には人を見る目がないようだな。
「それは、まあそうかもだけど……んんっ! っていうか、こんなこと話してる余裕なんてないじゃん。ボクは適当に動くから、アルフも頑張りなよ! 後それから、街の方でも騒ぎが起こっててバイデント達はそっちに行ったから!」
そう言い残して、ルージェは魔創具を起動させて猛スピードで走り去っていった。
そう急ぐこともないと思うのだが……まあ、確かにあいつの魔創具は倒した聖剣の回収にはちょうどいいかもしれんな。
「アルフ君!」
「マリアか。どうした」
ルージェがいなくなったと思ったら、今度は盾を携えたマリアがこちらに駆け寄ってきた。
「これからアレと……えっと、スピカ? と戦うんでしょ? だったら私も一緒に戦うわ。騎士として、アルフ君には傷ひとつつけさせないから」
そう言いながらマリアは俺より一歩前に出て盾を構えた。だが俺は、そんなマリアの言葉に首を振った。
「いや、マリアは他の戦ってる奴らの補助を頼む。いくら強者といえど、過去の英雄達の聖剣を相手にしているのだ。あれは例えるなら六武のようなもの。どこまで戦えるかわからんからな」
「でも、それだとアルフ君の守りが……」
「ここはすでに戦場だ。命を惜しんで行動していては逆に死に近づくことになるぞ。俺は死なんさ。だから、他を守りにいけ。お前が守りに回れば、その分聖剣を処理するのも早まるだろう。結果的にはそちらの方が俺の助けになる」
俺がそう言うと、マリアはわずかに悩んだ様子を見せたが、最終的には頷いて聖剣と戦っている他の者達の元へと戻っていった。
「さて、スピカ。久しいな。覚えているか?」
ルージェもマリアもいなくなり、スティアは聖剣と戦っているので俺一人となったところで、警戒しつつも止まる事なく化け物の姿になってしまっているスピカへと近づいていく。
歩きながらもスピカに話しかけるが、これほどまでに変わってしまっている者を相手に話しかけたところで、意味なんてあるのだろうかと言う考えが頭によぎった。
だがそれでも、もし何か反応してくれれば、と思いつつ声をかけた。
「……どうやら、完全にわからないというわけでもないようだな」
その甲斐があったのか、スピカにまとわりついていた肉が鞭のようにしなり、その先端についていた斧が俺の横の地面を叩き、抉った。
これは攻撃とみなすこともできるが、今のは当てようと思えば当てられた一撃だ。にもかかわらず外れた。それはつまり、スピカの意思でそうしたと言うことだ。
あえて攻撃をはずしたのか、攻撃しようとした肉体を意思の力で押さえつけて攻撃を曲げたのかはわからないが、ともかくまだスピカ本人の意思が完全に消えたわけではないことが判明した。それだけでも大きな収穫だ。
だが、そんな攻撃を無視して俺が近づいていくと、スピカはどこから声を出しているのかわからないが、甲高いハウリングのような声で叫んだ。
これは、近寄るな、とでも言っているのだろうか? だが、すまないな。そう易々と聞いてやるわけにはいかんのだ。
「そう叫ぶな。こちらとて、お前には言いたいことがあるのだ。あの時勝手に消えて、こちらがどれだけ大変だったかわかっているのか? 特にあの阿呆の相手をするのは骨が折れたぞ」
「何のんびりしてんのよ! 早くあの子を助けてあげないと!」
冗談めかして話を続けながら一歩、また一歩と近寄っていくと、その途中でスティアが隣に降り立った。
みれば、どうやら先ほどまでスティアが相手していた聖剣はスティアの護衛達が引き継いでいるようだ。
聖剣を無理やり押し付けるなど、押し付けられた側からすれば迷惑な事極まりないが、だがそれも、この状況であれば仕方ないか。
スピカを相手にするのだ。あの子のことを最も気にかけていたこいつは居るべきだろう。
俺たちの話し声が聞こえたのか、あるいは単なる勘か……いずれにしてもこちらを向いた父は訝しげな顔を見せた後、すぐさま目を見開いて驚きをあらわにした。そして、忌々しげに顔を歪めてこちらを睨み、スッと顔を逸らして再び聖剣の相手へと戻っていった。
「他にも使えそうな人はいますか?」
どうやら向こうは俺に話かけてくるつもりはないようだし、こちらとしても役に立っているのであれば今は何かを言う時ではないと、父のことは一旦頭から切り離し、他の者達について問いかけてみる。
「まあそれなりにいるんじゃない? これでも、今戦ってるのは大会の上位陣なんだから」
「……では、今からあれらの武器を体から切り離すので、各個撃破を頼めばできるでしょうか?」
他の者達がある程度スピカから武器を話してくれたとはいえ、まだ全てが離れたわけではない。まあ、ただ戦うだけでもしんどいのに、弾き飛ばして距離を取らせなくてはいけないのだから、手間取っても仕方ないだろう。
だがそれではいつまで立っても終わらないので、ここらで一気に切り離してしまいたいと思っている。そして、そのまま処理してもらいたいところだ。
「まあ、できないこともないんじゃない? 少なくとも、いくつかは処理できるだろうね」
全てを壊せずとも、俺がスピカをどうにかするまでの足止めをしてもらえればそれで十分だ。
「では、これから引き剥がしますので、そちらの指示出しと対処をお願いします。俺のような小僧が指示を出すよりも、六武であるあなたが命じた方が動くでしょうから」
「小僧って……歳で言えば僕も似たようなものだけど、まあ分かったよ。引き受けた」
キュオリア殿はそう言って頷き、その様子を見た俺は数歩程足を踏み出して武器を……フォークを構えた。
「それでは、行きます!」
そう告げるなりスピカとその周りに浮かんでいる聖剣の群にフォークを投げつけ、フォークが刺さった場所で強烈な爆発と、全てを吹き飛ばす嵐が巻き起こった。
「総員、切り離された武具を破壊し、隔離せよ!」
爆発と嵐によってスピカの近くで戦っていたもの達の何名かが吹き飛ばされたが、仮にも大会の上位陣。無様に転ぶこともなく、しっかりと受け身をとっている。
そして、そんな吹き飛ばされた者もそうでない者も、全員がキュオリア殿の指示を受け、逆らうことなく動き出した。
反発することなく文句の一つも言わずにすぐさま動けるのは、彼らが先頭のプロだからこそだろう。
だが……さて、これで状況は整ったな。
「これで切り離すことができたな」
スピカの周囲に浮かんでいた政権の群れは全て引き離すことができた。あとは本体をどうにかするだけだ。
「って言っても、まだ残ってるっぽいけど、それはどうすんの?」
しかしそれが難しい、とこの後の動きについて悩んでいると、どこからやってきたのかルージェが姿を見せた。
「ルージェ? 逃げたのではなかったのか?」
俺たちは仲間ではあるが命を賭け合うような間柄ではない。てっきり頼んだことだけやってそのままどこぞへと逃げたと思ったのだが……
「いやまあ、逃げようとしたんだけどさ……アルフ達も、それにあの子も。知らない仲でもないし、見捨てて逃げるのもアレだろう? 戦闘力はないけど、壊れた武具の回収程度ならできるし、だからまあ……手を貸すよ」
少し視線を逸らしながら話すルージェの様子に、俺は目を見開きわずかに動きを止めた後、ゆるく首を振ってから口を開いた。
「すまないな。正直言って、お前はもっと薄情な人物だと思っていた」
「うわっ。ひっどいなあ。でも、間違いじゃないよ。今回はたまたま出てきただけ。普段だったらやばそうになった時点で逃げてるから」
だが、もしそうなのだとしても今ここで手を貸しに姿を見せたという事実は変わらない。
「だとしても、今回は助けにきてくれた。共に戦う事を選んだ仲間であることに間違いはないだろう?」
どうやら俺はこいつの……ルージェという人物に関して測り違えていたようだ。
人の表面だけを見てそれがさも事実であるかのように評価しているなど……全くもって愚かしいことだ。どうやら俺には人を見る目がないようだな。
「それは、まあそうかもだけど……んんっ! っていうか、こんなこと話してる余裕なんてないじゃん。ボクは適当に動くから、アルフも頑張りなよ! 後それから、街の方でも騒ぎが起こっててバイデント達はそっちに行ったから!」
そう言い残して、ルージェは魔創具を起動させて猛スピードで走り去っていった。
そう急ぐこともないと思うのだが……まあ、確かにあいつの魔創具は倒した聖剣の回収にはちょうどいいかもしれんな。
「アルフ君!」
「マリアか。どうした」
ルージェがいなくなったと思ったら、今度は盾を携えたマリアがこちらに駆け寄ってきた。
「これからアレと……えっと、スピカ? と戦うんでしょ? だったら私も一緒に戦うわ。騎士として、アルフ君には傷ひとつつけさせないから」
そう言いながらマリアは俺より一歩前に出て盾を構えた。だが俺は、そんなマリアの言葉に首を振った。
「いや、マリアは他の戦ってる奴らの補助を頼む。いくら強者といえど、過去の英雄達の聖剣を相手にしているのだ。あれは例えるなら六武のようなもの。どこまで戦えるかわからんからな」
「でも、それだとアルフ君の守りが……」
「ここはすでに戦場だ。命を惜しんで行動していては逆に死に近づくことになるぞ。俺は死なんさ。だから、他を守りにいけ。お前が守りに回れば、その分聖剣を処理するのも早まるだろう。結果的にはそちらの方が俺の助けになる」
俺がそう言うと、マリアはわずかに悩んだ様子を見せたが、最終的には頷いて聖剣と戦っている他の者達の元へと戻っていった。
「さて、スピカ。久しいな。覚えているか?」
ルージェもマリアもいなくなり、スティアは聖剣と戦っているので俺一人となったところで、警戒しつつも止まる事なく化け物の姿になってしまっているスピカへと近づいていく。
歩きながらもスピカに話しかけるが、これほどまでに変わってしまっている者を相手に話しかけたところで、意味なんてあるのだろうかと言う考えが頭によぎった。
だがそれでも、もし何か反応してくれれば、と思いつつ声をかけた。
「……どうやら、完全にわからないというわけでもないようだな」
その甲斐があったのか、スピカにまとわりついていた肉が鞭のようにしなり、その先端についていた斧が俺の横の地面を叩き、抉った。
これは攻撃とみなすこともできるが、今のは当てようと思えば当てられた一撃だ。にもかかわらず外れた。それはつまり、スピカの意思でそうしたと言うことだ。
あえて攻撃をはずしたのか、攻撃しようとした肉体を意思の力で押さえつけて攻撃を曲げたのかはわからないが、ともかくまだスピカ本人の意思が完全に消えたわけではないことが判明した。それだけでも大きな収穫だ。
だが、そんな攻撃を無視して俺が近づいていくと、スピカはどこから声を出しているのかわからないが、甲高いハウリングのような声で叫んだ。
これは、近寄るな、とでも言っているのだろうか? だが、すまないな。そう易々と聞いてやるわけにはいかんのだ。
「そう叫ぶな。こちらとて、お前には言いたいことがあるのだ。あの時勝手に消えて、こちらがどれだけ大変だったかわかっているのか? 特にあの阿呆の相手をするのは骨が折れたぞ」
「何のんびりしてんのよ! 早くあの子を助けてあげないと!」
冗談めかして話を続けながら一歩、また一歩と近寄っていくと、その途中でスティアが隣に降り立った。
みれば、どうやら先ほどまでスティアが相手していた聖剣はスティアの護衛達が引き継いでいるようだ。
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