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16章
変異体の発生理由
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「……いや……ああ、そうかい」
「婆さん?」
聞いた話から色々考えていると、不意に婆さんが何か考え込む様子を見せながら言葉を漏らした。
「化け物どもが暴れたのは、その辺にあるかもしれないと思ってねえ」
「その辺って、どの辺だ?」
「邪神の話だよ。もっというなら、聖樹に取り憑いていた呪いって言った方がいいかね」
化け物とはこの街で暴れた黒い肉の塊のような異形……そうだな、わかりやすく『変異体』とでも呼んでおこうか。
その変異体が暴れ出した理由が聖樹にかかっていた呪いにあると言うのはどう言うことだろうか?
「今までは人にとっては害だとしても、邪神にとっては安定した状況だった。でも、そのバランスが突然崩れた」
「俺たちが聖樹を浄化したことによって、か?」
「そうさ。バランスが崩れたからか、それとも浄化の力が流れ込んだせいで危機感を感じて暴走したのか、その辺はわからない。でも、その辺の変化が原因で化け物が暴れ出した可能性は十分考えられるだろうね。時間的にも、ちょうどと言っていいくらい重なってるしねえ」
確か婆さんは一週間前から、と言っていた。俺たちが聖樹の浄化を行なったのも、おおよそそれくらいだ。そう考えると、婆さんの考えは筋が通っているように思える。
ただ、バランスが崩れたとしても、そこまで過剰な変化が訪れるもんか? あの盗賊達だって、わざわざ薬を使わないと変異体になることができなかったんだ。
それなのに、ちょっと聖樹から浄化の力が流れ込んだからといって変異するってことは、それはもうかなりギリギリだってことじゃないか?
「じゃあつまり、邪神の力は、そんなちょっとした衝撃で暴走するくらいこの街の奴らに浸透しているってことか?」
「あるいは、この街じゃなくて国って可能性もあるけど、結界の話を聞く限りはここが一番ひどくて、あとは余波ってなもんだろうね」
「……錬金術師の薬は今のバランスを崩すためのちょっとした後押しで、全員化け物になる可能性を持ってるわけか」
錬金術師の薬は、人を化け物に変えるものではない。ただほんの少し呪いが体に吸収されやすくする程度のもの。
もしそうなんだとしたら、大分この国はまずい状況だな。
国民全員が呪いをその身に宿しているなんてあり得るのか、と思ったが、ここは呪いの発生源のすぐそばだ。ここで生活しているのなら、そういうこともあり得ないとは言い切れない。
「まあ、そうは言っても化け物になったのが少数ってことは、全員がそこまで限界だったわけじゃないって事じゃないかねえ」
婆さんはそう言うと普段は見せないような大きなため息を吐き出した。
「しかし、面倒なことになったねえ」
「そうだなぁ……」
婆さんは全員が限界ってわけじゃない、なんて言ったけど、だからと言って全く呪いに侵されていないわけじゃないだろうな。
数名でも変異した者がいるんだったら他の者達も似たり寄ったりな状況だろうし、変異したのが数名だけだった、なんてのは安心できる要素だとは言えない。
そもそもの話、邪神の影響を受けた者が当時の守り人たちを裏切り、教会を中心とした国を作った。
それはいいとしても、じゃあ今の教会は正常なのか? 邪神の呪いなんてかかっておらず、ただただ人の欲のために、自分の意思で全てを行なっている?
……それは、そんなわけがないんじゃないだろうか?
だってこれは陣取りゲームだと言っていた。
邪神は人の悪意に呑まれたとしても、他の仲間の神を傷つけなかったことから、多少なりとも意識は残っていると考えられる。なら、陣取りゲームをしている、という意識だって残っているんじゃないだろうか?
であるならば、自分の陣地とも言える呪いに呑まれた教皇とかその辺をそのまま放置しておくわけがない。
それに、人間はいつだって自分に付き従う配下を作りたがるものだし、作ったら作ったで、そいつが死んだら次はその従っていたやつが台頭してくる。つまり呪われた同類が再び支配者に回ってくるってことだ。
そうして、呪いに侵された勢力を増やしていくのが普通の動きってもんだと思う。
でも、呪いにかかるにしても、自分からそんな危なそうな力を受け入れるモノだろうか? まあ、呼び方は『邪神の力』ではなかったかもしれないけど、街の者、あるいは国民全員が呪いに侵されているのであれば、それはどうやったのか少し気になる。
強引に押しつけたのだろうか? でも、流石にそれだと違和感とか反抗心とか持たれそうな気がするよなぁ。
「なあ婆さん。ここの呪いって、どうやって呪われると思う?」
「さあね。呪いのそばにいれば自然と呪われるのか、それとも生活用水や食べ物に呪いの成分が混ざっていたのか……いや、それだとあたしらにもなにがしかの影響はあるか。エルフには影響があるけど、それは特殊な例って考えた方がいいだろうからね。そうなると……」
婆さんはそこで一旦言葉を止めると、ハッとした様子で部屋の中を見回した。
そして、誰かを小馬鹿にするような笑みを浮べて口を開いた。
「……ああ、洗礼なんてどうだい?」
「洗礼? ……あー、それって、あれだろ? 宗教家が教会で神様の祝福を……ああ。『神様の祝福』か」
神様の祝福を授かることができる、と謳って人を集め、呪いをかけるわけか。
まあ、呪いと言っても神の力であることには変わりないか。その神様は『邪神』だけどな。
さっき婆さんが部屋の中を見回したのは、部屋そのものではなく、教会という場所を見ていたんだろう。
「王国なんかだと十歳になった子供は教会で自身の天職を確認するが、それは絶対じゃないし、駒にするんだったら十歳じゃあ少し遅すぎる。自然と宗教を信仰させるには、もっと幼い頃から教育しないとだからね。それに、大きくなってから『神の祝福』を受けたら、何かに気づく子供だっているかもしれない。そうならないために、できる限り小さい頃から慣らしておくべきだろうね。それこそ、『神の祝福』があって当たり前と思えるように」
「なら、すべての子供は生まれた時から洗礼として教会に行かせられるって感じか。なんだったら補助金とか優遇措置とかあってもいいかもな。それなら子供が産まれれば全員教会に行くだろ。なんたって、子供が産まれて教会に行くだけで得するんだから」
「そうさねえ。それなら国民の大半は呪いにかかってるだろうし、全員敵に回る可能性を考えておいた方がいいね」
子供の頃から呪いにかかっている状態が普通だから大人になってもそのことに疑問を持てず、実際に力をもらえるんだから神様のご加護であることを疑うこともない。
だがその実態は邪神の手先になっているってわけだ。
もっとも、手先と言っても実際に何かやらせる、と言ったことはしないだろう。ただ呪いを植え付けられた者が成長することで邪神に力を送るだけ。だからこれまではなんの問題もなく過ごしてくることができた。
だが、今は状況が変わってしまった。
「それはだいぶめんどくさいな。どうすっかなぁ……」
教会の奴らが全員呪いを解放させて変異体となって襲ってきたとしても多分問題なく切り抜けることができるとは思う。
だが、それが教会の奴らだけではなく、この街、この国の奴ら全員となれば、わからない。
まあ俺は生き延びることはできるだろうけど、他の奴らから怪我人は出るだろうし、もしかしたら死人も出るかもしれない。
理想としては呪いを受けている奴が変異体にならないように処置できればいいんだけど、そんな方法があるもんか?
浄化をかければ行けそうな気がしたけど、ふと思い直した。
今までだって浄化を使ったやつはいただろう。何せ治癒術師や光魔法師は教会に所属してるんだ。従者だって貴族の家に一人くらいはいるだろうし、まったく浄化がない、ということはないはずだ。
でも、浄化を使われた程度で呪いが解除されているようであれば、きっと呪いを仕込もうとは考えないだろう。
そもそも呪いについて認識していないから浄化が効かない、という可能性もあるけど、あまり期待しない方がいいと思う。
なので、浄化をかけて呪いを解除、というのは効果としては今ひとつだろう。
そもそも教会の所属でもない上に、『魔王』だなんて呼ばれている俺が「皆さんに浄化をかけます」なんて言ったところで、怪しまれるに決まっている。
「あんたの水でも飲ませておけばいいんじゃないかい? 話を聞く限りだと、それなりの浄化効果があるんだろう? ここに来る最中でもエルフ達に配ってたじゃないか」
「ああ、まあ……。でも、あれって今ひとつ効果が信用できないっていうか……だって本来は『農家』に浄化効果なんてないだろ? 植物に対して効果があるのはまだ理解できるけど、人間相手にやって効果あると思うか?」
エルフ相手に効果があるのは理解できるけど、それが人間にまで効果があるのかと言われると、わからない。効果がないと、ただ水を配るだけのやつになるぞ、俺。
「その辺は知らないよ。呪いと対抗してる神樹の力を受けてるからじゃないのかい? 聖樹は神樹と同質の力なんだろう?」
「神樹ねえ……まあ、それが一番説明がつくか」
邪神と神樹は対立している。
そして俺は神樹の系譜である聖樹から力を与えられている。そのため、間接的に神樹の力を振るうことができ、それによって邪神の呪いを消すことができていた、というのが一番説明としては納得できるものだ。
なんでエルフ達が毎朝のように……というか実際に毎朝俺のところに来るのかと言ったら、それが理由だろう。ここは呪いに近く、エルフ達は影響を受けやすいからそれを取り払うためにと考えれば……いや、あいつら普通に水欲しさできてる気がするな。
でもまあ、呪いを解く方法としては俺の出す《潅水》がそれなりに可能性はありそうな気がする。
「婆さん?」
聞いた話から色々考えていると、不意に婆さんが何か考え込む様子を見せながら言葉を漏らした。
「化け物どもが暴れたのは、その辺にあるかもしれないと思ってねえ」
「その辺って、どの辺だ?」
「邪神の話だよ。もっというなら、聖樹に取り憑いていた呪いって言った方がいいかね」
化け物とはこの街で暴れた黒い肉の塊のような異形……そうだな、わかりやすく『変異体』とでも呼んでおこうか。
その変異体が暴れ出した理由が聖樹にかかっていた呪いにあると言うのはどう言うことだろうか?
「今までは人にとっては害だとしても、邪神にとっては安定した状況だった。でも、そのバランスが突然崩れた」
「俺たちが聖樹を浄化したことによって、か?」
「そうさ。バランスが崩れたからか、それとも浄化の力が流れ込んだせいで危機感を感じて暴走したのか、その辺はわからない。でも、その辺の変化が原因で化け物が暴れ出した可能性は十分考えられるだろうね。時間的にも、ちょうどと言っていいくらい重なってるしねえ」
確か婆さんは一週間前から、と言っていた。俺たちが聖樹の浄化を行なったのも、おおよそそれくらいだ。そう考えると、婆さんの考えは筋が通っているように思える。
ただ、バランスが崩れたとしても、そこまで過剰な変化が訪れるもんか? あの盗賊達だって、わざわざ薬を使わないと変異体になることができなかったんだ。
それなのに、ちょっと聖樹から浄化の力が流れ込んだからといって変異するってことは、それはもうかなりギリギリだってことじゃないか?
「じゃあつまり、邪神の力は、そんなちょっとした衝撃で暴走するくらいこの街の奴らに浸透しているってことか?」
「あるいは、この街じゃなくて国って可能性もあるけど、結界の話を聞く限りはここが一番ひどくて、あとは余波ってなもんだろうね」
「……錬金術師の薬は今のバランスを崩すためのちょっとした後押しで、全員化け物になる可能性を持ってるわけか」
錬金術師の薬は、人を化け物に変えるものではない。ただほんの少し呪いが体に吸収されやすくする程度のもの。
もしそうなんだとしたら、大分この国はまずい状況だな。
国民全員が呪いをその身に宿しているなんてあり得るのか、と思ったが、ここは呪いの発生源のすぐそばだ。ここで生活しているのなら、そういうこともあり得ないとは言い切れない。
「まあ、そうは言っても化け物になったのが少数ってことは、全員がそこまで限界だったわけじゃないって事じゃないかねえ」
婆さんはそう言うと普段は見せないような大きなため息を吐き出した。
「しかし、面倒なことになったねえ」
「そうだなぁ……」
婆さんは全員が限界ってわけじゃない、なんて言ったけど、だからと言って全く呪いに侵されていないわけじゃないだろうな。
数名でも変異した者がいるんだったら他の者達も似たり寄ったりな状況だろうし、変異したのが数名だけだった、なんてのは安心できる要素だとは言えない。
そもそもの話、邪神の影響を受けた者が当時の守り人たちを裏切り、教会を中心とした国を作った。
それはいいとしても、じゃあ今の教会は正常なのか? 邪神の呪いなんてかかっておらず、ただただ人の欲のために、自分の意思で全てを行なっている?
……それは、そんなわけがないんじゃないだろうか?
だってこれは陣取りゲームだと言っていた。
邪神は人の悪意に呑まれたとしても、他の仲間の神を傷つけなかったことから、多少なりとも意識は残っていると考えられる。なら、陣取りゲームをしている、という意識だって残っているんじゃないだろうか?
であるならば、自分の陣地とも言える呪いに呑まれた教皇とかその辺をそのまま放置しておくわけがない。
それに、人間はいつだって自分に付き従う配下を作りたがるものだし、作ったら作ったで、そいつが死んだら次はその従っていたやつが台頭してくる。つまり呪われた同類が再び支配者に回ってくるってことだ。
そうして、呪いに侵された勢力を増やしていくのが普通の動きってもんだと思う。
でも、呪いにかかるにしても、自分からそんな危なそうな力を受け入れるモノだろうか? まあ、呼び方は『邪神の力』ではなかったかもしれないけど、街の者、あるいは国民全員が呪いに侵されているのであれば、それはどうやったのか少し気になる。
強引に押しつけたのだろうか? でも、流石にそれだと違和感とか反抗心とか持たれそうな気がするよなぁ。
「なあ婆さん。ここの呪いって、どうやって呪われると思う?」
「さあね。呪いのそばにいれば自然と呪われるのか、それとも生活用水や食べ物に呪いの成分が混ざっていたのか……いや、それだとあたしらにもなにがしかの影響はあるか。エルフには影響があるけど、それは特殊な例って考えた方がいいだろうからね。そうなると……」
婆さんはそこで一旦言葉を止めると、ハッとした様子で部屋の中を見回した。
そして、誰かを小馬鹿にするような笑みを浮べて口を開いた。
「……ああ、洗礼なんてどうだい?」
「洗礼? ……あー、それって、あれだろ? 宗教家が教会で神様の祝福を……ああ。『神様の祝福』か」
神様の祝福を授かることができる、と謳って人を集め、呪いをかけるわけか。
まあ、呪いと言っても神の力であることには変わりないか。その神様は『邪神』だけどな。
さっき婆さんが部屋の中を見回したのは、部屋そのものではなく、教会という場所を見ていたんだろう。
「王国なんかだと十歳になった子供は教会で自身の天職を確認するが、それは絶対じゃないし、駒にするんだったら十歳じゃあ少し遅すぎる。自然と宗教を信仰させるには、もっと幼い頃から教育しないとだからね。それに、大きくなってから『神の祝福』を受けたら、何かに気づく子供だっているかもしれない。そうならないために、できる限り小さい頃から慣らしておくべきだろうね。それこそ、『神の祝福』があって当たり前と思えるように」
「なら、すべての子供は生まれた時から洗礼として教会に行かせられるって感じか。なんだったら補助金とか優遇措置とかあってもいいかもな。それなら子供が産まれれば全員教会に行くだろ。なんたって、子供が産まれて教会に行くだけで得するんだから」
「そうさねえ。それなら国民の大半は呪いにかかってるだろうし、全員敵に回る可能性を考えておいた方がいいね」
子供の頃から呪いにかかっている状態が普通だから大人になってもそのことに疑問を持てず、実際に力をもらえるんだから神様のご加護であることを疑うこともない。
だがその実態は邪神の手先になっているってわけだ。
もっとも、手先と言っても実際に何かやらせる、と言ったことはしないだろう。ただ呪いを植え付けられた者が成長することで邪神に力を送るだけ。だからこれまではなんの問題もなく過ごしてくることができた。
だが、今は状況が変わってしまった。
「それはだいぶめんどくさいな。どうすっかなぁ……」
教会の奴らが全員呪いを解放させて変異体となって襲ってきたとしても多分問題なく切り抜けることができるとは思う。
だが、それが教会の奴らだけではなく、この街、この国の奴ら全員となれば、わからない。
まあ俺は生き延びることはできるだろうけど、他の奴らから怪我人は出るだろうし、もしかしたら死人も出るかもしれない。
理想としては呪いを受けている奴が変異体にならないように処置できればいいんだけど、そんな方法があるもんか?
浄化をかければ行けそうな気がしたけど、ふと思い直した。
今までだって浄化を使ったやつはいただろう。何せ治癒術師や光魔法師は教会に所属してるんだ。従者だって貴族の家に一人くらいはいるだろうし、まったく浄化がない、ということはないはずだ。
でも、浄化を使われた程度で呪いが解除されているようであれば、きっと呪いを仕込もうとは考えないだろう。
そもそも呪いについて認識していないから浄化が効かない、という可能性もあるけど、あまり期待しない方がいいと思う。
なので、浄化をかけて呪いを解除、というのは効果としては今ひとつだろう。
そもそも教会の所属でもない上に、『魔王』だなんて呼ばれている俺が「皆さんに浄化をかけます」なんて言ったところで、怪しまれるに決まっている。
「あんたの水でも飲ませておけばいいんじゃないかい? 話を聞く限りだと、それなりの浄化効果があるんだろう? ここに来る最中でもエルフ達に配ってたじゃないか」
「ああ、まあ……。でも、あれって今ひとつ効果が信用できないっていうか……だって本来は『農家』に浄化効果なんてないだろ? 植物に対して効果があるのはまだ理解できるけど、人間相手にやって効果あると思うか?」
エルフ相手に効果があるのは理解できるけど、それが人間にまで効果があるのかと言われると、わからない。効果がないと、ただ水を配るだけのやつになるぞ、俺。
「その辺は知らないよ。呪いと対抗してる神樹の力を受けてるからじゃないのかい? 聖樹は神樹と同質の力なんだろう?」
「神樹ねえ……まあ、それが一番説明がつくか」
邪神と神樹は対立している。
そして俺は神樹の系譜である聖樹から力を与えられている。そのため、間接的に神樹の力を振るうことができ、それによって邪神の呪いを消すことができていた、というのが一番説明としては納得できるものだ。
なんでエルフ達が毎朝のように……というか実際に毎朝俺のところに来るのかと言ったら、それが理由だろう。ここは呪いに近く、エルフ達は影響を受けやすいからそれを取り払うためにと考えれば……いや、あいつら普通に水欲しさできてる気がするな。
でもまあ、呪いを解く方法としては俺の出す《潅水》がそれなりに可能性はありそうな気がする。
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