聖なる歌姫は嘘がつけない。

水瀬 こゆき

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幼少期編

え?何だって???

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 それは、朝食の席でのこと。
いつも通り個性豊かな朝の挨拶を、終えた後のことだった。
 「ところでティーナ?貴方結局、どこの誰から聖霊について教えてもらったのかしら?」
あーーーーー!!!
すっかり、忘れてましたよ…。
でも、天使でーす!なんて言ったらきっと、頭おかしいと思われちゃいます…!!
 「それは…えと、その…。」
何かいい方法、いい方法……。
うーーーん、ナノは…もうダメですよね。
どうしよう…!!
 「ティーナ?ティーナは嘘がつけないんだから、諦めて正直に言ったほうがいいよ?」
 「…お父様……。そうですよね、分かりました…。」
嘘がつけないということは、昨日のうちに家族にはお話ししました。
こんな役立たずは嫌われるかと思っていましたけど…そんな事はありませんでした。
逆に、ティーナらしいね、と笑われてしまったのには少し不服です。ちゃんと頰を膨らませてプィッと顔を背けておきましたが。
……お陰様で昨日の夕食はキノコたくさんでしたよ。

 さて、お父様のいう通りで、わたくしがまた嘘をついたところで直ぐにバレてしまうでしょう。
仕方ありません。ここは腹をくくりましょうか。
 「実は…わたくし、とある天使さんに加護を頂いているのですが。その、天使さんが教えてくれたのです。」
 「「「え?何だって???」」」
あろう事か全員に聞き返されました。
きっと、わたくしのことをイタイ子だと思っているのですね。そうですよね、そうですよね。
うぅ……御免なさい、イタくて。
あっ!そうだ!ここは上手く、話をそらしましょう!!
新時代の風を吹き起こすのです!(←意味不明)
 「あ、因みにその天使さんはナビって言うんですけど…すっごく可愛いんです!!!!」

 ガシャーーーン!!!

 …あれっ?皆んなどうしたんですか?
一斉にフォークとかナイフが床に落ちましたけど。


 「「「……え?本当に何だって???」」」

またもや、全員に聞き返されました。
わたくし、そんなにイタイこと言いましたかね??

 ◇  ◆  ◇

 僕の娘は、変わっている。
名前をアルカティーナと言うのだが、あの子は本当に変わっている。
何が、と問われると困るがふとした瞬間に、あれ?と思うことが多々ある。
妻のマーガレットに聞くと、天才児だと言うし。
時々意味不明なことを言うし。
 一度、「マリオスと、ルイジェル、ですか…いい歳をして、パクリは良くないですよ?いくらマリ○とルイ○ジが好きだからって。」と言われた時は本気で意味がわからなかった。
 何だか三歳とは思えないほどしっかりしてるし。
……僕の方がしっかりしてるけどね!!してるけどね!!!!!!

してるよねぇ……??

…コホン、まあそれはさておき。
今、僕は凄く驚いているんだ。
いや、昨日ティーナの欠点について知った時も驚きはしたけれど。
今はそれ以上だ。

 我が娘は、大天使ナビ様から加護を頂いているらしい

 天使様の加護なんて、そう易々と貰えるものではない。確か、5億年ほど存在するこの世界で、これまで加護を受けた者は2、3人いるかいないかだったはずだ。
 天使様の加護と言うだけで凄いのに、さらにナビ様ときたものだ。腰が抜けたよ。
だってナビ様と言えば、数多いる天使の中でもトップ中のトップ!大天使様だよ?
 ティーナが嘘を言っているようではなさそうだし。
びっくりして思わずフォークを床にダイブさせちゃったよ。

…はぁ、やっぱり僕の娘は変わっているな。
うん、そこが可愛いけどね!
超可愛いけどね!!!!

 取り敢えず、この事は陛下にお伝えしないと。
自国に天才児の加護持ちがいるだなんて、国家機密レベルの大ニュースだからね。
陛下あいつ、喜ぶだろうなぁ。

 マリオスは色々と考えながらも、落ちたフォークを拾って、再びそれでサラダを食べようとして…はたき落とされた。
 「痛い!何するんだいマーガレット!3秒!3秒ルールだよ!知ってる??」
 「知りませんそんなもの!!お行儀の悪い!」

クレディリア家は今日も賑やかだ。
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