聖なる歌姫は嘘がつけない。

水瀬 こゆき

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出会い編

恐怖のテーマパークじゃないか!

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本編の前に注意

最近某バカ(ラグドーナ)のせいで展開としては真面目なお話が続いたので(内容としては真面目ではありませんでしたが)今回は所謂『気休め回』になっております。
気楽に呼んでください。
基本アルカティーナの天然ボケしか出てきません。
ネタどーでもいい!という方は御免なさい。
読み飛ばしてください…!

「仕方ないからお前のしょーもないネタ話読んでやるよ」という神様の如く心の広い方はどうぞ、読んでやってください…。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



 午前6時30分。
ゼンはいつも通り、主人の部屋を軽くノックした。

 「お嬢、お早う」

 『あ、ゼンおはようございます~。入って大丈夫ですよ!』



 事件もとい夜会の翌日。
この日、この朝。
ゼンは新たな事件の犠牲者となるのだが…。
当然この時の彼は、そんな予想は微塵もしていなかった。



 「そうか?なら入るぞ」

 『はーいどうぞ~』

 アルカティーナのゆるっとした口調に一種の安心感を覚えるようになっていたゼンは、やはりいつも通りにその扉を開けた。アルカティーナの、これまたいつも通りのふわふわした口調を聞きながら、開けた。
そのいつも通りの一連の流れに、安心感を抱きながら扉を開けたゼンは。

「ん…?あれ?」

まず、扉が何かに引っかかって開かないことに違和感を感じた。

 ゴンと扉と何かがぶつかる音がしたから恐らく床に何かが落ちていたのだろう。綺麗好きなアルカティーナにしてはレアな状況だ。
 そんな感じのことをボンヤリ思いつつ、扉をこじ開けた。と同時に扉に押されて、引っかかっていた何かがゴロゴロと床を転がる音も聞こえた。

 お嬢は夜会での一件で疲れも抜けきっていないのだろう。
綺麗好きのお嬢がこんなミスをするなんて…。

 同情の念を抱きつつ、ゼンは部屋の端のソファーでくつろいでいたアルカティーナに声をかける。

 「何かドアに引っかかってたけど、大丈夫か?」

 「その何かを躊躇なくドアで押し飛ばしたゼンさん。安心してください、大丈夫です」

 グッ!と親指を立てながら、ふわりと笑顔を向けてきたアルカティーナに、ゼンは苦笑する。

 「いや。お嬢の事だからいくら疲れてても、流石に大丈夫じゃないものをドアの前に置き忘れるなんてミスはしないだろうと思ったんだよ」

 「あ!さすがゼンさん!大正解~」

 「だろ?」

 言いつつゼンは、自分が押し飛ばしたであろう「何か」を目で探し始めた。
そして、その「何か」を発見したその時こそが。
ゼンが犠牲者となった瞬間であった。

 「ぅわっ!!!な、何だこれ!?!?」

 思わず仰け反ったゼンに、アルカティーナは「えへへ」と緩みきった笑顔のまま答えた。

 「マドモアゼルちゃんです!」

 何も答えないゼンに首を傾げながら、アルカティーナはソファーから腰を上げ、トコトコと小走りでドア付近までやって来た。
そして少女はを胸に抱えると、もう一度言った。

 「マドモアゼルちゃんです!」

 笑顔を崩さないアルカティーナに対し、次に聞こえてきたのは、ゼンのヤケクソ気味の声だった。

 「うん、だろうなぁ!」

 「あ。でも正確に言うとマドモアゼルちゃんの頭部です!」

 「うん、だろうなぁ!!こんな気持ち悪いもんがマドモアゼル以外にゴロゴロいたら困るわ!」

 「はい、まぁそうですねぇ」

 コクコク頷くアルカティーナに、ゼンは頭を抱えながら質問した。

 「これがここにあると言うことは…?」

 「はい!何を隠そうわたくしがここにテレポートさせたのですよ~~」

 「やっぱり…!!!」

 ゼンがショックのあまり膝をがくりと折る。

 「…因みに聞くが、残りのロボットは?まさかそれも……」

 最悪の状況を想像し、瞳に絶望を映したゼンに、アルカティーナはキョトンと首を傾げた。

 「何をそんなに不安がっているのかはわかりませんが……わたくしも、あの大量のロボットを自宅にテレポートさせる程バカじゃないですよ?」

 「!だよな!うん、俺は最初から信じてたぞ。で?その肝心のロボット達は何処に?」

 「あ、それはですね~。やっぱり製造元に届けるのが一番かと思われたので、テンペス公爵邸にテレポートしました!半分だけ!」

 「?何で半分だけ?」

 「えっと、わたくしも最初は全部まとめてテンペス公爵邸に送ったのです。ですが、その時テンペス公爵邸にはあの大量のマドモアゼルちゃん達を置けるスペースがなかったようなので」

 成る程、まぁあの巨大ロボットを大量に置くスペースがあると言う方がおかしいだろう。
それにしても良かった…!
流石にお嬢もそこまで天然じゃなかったみたいで、本当に良かった…!
いや、マドモアゼルの頭部だけは手遅れとしか言いようがないが。まぁマドモアゼル×20をここにテレポートしなかったのはせめてもの救いだ。

 安心しきったゼンは、ついでと言わんばかりに聞いた。

 「それで?残り半分は何処にやったんだ?」

 アルカティーナはニコニコ笑顔で答えた。


 「ゴミ捨て場です!」


ヌァンダッテ…??

ゴミ捨て場にあんなものが10体もあったら、ただの公害じゃないか。
それに、ゴミを捨てに来る一般市民はそれを見てどんなに驚くだろう。

なんて事だ!やってくれたぞ、この天然!
 
スーーーーハーーーー…
 …落ち着け、落ち着け俺。
一括りに「ゴミ捨て場」とは言っても、色々あるじゃないか。
もしお嬢が住宅街にある、マジもんの「ゴミ捨て場」にあいつらをテレポートしていたら最悪だが…。
ゴミ焼却場の「ゴミ捨て場」だったりしたら、逆に最高の選択とも言えるからな…。
大丈夫、大丈夫だ。
さっき、お嬢は案外天然じゃなかったという結論が出たばかりじゃないか。
そうだ、お嬢はそこまで天然じゃないはずだ!

 意を決したゼンは、アルカティーナき続きを促した。

 「何処のゴミ捨て場だ?」


 「えっと~お隣の国の城下町にあるビッグなゴミ捨て場です!」

 
 最悪だぁーーー!

ゼンは心の中で悲鳴を上げた。
ダメだ!一度でもお嬢を「さほど天然じゃない」とか判断した俺が間違っていた!
隣国のゴミ捨て場に関する条例はかなり緩いため、バレても国交問題にはならないだろうが…。
どうしよう。俺の主人が天然過ぎる。

しかし、そこでゼンはとある可能性に気が付いた。

 お嬢は天然ではあるが、決して馬鹿ではない。
頭脳はかなり切れる。
とすると、お嬢にも何らかの考えがあってその場所を選択したのではないだろうか。

 「お嬢、何でそのゴミ捨て場を選んだんだ?」

 希望を胸に抱きながら、ゼンは聞いた。

そして、アルカティーナの返答に。


絶望した。



 「えっとですね。マドモアゼルちゃんはせっかくこんなにユーモア溢れる見た目なんですから、それを活かせる場所に送ったのですよ。あの巨大さでは捨てられることは免れませんが、ゴミとして燃やされるまでは、その城下町のサバイバルアトラクション的な物になって貰おうと思ったのです!」

 「ほら、子供ってよく着せ替え人形とかで遊ぶじゃないですか。それですよ、それ!」と続けるアルカティーナに、ゼンは朧げな目で聞いた。

「…つまり、何だ。お嬢は町の子供達にでお人形ごっこをしろと」

 「はい!楽しそうでしょう?」

笑顔を崩さない主人に、従者は悲鳴を上げた。
 
 「天然にも程があるだろ!」


 ダメだ…こいつはダメだ。
こういう方面では頼っちゃダメなタイプだ。
というか、お嬢は子供にどんな偏見を抱いているんだ?何処にあの気持ち悪いロボットで着せ替えをする、病んだ子供がいるというんだ!?
あー、考えちゃダメだな、こりゃ。
キリがない。

 
 「だからって何でそこを選んだんだ?もっと他にあっただろ」

 ため息混じりのその問いに、アルカティーナは爛々と瞳を輝かせながら答える。

 
 「子供が窮屈な思いをせず、存分にマドモアゼルちゃんで遊べる広い場所、かつゴミ焼却場が近い場所がそこしかなかったからです!」

 「心配しなくても、あれで遊ぶような子供は存在しない!」

言い切ったゼンに、「そんな事ないですよ~」と笑ってやり過ごしたアルカティーナは、思い出したようにこうも言った。

 「あ。因みに、マドモアゼルちゃんの集うゴミ焼却場もとい『マドモアゼル・ランド』のモットーは『自由』です!」

 「何が『マドモアゼル・ランド』だ!恐怖のテーマパークじゃないか!でもある意味モットーがマッチしてるのは気のせいか!?」

 「ということでゼン!マドモアゼルちゃんが燃やされる前に今度そこに遊びに行きましょう!」

 「誰か!誰か通訳をしてくれ!こいつ、言葉が通じない!!」


 犠牲者ゼンの苦労は絶えない。
それもこれも十中八九、ズレた感性の持ち主が主人であるせいだ。
 

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 取り敢えず。
声量大でお伝えします。


「マドモアゼルはこのネタのために登場したわけではありません!!!」


後々活躍?するので!ちゃんと登場した意味あるので!ただキモいだけじゃないのよ!!

さてさて皆様。
今回はこんなアホな話でしたか次からはちゃんとしたお話になるはずなので!
御免なさい。
あ、でもよく考えて見たらこの作品に「ちゃんとしたお話」って数えるほどしかないような気が…
いやいや、まさかソンナコトナイデスヨネ。

 でも補足ですが、今回のお話も一応今後のお話につながって来るのです!
無駄話ではないのです!だから許して!

 ではでは、一通り懺悔が終わったところですし、ここらで締めます。
お読みいただきありがとうございました…(*^◯^*)

 そう言えば最近アイス食べ過ぎてお腹痛いです。
でもアイス食べたいんです。
助けてください。
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