5 / 6
初めまして編
??視点 夢かうつつか
しおりを挟む
落ちて落ちて落ちて。
どこまでも落ち続けた。
自分はどこへ行くのだろう。
自分とは何だったのだろう。
それ以前に、自分は何かになれたのだろうか。
自分はなぜ、こんなにも弱いのだろうか。
抗えない。
逆らえない。
飲み込まれる。
世界の因果に、押しつぶされる。
さようならは、言わない。
だって柄じゃないから。
だからせめて。
これだけは言わせて欲しい。
「また、会えますか?」
わかりきったその答えを。
今はまだ、口にしないで。
◇ ◆ ◇
「へぇ、この6人が?」
「そう、召喚した者達だ。」
「……そう。確かに只者じゃないね。…にしても、6人とも酷い有様だ。このままだと全員数分のうちに死ぬよ?」
「だからこそ、お前を呼んだのだよ。」
「え?ぼくに直して欲しいってこと?はぁ、それでぼくを呼んだってわけ。ふーん、ま、いいよ。なんか面白いことになりそうだし。これ、貸しだよ!」
「ああ。恩にきる、『回復』の神。ありがとう。」
「どういたしまして、陛下。……いや、『召喚』の神。」
◇ ◆ ◇
まぶしい。
何?何か、靄がかかってるみたいな。
何も、見えない…??
『前を見ろ。』
『下は見るな。』
『大丈夫だ、お前なら大丈夫』
…邪魔な霧。声の主が見えない。
でもどこか、懐かしい声。
貴方を知ってる。
思い出せない。
貴方は、誰??
……………
あれ?
今度は、キラキラまぶしい。
目が開けられない。
『大丈夫よ。貴方は私が守ります。』
『何があっても』
『だってそれが私の最後の…』
今度は女の人の声。
貴方のことも知ってる。
誰?
……思い出せない。
………………
あれ?また、変わった。
今度は暗い。
真っ暗闇。
でも、不思議と落ち着く暗さ。
『泣いちゃいけないよ。』
『何、心配ないよ』
『××は死なないから。』
男の人の低い声。
不思議。
貴方のことも知ってる。
貴方のことも思い出せない。
どうして??
何も何も、何もかも、思い出せない。
何も知らない。何も知らされていないから。
どうして?
何でこんなにも空っぽなの。
……違う。
わかってる。
思い出せないんじゃない。
思い出したくないだけ。
知らないんじゃない。
知らされてないんじゃない。
きっと、知りたくないだけ。
知ろうとしないだけ。
思い出そうとしていないだけ。
だから、空っぽのまま。
空っぽのまま、目が覚めた。
「やあ。初めまして。ようこそ異世界へ。」
目の前には、正真正銘の知らない人。
彼は後に国王だと名乗った。
周りには同世代らしき五人の少年少女。
ああ、思い出せない。
自分は何者なのかも。
何者だったのかも、わからない。
でも、きっといつかわかる。
そんな気がするから。
今はただ、前を向いていよう。
前を向いていないと、怒られる気がするから。
『前を見ろ。』
『下は見るな。』
『大丈夫だ、お前なら大丈夫』
目覚める前に見た、あの夢。
不思議な夢。
何故か、その言葉に背中を押された気がした。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
お読みいただきありがとうございます!
そんでもってすみません。
今回は後になって読むと「あー、そういうことか!」ってスッキリする感じのお話でした。
今読んでも「ふぁーん?ナンジャコリャ」だと思います。
ご、ごめんなさい……。
この作品は結構内容が深いんです。
許してくだせぇ。
どこまでも落ち続けた。
自分はどこへ行くのだろう。
自分とは何だったのだろう。
それ以前に、自分は何かになれたのだろうか。
自分はなぜ、こんなにも弱いのだろうか。
抗えない。
逆らえない。
飲み込まれる。
世界の因果に、押しつぶされる。
さようならは、言わない。
だって柄じゃないから。
だからせめて。
これだけは言わせて欲しい。
「また、会えますか?」
わかりきったその答えを。
今はまだ、口にしないで。
◇ ◆ ◇
「へぇ、この6人が?」
「そう、召喚した者達だ。」
「……そう。確かに只者じゃないね。…にしても、6人とも酷い有様だ。このままだと全員数分のうちに死ぬよ?」
「だからこそ、お前を呼んだのだよ。」
「え?ぼくに直して欲しいってこと?はぁ、それでぼくを呼んだってわけ。ふーん、ま、いいよ。なんか面白いことになりそうだし。これ、貸しだよ!」
「ああ。恩にきる、『回復』の神。ありがとう。」
「どういたしまして、陛下。……いや、『召喚』の神。」
◇ ◆ ◇
まぶしい。
何?何か、靄がかかってるみたいな。
何も、見えない…??
『前を見ろ。』
『下は見るな。』
『大丈夫だ、お前なら大丈夫』
…邪魔な霧。声の主が見えない。
でもどこか、懐かしい声。
貴方を知ってる。
思い出せない。
貴方は、誰??
……………
あれ?
今度は、キラキラまぶしい。
目が開けられない。
『大丈夫よ。貴方は私が守ります。』
『何があっても』
『だってそれが私の最後の…』
今度は女の人の声。
貴方のことも知ってる。
誰?
……思い出せない。
………………
あれ?また、変わった。
今度は暗い。
真っ暗闇。
でも、不思議と落ち着く暗さ。
『泣いちゃいけないよ。』
『何、心配ないよ』
『××は死なないから。』
男の人の低い声。
不思議。
貴方のことも知ってる。
貴方のことも思い出せない。
どうして??
何も何も、何もかも、思い出せない。
何も知らない。何も知らされていないから。
どうして?
何でこんなにも空っぽなの。
……違う。
わかってる。
思い出せないんじゃない。
思い出したくないだけ。
知らないんじゃない。
知らされてないんじゃない。
きっと、知りたくないだけ。
知ろうとしないだけ。
思い出そうとしていないだけ。
だから、空っぽのまま。
空っぽのまま、目が覚めた。
「やあ。初めまして。ようこそ異世界へ。」
目の前には、正真正銘の知らない人。
彼は後に国王だと名乗った。
周りには同世代らしき五人の少年少女。
ああ、思い出せない。
自分は何者なのかも。
何者だったのかも、わからない。
でも、きっといつかわかる。
そんな気がするから。
今はただ、前を向いていよう。
前を向いていないと、怒られる気がするから。
『前を見ろ。』
『下は見るな。』
『大丈夫だ、お前なら大丈夫』
目覚める前に見た、あの夢。
不思議な夢。
何故か、その言葉に背中を押された気がした。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
お読みいただきありがとうございます!
そんでもってすみません。
今回は後になって読むと「あー、そういうことか!」ってスッキリする感じのお話でした。
今読んでも「ふぁーん?ナンジャコリャ」だと思います。
ご、ごめんなさい……。
この作品は結構内容が深いんです。
許してくだせぇ。
0
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
無能と追放された鑑定士、実は物の情報を書き換える神スキル【神の万年筆】の持ち主だったので、辺境で楽園国家を創ります!
黒崎隼人
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――勇者パーティーの【鑑定士】リアムは、戦闘能力の低さを理由に、仲間と婚約者から無一文で追放された。全てを失い、流れ着いたのは寂れた辺境の村。そこで彼は自らのスキルの真価に気づく。物の情報を見るだけの【鑑定】は、実は万物の情報を書き換える神のスキル【神の万年筆】だったのだ!
「ただの石」を「最高品質のパン」に、「痩せた土地」を「豊穣な大地」に。奇跡の力で村を豊かにし、心優しい少女リーシャとの絆を育むリアム。やがて彼の村は一つの国家として世界に名を轟かせる。一方、リアムを失った勇者パーティーは転落の一途をたどっていた。今さら戻ってこいと泣きついても、もう遅い! 無能と蔑まれた青年が、世界を創り変える伝説の王となる、痛快成り上がりファンタジー、ここに開幕!
「雑草係」と追放された俺、スキル『草むしり』でドラゴンも魔王も引っこ抜く~極めた園芸スキルは、世界樹すら苗木扱いする神の力でした~
eringi
ファンタジー
「たかが雑草を抜くだけのスキルなんて、勇者パーティには不要だ!」
王立アカデミーを首席で卒業したものの、発現したスキルが『草むしり』だった少年・ノエル。
彼は幼馴染の勇者に見下され、パーティから追放されてしまう。
失意のノエルは、人里離れた「魔の森」で静かに暮らすことを決意する。
しかし彼は知らなかった。彼のスキル『草むしり』は、対象を「不要な雑草」と認識すれば、たとえドラゴンであろうと古代兵器であろうと、根こそぎ引っこ抜いて消滅させる即死チートだったのだ。
「あれ? この森の雑草、ずいぶん頑丈だな(ドラゴンを引っこ抜きながら)」
ノエルが庭の手入れをするだけで、Sランク魔物が次々と「除草」され、やがて森は伝説の聖域へと生まれ変わっていく。
その実力に惹かれ、森の精霊(美女)や、亡国の女騎士、魔王の娘までもが彼の「庭」に集まり、いつしかハーレム状態に。
一方、ノエルを追放した勇者たちは、ダンジョンの茨や毒草の処理ができずに進行不能となり、さらにはノエルが密かに「除草」していた強力な魔物たちに囲まれ、絶望の淵に立たされていた。
「ノエル! 戻ってきてくれ!」
「いや、いま家庭菜園が忙しいんで」
これは、ただ庭いじりをしているだけの少年が、無自覚に世界最強に至る物語。
夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。
古森真朝
ファンタジー
「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。
俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」
新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは――
※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる