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17.女狂い登場
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「な、なんと…! 侯爵様がそのようなことを仰るとは…!」
下を向いてプルプルと震え出したデザイナー。
その様子は怒っているというより…
「素晴らしい! 素晴らしいです侯爵様! ついに私のドレスの良さに気付いてくださったんですね…! 今まであんなに『派手じゃないドレスに価値はない』と仰っていた侯爵様が…! そうですか、やはり私のドレスはそんな頑固な侯爵様までも虜にしてしまうほど素晴らしいものだったのですね。ありがとうございます侯爵様! 侯爵様のおかげで自信がつきました!」
ただ全力で歓喜しているだけだった。
ほとんど自画自賛しかしていないけど、過去のプレイシアの無礼な振る舞いは見逃してくれるようだから良しとしよう。
真実は中身が別人になったから好みが変わっただけで、以前のプレイシアを虜にさせたわけじゃないけどね。
本物のプレイシアにそんなこと言ったら半殺しにされるぞ、というのは言わぬが花だろう。
「それでっ? どのドレスをお召しになりますか? 店頭のドレスもオススメですが侯爵様にはこちらも似合うかと…!」
「わー! 私もそれ気になってたんですぅ! あとこれもプレイシア様の瞳の色にピッタリだと思って~!」
「お目が高い…! 侍女様、ドレスのなんたるかを心得ていますね?」
「えへへ、それほどでも~」
キャッキャと当の本人を置き去りにして盛り上がるデザイナーとラピ。
二人のセンスは間違いなさそうだから任せても問題ないけど、そんなに量は買うつもりない。
ただでさえ痩せ細った領地を立て直すのにお金がいるのに、今はまだ無駄遣いしている場合ではないのだ。
──まあ、誰かが代わりに払ってくれるというのなら話は別だけど。
「可愛いお嬢さん達、楽しそうだね。良かったら僕にも女性にドレスを送る栄光を授けてくれない?」
突如私達がいる後方から喋りかけてきた男。
皆一様に驚いて後ろを振り向く。
…いや、私だけは気付いていた。私達が来店した直後に男がこっそり入り込んだのを。
「あ、あなたは…! アーシクス公爵!?」
一番驚いているのはデザイナー。それは彼が一種の著名人だから。
ラピは彼の見目麗しい外見に目が釘付けだ。シルバーの髪にアメジストを連想させる紫の瞳は世の女性を虜にするだけの魅力がある。
そして唯一驚いていない私。
何故なら帝都を歩いている間に尾行されていることに気付いていたから。
そしてその人物は私がよく知る男の内の一人だった。
──彼の名はギシャン・アーシクス公爵。
『地獄のユートピア』の攻略対象が一人、別名『女狂いのギシャン』である。
下を向いてプルプルと震え出したデザイナー。
その様子は怒っているというより…
「素晴らしい! 素晴らしいです侯爵様! ついに私のドレスの良さに気付いてくださったんですね…! 今まであんなに『派手じゃないドレスに価値はない』と仰っていた侯爵様が…! そうですか、やはり私のドレスはそんな頑固な侯爵様までも虜にしてしまうほど素晴らしいものだったのですね。ありがとうございます侯爵様! 侯爵様のおかげで自信がつきました!」
ただ全力で歓喜しているだけだった。
ほとんど自画自賛しかしていないけど、過去のプレイシアの無礼な振る舞いは見逃してくれるようだから良しとしよう。
真実は中身が別人になったから好みが変わっただけで、以前のプレイシアを虜にさせたわけじゃないけどね。
本物のプレイシアにそんなこと言ったら半殺しにされるぞ、というのは言わぬが花だろう。
「それでっ? どのドレスをお召しになりますか? 店頭のドレスもオススメですが侯爵様にはこちらも似合うかと…!」
「わー! 私もそれ気になってたんですぅ! あとこれもプレイシア様の瞳の色にピッタリだと思って~!」
「お目が高い…! 侍女様、ドレスのなんたるかを心得ていますね?」
「えへへ、それほどでも~」
キャッキャと当の本人を置き去りにして盛り上がるデザイナーとラピ。
二人のセンスは間違いなさそうだから任せても問題ないけど、そんなに量は買うつもりない。
ただでさえ痩せ細った領地を立て直すのにお金がいるのに、今はまだ無駄遣いしている場合ではないのだ。
──まあ、誰かが代わりに払ってくれるというのなら話は別だけど。
「可愛いお嬢さん達、楽しそうだね。良かったら僕にも女性にドレスを送る栄光を授けてくれない?」
突如私達がいる後方から喋りかけてきた男。
皆一様に驚いて後ろを振り向く。
…いや、私だけは気付いていた。私達が来店した直後に男がこっそり入り込んだのを。
「あ、あなたは…! アーシクス公爵!?」
一番驚いているのはデザイナー。それは彼が一種の著名人だから。
ラピは彼の見目麗しい外見に目が釘付けだ。シルバーの髪にアメジストを連想させる紫の瞳は世の女性を虜にするだけの魅力がある。
そして唯一驚いていない私。
何故なら帝都を歩いている間に尾行されていることに気付いていたから。
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