26 / 30
26.宣戦布告
しおりを挟む
「気が変わった」と平気で嘯くエトメール。
「ふふ、そう言う割には殺気が隠せてないわよ?」
「なんだ、バレてたか」
隠すつもりもないくせに、驚いた素振りをする。
そんな彼に笑みを深くして、跨っている足を退けた。
「…へえ? それはオレに殺されてもいいってこと?」
「あなたが本気を出せば、私なんて歯が立たないはずよ」
私が拘束を解いたことは意外だったのか、珍獣を見るような目で私を観察するエトメール。
「それはやってみないとわからないよ。試してみる?」
「いいえ。今やれば部屋が血だらけになってしまうもの。そんな血生臭い部屋では熟睡できないでしょう?」
「アハハ! 気にするとこそこ!? それって、オレが本気を出しても死なない自信があるって風に聞こえるけど」
「ええそうね。私はあなたなんかに殺されない」
「…面白いね。どうも虚勢ではなさそうだ。さっきの動きも驚いたし、キミは一体何者?」
エトメールは私に興味津々のようだ。金の瞳が爛々と輝いている。
彼の殺人術の前には皆等しく無力となる。
彼が一度殺そうと思った相手は必ず死ぬ。
彼は当たり前のように加害者だ。彼を傷つけられる人なんて誰もいない。
…そう思っているのでしょう。
「近い将来、あなたを殺すことができる人物よ」
だから私が、そんなの単なる自意識過剰だって思い知らせてあげる。
…今はまだ、弱っちくてできないけど。いつか必ず、ね。
「侯爵様、軽食をお持ちしました」
ミーグルが食事を持ってきたころ、金の瞳を持つ美しい彼は綺麗さっぱり姿を消していた。
エトメールの最後に見せた笑みが忘れられない。
そういえば、外見は攻略対象の中で一番タイプかな。
性格は今のところ皇帝陛下が一番だけど。
でもエトメールのスリル大好きなところは私と似ていると思う。
快楽殺人鬼と恋愛はちょっと嫌だけど、友達くらいならいいかもしれない。
…まあ、私が彼に今後殺されるようなことがなければだけど。
今日話した感じではすぐに殺されることはないと思う。
それなりに気に入ってくれたみたいだし。
とは言っても油断は禁物だ。
命がなければこの世界を思う存分楽しめない。
やっぱりまずは誰にも殺されないよう特訓が必要だな。
「侯爵様、ロペルを着替えさせたのですがどうでしょう」
もぐもぐとホットサンドを食べていると、使用人の制服に身を包んだロペルが目の前にやってきた。
「あら、案外似合うじゃない」
緊張した面持ちでもじもじしているロペル。
こんなかしこまった服なんて着たことないだろうから落ち着かないのね。
それにしても、見た目を整えた途端見違えた。
薄汚れていたグリーンの髪がエメラルドのようにキラキラと輝き、黒い瞳は黒曜石を思わせる。
これはなかなか、利用価値がありそうね。
「ふふ、そう言う割には殺気が隠せてないわよ?」
「なんだ、バレてたか」
隠すつもりもないくせに、驚いた素振りをする。
そんな彼に笑みを深くして、跨っている足を退けた。
「…へえ? それはオレに殺されてもいいってこと?」
「あなたが本気を出せば、私なんて歯が立たないはずよ」
私が拘束を解いたことは意外だったのか、珍獣を見るような目で私を観察するエトメール。
「それはやってみないとわからないよ。試してみる?」
「いいえ。今やれば部屋が血だらけになってしまうもの。そんな血生臭い部屋では熟睡できないでしょう?」
「アハハ! 気にするとこそこ!? それって、オレが本気を出しても死なない自信があるって風に聞こえるけど」
「ええそうね。私はあなたなんかに殺されない」
「…面白いね。どうも虚勢ではなさそうだ。さっきの動きも驚いたし、キミは一体何者?」
エトメールは私に興味津々のようだ。金の瞳が爛々と輝いている。
彼の殺人術の前には皆等しく無力となる。
彼が一度殺そうと思った相手は必ず死ぬ。
彼は当たり前のように加害者だ。彼を傷つけられる人なんて誰もいない。
…そう思っているのでしょう。
「近い将来、あなたを殺すことができる人物よ」
だから私が、そんなの単なる自意識過剰だって思い知らせてあげる。
…今はまだ、弱っちくてできないけど。いつか必ず、ね。
「侯爵様、軽食をお持ちしました」
ミーグルが食事を持ってきたころ、金の瞳を持つ美しい彼は綺麗さっぱり姿を消していた。
エトメールの最後に見せた笑みが忘れられない。
そういえば、外見は攻略対象の中で一番タイプかな。
性格は今のところ皇帝陛下が一番だけど。
でもエトメールのスリル大好きなところは私と似ていると思う。
快楽殺人鬼と恋愛はちょっと嫌だけど、友達くらいならいいかもしれない。
…まあ、私が彼に今後殺されるようなことがなければだけど。
今日話した感じではすぐに殺されることはないと思う。
それなりに気に入ってくれたみたいだし。
とは言っても油断は禁物だ。
命がなければこの世界を思う存分楽しめない。
やっぱりまずは誰にも殺されないよう特訓が必要だな。
「侯爵様、ロペルを着替えさせたのですがどうでしょう」
もぐもぐとホットサンドを食べていると、使用人の制服に身を包んだロペルが目の前にやってきた。
「あら、案外似合うじゃない」
緊張した面持ちでもじもじしているロペル。
こんなかしこまった服なんて着たことないだろうから落ち着かないのね。
それにしても、見た目を整えた途端見違えた。
薄汚れていたグリーンの髪がエメラルドのようにキラキラと輝き、黒い瞳は黒曜石を思わせる。
これはなかなか、利用価値がありそうね。
0
あなたにおすすめの小説
痩せすぎ貧乳令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます
ちゃんゆ
恋愛
男爵家の三女に産まれた私。衝撃的な出来事などもなく、頭を打ったわけでもなく、池で溺れて死にかけたわけでもない。ごくごく自然に前世の記憶があった。
そして前世の私は…
ゴットハンドと呼ばれるほどのエステティシャンだった。
とあるお屋敷へ呼ばれて行くと、そこには細い細い風に飛ばされそうなお嬢様がいた。
お嬢様の悩みは…。。。
さぁ、お嬢様。
私のゴッドハンドで世界を変えますよ?
**********************
転生侍女シリーズ第三弾。
『おデブな悪役令嬢の侍女に転生しましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます』
『醜いと蔑まれている令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます』
の続編です。
続編ですが、これだけでも楽しんでいただけます。
前作も読んでいただけるともっと嬉しいです!
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日7時•19時に更新予定です。
モブ転生とはこんなもの
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
あたしはナナ。貧乏伯爵令嬢で転生者です。
乙女ゲームのプロローグで死んじゃうモブに転生したけど、奇跡的に助かったおかげで現在元気で幸せです。
今ゲームのラスト近くの婚約破棄の現場にいるんだけど、なんだか様子がおかしいの。
いったいどうしたらいいのかしら……。
現在筆者の時間的かつ体力的に感想などを受け付けない設定にしております。
どうぞよろしくお願いいたします。
他サイトでも公開しています。
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
《完》義弟と継母をいじめ倒したら溺愛ルートに入りました。何故に?
桐生桜月姫
恋愛
公爵令嬢たるクラウディア・ローズバードは自分の前に現れた天敵たる天才な義弟と継母を追い出すために、たくさんのクラウディアの思う最高のいじめを仕掛ける。
だが、義弟は地味にずれているクラウディアの意地悪を糧にしてどんどん賢くなり、継母は陰ながら?クラウディアをものすっごく微笑ましく眺めて溺愛してしまう。
「もう!どうしてなのよ!!」
クラウディアが気がつく頃には外堀が全て埋め尽くされ、大変なことに!?
天然混じりの大人びている?少女と、冷たい天才義弟、そして変わり者な継母の家族の行方はいかに!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる