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02 再会
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そんなある日。
『今日はどこで呑んでるの?』
既に相手も予定を合わせる気がなくなったのか、最近はどうでもいい世間話しかしていなかった。
といっても、お互い返信が遅いので1日に1往復がいいところだ。
今日は珍しい質問がきたのでなんとなく既読をつける。
丁度友達がトイレに行ったタイミングだったので『渋谷だよー』とだけ送って違うSNSを開いた。
友達が帰ってきてすぐ、隣にいた男2人組に声をかけられ暫く一緒に呑んだ。
この場合は大抵奢ってくれるので学生の身としてはありがたい。
2軒目に行こうと誘われたけど、ちょっと話を合わせるのに疲れていたので友達と笑顔でさよならした。
友達は急遽別の飲み会に誘われたらしく、少し寂しいけどその場でバイバイ。
1人になってしまった。
このまま帰るのは何となく勿体ない気もするが、1人でこの繁華街を歩くのも怠そうだ。
(今日は大人しく帰るか……)
そう思って改札へと足を向けたその時。
「舞ちゃん!」
くいっと腕を引かれて人の波から外させられた。
聞き慣れない声に戸惑いながら顔を上げると、見たことあるようなないような整った顔があった。
「…?」
「良かったー会えて。俺も丁度渋谷で呑んでたからさ」
と、そこでようやく思い出す。
そうだ、この前クラブで会った人こんな顔だった。
スーツ着てるからか印象違くて思い出すのに時間がかかってしまった。
まあ、元々顔を覚えるのは苦手なんだけど。
それにしても、まさかこんなところで会うとは。
そういえば渋谷にいるってラインしたっけ…?
その後ラインを開いていないから記憶の彼方だった。
「折角だし2人で飲み直さない?」
とのお誘いに、少し考えてから承諾する。
うん、このまま帰るのちょっと寂しかったから丁度良かったかも。
この人との記憶は悪いものじゃなかったし。
酔っ払ってて曖昧だけど楽しかった気がする。
そして私達は彼の行きつけのバーとやらに行って飲み直し、良い感じに身体が温まったタイミングでホテルに移動した。
後でこっそり忘れていた名前をラインで確認したら、彼は“海里”という名前だった。
前回よりは酔っていなかったから、行為が“悪くない”のではなく“とても良い”ことに気付いた。
もしかしたら、今までで一番相性が良いかもしれない。
この人となら定期的に会ってもいいかな~なんて思っていた矢先。
「舞ちゃんやっぱり最高だな~相性良いし付き合う?」
腕枕をされながら顔を傾けて言われ、暫し思考停止。
びっくりした。付き合うだなんて、絶対言ってこないと思っていた。
彼もそんなに良かったのだろうか?
まあ、返事は決まってるけどね。
「いや、面倒なの嫌いなんだよね。付き合う必要はないかな~」
「あはは、やっぱり?俺も面倒なの嫌い」
なんだ、冗談だったか。
すぐに笑い飛ばした彼に内心安堵する。
しつこく付き合おうとする人って後に絶対面倒になるからな~。
そういう人は早めに切っておかないと。
海里くんが面倒な人じゃなくて良かった。
『今日はどこで呑んでるの?』
既に相手も予定を合わせる気がなくなったのか、最近はどうでもいい世間話しかしていなかった。
といっても、お互い返信が遅いので1日に1往復がいいところだ。
今日は珍しい質問がきたのでなんとなく既読をつける。
丁度友達がトイレに行ったタイミングだったので『渋谷だよー』とだけ送って違うSNSを開いた。
友達が帰ってきてすぐ、隣にいた男2人組に声をかけられ暫く一緒に呑んだ。
この場合は大抵奢ってくれるので学生の身としてはありがたい。
2軒目に行こうと誘われたけど、ちょっと話を合わせるのに疲れていたので友達と笑顔でさよならした。
友達は急遽別の飲み会に誘われたらしく、少し寂しいけどその場でバイバイ。
1人になってしまった。
このまま帰るのは何となく勿体ない気もするが、1人でこの繁華街を歩くのも怠そうだ。
(今日は大人しく帰るか……)
そう思って改札へと足を向けたその時。
「舞ちゃん!」
くいっと腕を引かれて人の波から外させられた。
聞き慣れない声に戸惑いながら顔を上げると、見たことあるようなないような整った顔があった。
「…?」
「良かったー会えて。俺も丁度渋谷で呑んでたからさ」
と、そこでようやく思い出す。
そうだ、この前クラブで会った人こんな顔だった。
スーツ着てるからか印象違くて思い出すのに時間がかかってしまった。
まあ、元々顔を覚えるのは苦手なんだけど。
それにしても、まさかこんなところで会うとは。
そういえば渋谷にいるってラインしたっけ…?
その後ラインを開いていないから記憶の彼方だった。
「折角だし2人で飲み直さない?」
とのお誘いに、少し考えてから承諾する。
うん、このまま帰るのちょっと寂しかったから丁度良かったかも。
この人との記憶は悪いものじゃなかったし。
酔っ払ってて曖昧だけど楽しかった気がする。
そして私達は彼の行きつけのバーとやらに行って飲み直し、良い感じに身体が温まったタイミングでホテルに移動した。
後でこっそり忘れていた名前をラインで確認したら、彼は“海里”という名前だった。
前回よりは酔っていなかったから、行為が“悪くない”のではなく“とても良い”ことに気付いた。
もしかしたら、今までで一番相性が良いかもしれない。
この人となら定期的に会ってもいいかな~なんて思っていた矢先。
「舞ちゃんやっぱり最高だな~相性良いし付き合う?」
腕枕をされながら顔を傾けて言われ、暫し思考停止。
びっくりした。付き合うだなんて、絶対言ってこないと思っていた。
彼もそんなに良かったのだろうか?
まあ、返事は決まってるけどね。
「いや、面倒なの嫌いなんだよね。付き合う必要はないかな~」
「あはは、やっぱり?俺も面倒なの嫌い」
なんだ、冗談だったか。
すぐに笑い飛ばした彼に内心安堵する。
しつこく付き合おうとする人って後に絶対面倒になるからな~。
そういう人は早めに切っておかないと。
海里くんが面倒な人じゃなくて良かった。
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