バレンタインパーティで出逢ったダサい年下君は、脱いだらまさかのアノヒトでした。

カミヤルイ

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「シャワー、どうぞ先に使って」

 梶山は久しぶりのラブホテルに緊張しているのを隠し、慣れたフリをするために足を組んでソファに座った。

 だがその直後、ぐいっと腕を引かれた。

「いいえ、一緒に入りましょう」
「え、あっ!」

 横抱きでバスルームに連れ込まれ、あっという間に服を脱がされる。

(なんだなんだ、この子、慣れてるのか?)

 横抱きされるのさえ初めての梶山は内心ドキドキマックスだ。

 だが、若者はおそらくオジサンなら後腐れがないと踏んで梶山を選んだのだろう。
 ここは余裕を見せねばならない。

(落ち着け、落ち着くんだ俺)

 気づかれないように目線を一瞬斜め下に動かし、瞼を伏せて小さく息を吸う。

 梶山は塾講師だ。生徒の前でなにか動揺することがあったらこの方法で乗り切っている。

(……よし、落ち着いた)

 梶山は若者に視線を戻す。

「そんなに焦らなくても俺は逃げないよ……って、えええ!」

 若者が瞳に映った瞬間、動揺を通り越して驚愕してしまった。

「き、き、き、君は! もしかしなくても!」

 眼鏡と、被っているとはわからなかったウイッグ、そして服を脱ぎ去って一糸まとわない姿になった若者は、なんとカメレオン俳優と呼ばれる実力派の人気俳優「芳野隼人」じゃないか!

「あ、俺のこと、わかります?」
「あああ当たり前ですっ。推しです! 顔ちっさ、足長っ。ぇ、ナマのビジュやばっ!」

 年甲斐もなくすっかり興奮した梶山は、裸なのも忘れて隼人に見惚れてしまう。

 実力派と言われる隼人だが、それはイケメンな上に演技が上手すぎるからだ。

 海外のハイブランドモデル出身の隼人は美しく均整の取れたプロポーションを持ち、きりりとした目元と引き締まった口元の、精悍な顔立ちをしている。
 どの国のモデルにもひけを取らないイケメン中のイケメンなのだ。

「生の芳野隼人……尊すぎる」
「芳野……そっちか……」

 ついに拝んでしまうと、隼人がなにかをポソリとつぶやいた。
 聞こえなくて首を傾げると、ニコッと微笑んでくる。

 まぶしくて目が潰れそうだが潰れても本望だ。
 このままずっと見つめ続けていたい。

「……嬉しいな。あなたの推しが俺なんて」

 隼人が手を伸ばしてくる。
 頬に触れられ、今さらながら畏れ多さに身体を強張らせると唇を奪われた。

「ふぅ……ん、んんっ」

 抗う時間もないままバスルームに入り、熱いシャワーを頭から浴びせられる。

「ん、んむっ……芳野さ……」
「……隼人君って呼んでほしいな」
「あっ……隼人君っ」
「そう、それでいいよ。嬉しい」

 隼人は最初から口内を貪り、全身をくまなく愛撫してくる。

 洗い場で手早く一度イかされたあとは、泡にまみれた浴槽内で背面座位となり、猛々しく突き上げられた。 

 バスルームでの背徳的でハードな情事に、四十路の身体はすぐにのぼせ、力が抜けていく。

 だが、隼人の熱い杭は収まることを知らず、なおも貪欲に梶山を求め続けてきた。

「せんせ、素敵だよ。せんせの中、締め付けが最高で出たくなくなる」 
「やぁっ、もうだめぇ、そんなおっきいの、中にずっといたらお腹破れちゃうぅ!」
「ああ、せんせ、可愛い……」
「せんせって……ん、ああっ……!」

 せんせ、ってなんだろうと隼人の呼び方に一瞬思考が止まるが、その意味を深く考える余裕など与えられない。

 鍛え上げられた身体と同様、隼人の杭もまた筋肉そのもののように硬く太く、そして長い。  

 突き上げられるたびに脳天まで痺れが走る。
 止まっていても腹の奥に熱い塊が居座り、内蔵ごと溶かされてしまいそうだ。

「煽るようなこと言わないでよ。興奮しちゃうよ」

 脚を持ち上げられ、身体をふたつに折られた。最奥に杭を突き刺される。

「ひ、ぐっ」

 その位置で腰をぐりぐりと回して押し付けられ、コリコリになった胸の先をかじられれば、もうほとんど透明に近い粘液が梶山の昂りから飛び散った。

「触ってないのにイくとかエロすぎでしょ」
「や、やあぁぁ! もう許してぇ、許してぇ、もう何回もイってるからぁ……!」

 激しく前後に揺さぶられる。
 激しく腰を打ち付けられて、梶山は愉悦に泣き叫ぶ。

 ──その後もバックで、対面座位で立位で……。

 結局五回も続けて欲をぶつけられて、梶山は気絶はしないまでも抜け殻のようにベッドに横たわった。

(若い子、怖い……)

 一方、激しいセックスを繰り返したのにも拘わらず、隼人は少しも疲労を見せない。

 梶山の身体を拭いたり水を口移しで飲ませてくれて、とても甲斐甲斐しく優しい。

(怖いけど……やっぱり、かっこいい……)

 梶山が夢見心地でぼんやりしていると、隼人は腕の中に梶山を閉じ込め、繰り返す。

「好きだよ。もう離したくない」

 これはワンナイトの相手へのお礼なのだろうか。

 そうして隼人は梶山が眠りに落ちるまで愛を囁き、キスをしてくれた。

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