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ᒪove Stories 〈第二幕〉 ほぼ❁✿✾ ✾✿❁︎
Love so sweet 2
しおりを挟むバスタブに張った湯に、白く濁る入浴剤を入れてから小さく息を吐き、彬は自身の昂りを抑えた。
互いの名を呼びながら悠理のボトムスをずらし、下着の背側から臀へ手を滑らせた時、派手に拒否されたのだ。
「ま、待って下さい。俺、今日会えるなんて思ってなかったから準備が!」
そして、まずは自分で解してみたいと涙目に頭を下げられるものだから、頷くしかなかった。
フラワーアップから彬のマンションに向かう車の中、悠理は自身に起こった現象を話していた。
「江戸にいたあいだも俺の体は現代にもあったんです」
つまりは、現代の悠理の体は誰のものも受け入れていないのではないか──勿論忠彬のものも。
「やっぱりきつい……」
悠理は浴室の椅子に腰掛けながら後孔に触れた。備えられた高そうなボディソープを絡ませた中指を内部に挿れてみる。けれど第一関節までしか進むことができない。
(さっき彬さんに胸を触られた時はここもきゅんってなったんだけどな)
「あっ……」
指は奥には入らないものの、胸の先が自然に尖り、太もものあいだが熱を持ち始めた。さっきまで彬に弄られていたのを、悠理の指が真似しだす。
「んっ……ふぅ……ん……」
声を聞かれたらどうしよう。そう思うのに、胸先を弄る指は止まらず、もう一方の手は下に伸びて……その時だった。
ガタンと音がして浴室のドアが開いたのは。
恍惚に蕩けていた顔を上げれば裸体の彬が立っている。
がっしりとは形容が違うが、上背が長いのに腰の位置が高く、そこからすらりと伸びた脚。ほどよく寄った胸や腹の筋肉や、長い腕には男らしい筋と血管の走り。同じ男でも見惚れてしまうのは江戸の頃と同じだ。
「な、な、な、なんで……!」
一瞬、彬の造形美に魂を取り込まれそうにはなったが、自分の痴態を見られて動揺した悠理は立ち上がり、体を隠す。しかも、芸術品のような彬とは違い、悠理の体は筋肉も脂肪も薄く、開花前の少女を思わせるもので、その違いには恥ずかしさしかなかった。
「うん、悠理に任せてたらいつまでもかかりそうだし……もしこっちの体が初めてならやっぱり俺がやりたいなって思って」
彬は余裕げににっこり笑って、背面から悠理を抱きしめた。そのまま手がするりと腹を滑り、長い指を悠理の手に重ねて一緒に悠理自身を撫でる。
「さっきの、思い出して自分でしてたんだ? ここもこんなに硬くして」
耳元で囁かれ、決して官能を誘うような動かし方ではないのに、彬が手を上下するだけで悠理はどんどん昂まってしまう。
「もっ……やだ。やっぱり性格違う~」
「あはは」
彬はそんな言葉にも嬉しくなる。
確かに江戸時代の自分なら百合を待ってやっただろう。でも、もう、ものわかりが良いだけのつまらない忠彬じゃない。
「こんな俺は嫌?」
わかってるのに問う。そのあいだも手は休んでいない。
「嫌いじゃない……です。でも恥ずかしいからぁ……あ、あぁッ……!」
(も、出ちゃう……!)
波が打ち寄せるように悠理を襲う吐精感。しかし、彬の手が止まる。
「彬……さん?」
「まだ駄目だよ。中でイこう? ほら、我慢できるね? 陰間の時はどうしてた?」
彬は悠理に屹立を握らせ、達してしまわないよう、手に力を入れさせた。そして自分は後孔に指を当てがう。
仕入れの時と同じに時間をかけて入り口表面を優しく撫で、ひくつき、欲しがるのを確認してからゆっくりと指を進める。
(確かにきつい。やっぱりこっちの体は使われてないってことか)
心が踊った。まだ誰一人現在の悠理の体を満たしていない。自分が悠理にとって最初で最後……全てになれる。
陰間の頃は「仕事だ」と忠彬さえも納得していた部分がある。褥が上手くなればなる分だけ芸が伸びるのはどの芸子も同じだった。
(ただ、宗光だけは……)
彬の指が悠理の内壁を抉る。
「あっ……やっ……彬さんっ……」
突然の強い刺激に悠理が仰け反った。
彬はその体をしっかり固定してやりながら、百合が感じていた部分に指を進め、関節を曲げた。
「あぁっ……そこ、だめ、ふ、んんっ」
悠理の体がいっそうひくつく。だからって、動きを止めてはやらなかった。
──百合ちゃん、焦らすと涙いっぱいためて体を擦り付けてくるんやで。
──中に入った時は一回一気に抜いてから強く深く突いてやるとすぐに達するんや。
──知ってたか? 百合ちゃんて真心好きなんやな。イヤイヤ言いながら腰を高く上げるんや。あの時の可愛さって言ったら……。
普段は華屋に入り浸っている宗光が、時々保科邸に帰ってきてはそんな下世話な話を嫌味面で伝えてきた。
宗光は同い年の従兄弟で、母親を亡くしてから移り住んだ本宅でいつも寂しそうにしていた。だから本当の兄弟のように思ってそばにいたのに、忠彬には心を開かなかった。
大人になってからはそれなりに心安く会話をするようにはなったが、百合と夫婦契約を結んでからの宗光は、忠彬を煽るかのように百合との情事を話す──そのことだけは心底嫌悪した。
あれはおそらく嫉妬だったのだろう。胸が焼けるようで、百合が宗光の名を口にするのも嫌だった。
いつだったか、浅草で宗光を待つ百合に簪を贈ったのも、その嫉妬心の現れからだった。
「ん、んんっ……彬さん、も、だめ、イきたい……」
悠理の膝が、がくがくと震えた。彬が体を支えていないとすぐにでもへたり込んでしまいそうだ。
「いいよ、手、離してごらん」
ちゅ、と首筋に口付けて許可をすると、悠理は自身の屹立から手を離す。途端に白濁が爆ぜて床に飛び散った。
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