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ぬくもり
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ずるずると体が引っ張られて伸びるのがわかった。伸縮しても基点が固定された場所になるから、掴まれた所に向かって縮むのが俺の弱点なんだ。伸びて伸びきって、もう無理だ。
シュッ!
「うおっ!」
びたん!
「は、はははは!痛えな、クソ」
ぶよぶよと黒シリコンもどきの塊の俺を持ち上げたのは人だった。
「モル、ただいま」
キングスだった。顔はしわが増えて髭も口を囲むラウンドになってたけど、これは間違いなくキングスだった。右のこめかみから頭に向かって大きな傷があったり少し痩せてたりしたけど。
目の前に、キングスのおっさん。
「お、おお?」
べちゃっ
俺は脱力して溶けキングスの手から滑り落ちた。シリコンから、片栗粉で作ったあんかけのあん位ゆるゆるな物になったのがわかった。
キングスを見たまま体中の水分が抜け出る感じがした。
実際、黒い体の周りに水のような液体が染み出てきて、段々体が小さくなっていたのだったが知る由もない。
「お、おおおお?!おいモル!水分!出すな出すな!縮んで無くなりそうだからストーップ!」
そうなの?どうやったら止まるのかな。
えーと、寿命かもしれないよ?
「消えるなよ!」
走って視界から消えたキングスは家の中をガタガタと、何か探していたと思ったら大きなタライを持って来た。そこに俺をポイって投げ入れた。
ぽちゃん
水入りだった。そこに滲み出た水分を、スクレーバーか何かですくっては必死に入れるキングス。俺は無意識に吸収してるようで、またぷにぷにと復活してきたようだった。
「はああぁ・・・モル、驚かすなよ」
それはこっちの台詞なんですが。生きてたんだね。俺は目をパチパチとしながら、ゆっくり触手を伸ばしてみた。キングスは微笑んでそれを見ていたけど、恐る恐るおっさんの頬を押してみた。成長したからか力加減がわからなくて押しすぎたようだ。めっちゃ頬がつり上がり頭が傾く程の力だったようです。
「おーいモル、押し過ぎだぞー」
ほんもの、だ。
「頭の怪我で混乱してなあ。家が分からなくなってたんだよ。頭に浮かぶのに道と場所が全然わからなくってさあ。流れで仕事して放浪してたらアイリと遇ってな。いい歳して迷子だから連れて帰ってもらったんだ。はは」
あご髭を擦りながらボヤくキングス。
「お前の事言ってたぞ。魔物が人の形になれるって。可愛くって驚いたってさ。魔物に取り付かれそうだって慌てて飛び出したんだと。あいつ堅物だからなあ」
アイリもちゃんと生きてたんだ。俺、可愛かったかな?前世のあれは美少年じゃ無かったはずなんだけどなあ。年齢が少年ってまずかったのかな。瞬きしてキングスを見る。
「雪に埋もれてるわ、裸だわ、可愛いわで驚いたぞ?」
タライの中の俺を指でつんつんしてから撫でた。まだ少し軟体なようで久しぶりに、ふよふよんと揺れたのがわかった。感覚機能は相変わらず無いのが勿体ないと思った。
ただカサカサになった武骨な手をみて暖かそうだなあと、いつまでも見つめていた。
「また犬っころでも人でもいいから、仲良く暮らそうなモル」
後日、驚いたり衝撃を受けすぎると防衛反応で水分を出し、最小になって逃走するのが本能だと本でわかったらしい。俺、ナマコみたいだなと思った。
シュッ!
「うおっ!」
びたん!
「は、はははは!痛えな、クソ」
ぶよぶよと黒シリコンもどきの塊の俺を持ち上げたのは人だった。
「モル、ただいま」
キングスだった。顔はしわが増えて髭も口を囲むラウンドになってたけど、これは間違いなくキングスだった。右のこめかみから頭に向かって大きな傷があったり少し痩せてたりしたけど。
目の前に、キングスのおっさん。
「お、おお?」
べちゃっ
俺は脱力して溶けキングスの手から滑り落ちた。シリコンから、片栗粉で作ったあんかけのあん位ゆるゆるな物になったのがわかった。
キングスを見たまま体中の水分が抜け出る感じがした。
実際、黒い体の周りに水のような液体が染み出てきて、段々体が小さくなっていたのだったが知る由もない。
「お、おおおお?!おいモル!水分!出すな出すな!縮んで無くなりそうだからストーップ!」
そうなの?どうやったら止まるのかな。
えーと、寿命かもしれないよ?
「消えるなよ!」
走って視界から消えたキングスは家の中をガタガタと、何か探していたと思ったら大きなタライを持って来た。そこに俺をポイって投げ入れた。
ぽちゃん
水入りだった。そこに滲み出た水分を、スクレーバーか何かですくっては必死に入れるキングス。俺は無意識に吸収してるようで、またぷにぷにと復活してきたようだった。
「はああぁ・・・モル、驚かすなよ」
それはこっちの台詞なんですが。生きてたんだね。俺は目をパチパチとしながら、ゆっくり触手を伸ばしてみた。キングスは微笑んでそれを見ていたけど、恐る恐るおっさんの頬を押してみた。成長したからか力加減がわからなくて押しすぎたようだ。めっちゃ頬がつり上がり頭が傾く程の力だったようです。
「おーいモル、押し過ぎだぞー」
ほんもの、だ。
「頭の怪我で混乱してなあ。家が分からなくなってたんだよ。頭に浮かぶのに道と場所が全然わからなくってさあ。流れで仕事して放浪してたらアイリと遇ってな。いい歳して迷子だから連れて帰ってもらったんだ。はは」
あご髭を擦りながらボヤくキングス。
「お前の事言ってたぞ。魔物が人の形になれるって。可愛くって驚いたってさ。魔物に取り付かれそうだって慌てて飛び出したんだと。あいつ堅物だからなあ」
アイリもちゃんと生きてたんだ。俺、可愛かったかな?前世のあれは美少年じゃ無かったはずなんだけどなあ。年齢が少年ってまずかったのかな。瞬きしてキングスを見る。
「雪に埋もれてるわ、裸だわ、可愛いわで驚いたぞ?」
タライの中の俺を指でつんつんしてから撫でた。まだ少し軟体なようで久しぶりに、ふよふよんと揺れたのがわかった。感覚機能は相変わらず無いのが勿体ないと思った。
ただカサカサになった武骨な手をみて暖かそうだなあと、いつまでも見つめていた。
「また犬っころでも人でもいいから、仲良く暮らそうなモル」
後日、驚いたり衝撃を受けすぎると防衛反応で水分を出し、最小になって逃走するのが本能だと本でわかったらしい。俺、ナマコみたいだなと思った。
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