神様は少年に賽を振らす

硝子

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出会い

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悲惨な街並みだが、杏果は大丈夫みたいだ。

オレよりよっぽど。

自分の排泄物の上でミイラ状態だったもんな。強い子だ。


オレ一人の時は、ゴブリン倒して、5匹に一回ゴブリン鉱石(小)1つだったが、杏果がパーティーに参加してからは、2回に一回はドロップする。石の使い道は分からないがレアハントやっぱ凄いな。



パーティーへは、ステータス画面から追加できた。これも例の声が教えてくれた。


杏果のブレッシングのお陰で、力や俊敏が上がって戦いやすい。

なんといってもメタトロン!

強すぎるぜ!


駅まであと5キロ程だ。ちょっと遠くて不便な立地だった。




「にょにょにょ?幼女と変態発見」

黒に白いシマシマが入った大きめなフードに猫耳がついている。そしてミニスカを風で揺らしながら彼女は大きな瞳で二人を見ていた。フードをすっぽりと被っているので顔は分からないが、その目と少し見える鼻の頭から、かなりの美少女であろう事が伺える。


「幼女レベル高けぇ白い透き通る肌にまだ小さいけど通った鼻筋 目も切れ長で涙袋が最高にゃー」


「男はさえないにゃ何処にでも居そうな中肉中背。ちょっとぽちゃかな?無造作ヘアに黒髪にゃ。でもまぁそういうのが良いって女が最近は多いにゃぁ」


ラージャ・クエストには勿論NPCが存在する。そんな彼ら彼女らを傭兵として雇う事が出来る。中にはユニーク過ぎて、バグと呼ばれる種類のNPCも…




「はぁ疲れたちょい休憩」


「またですか?おにいちゃん体力ないですね」


「杏果たん冷たくなってない?どんどん冷たくなってない?」


「たんってなんですか?たんって…」  


ちょっと微妙な空気。冗談が通じないタイプの様だ!



「こんにちは!はじめましてなのだ!」

ん?誰だ!なんだ!敵か?


銃を構える。

だが敵意は無いようだ。


「誰だ?…あれ?見たことあるな…ってバグ子ことシュバリエじゃないか?」


「正解にゃ。流石は冴えない感じなのに生き残ってるだけあるにゃ!」


ノンプレイヤーキャラも存在すんのか?!

なんでもありかよ!まぁこの世界自体可笑しいもんな。


「そちらの幼女に惹かれまして。私を雇わないかい?」


あぁそっかNPCがいるなら、魔鉱石の使い道はあるな。報酬が摩鉱石だからだ。


「1日20マナの魔鉱石でいいにゃ」

だいたいゴブリンの魔鉱石が一個で1マナだったかな…結構大変だな。でも一緒に戦えばすぐか…


「分かった。雇おう!オレの名前は硝子。こっちは杏果。宜しくな!」


「杏果です。宜しくお願いします」


「はーかわいいにゃー。ミーは猫耳族のシュバリエにゃ。リエって呼んでにゃ」


「杏果の可愛さは種族をも越えるか」

賢者の様な顔でいったつもりだ。


「変態」ボソッ


やっぱ杏果冷たくなってる!


と目の前からゴブリンが5匹現れた。


イレイサー。そうシュバリエが唱えると大きな黒い鎌が出てきた。なにこれ怖い。

そういうが早いか一瞬で奴等の命は刈り取られた。


「うにゃー、いくにゃー」


仲間で良かった!本当に。

因みにバグ子というのは、その言動と強さからだ!


ただ残念なのが、すぐに黒猫になってしまって、ナイスボディなエッチな服が見れなくなってしまった事だ。


やっとショッピングモールが見えてきた。

数年前に出来た大型のモノだ。

休日はこの街の大半がここに来ると言っても過言ではないだろう。


「あー、ちょっと中にヤバイの居るけどどする?」


「え‥リエがヤバイってかなりやばくない?」


「んー、レベルは雇い主依存だからにゃー。ご主人はちょっとレベル低すぎにゃ。どうせずっとヒココモリニートしてたんだにゃ?」


図星過ぎて何も言えない。


するとモールの中から悲鳴が聞こえてきた。

すぐに杏果が走り出す。


「おい!杏果!お前のそういうとこ嫌いじゃないぜ!」


声の主は女子高生位の女の子だった。

数人の男に取り押さえられている。


「うるせー!来栖様に逆らうな!」


隣で男も取り押さえられている。


くそ!モンスターじゃ無くて人間かよ!

傷付けたくない。


奴らがオレたちに気付いた。


「おい!武器を捨てろ!」


「待ってくれ。人間同士仲良くしようぜ。とりあえず女の子をはなしやがれ」


いつになく冷静だ。オレはこんなクールだったか?


《スキル メンタルオートメーション獲得》


久々の声だ。

メンタルオートメーションとは、格上の敵とも戦えるスキルだ。こいつが無きゃボス狩りなどもできやしない。


「どうする?ご主人 やっちゃうかにゃ?」


可愛い猫が言う言葉じゃないな!


「あの‥やめましょう。私達は力になりたいだけです。怪我人の治療をさせて下さい」


奴らが少しだけ戸惑いを見せる。

そりゃそうだ。天使杏果たんは最強なんだ。


すると階段の上から声がした。


「おいおい!そんな偽善反吐が出るぜ!奪え!犯せ!殺せ! それがこの世界だろ?」


声の主が現れた。皆が来栖さんと呟く。


イカれてやがる。緑のモヒカンに傷だらけの上裸。目は完全に血走っている。


すぐさま臨戦態勢をとる。

こいつには話しは通じなさそうだ。


瞬きした瞬間に奴は目の前に居た。

ファストステップか?

咄嗟にリエが人型になりナイフを防いだ。


「礼儀がなってないにゃ」


来栖が弾き飛ばされる。

すぐさま弾丸を打ち込みまくる。

初めて人間に発砲したが、メンタルオートメーションのおかげで落ち着いている。


「おいおいおいおいおい!シュヴァリエちゃんじゃないの?! なんでこんな冴えない奴といるのかな?」


当然奴もラージャクエストをやっていたのだろう。


っていうか銃弾きいてない?


二人は凄い切り合いをしている。

オレは完全に蚊帳の外だ。

無闇に発砲してもリエに当たりそうだ。


しかし、来栖がリエを吹き飛ばした。

すぐさま助けに入るが弾がきかない!


「おいおい雑魚過ぎるだろ?」


次の瞬間腹から激痛がした。投げナイフだ。

大量の血が吹き出す。

目の前が真っ暗になった。







✘✘✘✘✘✘✘✘✘✘✘✘✘✘✘✘✘✘✘✘✘✘✘✘✘✘✘✘✘✘

✘✘✘✘✘✘


















目が覚める。

どうやら外の様だ。


「起きたかにゃ? 申し訳ないけど杏果は捕まったままだにゃ」


ガバッ!勢いよく起きる!


腹の辺りが真っ赤だが傷は塞がっている。


「え?なんでオレは生きてるし傷治ってるの?」


「ご主人はアンデッドだったみたいだにゃ」


アンデッドとは、ヒューマンキャラの中でもごく一部。奇跡に近い確率で現れる種族の様なモノだ。

hpは常に微量減り続けるが、死ぬ事は無い。

そしてhpに関する支援は受けられない。

むしろヒールかけるとhpが減る。

なので常にポーションを常備しなきゃいけない。

しかし、ゲームの中でも伝承に近い形で伝わるだけだ。NPCのリッチモンドがそれで、雇えたがNPCはそれぞれ特殊扱いされてたからな。


「そうか。ありがとう助けてくれて」


「杏果が‥ごめんなさい」

黒猫は泣いている様だ。


「すぐ助けに行こう!」


勢いよく立ち上がる。


「無理だよ。ご主人も僕も来栖より弱いよ」


おいおいシュヴァリエ!キャラ崩壊してないか?!


「クソ!」


それからすぐに街へ狩りへ向かった。

オレとリエは狂ったようにモンスターを狩りまくった。

来栖にはオレの攻撃すらきかなかった。

相当なレベル差だ。

必ず助ける! 必ず!

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