毒におかされた隊長は解毒のため部下に抱かれる

・めぐめぐ・

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 愛する人が、薬の効果で自分を求める苦さを表に出さぬよう、レフは再び意地悪く声をかけた。

「いやらしい顏……。そんなに感じて……」

「だって……んっ、きもちいい……から……。続き……して?」

「ふふ、どうしましょうか?」

「やっ、いや……、いじわる……しないで……」

 リースはすがるように哀願あいがんすると彼の手を取り、自ら胸の膨らみに置いた。
 欲する刺激を得ようと、大きな手を動かすたびに、甘いき声が上がる。

 肉欲にくよくに溺れる彼女を見つめながら、レフは希望通り指を動かし、望む刺激を与えた。

「あっ……んぁあっ! あっ、あっ……」

 リースの細い身体がねると、嬉しそうな嬌声きょうせいが響き渡った。与えられ続ける快感を味わうかのように、眉根まゆねを寄せて瞳を閉じている。

(ああ……、レフの指……すごく……いい)

 太い指から与えられるつぼみへの刺激が、彼女の脳と下腹部をもどかしく揺らす。羞恥しゅうちも抵抗も全て奪われ、ただ目が回るような快楽の波が、リースを翻弄ほんろうした。

 そんな隊長の姿を、レフは肩で息をしながら嬉しそうに見つめていた。

(このままいけば、問題なく解毒が出来る。隊長の命も……助かる)

 解毒の終わりは、自分との別れも意味していたが、考えないようにした。

 少しでも多く記憶に残そうと、快楽に身を委ねるみだらな姿を、らすことなく見つめ続ける。

「さっきまで、死ぬと言ってたあなたはどこに行ったのですか? 気持ち良さそうに声を上げて……」

 少しあおるようなレフの言葉。
 彼自身は、ちょっとしたからかいのつもりだったが、リースにとっては突き刺さるものだった。

 気持ちよさそうにとろけていた瞳が、みるみるうちに涙でうるんだ。

「ああっ……、そっ……それは……。ご、ごめんな……さい……。ごめんなさい……」

 欠片ほど残ったリースの理性が、謝罪させる。
 自分が性に溺れてしまった恥ずかしさと悔しさを思い出し、彼に対する申し訳なさから涙がこぼれた。

 レフは、慌てて言葉をつむいだ。
 彼女を、責めるつもりで言ったわけではなかったからだ。

「すみません、隊長……。あなたを責めたわけじゃない。抱かれることより、死を選んだあなたが、こうして俺を求めてくれていることが……嬉しかっただけなんです」

「ほん……とう……?」

 不安そうに、彼の赤い瞳を覗き込みながら、リースは問う。
 レフは答える代わりに、頬を伝う涙を指で拭いとると優しくキスをした。
 
 柔らかな密着みっちゃくはすぐさま激しいものへと変わり、淫靡いんびな音を立てて絡み合う。リースの中の不安はたちどころに、口内を蹂躙じゅうりんさせるよろこびに塗り替えられた。

 唇をむさぼりながら、レフはリースの服の中に手を入れた。
 そして中の肌を楽しむように、ゆっくりタンクトップをめくり上げる。

「れっ、レフ……、やっ……」

 キスに夢中になっていたリースは、慌てて服を守ろうとしたが間に合わず、唾液にまみれたそれは部屋の隅へと投げ捨てられた。

 陽の当たらない肌が、空気に触れる。
 恥ずかしさから胸を隠そうとしたが、力強い男の手で両手を組み伏せられてしまった。

 豊かな膨らみが、レフの目の前にさらされた。
 白く柔らかなそれは、呼吸をするたび、誘うかのように上下を繰り返している。

「そんなに……見ないで……」

 見つめられ、リースは頬を赤く染めながら、蚊の鳴くような声でささやいた。
 しかし、自分の身体がレフの情欲じょうよくあおっていると気づくと、羞恥心以上の興奮が沸き起こった。

 それはうずきとなって現れ、物欲しそうにもじもじと内腿うちももをすり合わせる。

 レフは、想像の中で抱きつぶした女性のあられもない姿に、目を逸らすことが出来なかった。興奮から口呼吸となり、口内がからからに乾く。

(凄く……、綺麗だ……)

 リースの胸は想像以上に大きかったが、きたえられているため、綺麗な形を保っていた。肌の白さが、決して人の目に触れない場所だと物語っている。
 
 それを今、自分だけが目にしていると思うと、支配欲がレフの心を満たした。

「隊長は、着痩きやせするタイプだったんですね。こんなに胸が大きいなんて……」

「は、恥ずかしいから……そんなこと……言わないで……。こんな胸だから……いつもサラシを……」

 この発言に、なるほどと思う。
 記憶にあるリースは、それほど胸が大きくなかったからだ。

 レフの口元が、意地悪く笑った。

「そうだったんですね。まあ……、正解だったと思いますよ? じゃないときっと、部下の誰かに襲われてましたよ?」

「そっ、そんな……、私の部下に、そんな事をする人間は……」

「いない? じゃあ今、こうしてあなたを組み伏せているのは、誰でしょうね?」

「そっ、それは……んっ……んっ……やんっ!」

 レフは彼女の唇を奪い、舌を絡め合わせながら、両手からあふれるふくらみを揉みしだくと、硬く閉じた蕾を直接もてあそんだ。

 布の上からとは違う、脳に直接届くような強い刺激に、リースの反応が激しくなった。

 表情はより恍惚的こうこつてきとなり、舌を絡ませながらも洩れる嬌声は、レフの理性を麻痺させるように甘さを増す。

 更なる快楽を得ようと、唇を話したリースがおねだりをした。

「あっ……あっ……、レフ……、もっと、んっ……強く……」

「こう……?」

「んあぁっ! いいっ……、あうっ……、すごくいいの……」

 弄ぶ指に力が加わり、白い身体がピクンと跳ねた。

 求めた刺激が身体中を駆け巡り、脳内を真っ白に染め上げる。

 レフから与えられる快楽で頭が真っ白になりながらも、秘所ひしょがヒクつき、みつらしながら、彼を受け入れようと身体が準備を進めているのが分かった。

(私……おかしくなってしまってる……。こんなの……こんなの私の身体じゃない……)

 啼きながら腰を揺らし、リースの欠片残る冷静な部分が叫ぶ。

 しかしすぐさま唇がふさがれ、求められるがまま舌を受け入れ絡み合わせると、口の中で響く唾液の音がリースの思考を奪った。代わりに、とろけるような快楽が脳内を支配する。

 唇を奪われ、胸を揉みしだかれ、身体のいたる場に悦びをきざみ込まれながら、収まる事のない愛欲の波にただ翻弄ほんろうされ続けるしかなかった。
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