6 / 20
6
しおりを挟む
「んっ……ん……」
リースが何か言おうと唇を動かすが、すぐさまレフに強く押し付けられ、言葉を奪われる。
言葉にならなかった息は、吐息混じりの艶かしい声となって、唇から洩れた。
呼応するかのように、レフからのキスが激しくなっていく。
リースの唇が、生暖かいものでこじ開けられ、侵入してきたものが歯列をなぞった。
レフの舌だと理解した時、抗うことの出来ない昂ぶりが、そのまま彼の一部を口内へと受け入れてしまう。
(駄目なのに……、こんなこと……)
思いながらも、彼の舌が歯の裏や口の奥の方まで這い、舐めまわされる感覚に、身体が跳ね上がりそうになる。
生暖かい唾液が、リースの口内に流し込まれた。
「んふっ……んん……」
くぐもった嬌声と共に喉が動いた。
少し驚いた表情を浮かべたが、すぐにリースの瞳がトロンと細められる。
自分の体液が、愛する女性の中を侵食していると思うと、興奮がレフをさらに欲情させた。
レフは唾液を多くまとわらせると、わざといやらしい音を立て、リースと舌を絡ませる。
薬の催淫効果なのか、先ほどまで抵抗を見せていたリースも、ねだる様に自ら舌を繋げに来る。
お互いの舌を激しく求め合う、粘り気を帯びた水音が静かな部屋に響いた。
絡めていた舌を解いたのはレフだった。
唇を離すと唾液に塗れた唇が糸を引き、名残惜しそうにリースの唇と繋がって切れた。
(どうしよう……欲しい……、もっと……)
唇に残った唾液を舌で舐めとると、リースは潤んだ瞳で訴えかけた。
理性を失いつつある上司を見て、レフは小さく笑う。
「後でたくさんあげますよ。でも今は……、あなたの全てを見せて……」
「あっ……」
その言葉と同時に、彼の大きな手が羽織っていた上着を剥ぎ取った。
独房で発見された当時の、薄いタンクトップ姿に戻る。
薬の影響かキスのせいか、勃った膨らみが薄っすら生地に浮き出ている。
レフの呼吸が、少しの緊張と期待から激しくなった。そして、薄い生地の上から胸の蕾を擦った。
「いやぁっ! あぁ……」
布ごしに感じる刺激の強さに、リースは思わず拒絶の声をあげてしまった。しかし本心からの拒絶でないのは、手を止めた時に向けられる物欲しそうな表情を見れば分かる。
「気持ちよさそうですね、隊長……。ここ、すごく硬くなってる……」
「そっ、そんな……あんっっ……だっ、だめ……そんな擦っ……んっ!」
服の上から両方の蕾を弄られ、リースははしたなく喘ぎ声をあげた。目はとろけ落ちそうなほど緩み、口では拒絶しながらも、切なそうに腰が揺れている。
自分の指で乱れるリースを見て、レフの加虐心が刺激された。
「はぁ……隊長がこんな、いやらしい声を出すなんて……。他の部下たちが聞いたらどう思いますかね?」
意地悪な質問をされ、リースは与えられる気持ちよさに耐えながら、慌てて口止めした。
理性が保てず、本来もつ女性的な言葉遣いへと変わっているのにも気づかず。
「ああっ……だめ……、誰にも言わないで……」
「もちろん、言いませんよ? こんな可愛い声だなんて……、他の奴らに知られたくない。俺だけのために……もっともっと聞かせて下さいね?」
「そんな……、あぁっ、やっ!」
リースの胸が浮いた。
レフが服の上から胸に吸い付いたからだ。
布越しに感じる、彼の舌。
唾液が布に染み込み、少しの硬めの舌が、布に擦れながら敏感な突起を刺激していく。さらに甘噛みをし、歯の硬さでさらに擦り上げた。
(もう……だめ……。こんなの、もう……)
快楽への欲求が、最後まで誇り高い自分でいようとする意思を塗りつぶすを感じた。
全てが塗り替えられた時、
「あぁ……はぁ……きもち……いい……」
熱に浮かされ、リースの口から無意識に言葉が洩れた。
そして夢中になって、胸に吸い付いている彼の頭を抱きしめると、誘うように耳元で懇願する。
「れふ……、もっと……もっとして……お願い……」
「……隊長」
唇を離すと、ぞくりとするような艶のある表情を浮かべ、彼を求めるリースの姿があった。
愛する人が、薬に堕ちた。
自死を選んだ誇り高き隊長は、もういない。
今、ここにいるのは、薬によって快楽への欲求が抑えられなくなった、一人の女だ。
レフの心は複雑だった。
(隊長は……、薬のせいで俺を求めてるだけ……)
自分の手で快楽に堕ちたリースに、激しい優越感を感じながらも、それの原因が薬の効果なのが、レフには辛かった。
どれだけリースを求めても、リースが彼を求めるのは、本心からではないのだ。
そんな考えを振り落とすように、レフは小さく頭を振った。
(それでも今は……、今だけは……、俺だけを見て欲しい……)
そう心の中で呟きながら。
リースが何か言おうと唇を動かすが、すぐさまレフに強く押し付けられ、言葉を奪われる。
言葉にならなかった息は、吐息混じりの艶かしい声となって、唇から洩れた。
呼応するかのように、レフからのキスが激しくなっていく。
リースの唇が、生暖かいものでこじ開けられ、侵入してきたものが歯列をなぞった。
レフの舌だと理解した時、抗うことの出来ない昂ぶりが、そのまま彼の一部を口内へと受け入れてしまう。
(駄目なのに……、こんなこと……)
思いながらも、彼の舌が歯の裏や口の奥の方まで這い、舐めまわされる感覚に、身体が跳ね上がりそうになる。
生暖かい唾液が、リースの口内に流し込まれた。
「んふっ……んん……」
くぐもった嬌声と共に喉が動いた。
少し驚いた表情を浮かべたが、すぐにリースの瞳がトロンと細められる。
自分の体液が、愛する女性の中を侵食していると思うと、興奮がレフをさらに欲情させた。
レフは唾液を多くまとわらせると、わざといやらしい音を立て、リースと舌を絡ませる。
薬の催淫効果なのか、先ほどまで抵抗を見せていたリースも、ねだる様に自ら舌を繋げに来る。
お互いの舌を激しく求め合う、粘り気を帯びた水音が静かな部屋に響いた。
絡めていた舌を解いたのはレフだった。
唇を離すと唾液に塗れた唇が糸を引き、名残惜しそうにリースの唇と繋がって切れた。
(どうしよう……欲しい……、もっと……)
唇に残った唾液を舌で舐めとると、リースは潤んだ瞳で訴えかけた。
理性を失いつつある上司を見て、レフは小さく笑う。
「後でたくさんあげますよ。でも今は……、あなたの全てを見せて……」
「あっ……」
その言葉と同時に、彼の大きな手が羽織っていた上着を剥ぎ取った。
独房で発見された当時の、薄いタンクトップ姿に戻る。
薬の影響かキスのせいか、勃った膨らみが薄っすら生地に浮き出ている。
レフの呼吸が、少しの緊張と期待から激しくなった。そして、薄い生地の上から胸の蕾を擦った。
「いやぁっ! あぁ……」
布ごしに感じる刺激の強さに、リースは思わず拒絶の声をあげてしまった。しかし本心からの拒絶でないのは、手を止めた時に向けられる物欲しそうな表情を見れば分かる。
「気持ちよさそうですね、隊長……。ここ、すごく硬くなってる……」
「そっ、そんな……あんっっ……だっ、だめ……そんな擦っ……んっ!」
服の上から両方の蕾を弄られ、リースははしたなく喘ぎ声をあげた。目はとろけ落ちそうなほど緩み、口では拒絶しながらも、切なそうに腰が揺れている。
自分の指で乱れるリースを見て、レフの加虐心が刺激された。
「はぁ……隊長がこんな、いやらしい声を出すなんて……。他の部下たちが聞いたらどう思いますかね?」
意地悪な質問をされ、リースは与えられる気持ちよさに耐えながら、慌てて口止めした。
理性が保てず、本来もつ女性的な言葉遣いへと変わっているのにも気づかず。
「ああっ……だめ……、誰にも言わないで……」
「もちろん、言いませんよ? こんな可愛い声だなんて……、他の奴らに知られたくない。俺だけのために……もっともっと聞かせて下さいね?」
「そんな……、あぁっ、やっ!」
リースの胸が浮いた。
レフが服の上から胸に吸い付いたからだ。
布越しに感じる、彼の舌。
唾液が布に染み込み、少しの硬めの舌が、布に擦れながら敏感な突起を刺激していく。さらに甘噛みをし、歯の硬さでさらに擦り上げた。
(もう……だめ……。こんなの、もう……)
快楽への欲求が、最後まで誇り高い自分でいようとする意思を塗りつぶすを感じた。
全てが塗り替えられた時、
「あぁ……はぁ……きもち……いい……」
熱に浮かされ、リースの口から無意識に言葉が洩れた。
そして夢中になって、胸に吸い付いている彼の頭を抱きしめると、誘うように耳元で懇願する。
「れふ……、もっと……もっとして……お願い……」
「……隊長」
唇を離すと、ぞくりとするような艶のある表情を浮かべ、彼を求めるリースの姿があった。
愛する人が、薬に堕ちた。
自死を選んだ誇り高き隊長は、もういない。
今、ここにいるのは、薬によって快楽への欲求が抑えられなくなった、一人の女だ。
レフの心は複雑だった。
(隊長は……、薬のせいで俺を求めてるだけ……)
自分の手で快楽に堕ちたリースに、激しい優越感を感じながらも、それの原因が薬の効果なのが、レフには辛かった。
どれだけリースを求めても、リースが彼を求めるのは、本心からではないのだ。
そんな考えを振り落とすように、レフは小さく頭を振った。
(それでも今は……、今だけは……、俺だけを見て欲しい……)
そう心の中で呟きながら。
37
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
地味な私を捨てた元婚約者にざまぁ返し!私の才能に惚れたハイスペ社長にスカウトされ溺愛されてます
久遠翠
恋愛
「君は、可愛げがない。いつも数字しか見ていないじゃないか」
大手商社に勤める地味なOL・相沢美月は、エリートの婚約者・高遠彰から突然婚約破棄を告げられる。
彼の心変わりと社内での孤立に傷つき、退職を選んだ美月。
しかし、彼らは知らなかった。彼女には、IT業界で“K”という名で知られる伝説的なデータアナリストという、もう一つの顔があったことを。
失意の中、足を運んだ交流会で美月が出会ったのは、急成長中のIT企業「ホライゾン・テクノロジーズ」の若き社長・一条蓮。
彼女が何気なく口にした市場分析の鋭さに衝撃を受けた蓮は、すぐさま彼女を破格の条件でスカウトする。
「君のその目で、俺と未来を見てほしい」──。
蓮の情熱に心を動かされ、新たな一歩を踏み出した美月は、その才能を遺憾なく発揮していく。
地味なOLから、誰もが注目するキャリアウーマンへ。
そして、仕事のパートナーである蓮の、真っ直ぐで誠実な愛情に、凍てついていた心は次第に溶かされていく。
これは、才能というガラスの靴を見出された、一人の女性のシンデレラストーリー。
数字の奥に隠された真実を見抜く彼女が、本当の愛と幸せを掴むまでの、最高にドラマチックな逆転ラブストーリー。
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる