毒におかされた隊長は解毒のため部下に抱かれる

・めぐめぐ・

文字の大きさ
11 / 20

11

しおりを挟む
 初めてなのかと問われ、リースの顏が耳元まで真っ赤に染まった。

 自身の経験が浅いと指摘してきされたようで、恥ずかしかったのだ。同時に、男性経験があるように思われていたことも、少しショックだった。

(あれだけひどい姿を見せてたら……、そう思われても当然……か……)

 今まで散々乱れ、あさましいを醜態しゅうたい見せたことを思い出すと、頬の熱が増す。
 しかしすぐさま彼の指と舌の感覚が思い出され、欲情じょうよく羞恥心しゅうちしんを塗り替えていった。
 
 火照る身体を持て余しながら、リースは顔をおおった指の間から、恥ずかしそうに問う。

「初めてだったら……だめ?」

 少し困った表情と言葉の破壊力に、レフの理性が飛んだ。

(可愛い……、たまらない……、ぜんぶ欲しい……)

 顔を覆う両手を組み伏せると、むさぼるようにリースの舌を吸い、唾液と共に絡ませる。

 夢中で彼女の口内を味わいながら、指で真っ赤に染まった耳をいじった。耳の穴周辺を探ると、リースの身体がピクッと震え、唇の端から甘い反応が洩れる。
 
(この顏も声も、ぜんぶぜんぶ、知っているのは俺だけだ……)

 独占欲が暴走するにまかせ、リースの唇を攻め続けた。

 夢中で口内を犯した後、唾液の糸を切りながら顔を上げると、荒い息遣いをしながらも表情をくもらせるリースの姿があった。困惑の理由が、彼女の言葉に答えもせず、衝動的に身体を求めてしまったからだと気づく。

 レフは理性を取り戻すと、申し訳なさそうに赤い瞳を少し伏せた。

「あっ……、すっ、すみません、隊長……。初めてとは知らず、乱暴に指を……。あなたが過去、誰かに抱かれたのではないかと想像したら……、悔しくて……」

 今まで優位を保っていたレフが、慌てふためいている。

 先ほどまでのギャップを思い、リースは小さく笑った。彼女の笑い声を不思議そうに見つめる部下に、そっと手を伸ばし頬に触れる。

「ぜんぶ、初めてだった……。キスも、身体に触れられるのも……」

 驚きに見開かれる赤い瞳を見つめながら、リースの指はレフの唇をなぞる。
 鍛えられた身体が密着する息苦しさを感じながらも、不自然な熱が全身を駆け巡る。

 一方レフは、自分の唇に触れた細い指にキスをすると、嬉しくも、どこか悲しそうな表情を浮かべた。

「あなたの初めての男になれて……、光栄こうえいですよ、隊長……」

「……ありがとう、レフ……。嘘でも……嬉しい……」

 再び、二人の唇が重なる。
 
 求めあいながら、彼女の言葉を思い出しレフの胸がめ付けられた。

 苦しさと嬉しさ。
 相反あいはんする気持ちが、彼の心を激しく揺さぶる。

 リースは、ずっと純潔じゅんけつを守ってきたのだろう。
 いずれ出会う愛する人のために。

 それなのに毒におかされ、生き残るために守ったものを捨てなければならないのだ。
 初めての相手が自分で本当にいいのかと、冷静れいせいな部分が語りかける。

 しかし止められなかった。

(初めての男として、この人の心に残りたい……)

 そう思い、舌を再び絡めながら手を秘所へとあてがった。指に愛液をまとわせると、彼女を気遣うようにゆっくりと蜜穴に指を入れていく。

「んっ……」

 ナカに入る違和感が彼女を襲った。しかし、先ほどとは違う優しい手つきに、ナカがうねって指に絡みついているのが分かる。リースの意思とは関係なく切なくうずき、咥えて離さぬよう、肉壁が指を締め付けている。

 ぎゅっと目を閉じ、指の感覚を味わっていたリースに、息遣い荒くレフが声をかけた。

「ほら……、ちゃんと全部入りましたよ? ……隊長のナカ、凄く……温かい」

 指から伝わる体温を感じながら、レフの指がナカを探る。
 熱くも柔らかいそこは愛液でうるおい、彼の指をぬるぬると滑らせる。少し指を引き抜いただけで、粘っこい音がいやらしく響き渡った。
 
 ナカを慣らすため中指をゆっくりと動かすと、リースの腰が浮いて反り返った。レフの指が壁を擦るたびに、彼女の細い喉から短い喘ぎ声が洩れる。
 
(ナカが……、すごくキツイ)

 指を締め付ける力を感じながら、レフは下部の滾りを抑えるのに必死だった。指に感じる締め付けを、解き放ちたいと硬くなる自身に重ねていたからだ。

 しかし、眉根を寄せているリースを見ると、気持ちよさよりもまだ違和感が強そうに思えた。

(もう少し慣らさないと……)

 そう思い、反対の手で、秘所のとがりを弄った。

「あああっ!」

 突き抜ける直接的な刺激に、リースの身体が大きく跳ね上がる。ガクガクと身体を震わせ、開いた唇から唾液が零れたが、それをぬぐいとる余裕など本人にはない。

「あっ、あっ、あっ……」

 突起をいじる指が動くたびに、喉から勝手に悦びの声があがった。

 ナカも外もこすられ、どちらで気持ちよくなっているか、分からない。朦朧もうろうとする意識のなか分かっているのは、もたらされる快楽の波が次第に大きくなってきているということ。

「はっ……あう……」

 ナカを探る指が、もう一本増えた。
 ぬるりと侵入してきたそれも、リースの蜜穴は取り込み貪欲どんよくに咥え込む。

 先ほどまでの痛みは快楽となり、身体中の中心で、今にもほとばしりそうに激しく情欲じょうよくを突き動かした。

(ほしい……、もっと、もっと……!) 

 彼女の頭の中は、更なる欲望を求めることしか考えられない。それに答えるように喘ぎ声を発しながら、刺激に身体を震わせて身もだえする。

 痛みも違和感もなくなり、ナカの動きは全て容赦ようしゃない快楽となって、休む間もなく彼女を襲った。

「あんっ……、いやぁっ……なにか……へんなのが……」

 あふれる快楽に限界がきたリースは、羞恥と耐えられない気持ち良さに涙目になりながら、得体の知れない感覚への戸惑とまどいを口にした。

 身体が湧き上がる情欲に耐えられず、甘いき声と共に胸が揺れる。

「いいですよ、隊長。そのまま、俺の指でイって下さい」

 愛しい人が初めて絶頂を迎える姿を、レフは興奮した表情で見つめた。指がナカと外で激しく動き、最後へと導く。

 大きな波が襲ったかと思うと、リースの息が止まった。
 同時に、今まで溜まっていた下腹部の熱がほとばしり、一瞬にして脳も心も溶かしていく。痺れるような絶頂の余韻を味わいながら、リースはぐったりと床に身体を預けた。

 ただ蜜穴だけは、レフの指を咥えて離さないよう締め付け、痙攣けいれんを繰り返していた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました

腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。 しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

地味な私を捨てた元婚約者にざまぁ返し!私の才能に惚れたハイスペ社長にスカウトされ溺愛されてます

久遠翠
恋愛
「君は、可愛げがない。いつも数字しか見ていないじゃないか」 大手商社に勤める地味なOL・相沢美月は、エリートの婚約者・高遠彰から突然婚約破棄を告げられる。 彼の心変わりと社内での孤立に傷つき、退職を選んだ美月。 しかし、彼らは知らなかった。彼女には、IT業界で“K”という名で知られる伝説的なデータアナリストという、もう一つの顔があったことを。 失意の中、足を運んだ交流会で美月が出会ったのは、急成長中のIT企業「ホライゾン・テクノロジーズ」の若き社長・一条蓮。 彼女が何気なく口にした市場分析の鋭さに衝撃を受けた蓮は、すぐさま彼女を破格の条件でスカウトする。 「君のその目で、俺と未来を見てほしい」──。 蓮の情熱に心を動かされ、新たな一歩を踏み出した美月は、その才能を遺憾なく発揮していく。 地味なOLから、誰もが注目するキャリアウーマンへ。 そして、仕事のパートナーである蓮の、真っ直ぐで誠実な愛情に、凍てついていた心は次第に溶かされていく。 これは、才能というガラスの靴を見出された、一人の女性のシンデレラストーリー。 数字の奥に隠された真実を見抜く彼女が、本当の愛と幸せを掴むまでの、最高にドラマチックな逆転ラブストーリー。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております

紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。 二年後にはリリスと交代しなければならない。 そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。 普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…

処理中です...