毒におかされた隊長は解毒のため部下に抱かれる

・めぐめぐ・

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 くちゅくちゅと、唾液を舐め合う音が響き渡る。

 リースは岩肌に身体を押しつけられ、立ったままの状態でレフからの愛を唇一杯に受けていた。

「んんっ……、はぁはぁ……、れっ、レフ……、手を放して……」

 舌を絡み合わせていたリースが唇を放し、拘束こうそくを解くよう懇願こんがんした。

 しかしレフの力はゆるまらない。乱れた息が、リースの口元にかかる。

「リースも俺と同じ気持ちだと知って……、凄く嬉しい。だけど、それと同じくらい怖い……。この手を放せば……、ちゃんとつかんでおかなければ、またあなたが連れ去られてしまうような気がして……」

 そう言って、再びキスの雨がリースの唇に降り注いだ。手を拘束する力が、さらに込められる。

 彼の想いを唇に受けながら、レフの言葉を頭の中で反芻はんすうした。

(……レフの言っているのは……、敵に捕まった時の話?)

 味方の逃亡時間をかせぐため、レフに後を頼み、自らおとりとなったことを思い出す。

 彼がどのような想いで自分を送り出したかを考えると、胸が苦しくなった。あの時、最後まで彼女の案を必死で反対していたのは、彼だったのだから。

 もし逆の立場だったらと思うと、ぞっとする。
 さらに連れ去られ彼が拷問ごうもんを受けるとなれば、自分は果たして正気を保っていられるだろうか。

 リースは岩肌に押し付けられた身体を少し起こすと、自身の唇をレフに押しつけた。そして、彼の唇に舌をわせ、少し開いた隙間すきまから舌を差し込んだ。

 自分から、彼の口内を攻める恥ずかしさを感じながら。

「んっ……、りー……す……?」

 急に積極的に舌を絡めにきたリースに、レフの瞳が見開かれる。名を呼ばれ、唇を少し離すと、リースは真剣な表情で訴えた。

「私だって、こうして気持ちを通じ合えたことが……とても嬉しい。離れないから……。レフの前から……消えないから……。だから……信じて?」

 そこまで言うと瞳を閉じ、リースは彼の驚きもおかまいなしに口内に侵入した。奥へと逃げていた舌に触れると、もっと深く絡み合わせようと唇を密着みっちゃくさせる。 

 閉じていた深緑の瞳を薄く開くと、レフと目があった。彼の瞳がふっと細められた瞬間、

「んんっ……んぁっ……」

 こちらが攻めていたはずなのに逆に押し返され、リースの口内一杯にレフの舌が侵入してきた。そしてお返しとばかりに、彼女の口内をおかしていく。

 急に優位ゆういを奪われながらもレフが求めてくれたことが嬉しく、身体が甘い反応を見せはじめる。脳が唾液だえきを交換する気持ちよさを思い出させ、反射的に下腹部に熱い情欲じょうよくたまり出した。

 お互いの唇を離すと、レフはリースの拘束を解いた。
 
 彼の不安を少しでも取り除けたと思い、リースは安堵あんどする。

 そして自由になった手をレフの首に絡ませると、首筋に顔を埋めてその匂いを胸いっぱいに吸い込んだ。

 男性独特の匂いに頭をクラクラさせ、肉欲への渇望かつぼうをさらにたぎらせながら、唇をレフの肌にわせた。

 催淫剤が効いていた時は、薬の効果に操られるように欲情させられていた。

 でも今は違う。

(自分が求め、自分の意思で相手を受け入れることが……、こんなに気持ちのいいものだったなんて……)

 レフを求め彼に求められることを許容きょようした今、あらゆるものがよろこびへと変わる。

 彼からの視線も言葉も、薬が効いていたとき以上に脳と心を揺さぶり、淫楽いんらくへと繋がって全身に広がっていった。

「リース、後ろを向いて……」

 レフの低いささやきでさえも、胸の奥がきゅんと締まる。

 熱に浮かされとろけた表情を浮かべ、リースは言われるがまま後ろを向くと、冷たい岩肌に手を付いた。 

 後ろからレフの手が伸び、彼女の胸を鷲掴わしずかみにした。

「あっ……やぁっ……、あっ、あっ……」

 相手の顔を見ることが出来ない状況の中、好きに身体をいじられ、背徳感から得られる劣情れつじょうにリースの下半身がうるおっていく。

 屈辱的な体勢だというのに、下部の疼きが止まらない。
 
 頼りない光の中、肌に触れる感覚が鋭くなり、小さな指の動きですら大きな刺激となって熱を揺さぶった。

「あぁ……、柔らかい……」

 胸を揉み、もう片手で腰から臀部でんぶにかけて愛撫あいぶを繰り返していたレフの唇から言葉がこぼれた。

 指や手のひらでリースの身体を愛するたび、堪えるような愛声がレフの欲望を硬くしていく。

「リース……好きだ……。この身体も心も、全部……、俺だけのものだ……」

 首筋に何度も唇を落とし、耳たぶを甘噛あまがみすると、気持ち良さに身体を震わせているリースの耳元で囁く。

 表情は見えないが、身体の反応と可愛らしい嬌声が卑猥な想像として脳内をよぎり、さらに彼のたかぶりを熱くする。

 抵抗しないのをいいことに、両手と唇で身体中をまさぐりながら、自身の下腹部をリースに密着させた。

 臀部に当たる硬いものに、リースの声がうわずる。

「あんっ……、れふ……、当たってる……から……んっ……」

 恥ずかしそうに口にする彼女に、レフの加虐心かぎゃくしんが刺激された。
 自身をさらにリースに押しつけると、存在を主張するかのように腰を動かす。

「だれが……こんなふうにしたと思ってるんだ……。可愛い声で、こんないやらしい身体であおって来て……」

「ちっ……ちがう……の……。そんなこと……してな……はうっ!」

「そうやって無自覚なのが……ほんとタチが悪い」

 彼女の視線が届かない場所で、レフの口角が上がった。

 胸の頂を摘まみ指の腹でこすり上げると、白い喉が跳ねる。不安そうに振り向こうとしたリースの唇を奪うと、蕾と口内を同時に攻めた。

 眉間にしわを寄せ切なそうに声をあげながら、胸をもてあそぶ手に触れてリースが抵抗を見せる。

「れふ……、これ以上……はっ、だめ……。頭が……おかしくなっちゃう……」

「頭だけ……? じゃあ、まだ足りないな」

「やっ、んっ、やだっ! れふっ、だめ……んぁぁっ!」

 胸だけでなく秘所のとがりに刺激が走り、リースの頭が真っ白になった。

 蜜穴が収縮し、さらなるうるおいが秘所を満たす。何も身に着けていないため、あふれた蜜がリースの内腿うちももを濡らしていく。
 
 愛芽を転がす指がみるみるうちに濡れて、卑猥ひわいな音を立て始めた。

「頭だけじゃなくて、心も身体も全部……、おかしくなって。乱れて求めて……、溺れるあなたが見たい……」

 快楽に翻弄ほんろうされる意識の向こうで、レフの切なそうな声だけが響いていた。
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