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第7話
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マイを追い出したトオルは満足していた。
浮気写真はフェイクだ。AI画像に彼女の顔を合成したものだが、機械音痴なマイやその両親には効果抜群だった。
笑いがでるほど呆気なく妻を排除でき、さらに彼女の両親からは迷惑料だと言っていくらか包んでもらえた。
その金で、新しい恋人であるサオリへの婚約指輪の金も払えたし、想像以上の結果を出せたと思う。
フェイク画像がどこかに行ってしまったのが心残りだが、
(どうせマイの両親が持ってるだろう。別に回収する必要はないか)
取りに行くのも面倒だったので、そのままにしておくことにした。
トオルは、見た目的に誠実そうな男のように見られがちだが若い女が好きで、とっかえひっかえしていた。
だがその過去を知るのは地元の人間と両親ぐらいだ。息子に落ち着いて欲しいと思っていた両親が、マイにそのことを告げることはなく、結婚式も身内だけで行ったため、離婚するまでマイがトオルの過去を知ることはなかった。
マイも最初の頃はトオル好みの可愛い女だった。
しかし歳を重ねるにつれて、可愛げも失われていった。最近ではずっと口うるさくてかなわなかった。
(やっぱり、歳をとった女は駄目だな)
その点、サオリはいい。素直でトオルのことを信じ切っている。変にすれてもいないし、マイのように口うるさくもない。
新生活には金がいる。
しかしマイと離婚すれば、結婚後の財産の半分が持って行かれる。一軒家もその対象だ。
惜しかった。
もう好きでもない女に、一銭たりとも払いたくないし、出来ることなら今ある財産全てが欲しかった。
どうしようかと考えているとき、フェイク画像の話をSNSで見た。まるで本物のような出来映えに驚いたのを覚えている。
トオルはAIとマイの画像を使って、架空の浮気現場を作り上げた。精度は良いとは言いづらかったが、パッと見ただけでは分からないし、マイはその辺が疎いから大丈夫だろうと思った。
しかし念には念を、トオルは先に、フェイク画像をマイの両親に見せることにした。
マイには内緒で義両親と会い、事の経緯を写真を見せながら説明する。
案の定、義両親はまんまと騙され、トオルに謝罪をしてくれた。画像に微塵も疑いをもたなかった。
その勢いでマイにも画像を突きつけ、義両親を登場させることで冷静な判断を奪った。
まんまとマイを財産分与なしで追い出し、家も貯金も手に入れた。さらには義両親からの詫びの金も貰った。
マイに任せた離婚届は、後日彼女から「役所に提出した」と報告があった。
後はこのまま、サオリとゴールインするだけだ。
結婚していた過去を伏せているため、近々本籍を移動させる必要があるのが面倒だが。
しかしここ最近、サオリと一緒に過ごせていないのが気になっていた。本人は仕事を理由にしているが、なんだかサオリらしくないと思っていた。
以前は、どんなに遅い時間でも会いたいと言ってきていたのに。
(もしかすると早々にマリッジブルーになったのかもな)
気にすることはないかと結論つけたとき、トオルに一本のメールが届いた。
別れたはずの元妻マイからだった。
『慰謝料についてちゃんと話し合い、後々もめないように書面として残しておきたいたい』
そう書かれていた。
正直面倒くさかった。しかし、追い出した元妻がどんな顔でやってくるのかを見たい気持ちもあった。
『分かった』
トオルはそう返信すると、ほどなくしてマイから時間と場所を指定があった。
浮気写真はフェイクだ。AI画像に彼女の顔を合成したものだが、機械音痴なマイやその両親には効果抜群だった。
笑いがでるほど呆気なく妻を排除でき、さらに彼女の両親からは迷惑料だと言っていくらか包んでもらえた。
その金で、新しい恋人であるサオリへの婚約指輪の金も払えたし、想像以上の結果を出せたと思う。
フェイク画像がどこかに行ってしまったのが心残りだが、
(どうせマイの両親が持ってるだろう。別に回収する必要はないか)
取りに行くのも面倒だったので、そのままにしておくことにした。
トオルは、見た目的に誠実そうな男のように見られがちだが若い女が好きで、とっかえひっかえしていた。
だがその過去を知るのは地元の人間と両親ぐらいだ。息子に落ち着いて欲しいと思っていた両親が、マイにそのことを告げることはなく、結婚式も身内だけで行ったため、離婚するまでマイがトオルの過去を知ることはなかった。
マイも最初の頃はトオル好みの可愛い女だった。
しかし歳を重ねるにつれて、可愛げも失われていった。最近ではずっと口うるさくてかなわなかった。
(やっぱり、歳をとった女は駄目だな)
その点、サオリはいい。素直でトオルのことを信じ切っている。変にすれてもいないし、マイのように口うるさくもない。
新生活には金がいる。
しかしマイと離婚すれば、結婚後の財産の半分が持って行かれる。一軒家もその対象だ。
惜しかった。
もう好きでもない女に、一銭たりとも払いたくないし、出来ることなら今ある財産全てが欲しかった。
どうしようかと考えているとき、フェイク画像の話をSNSで見た。まるで本物のような出来映えに驚いたのを覚えている。
トオルはAIとマイの画像を使って、架空の浮気現場を作り上げた。精度は良いとは言いづらかったが、パッと見ただけでは分からないし、マイはその辺が疎いから大丈夫だろうと思った。
しかし念には念を、トオルは先に、フェイク画像をマイの両親に見せることにした。
マイには内緒で義両親と会い、事の経緯を写真を見せながら説明する。
案の定、義両親はまんまと騙され、トオルに謝罪をしてくれた。画像に微塵も疑いをもたなかった。
その勢いでマイにも画像を突きつけ、義両親を登場させることで冷静な判断を奪った。
まんまとマイを財産分与なしで追い出し、家も貯金も手に入れた。さらには義両親からの詫びの金も貰った。
マイに任せた離婚届は、後日彼女から「役所に提出した」と報告があった。
後はこのまま、サオリとゴールインするだけだ。
結婚していた過去を伏せているため、近々本籍を移動させる必要があるのが面倒だが。
しかしここ最近、サオリと一緒に過ごせていないのが気になっていた。本人は仕事を理由にしているが、なんだかサオリらしくないと思っていた。
以前は、どんなに遅い時間でも会いたいと言ってきていたのに。
(もしかすると早々にマリッジブルーになったのかもな)
気にすることはないかと結論つけたとき、トオルに一本のメールが届いた。
別れたはずの元妻マイからだった。
『慰謝料についてちゃんと話し合い、後々もめないように書面として残しておきたいたい』
そう書かれていた。
正直面倒くさかった。しかし、追い出した元妻がどんな顔でやってくるのかを見たい気持ちもあった。
『分かった』
トオルはそう返信すると、ほどなくしてマイから時間と場所を指定があった。
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