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結婚初夜②

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 横たわる彼女に覆いかぶさるように上になると、ジェネラルはそのままキスを続ける。

 それをどこか夢見心地な表情で受けながら、ミディは細い腕をジェネラルの首に回す。

 彼からのキスが止まった。

 ミディは瞳を開き、何故止めるのかと不満そうに表情を向ける。

 彼女の少し子どもっぽい拗ねた表情が可愛くて、ちょっと意地悪がしたくなり、

「ミディ? そんな顔をしてどうしたの?」

 理由は分かってるのに、知らない振りをしてジェネラルは尋ねた。

 彼の言葉を聞き、ミディの顔が真っ赤になった。
 恥ずかしさから返答に困る彼女をさらに困らせようと、ジェネラルは質問を畳み掛ける。

「何をして欲しいのか、ちゃんと言わないと分からないよ?」

 分かってるくせに、とミディが恨めしそうに彼を見上げている。

 しかし、ジェネラルの視線に促され、小さな、とっても小さな声で希望が言葉にされた。

「……もっと、キスして欲しい。止めないで……」

「そうだね。ミディはキスが好きだもんね」

「そっ……、そういうわけじゃ……」

 それ以上言葉が出ず、言葉を続ける代わりにミディは両腕で顔を隠した。

 ジェネラルは慌てて両腕を掴んで解放すると、現れた美しい顔に向かって謝罪を口にする。

「ごめんごめん。ミディが可愛くて、つい意地悪してしまって」

「もう! 許さないんだから……」

「そんなに怒らないで。ほら、少し舌を出して」

 本人は噛み付いたつもりだが、子犬が甘える鳴き声ようにしか聞こえない声で反論するミディを宥めながら、ジェネラルはミディに一つ要求をした。

 怒った表情から一変、不思議そうな表情を浮かべると、指示されたとおり、少し口を開くと舌先を出す。

 次の瞬間、ミディの口の中に、何か温かくざらつくものが侵入してきた。

 それは彼女の舌に絡みつき、何度も何度も擦れ合う。そして舌だけでなく、口内の至る所を侵していった。

 口内はそれに侵食され、中で動くたびに唾液が音を立てて、口の中に響き渡った。

 耳からではなく、口の中から聞こえるいやらしい音。

 しかし侵食を許す彼女に不快感はなく、寧ろ高ぶる気持ちから息遣いが早くなり、何か物欲しそうに両腿が動いた。

 息を吐き、ジェネラルが少し顔をミディから離した。彼女の口内を蹂躙したのは、ジェネラルの舌だった。

 今までのキスとは違う、生々しいまでの触れ合い方に、ミディは呆然とジェネラルを見上げている。

「今までミディとはこういうキス、してこなかったよね」

「あれ、き…す……なの?」

「そっか、知らなかったんだね」

 ミディの疑問に、ジェネラルは楽しそうに答える。しかしミディは、少し不安そうな表情し、彼の言葉に答えた。

「こういう事……、誰も教えてくれなかったから、知らないのっ! だから何も知らないからって……、がっかりしないで……」

「何言ってるの? がっかりなんてしないよ。……むしろ、嬉しいんだけど?」
 
 再び両手で顔を隠し、自分の無知を恥じるミディに、ジェネラルは髪を撫でながら答えた。その言葉に嘘がない事は、彼の表情と声の明るさが証明している。

 彼女がこういう知識に疎いことが、ジェネラルには嬉しかった。

 真っさらな彼女を、自分の色に染め尽くしたい。何も知らない彼女に、色々と教えてあげたい。

 心の底に欲望を抱きながら、この日を待っていたからだ。

 そんな事を思いつつ、ミディの口端から少し溢れた蜜を、そっと舌でなめとった。

 そしてそのまま、彼女の口内に侵入し、舌を絡めあわせた。

「ん…、んん……」

 唾液が混ざり合う音、そして時折ミディが漏らす声が、薄明りの灯る部屋に響き渡る。

 舌を絡め繋る行為に夢中になる彼女の様子を見ながら、ジェネラルはミディの赤く染まった耳にそっと指を這わせた。

 突然の刺激に、ミディの身体が震える。しかし、ジェネラルの唇は彼女を捉えて離さない。

 そのまま耳やその穴の近くを執拗に攻め、彼女の反応を伺う。

 そして唇を離すと、先程まで魔王の指が弄んでいた耳元で、そっと囁いた。

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