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第46話 実力
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驚愕の表情で見送る2人の視線を感じながら、ジェネラルはドラゴンの元へ向かった。
そして、瞳から血を流してのた打ち回っているドラゴンの前に立つと、ジェネラルは剣を構え、ゆっくりと瞳を閉じる。
「なっ、なにそんなところで、目瞑ってんだよっ、ジェネラル!! 早く逃げないと、踏み潰されんぞ!!」
シンクが堪らず叫んだ。何をしようとしているのか理解出来ないとばかりに、周りの者達も騒ぎ、口々に逃げるように叫んでいる。
だがジェネラルは何かを待っているかのように瞳を閉じ、剣を構えてた体勢で動こうとしない。
自分の瞳を傷つけた元凶がいることを察したのか、ドラゴンが咆哮を上げ、ジェネラルに襲い掛かった。全てを切り裂く鋭い爪が、小さな体に向かって振り上げられる。
だが、ジェネラルはそこから逃げないどころか、変わらず瞳を閉じたままである。
振り下ろされる爪と、逃げない少年に、誰もが彼の無残な結末を想像し、悲鳴をあげた。
「ジェネラルっ!!!」
アクノリッジとシンクの叫びが、ホールに響き渡った時、ドラゴンの爪に一筋の光が走った。
ギャアア――――――――ン!!!
鼓膜を破るかと思われる程のドラゴンの咆哮が、城を震わせた。と同時に、何かが地面に転がる鈍い音が、人々の耳に届く。
無残に破壊された瓦礫の上に、白く尖った物体が転がっていた。側で、ドラゴンが痛みに苦しむかのように、腕を振り上げ暴れている。その腕の先には……
「ドラゴンの爪が…一本…ない……」
シンクの声は、決して大きいものではなかったが、ホールにいた人々全員に聞こえた。彼の言葉に、全ての視線が、ドラゴンの爪へ向けられる。
「見た目の割には、簡単に切れるものだね」
笑いを含んだ声に、誰もが視線を移した。
そう、ジェネラルはたった一太刀で、ドラゴンの爪を切り落としたのだ。爪とは言え、赤子の頭ぐらいの太さはある。それをたった一太刀で切り落とすなど、達人と呼ばれる者たちでも中々出来る事ではない。
「あの少年は……、一体……」
視線の先―—余裕の表情を浮かべ、ドラゴンの攻撃を避けているジェネラルを見、セレステが呟いた。と同時に、
“恐らく彼に勝てるのは―—魔王を倒した勇者様ぐらいでしょう”
笑顔を浮かべ、少年の強さを語った王女の姿が、彼女の中に浮かんで消えた。
モジュール家が誇る、対人用自動人形を簡単に破壊出来ると豪語したミディ。
その言葉が今、ここで証明されていた。
笑顔を浮かべ、侍女達の声援に答えているジェネラルに、ドラゴンの太い腕が振り下ろされる。
空気をも切り裂いたかのように思われる、唸り。
突然の攻撃に周りが息を呑んだが、ジェネラルは慌てる事無く、体を反らし、後ろに飛ぶと、元は高そうな壷が飾ってあった台の上に着地した。あの王女に劣らぬ運動神経の良さだ。
ドラゴンの腕は空しく空を切り、地響きを立てて地面に激突した。床のタイルや、自動人形たちの部品などが、辺り一面に飛び散り、再び悲鳴と叫び声がホールに響き渡った。
グルルルルッ……
避けられた事に怒りを感じているかのように唸り声を上げ、ドラゴンの巨体が動く。
このチャンスを、アクノリッジは見逃さなかった。
「シンク、今だ! ミディを助けるぞ!」
この言葉に、呆然とジェネラルの活躍を見ていたシンクが、我に返った。兄の顔を見、一つ頷く。
2つの影が、倒れる王女の下へ駆け寄った。
ミディの体には、砂や細かい破片などが乗っていたが、特に大きな怪我などは見当たらない。あれだけの衝撃を受けていながらほぼ無傷など、奇跡に近いだろう。
しかし、気を失っているのか、微動だにしない。王女とは思えない程の運動神経を秘めた体はただ力なく、地面に全てを預けていた。
普段見られないミディの姿に、2人の表情がより厳しいものへと変わる。
「兄い、とにかくミディ姉を、どこか安全な場所に移動しないと……」
ミディの様態を心配し、シンクが囁いた時、
グオオオオォォォォン!
ドラゴンが、兄弟の存在に気がつき、威嚇するように咆哮を上げて、2人の方を向いた。恐ろしい形相に、再びシンクの表情が固まる。
アクノリッジは覚悟を決めたのか、シンクの剣を抜くと、弟と王女を庇うように構えた。
「えっ?」
不意に視界に黒いものが現れ、アクノリッジは声を上げた。と同時に、何かとぶつかる音が響き渡る。
目の前には、いつの間にやってきたのかジェネラルが、ドラゴンの爪を剣で受けていた。ドラゴンとアクノリッジの間に割り込み、ドラゴンの攻撃を変わりに受けたのだ。
さすがのジェネラルも筋力では負けるのか、ドラゴンに押され、唇をきつく噛んでその攻撃を押し返そうとしている。
だが、ふと少年の口元が緩んだ。
ミディたちの前で見せていた、人懐っこい笑みとは違う、もっと深く、暗いもの。
相手の力はこの程度かと、勝利を確信した者の笑いだった。
“あのジェネラルが…こんな風に笑うなんて……”
横で見ていたアクノリッジの背中に、冷たいものが伝う。
ジェネラルは一歩後ろに引き、組を解くと、ドラゴンの腕を伝い、一気に上へ跳んだ。少年の体は、まるで地面に打ちつけたボールのように軽々と宙に浮く。
アクノリッジたちの位置から、ジェネラルの左手に赤い靄のような物が立ち上り、剣にまとわりついているのが見えた。彼らから離れた位置にいる者たちも、ジェネラルの剣に赤く色がついているのは見えただろう。
黒髪をなびかせ、落下に身を任せながら、少年は赤き剣を振るった。
爪を切った時と同じ一筋の光が、ドラゴンの首筋に走る。
音も無くアクノリッジたちの前に着地したジェネラルは、その場で無造作に剣を振るった。風を切る鋭い音と同時に、周りに何かが飛び散った。
地面に点々と散った物―赤い液体。
それを確認した瞬間、皆は弾かれたようにドラゴンを見た。
ドラゴンの首に、すっと赤い筋が入ったかと思うと、次の瞬間、赤い血が噴水のように噴出したのだ。みるみるうちに、赤く染まっていく絨毯。
鉄臭い匂いが、全ての者達の嗅覚を刺激した。あまりの異臭と、刺激の強い光景に、数人の者がその場にしゃがみこんでいる。そうでない者も、手で鼻を覆い、目の前で血の雨を降らせながら暴れているドラゴンを見ていた。
突然、ドラゴンに異変が起こった。
ドラゴンの背中にある2本の突起が、いきなり変形し出したのだ。それはみるみるうちにドラゴンの2倍はある長さへと伸びていった。伸びた突起は、途中でいくつか枝分かれし、薄い膜が間を覆っている。
空を飛ぶ為の翼であった。
ドラゴンは翼を羽ばたかせた。
風が、新たな破壊を生み出す。こぶし大の石が飛ばされ、高そうなガラスを割って転がっていく。自動人形のなれの果ても、まるで引っ張られているかのように、地面を掏って移動しているのが分かった。
風に飛ばされまいと、お互いつかまり、地面に伏せる人々。
だが突風の前でも、ジェネラルは平然と、飛び立つドラゴンを見送っていた。
髪の毛や服は、風に吹かれて激しく暴れているのに、まるで、風など受けていないかのように、その場に立っている。
ドラゴンが咆哮をあげた。
そして入り口近く、上の方の壁が爆発し、未確認生物は破壊した壁から飛び去っていった。
そして、瞳から血を流してのた打ち回っているドラゴンの前に立つと、ジェネラルは剣を構え、ゆっくりと瞳を閉じる。
「なっ、なにそんなところで、目瞑ってんだよっ、ジェネラル!! 早く逃げないと、踏み潰されんぞ!!」
シンクが堪らず叫んだ。何をしようとしているのか理解出来ないとばかりに、周りの者達も騒ぎ、口々に逃げるように叫んでいる。
だがジェネラルは何かを待っているかのように瞳を閉じ、剣を構えてた体勢で動こうとしない。
自分の瞳を傷つけた元凶がいることを察したのか、ドラゴンが咆哮を上げ、ジェネラルに襲い掛かった。全てを切り裂く鋭い爪が、小さな体に向かって振り上げられる。
だが、ジェネラルはそこから逃げないどころか、変わらず瞳を閉じたままである。
振り下ろされる爪と、逃げない少年に、誰もが彼の無残な結末を想像し、悲鳴をあげた。
「ジェネラルっ!!!」
アクノリッジとシンクの叫びが、ホールに響き渡った時、ドラゴンの爪に一筋の光が走った。
ギャアア――――――――ン!!!
鼓膜を破るかと思われる程のドラゴンの咆哮が、城を震わせた。と同時に、何かが地面に転がる鈍い音が、人々の耳に届く。
無残に破壊された瓦礫の上に、白く尖った物体が転がっていた。側で、ドラゴンが痛みに苦しむかのように、腕を振り上げ暴れている。その腕の先には……
「ドラゴンの爪が…一本…ない……」
シンクの声は、決して大きいものではなかったが、ホールにいた人々全員に聞こえた。彼の言葉に、全ての視線が、ドラゴンの爪へ向けられる。
「見た目の割には、簡単に切れるものだね」
笑いを含んだ声に、誰もが視線を移した。
そう、ジェネラルはたった一太刀で、ドラゴンの爪を切り落としたのだ。爪とは言え、赤子の頭ぐらいの太さはある。それをたった一太刀で切り落とすなど、達人と呼ばれる者たちでも中々出来る事ではない。
「あの少年は……、一体……」
視線の先―—余裕の表情を浮かべ、ドラゴンの攻撃を避けているジェネラルを見、セレステが呟いた。と同時に、
“恐らく彼に勝てるのは―—魔王を倒した勇者様ぐらいでしょう”
笑顔を浮かべ、少年の強さを語った王女の姿が、彼女の中に浮かんで消えた。
モジュール家が誇る、対人用自動人形を簡単に破壊出来ると豪語したミディ。
その言葉が今、ここで証明されていた。
笑顔を浮かべ、侍女達の声援に答えているジェネラルに、ドラゴンの太い腕が振り下ろされる。
空気をも切り裂いたかのように思われる、唸り。
突然の攻撃に周りが息を呑んだが、ジェネラルは慌てる事無く、体を反らし、後ろに飛ぶと、元は高そうな壷が飾ってあった台の上に着地した。あの王女に劣らぬ運動神経の良さだ。
ドラゴンの腕は空しく空を切り、地響きを立てて地面に激突した。床のタイルや、自動人形たちの部品などが、辺り一面に飛び散り、再び悲鳴と叫び声がホールに響き渡った。
グルルルルッ……
避けられた事に怒りを感じているかのように唸り声を上げ、ドラゴンの巨体が動く。
このチャンスを、アクノリッジは見逃さなかった。
「シンク、今だ! ミディを助けるぞ!」
この言葉に、呆然とジェネラルの活躍を見ていたシンクが、我に返った。兄の顔を見、一つ頷く。
2つの影が、倒れる王女の下へ駆け寄った。
ミディの体には、砂や細かい破片などが乗っていたが、特に大きな怪我などは見当たらない。あれだけの衝撃を受けていながらほぼ無傷など、奇跡に近いだろう。
しかし、気を失っているのか、微動だにしない。王女とは思えない程の運動神経を秘めた体はただ力なく、地面に全てを預けていた。
普段見られないミディの姿に、2人の表情がより厳しいものへと変わる。
「兄い、とにかくミディ姉を、どこか安全な場所に移動しないと……」
ミディの様態を心配し、シンクが囁いた時、
グオオオオォォォォン!
ドラゴンが、兄弟の存在に気がつき、威嚇するように咆哮を上げて、2人の方を向いた。恐ろしい形相に、再びシンクの表情が固まる。
アクノリッジは覚悟を決めたのか、シンクの剣を抜くと、弟と王女を庇うように構えた。
「えっ?」
不意に視界に黒いものが現れ、アクノリッジは声を上げた。と同時に、何かとぶつかる音が響き渡る。
目の前には、いつの間にやってきたのかジェネラルが、ドラゴンの爪を剣で受けていた。ドラゴンとアクノリッジの間に割り込み、ドラゴンの攻撃を変わりに受けたのだ。
さすがのジェネラルも筋力では負けるのか、ドラゴンに押され、唇をきつく噛んでその攻撃を押し返そうとしている。
だが、ふと少年の口元が緩んだ。
ミディたちの前で見せていた、人懐っこい笑みとは違う、もっと深く、暗いもの。
相手の力はこの程度かと、勝利を確信した者の笑いだった。
“あのジェネラルが…こんな風に笑うなんて……”
横で見ていたアクノリッジの背中に、冷たいものが伝う。
ジェネラルは一歩後ろに引き、組を解くと、ドラゴンの腕を伝い、一気に上へ跳んだ。少年の体は、まるで地面に打ちつけたボールのように軽々と宙に浮く。
アクノリッジたちの位置から、ジェネラルの左手に赤い靄のような物が立ち上り、剣にまとわりついているのが見えた。彼らから離れた位置にいる者たちも、ジェネラルの剣に赤く色がついているのは見えただろう。
黒髪をなびかせ、落下に身を任せながら、少年は赤き剣を振るった。
爪を切った時と同じ一筋の光が、ドラゴンの首筋に走る。
音も無くアクノリッジたちの前に着地したジェネラルは、その場で無造作に剣を振るった。風を切る鋭い音と同時に、周りに何かが飛び散った。
地面に点々と散った物―赤い液体。
それを確認した瞬間、皆は弾かれたようにドラゴンを見た。
ドラゴンの首に、すっと赤い筋が入ったかと思うと、次の瞬間、赤い血が噴水のように噴出したのだ。みるみるうちに、赤く染まっていく絨毯。
鉄臭い匂いが、全ての者達の嗅覚を刺激した。あまりの異臭と、刺激の強い光景に、数人の者がその場にしゃがみこんでいる。そうでない者も、手で鼻を覆い、目の前で血の雨を降らせながら暴れているドラゴンを見ていた。
突然、ドラゴンに異変が起こった。
ドラゴンの背中にある2本の突起が、いきなり変形し出したのだ。それはみるみるうちにドラゴンの2倍はある長さへと伸びていった。伸びた突起は、途中でいくつか枝分かれし、薄い膜が間を覆っている。
空を飛ぶ為の翼であった。
ドラゴンは翼を羽ばたかせた。
風が、新たな破壊を生み出す。こぶし大の石が飛ばされ、高そうなガラスを割って転がっていく。自動人形のなれの果ても、まるで引っ張られているかのように、地面を掏って移動しているのが分かった。
風に飛ばされまいと、お互いつかまり、地面に伏せる人々。
だが突風の前でも、ジェネラルは平然と、飛び立つドラゴンを見送っていた。
髪の毛や服は、風に吹かれて激しく暴れているのに、まるで、風など受けていないかのように、その場に立っている。
ドラゴンが咆哮をあげた。
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