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その後の話:未来の話をしよう
第9話 害獣
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道中、途中までは平和だった。
馬は違うが、ティンバーはひっきりなしにハルに話しかけ、馬鹿な事を言う妹をレシオが突っ込む。そんな感じで、賑やかに旅が進んで行った。
しかし、
「ハル、とにかく俺たちの馬を安全なところへ! ここは俺たちが食い止めますから!」
「あっ、ああっ!」
緊迫したレシオの声が、ハルに指示を出した。ハルは戸惑いながらも、今の状況から彼の指示に従う事が正しいと判断し、乗る者がいない馬を引くと安全だと思われる場所へ向かっていった。
剣を抜いたレシオの横に、弓を構えたティンバーが立つ。
今、彼らの目の前には、2頭の獣が鋭い牙をむき出しにしながら、唸り声を上げていた。サスティと呼ばれる獣だ。
家畜や時に人を襲う事もある、凶暴な肉食動物である。街道に目撃情報が出たら、討伐隊が組まれて駆除に当たる、それくらい危険なのだ。本来であれば、森や山の奥に住んでいるのだが、稀にこうして人の目の前に現れることがある。
3人は運悪く、このレアなケースに遭遇してしまったのだ。
黒く硬そうな体毛が全身を覆い、大きさは成人男性の腰ほどまである。このくらいの大きさなら、簡単に人を襲って食らうことが出来るだろう。血走り濁った黒い目が二人を睨み、その口にはよだれが垂れて地面に落ちた。
「やっかいなのに遭ったな……。獣は嫌いだ」
餌を食らおうとする本能に従順な獣を見ながら、レシオはめんどくさそうにぼやいた。隣のティンバーも、同感だと頷く。
「私もですっ! でもあの毛は部屋の絨毯に、肉は食料に、内臓は薬に、骨は町で売ればお金になるので、頑張って倒したいのですっ!」
「……お前、生活力高いのな」
すでに倒した後の使い道を考えている妹に、レシオは父親譲りの図太さを感じ呆れた。しかしティンバーは、純粋に褒められたと思い、ニコニコしている。
サスティたちは、態勢を低くし、レシオたちが隙を見せたらすぐにでも飛びかからんとばかりに警戒している。レシオはため息を付くと、改めて目の前の獣に意識を向けた。彼が意外と余裕ある態度をとっているのは、過去何度かサスティ討伐に同行、もしくは指揮を執った事があったからである。
「じゃ、害獣駆除、やるか」
「はいなのですっ!」
ティンバーが明るい声で答えた瞬間、彼女の放っていた明るく元気な雰囲気が一変、静かなものへと変わった。
すでに弓矢が2本セットされた弓を構えると、一本目のトリガーを引いた。それは真っすぐ、目の前にいるサスティの右目を射貫く。間を空けず、さらにもう一本が放たれ、獣の左目を射抜いた。
目という小さな的にも関わらず、一寸の狂いもなく当てるなど、物凄い腕前だ。獣は大きな音を立て、その場に倒れた。目を貫いた弓が、脳まで達したのだろう。
突然1頭が殺され、残った1頭が二人に飛びかかった。巨体ながらも素早い動きで、二人に襲い掛かる。
レシオは突進をよけると、止まる反動でバランスを崩したサスティの背中に切りかかった。彼の剣は獣の分厚い毛と脂肪を切り裂いたが、致命傷までには至らなかったようだ。
与えられたダメージが怒りへと変わり、レシオに向けられた。
「うわー……、熱烈な視線。せっかくなら可愛い子にそういう目で見られたい……」
射貫き殺されそうな視線を獣から向けられ、レシオが呟く。
獣は血を流しながらも、切られる前と同じスピードでレシオに襲い掛かり、鋭い爪を向けて振り下ろした。それを身を引いてよけると、地面の砂を手に取り、獣の目に向けてぶちまけた。
血走った目に砂が入り、獣は顔を振りながら砂を振り払っている。次の瞬間、獣の額にティンバーの弓矢が刺さったが、まだ致命傷には至らない。
レシオはサスティの横に回ると、暴れる獣の首元を狙って短剣で突き刺した。急所が受けたダメージにより、獣がさらに暴れ、短剣がさらに深く突き刺さる。その力を利用し、レシオはさらに短剣を突き刺した。何かが切れる感触がしたかと思うと同時に、獣の首元から大量の血が吹き出す。恐らく、獣の首にある大切な血管を切ったのだろう。
サスティは倒れると、時折ぴくぴく痙攣しながらやがてその動きを止めた。
「お兄様、さすがなのですっ!」
構えた弓を下ろし、ティンバーがレシオの傍に駆け寄った。兄を援護すべく、弓を構えて待っていたのだが、それ以上出番はなかったらしい。妹の称賛に視線で答えると、改めて自身の状況を確認する。
「うへぇ……、血が凄い……。どこかで水浴びでもして洗い流さないと……」
レシオは獣の血に塗れた自分の姿を見て、うめき声を上げた。接近戦だったため、血管を切った際の出血を、大量に浴びてしまったのだ。服や顔、髪の毛まで、獣の血がべったりと付いている。身体は洗えば何とかなるだろうが、服は完全に処分しなければならないだろう。
勿体ないと思いながら、レシオは自分の戦い方を振り返った。
「もっとスマートな戦い方、考えないとなー」
「戦いにスマートさを求めていたら死んじゃうのですっ、お兄様」
「……お前が言うと、何か言葉に重みがあるよな……」
修練に励み兄よりも強い妹の言葉には、ある種納得できるものがある。きっとこの言葉が自然に出るほど、彼女も様々な経験と教えを受けているのが分かる。
その時、
「ティンバー!!」
兄とは違う声が、彼女の名を呼んだ。鬼気迫る声、そして自分の背後に感じる殺気だった気配に、ティンバーの顔が恐怖で引きつる。
始めに倒したと思っていたサスティが立ち上がり、ティンバー向けて襲い掛かって来たのだ。大きく開いた口から見える鋭い牙が、ティンバーに向かってくる。
あまりにも近く、そして予想もしなかった攻撃に、ティンバーは咄嗟の判断が出来ず、両目をとぎゅっと閉じると、身体を硬くして動けなくなった。
レシオは妹とサスティの間に入ろうとするが、間に合わない。
“ティンバーっ!!!”
妹が獣の凶刃に倒れる姿を想像し、レシオは声なき声を上げた。
しかし、獣の牙が彼女を切り裂くことはなかった。
その代わり獣の口から発されたのは、恐ろしいほど大きな断末魔だった。断末魔は突然途切れ、首が胴から分かれたかと思うと地面に鈍い音を立てて落ちた。
ティンバーの足元で、首を失ったサスティの身体から流れ出す血が溜りを作っていく。
「ティンバー、大丈夫だったか?」
そう言ってサスティの後ろから首を切り落としたのは、
「は……る?」
ティンバーが、声の主の名を呼ぶ。
彼女の前には、獣の血の付いた剣を握るハルの姿があった。緊張と、彼女が無事だった事を確認した安堵が混じり合ったような表情を浮かべている。
彼がサスティの首を切り落とし、ティンバーを助けたのだ。
獣の首はそこそこ太い。それを一太刀で切り落とすなど、並大抵の剣技ではない。
エルザ王が見ていたら、ハルをティンバーの婿にしてもいいと思うくらいの強さだ。
緊張から解放されたティンバーは、安堵からその場に崩れ落ちた。少し泣きそうな表情で、助けてくれたハルを見ている。
レシオが妹に声を掛ける前に、ハルがしゃがみこむと、ティンバーを安心させるように彼女の肩を軽く抱いた。
「獣の生命力は強い。最後まで気を抜いては駄目だ、ティンバー」
「ううっ……、ごめんなさい、ハル……。私、全部終わったかと思って……」
「とにかく、怪我がなくて良かった。また一つ学べて、良かったな」
ハルは反省するティンバーに対し、優しく声を掛けた。その声の調子に、ティンバーはほっと息を吐いた。その表情にはすでに彼女本来の明るさが戻りつつある。
怖かったのもあるが、武術を学ぶものとして、最後のつめが甘かった事がショックだったようだ。
ハルはティンバーの事をレシオに任せると、避難させていた馬を取りに向かった。
その後ろ姿を見つめながら、ティンバーはレシオに言った。
「ハル……、強かったですね、お兄様」
「ああ、そうだな。あまりよく見えなかったが、あの首を一太刀で落とすなんて、並大抵の技じゃないな」
そう言いながら、レシオは落ちている獣の首を見つめた。その表情には、ハルの剣技に対する疑問が見える。あんなひょろい身体から、どうしたらあれほどの力が出せる物なのか、不思議に思っているのだ。
しかし兄に問いかけておきながら、ティンバーは彼の回答を聞いていなかった。
「ハル……、優しいですね、お兄様」
「ああ、そうだな。まああの人は優しいと思うよ。少し距離を置いた感じだけど、色々と気を使ってくれてるし」
「ハル……、私、好きになっちゃいました」
「ああ、そうだな。…………………………んんっ?」
最後の言葉に、物凄く違和感を感じるレシオ。
視線を向けるとそこには、両手を胸の前で組み、物凄く熱の籠った瞳でハルの姿を見つめる妹の姿があった。
馬は違うが、ティンバーはひっきりなしにハルに話しかけ、馬鹿な事を言う妹をレシオが突っ込む。そんな感じで、賑やかに旅が進んで行った。
しかし、
「ハル、とにかく俺たちの馬を安全なところへ! ここは俺たちが食い止めますから!」
「あっ、ああっ!」
緊迫したレシオの声が、ハルに指示を出した。ハルは戸惑いながらも、今の状況から彼の指示に従う事が正しいと判断し、乗る者がいない馬を引くと安全だと思われる場所へ向かっていった。
剣を抜いたレシオの横に、弓を構えたティンバーが立つ。
今、彼らの目の前には、2頭の獣が鋭い牙をむき出しにしながら、唸り声を上げていた。サスティと呼ばれる獣だ。
家畜や時に人を襲う事もある、凶暴な肉食動物である。街道に目撃情報が出たら、討伐隊が組まれて駆除に当たる、それくらい危険なのだ。本来であれば、森や山の奥に住んでいるのだが、稀にこうして人の目の前に現れることがある。
3人は運悪く、このレアなケースに遭遇してしまったのだ。
黒く硬そうな体毛が全身を覆い、大きさは成人男性の腰ほどまである。このくらいの大きさなら、簡単に人を襲って食らうことが出来るだろう。血走り濁った黒い目が二人を睨み、その口にはよだれが垂れて地面に落ちた。
「やっかいなのに遭ったな……。獣は嫌いだ」
餌を食らおうとする本能に従順な獣を見ながら、レシオはめんどくさそうにぼやいた。隣のティンバーも、同感だと頷く。
「私もですっ! でもあの毛は部屋の絨毯に、肉は食料に、内臓は薬に、骨は町で売ればお金になるので、頑張って倒したいのですっ!」
「……お前、生活力高いのな」
すでに倒した後の使い道を考えている妹に、レシオは父親譲りの図太さを感じ呆れた。しかしティンバーは、純粋に褒められたと思い、ニコニコしている。
サスティたちは、態勢を低くし、レシオたちが隙を見せたらすぐにでも飛びかからんとばかりに警戒している。レシオはため息を付くと、改めて目の前の獣に意識を向けた。彼が意外と余裕ある態度をとっているのは、過去何度かサスティ討伐に同行、もしくは指揮を執った事があったからである。
「じゃ、害獣駆除、やるか」
「はいなのですっ!」
ティンバーが明るい声で答えた瞬間、彼女の放っていた明るく元気な雰囲気が一変、静かなものへと変わった。
すでに弓矢が2本セットされた弓を構えると、一本目のトリガーを引いた。それは真っすぐ、目の前にいるサスティの右目を射貫く。間を空けず、さらにもう一本が放たれ、獣の左目を射抜いた。
目という小さな的にも関わらず、一寸の狂いもなく当てるなど、物凄い腕前だ。獣は大きな音を立て、その場に倒れた。目を貫いた弓が、脳まで達したのだろう。
突然1頭が殺され、残った1頭が二人に飛びかかった。巨体ながらも素早い動きで、二人に襲い掛かる。
レシオは突進をよけると、止まる反動でバランスを崩したサスティの背中に切りかかった。彼の剣は獣の分厚い毛と脂肪を切り裂いたが、致命傷までには至らなかったようだ。
与えられたダメージが怒りへと変わり、レシオに向けられた。
「うわー……、熱烈な視線。せっかくなら可愛い子にそういう目で見られたい……」
射貫き殺されそうな視線を獣から向けられ、レシオが呟く。
獣は血を流しながらも、切られる前と同じスピードでレシオに襲い掛かり、鋭い爪を向けて振り下ろした。それを身を引いてよけると、地面の砂を手に取り、獣の目に向けてぶちまけた。
血走った目に砂が入り、獣は顔を振りながら砂を振り払っている。次の瞬間、獣の額にティンバーの弓矢が刺さったが、まだ致命傷には至らない。
レシオはサスティの横に回ると、暴れる獣の首元を狙って短剣で突き刺した。急所が受けたダメージにより、獣がさらに暴れ、短剣がさらに深く突き刺さる。その力を利用し、レシオはさらに短剣を突き刺した。何かが切れる感触がしたかと思うと同時に、獣の首元から大量の血が吹き出す。恐らく、獣の首にある大切な血管を切ったのだろう。
サスティは倒れると、時折ぴくぴく痙攣しながらやがてその動きを止めた。
「お兄様、さすがなのですっ!」
構えた弓を下ろし、ティンバーがレシオの傍に駆け寄った。兄を援護すべく、弓を構えて待っていたのだが、それ以上出番はなかったらしい。妹の称賛に視線で答えると、改めて自身の状況を確認する。
「うへぇ……、血が凄い……。どこかで水浴びでもして洗い流さないと……」
レシオは獣の血に塗れた自分の姿を見て、うめき声を上げた。接近戦だったため、血管を切った際の出血を、大量に浴びてしまったのだ。服や顔、髪の毛まで、獣の血がべったりと付いている。身体は洗えば何とかなるだろうが、服は完全に処分しなければならないだろう。
勿体ないと思いながら、レシオは自分の戦い方を振り返った。
「もっとスマートな戦い方、考えないとなー」
「戦いにスマートさを求めていたら死んじゃうのですっ、お兄様」
「……お前が言うと、何か言葉に重みがあるよな……」
修練に励み兄よりも強い妹の言葉には、ある種納得できるものがある。きっとこの言葉が自然に出るほど、彼女も様々な経験と教えを受けているのが分かる。
その時、
「ティンバー!!」
兄とは違う声が、彼女の名を呼んだ。鬼気迫る声、そして自分の背後に感じる殺気だった気配に、ティンバーの顔が恐怖で引きつる。
始めに倒したと思っていたサスティが立ち上がり、ティンバー向けて襲い掛かって来たのだ。大きく開いた口から見える鋭い牙が、ティンバーに向かってくる。
あまりにも近く、そして予想もしなかった攻撃に、ティンバーは咄嗟の判断が出来ず、両目をとぎゅっと閉じると、身体を硬くして動けなくなった。
レシオは妹とサスティの間に入ろうとするが、間に合わない。
“ティンバーっ!!!”
妹が獣の凶刃に倒れる姿を想像し、レシオは声なき声を上げた。
しかし、獣の牙が彼女を切り裂くことはなかった。
その代わり獣の口から発されたのは、恐ろしいほど大きな断末魔だった。断末魔は突然途切れ、首が胴から分かれたかと思うと地面に鈍い音を立てて落ちた。
ティンバーの足元で、首を失ったサスティの身体から流れ出す血が溜りを作っていく。
「ティンバー、大丈夫だったか?」
そう言ってサスティの後ろから首を切り落としたのは、
「は……る?」
ティンバーが、声の主の名を呼ぶ。
彼女の前には、獣の血の付いた剣を握るハルの姿があった。緊張と、彼女が無事だった事を確認した安堵が混じり合ったような表情を浮かべている。
彼がサスティの首を切り落とし、ティンバーを助けたのだ。
獣の首はそこそこ太い。それを一太刀で切り落とすなど、並大抵の剣技ではない。
エルザ王が見ていたら、ハルをティンバーの婿にしてもいいと思うくらいの強さだ。
緊張から解放されたティンバーは、安堵からその場に崩れ落ちた。少し泣きそうな表情で、助けてくれたハルを見ている。
レシオが妹に声を掛ける前に、ハルがしゃがみこむと、ティンバーを安心させるように彼女の肩を軽く抱いた。
「獣の生命力は強い。最後まで気を抜いては駄目だ、ティンバー」
「ううっ……、ごめんなさい、ハル……。私、全部終わったかと思って……」
「とにかく、怪我がなくて良かった。また一つ学べて、良かったな」
ハルは反省するティンバーに対し、優しく声を掛けた。その声の調子に、ティンバーはほっと息を吐いた。その表情にはすでに彼女本来の明るさが戻りつつある。
怖かったのもあるが、武術を学ぶものとして、最後のつめが甘かった事がショックだったようだ。
ハルはティンバーの事をレシオに任せると、避難させていた馬を取りに向かった。
その後ろ姿を見つめながら、ティンバーはレシオに言った。
「ハル……、強かったですね、お兄様」
「ああ、そうだな。あまりよく見えなかったが、あの首を一太刀で落とすなんて、並大抵の技じゃないな」
そう言いながら、レシオは落ちている獣の首を見つめた。その表情には、ハルの剣技に対する疑問が見える。あんなひょろい身体から、どうしたらあれほどの力が出せる物なのか、不思議に思っているのだ。
しかし兄に問いかけておきながら、ティンバーは彼の回答を聞いていなかった。
「ハル……、優しいですね、お兄様」
「ああ、そうだな。まああの人は優しいと思うよ。少し距離を置いた感じだけど、色々と気を使ってくれてるし」
「ハル……、私、好きになっちゃいました」
「ああ、そうだな。…………………………んんっ?」
最後の言葉に、物凄く違和感を感じるレシオ。
視線を向けるとそこには、両手を胸の前で組み、物凄く熱の籠った瞳でハルの姿を見つめる妹の姿があった。
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