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65話 再会
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「……んぅ……あれ、俺なんで寝て……」
意識が落ちる前に感じた、首への衝撃。
それを思い出した瞬間、記憶が一気に蘇る。
俺、どれくらい寝てた……?
それよりも、歩夢は……!
急いで階下へ降りると、まず目に入ったのは、とても心配そうな顔をしたリサさんだった。
俺を見た途端、いつもの笑顔を浮かべるけれど、無理に作っていることがすぐにわかる。
「太一ちゃん、起きたのね。ホットミルクでもどうかしら」
「リサさん……」
だけど、俺は気が気じゃなかった。
たった一言、リサさんの名を呼び、俺はその目に必死に訴えかける。
「……だめよ」
返ってきたのは、その短い言葉だった。
きっと、俺がザックたちのところへ行こうとしているのを、すぐに察したんだろう。
「私も心配よ。でも、もし太一ちゃんが行って、もっと危険な目に遭うと思うと……想像しただけで胸が締めつけられるわ。今は、皆が無事に戻ってくるのを待ちましょ」
涙を滲ませながらそう言われた。
リサさんのこんな表情を見るのは、初めてで、早く駆け付けたい気持ちのある俺も、それ以上何も言えなくなった。
何もできない自分が、情けなくて、腹立たしい。
けど、今の俺には、ただ待つことしかできない……。
待ちきれない気持ちばかりが先走り、俺は寒さも気にせず外へ出た。
そんな俺にリサさんは気を遣って、何を言うでもなく、ただ温かい飲み物だけを用意してくれた。
どれくらい、そうしていたか。
コップの表面をぼんやり眺めていると、ふと、耳に声が届いた。
「太一!」
遠くから聞こえた、小さな声。
それでも、その一声で、俺は弾かれるようにうつむいていた顔を上げた。
視線の先にいたのは、ザックとディランに、ベンさん。
そして、ディランの腕に抱かれている歩夢の姿を見た瞬間、胸に張りつめていたものが一気にほどけた。
無事だった──。
そう思った次の瞬間、俺は反動でコップを取り落とし、中身が零れるのも構わず、皆のとこへ駆け出した。
けど──近づいて、もう一人の存在に気づいた瞬間、足が止まる。
ザックの腕に、抱かれている人影。
「…ゆ、優にい、ちゃ………」
声が、思った以上に震えた。自分でも驚くほど、情けない声だ。
それに俺の意思に反して溢れ出る涙は、もう、止めることができなかった。
それを見たザックたちは、ゆっくりと俺の方へ歩いてきて、目の前で立ち止まる。
俺の意思に反して既に目からは涙が溢れ止めることもできない。
それを見たザックたちはゆっくり俺の方へ歩いてきて、目の前で立ち止まる。
「太一、歩夢は無事だ。お前の兄ちゃんもな」
俺の意思に反して、すでに涙が溢れ、止めることができない。
それを見たザックたちは、ゆっくりと俺の方へ歩いてきて、目の前で立ち止まった。
「太一。歩夢は無事だ。お前の兄ちゃんもな」
その言葉を聞いた瞬間、膝から力が抜けた。
立っていることもできず、その場にしゃがみ込み、嗚咽が漏れる。
「っうぅ゛……ッ──」
そんな俺にザックは何も言わず、腕の中の兄ちゃんを、そっと預けてきた。
眠っていて意識のない兄ちゃんが、俺にもたれかかってくる。
その重みが、ちゃんと”生きている”と、何よりも確かに教えてくれる。
「あ……ありがとぅ……ザック…」
「あぁ」
泣きながら礼を言う俺に、ザックは優しい表情を向ける。
それからは、身体が冷えていると怒られながら、俺は半ば強引にザックに抱き上げられ、優兄ちゃんはベンさんに抱きかかえられた。
家に入ると、心配そうだったリサさんの表情も、ようやく安堵に変わる。
意識のない歩夢と優兄ちゃんは、俺の自室のベッドへと運ばれ、俺はただただ二人と一緒にいたくて、ベッドのそばにそっと座り込む。
「太一、そこじゃ冷えちまうぞ」
「いい……今は、こうしてたい」
自分は大丈夫だと伝えながら、離れたくない気持ちだけは隠さなかった。
それから数時間後──張りつめていたものが切れたのか、俺も二人が眠るベッドに突っ伏すようにして、そのまま意識を手放した。
────────────────────
side アイザック
二人を連れてベンさんの家に戻ると、家の前には、項垂れたように座り込む太一の姿があった。
こんな寒さの中、どれくらい待っていたんだろうな。
思わず、俺は太一の名を呼んだ。
声に気づいた太一は、弾かれたように顔を上げる。
不安に張りつめていた表情が、俺たちを見た瞬間、ほんの少しだけ緩んだ。
だが、俺の腕にいた自分の兄ちゃんの存在に気づくと、とても驚いたように立ち止まった。
「……ゆ、優にい、ちゃ……」
その声には、いつものしっかり者の兄の面影はなかった。
そこにいたのは、ただ兄に縋る、迷子みたいな弟の顔だった。
それほど、この兄は、太一にとってよりどころの存在なんだろう。
その表情に耐えきれず、俺は何も言わずに、腕の中の兄ちゃんを太一に預けてやった。
大切なものを失うまいとするように、強く抱きしめる太一。
それに応えるみたいに、安心したような兄ちゃんの寝顔。
そして、今まで見たことがないほど幼い表情で礼を言われて、俺は思わず、柄にもなく顔が緩んじまった。
ほどなくして太一を抱き上げると、その身体はやっぱり冷え切っていて、手もキンキンだった。
それでも兄と弟のそばを離れようとしない。
今まで、どれだけ我慢してきたんだろうな。
いつもなら真っ先に太一の身体を優先する俺も、その時ばかりは、床でも大丈夫だというわがままを、黙って受け入れた。
目元は涙で真っ赤に腫れている。
……あとで、冷やしてやらねぇとな。
意識が落ちる前に感じた、首への衝撃。
それを思い出した瞬間、記憶が一気に蘇る。
俺、どれくらい寝てた……?
それよりも、歩夢は……!
急いで階下へ降りると、まず目に入ったのは、とても心配そうな顔をしたリサさんだった。
俺を見た途端、いつもの笑顔を浮かべるけれど、無理に作っていることがすぐにわかる。
「太一ちゃん、起きたのね。ホットミルクでもどうかしら」
「リサさん……」
だけど、俺は気が気じゃなかった。
たった一言、リサさんの名を呼び、俺はその目に必死に訴えかける。
「……だめよ」
返ってきたのは、その短い言葉だった。
きっと、俺がザックたちのところへ行こうとしているのを、すぐに察したんだろう。
「私も心配よ。でも、もし太一ちゃんが行って、もっと危険な目に遭うと思うと……想像しただけで胸が締めつけられるわ。今は、皆が無事に戻ってくるのを待ちましょ」
涙を滲ませながらそう言われた。
リサさんのこんな表情を見るのは、初めてで、早く駆け付けたい気持ちのある俺も、それ以上何も言えなくなった。
何もできない自分が、情けなくて、腹立たしい。
けど、今の俺には、ただ待つことしかできない……。
待ちきれない気持ちばかりが先走り、俺は寒さも気にせず外へ出た。
そんな俺にリサさんは気を遣って、何を言うでもなく、ただ温かい飲み物だけを用意してくれた。
どれくらい、そうしていたか。
コップの表面をぼんやり眺めていると、ふと、耳に声が届いた。
「太一!」
遠くから聞こえた、小さな声。
それでも、その一声で、俺は弾かれるようにうつむいていた顔を上げた。
視線の先にいたのは、ザックとディランに、ベンさん。
そして、ディランの腕に抱かれている歩夢の姿を見た瞬間、胸に張りつめていたものが一気にほどけた。
無事だった──。
そう思った次の瞬間、俺は反動でコップを取り落とし、中身が零れるのも構わず、皆のとこへ駆け出した。
けど──近づいて、もう一人の存在に気づいた瞬間、足が止まる。
ザックの腕に、抱かれている人影。
「…ゆ、優にい、ちゃ………」
声が、思った以上に震えた。自分でも驚くほど、情けない声だ。
それに俺の意思に反して溢れ出る涙は、もう、止めることができなかった。
それを見たザックたちは、ゆっくりと俺の方へ歩いてきて、目の前で立ち止まる。
俺の意思に反して既に目からは涙が溢れ止めることもできない。
それを見たザックたちはゆっくり俺の方へ歩いてきて、目の前で立ち止まる。
「太一、歩夢は無事だ。お前の兄ちゃんもな」
俺の意思に反して、すでに涙が溢れ、止めることができない。
それを見たザックたちは、ゆっくりと俺の方へ歩いてきて、目の前で立ち止まった。
「太一。歩夢は無事だ。お前の兄ちゃんもな」
その言葉を聞いた瞬間、膝から力が抜けた。
立っていることもできず、その場にしゃがみ込み、嗚咽が漏れる。
「っうぅ゛……ッ──」
そんな俺にザックは何も言わず、腕の中の兄ちゃんを、そっと預けてきた。
眠っていて意識のない兄ちゃんが、俺にもたれかかってくる。
その重みが、ちゃんと”生きている”と、何よりも確かに教えてくれる。
「あ……ありがとぅ……ザック…」
「あぁ」
泣きながら礼を言う俺に、ザックは優しい表情を向ける。
それからは、身体が冷えていると怒られながら、俺は半ば強引にザックに抱き上げられ、優兄ちゃんはベンさんに抱きかかえられた。
家に入ると、心配そうだったリサさんの表情も、ようやく安堵に変わる。
意識のない歩夢と優兄ちゃんは、俺の自室のベッドへと運ばれ、俺はただただ二人と一緒にいたくて、ベッドのそばにそっと座り込む。
「太一、そこじゃ冷えちまうぞ」
「いい……今は、こうしてたい」
自分は大丈夫だと伝えながら、離れたくない気持ちだけは隠さなかった。
それから数時間後──張りつめていたものが切れたのか、俺も二人が眠るベッドに突っ伏すようにして、そのまま意識を手放した。
────────────────────
side アイザック
二人を連れてベンさんの家に戻ると、家の前には、項垂れたように座り込む太一の姿があった。
こんな寒さの中、どれくらい待っていたんだろうな。
思わず、俺は太一の名を呼んだ。
声に気づいた太一は、弾かれたように顔を上げる。
不安に張りつめていた表情が、俺たちを見た瞬間、ほんの少しだけ緩んだ。
だが、俺の腕にいた自分の兄ちゃんの存在に気づくと、とても驚いたように立ち止まった。
「……ゆ、優にい、ちゃ……」
その声には、いつものしっかり者の兄の面影はなかった。
そこにいたのは、ただ兄に縋る、迷子みたいな弟の顔だった。
それほど、この兄は、太一にとってよりどころの存在なんだろう。
その表情に耐えきれず、俺は何も言わずに、腕の中の兄ちゃんを太一に預けてやった。
大切なものを失うまいとするように、強く抱きしめる太一。
それに応えるみたいに、安心したような兄ちゃんの寝顔。
そして、今まで見たことがないほど幼い表情で礼を言われて、俺は思わず、柄にもなく顔が緩んじまった。
ほどなくして太一を抱き上げると、その身体はやっぱり冷え切っていて、手もキンキンだった。
それでも兄と弟のそばを離れようとしない。
今まで、どれだけ我慢してきたんだろうな。
いつもなら真っ先に太一の身体を優先する俺も、その時ばかりは、床でも大丈夫だというわがままを、黙って受け入れた。
目元は涙で真っ赤に腫れている。
……あとで、冷やしてやらねぇとな。
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