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28話 楽しい時間と太一の番
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「ふー、よく寝たぁ。」
今日はやっとお祭り当日だ。
俺と歩夢はリビングへ行きベンさんたちと朝食を取ってから夕方のお祭りに向けて身支度を整える。
普段俺たちは動きやすいように白地の長袖に下は七分丈の茶色いズボンを履いているが、今日は長袖のブラウスに黒地の長ズボンを履いている。
もちろん耳飾りも忘れずに身につける。
歩夢に関しては指輪もはめて準備万端だ。
それからあっという間に出かける時間になり俺たちは家を出てすぐ街に入るといつもの街とは思えないほど綺麗な景色が広がっていた。
「すごいですね。夜の方が綺麗だからって言っていた意味がわかりました。」
「でしょ!ノウゼンカズラの花だけじゃなくてランプも灯されるからすごく綺麗なのよ。」
「ぼ、ぼく今ならたくさん絵が描けそうです。」
歩夢も少し興奮気味だ。
それから俺たちは街の中心まで行きみんなで屋台を回った。
俺と歩夢は見たことないくらい大きな串焼きに釘付けでベンさんとリサさんはそんな俺たちに笑いながらも二人は色々な話を聞かせてくれた。
なんと言ってもお祭りの終盤に行われるランタンの打ち上げが1番盛り上がるらしい。
俺たちはそれに参加するためそれが行われる会場へと串焼きを片手に足を運ぶ。
会場に着くとすでにたくさんの人がおりとても賑わっている様子だった。
しばらくベンチに座ってイベントの開始を待っていたが俺はそこでトイレに行きたくなりベンさんたちに声をかける。
「すみませんベンさん、ちょっとお手洗いに行きたいんですけどここら辺にお手洗いってありますか?」
「あぁ、お手洗いならあっちの通りを右に行って突き当たりを左に曲がったところだよ。私もついて行こうか?」
「いえ、それなら自分だけでも行けそうです。さっと済ませてきちゃいます。」
「太一ちゃん、何かあったら迷わずその耳飾りを使うのよ。わかった?」
「わかってますリサさん。それじゃちょっと行って来ます。」
そうして俺は一度みんなと別れ言われた通りの道を進んだが、思っていたよりも混んでいて用を済ませるまでに少し時間がかかってしまった。
「早く戻らなきゃな。」
みんなを心配させないようにすぐ戻ろうと元来た道を戻ろうとするとそこで今まで嗅いだことのないような匂いに意識を持っていかれた。
なんだこの匂い?
果実が熟れたようなすごくいい匂いがするしなんでかその匂いにすごく惹かれた。
なんでこんなに惹かれるんだろう。
そんなことを思っているとその匂いはだんだん強くなって俺自身その匂いに酔ったような感覚に陥る。
体もどこか熱くほてっていて何が何だか分からず困惑して、その熱をどうにか落ち着けようとしゃがみ込んだところで誰かの声がした。
「やっと見つけた。」
「え?」
俺はその声に釣られるように顔を上げると数メートル先に知らない人物が立っており、そいつと目を合わせた瞬間ビビッと身体に衝撃が走るような感覚がした。
あいつが欲しい。
あいつのものになりたい。
あいつと今すぐにでも繋がりたい。
突然俺の中にそんな強い思いが生まれた。
まるで本能的に目の前の男を求めてるみたいに。
こんなの俺じゃない。
いきなり知らない自分が出て来たみたいな感覚に俺は怖くなる。
その間にもその人物は俺との距離をどんどん詰めて来て、それに気づいた俺はさらに気が動転してついあれを使ってしまった。
気づいた時には家のリビングに立っていて俺の足は震えていた。
「なんだったんだあれ。…くそっ、落ち着け俺……。」
俺はそんなことを呟きながら部屋にうずくまり気を落ち着けることに必死になっていた。
今日はやっとお祭り当日だ。
俺と歩夢はリビングへ行きベンさんたちと朝食を取ってから夕方のお祭りに向けて身支度を整える。
普段俺たちは動きやすいように白地の長袖に下は七分丈の茶色いズボンを履いているが、今日は長袖のブラウスに黒地の長ズボンを履いている。
もちろん耳飾りも忘れずに身につける。
歩夢に関しては指輪もはめて準備万端だ。
それからあっという間に出かける時間になり俺たちは家を出てすぐ街に入るといつもの街とは思えないほど綺麗な景色が広がっていた。
「すごいですね。夜の方が綺麗だからって言っていた意味がわかりました。」
「でしょ!ノウゼンカズラの花だけじゃなくてランプも灯されるからすごく綺麗なのよ。」
「ぼ、ぼく今ならたくさん絵が描けそうです。」
歩夢も少し興奮気味だ。
それから俺たちは街の中心まで行きみんなで屋台を回った。
俺と歩夢は見たことないくらい大きな串焼きに釘付けでベンさんとリサさんはそんな俺たちに笑いながらも二人は色々な話を聞かせてくれた。
なんと言ってもお祭りの終盤に行われるランタンの打ち上げが1番盛り上がるらしい。
俺たちはそれに参加するためそれが行われる会場へと串焼きを片手に足を運ぶ。
会場に着くとすでにたくさんの人がおりとても賑わっている様子だった。
しばらくベンチに座ってイベントの開始を待っていたが俺はそこでトイレに行きたくなりベンさんたちに声をかける。
「すみませんベンさん、ちょっとお手洗いに行きたいんですけどここら辺にお手洗いってありますか?」
「あぁ、お手洗いならあっちの通りを右に行って突き当たりを左に曲がったところだよ。私もついて行こうか?」
「いえ、それなら自分だけでも行けそうです。さっと済ませてきちゃいます。」
「太一ちゃん、何かあったら迷わずその耳飾りを使うのよ。わかった?」
「わかってますリサさん。それじゃちょっと行って来ます。」
そうして俺は一度みんなと別れ言われた通りの道を進んだが、思っていたよりも混んでいて用を済ませるまでに少し時間がかかってしまった。
「早く戻らなきゃな。」
みんなを心配させないようにすぐ戻ろうと元来た道を戻ろうとするとそこで今まで嗅いだことのないような匂いに意識を持っていかれた。
なんだこの匂い?
果実が熟れたようなすごくいい匂いがするしなんでかその匂いにすごく惹かれた。
なんでこんなに惹かれるんだろう。
そんなことを思っているとその匂いはだんだん強くなって俺自身その匂いに酔ったような感覚に陥る。
体もどこか熱くほてっていて何が何だか分からず困惑して、その熱をどうにか落ち着けようとしゃがみ込んだところで誰かの声がした。
「やっと見つけた。」
「え?」
俺はその声に釣られるように顔を上げると数メートル先に知らない人物が立っており、そいつと目を合わせた瞬間ビビッと身体に衝撃が走るような感覚がした。
あいつが欲しい。
あいつのものになりたい。
あいつと今すぐにでも繋がりたい。
突然俺の中にそんな強い思いが生まれた。
まるで本能的に目の前の男を求めてるみたいに。
こんなの俺じゃない。
いきなり知らない自分が出て来たみたいな感覚に俺は怖くなる。
その間にもその人物は俺との距離をどんどん詰めて来て、それに気づいた俺はさらに気が動転してついあれを使ってしまった。
気づいた時には家のリビングに立っていて俺の足は震えていた。
「なんだったんだあれ。…くそっ、落ち着け俺……。」
俺はそんなことを呟きながら部屋にうずくまり気を落ち着けることに必死になっていた。
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