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騎士への道
王立ベルヘイム騎士養成学校23
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「あらまぁ……聖鳳騎士団の隊長様であり、キャメロット王国の王様のご登場ね。わたくし如きに、不釣り合いなお相手ですわ」
メイヴは、言葉とは裏腹に不敵な笑みを浮かべた。
その手に握られる細身の剣、クルージン・カサド・ヒャンを数回クルクルと回した後に床に突き刺す余裕まで見せる。
「でも、宜しいのですか? 王様が死んでしまったら、国民達が悲しんでしまいますわよ。こんな戦場に出て来るのは危険ですわ」
「貴様に心配される筋合いは無いな。それに、年増の貴様がオレの相手になるのか? 口だけが達者な奴は多いからな……」
アーサーの言葉が終わると同時に、食堂中に……学生達に突き刺さっていた触手が同時に斬られ、切り口から霧の様に血が吹き出した。
触手達は、斬られた事が分からなかったかのように……そして綺麗に真っ二つにされた為に、接続面だけがスルリと床に落下する。
「あらやだ……全然、見えませんでしたわ。わたくしより早いですわね」
「そうか……なら貴様は、我が騎士団にすら入れん程度の実力という事だ。クロウ・クルワッハ軍も人材不足なんだな」
アーサーに馬鹿にされながらも、メイヴは余裕の笑みを浮かべ続ける。
「最初に吹っ飛ばした、そちらの気持ち悪い殿方……まだ立つ力があるようですわよ。スピードはあっても、パワー不足じゃないかしら?」
「そうか? 手を抜いてやったからな……あの程度の力で派手に吹っ飛べば、力は殺されるからな」
2人の視線を浴びながらヨロヨロと立ち上がったイヴァンは、アーサーを睨みつけた。
「不意打ちを仕掛ける様な奴が、見下して喋ってんじゃねぇぞ! ティルフィングの力も回復した! まずは、貴様の首から刈ってやる!」
アーサーに怒りをぶつけながら、ティルフィングを構えるイヴァン。
「ふふふっ! 顔を赤くしちゃって、カワイイわね。でも……お二方とも、わたくしに倒される運命ですの。殿方相手に、わたくしの力は絶大なのですわ」
メイヴが胸の前に右手を翳すと、その手に光が集まり輝き始める。
光り輝く右手を床に向けて広げると、光が食堂の床を這い纏わり、魔方陣を描き出す。
「これは……範囲魔法?」
「魔法? そんな甘いモノではありませんわ。この力は、バロール様より授かった力……殿方の力を無力化する至高の力ですわ!」
メイヴの言葉が終わらぬ内に、イヴァンの膝が折れる。
床に突き刺したティルフィングに体重を預ける事で、辛うじて倒れる事に抗ってはいるが、鎧の重さに身体が軋み始めていた。
「貴様、至高の意味を分かっていて言っているのか? これは姑息と言うんだ。自分の力に自信が無い奴が使う技だ。まぁ……別に、どうでもいいがな」
「あらあら、負け惜しみとして聞いておきますわ。こちらの殿方のように、膝が崩ないだけ誉めて差し上げますわ!」
メイヴはそう言うと、身動きの出来ないイヴァンの腹部を思い切り蹴り上げる。
「ごふぅ!」
奇妙な声を上げたイヴァンは、女性の細い足で蹴られたとは思えない程に宙に浮き上がり、背中から落下し食堂の机を破壊した。
「さて……国王様、次は貴方の番ですわよ」
アーサーの方を見たメイヴは、己の目を疑った……目の前からアーサーが消えたのだ。
いや……消えたどころの話ではない。
火の粉と共に黄金の閃光が舞い、メイヴの右腕が薄く斬り裂かれた。
「自分の技に酔い過ぎだな。敵に技の耐性がある可能性も視野に入れておくべきだ。魔眼の力を分け与えられた奴と、魔眼そのものを持つ者では力の差があって当然だろ?」
メイヴは、自らの右腕から流れ始めた血液も気にならない程に目を見開く。
アーサーの胸で赤く光る物……魔眼が力を使っている時の赤に間違いない。
「貴様……勝手に力を使うなと言っているだろうが。この程度の技で、このオレがやられるとでも思っているのか?」
胸元を見ながら独り言を言うアーサー……メイヴはその姿を見て、唇を噛み締める。
かつて、自らの主であるバロールと同じような行動……
「あなた……バロール様から魔眼を奪い取ったのね! 許さないわ!」
振り下ろされたクルージン・カサド・ヒャンをエクスカリバーで軽くいなすアーサー。
メイヴの怒りが、手を取る様に分かる。
「魔眼は奪い取れる物ではない。貴様なら分かる筈だ」
「うるさい! 魔眼がバロール様ではなく、貴様を選んだなどと……わたくしは信じない!」
聖剣と神剣が重なる……クルージン・カサド・ヒャンは飛ばされ、そしてメイヴの身体は壁に叩きつけられた。
「随分と言葉使いが悪くなったな。まぁいい……今までは、魔眼の奴が勝手に力を使っていたまでだ。貴様の土俵で戦ってやる。姑息な技でクーフーリンを倒したらしいが、強制的に従わせている光の剣では、オレを倒せない事を教えてやる」
アーサーによって目の前に投げ落とされたクルージン・カサド・ヒャンの柄を握り締めると、メイヴは立ち上がる。
「本気でいくわ。魔眼の力を放棄した事を後悔させてやる!」
アーサー目掛けて加速するメイヴは、怒りと共に風と一体になっていく……
メイヴは、言葉とは裏腹に不敵な笑みを浮かべた。
その手に握られる細身の剣、クルージン・カサド・ヒャンを数回クルクルと回した後に床に突き刺す余裕まで見せる。
「でも、宜しいのですか? 王様が死んでしまったら、国民達が悲しんでしまいますわよ。こんな戦場に出て来るのは危険ですわ」
「貴様に心配される筋合いは無いな。それに、年増の貴様がオレの相手になるのか? 口だけが達者な奴は多いからな……」
アーサーの言葉が終わると同時に、食堂中に……学生達に突き刺さっていた触手が同時に斬られ、切り口から霧の様に血が吹き出した。
触手達は、斬られた事が分からなかったかのように……そして綺麗に真っ二つにされた為に、接続面だけがスルリと床に落下する。
「あらやだ……全然、見えませんでしたわ。わたくしより早いですわね」
「そうか……なら貴様は、我が騎士団にすら入れん程度の実力という事だ。クロウ・クルワッハ軍も人材不足なんだな」
アーサーに馬鹿にされながらも、メイヴは余裕の笑みを浮かべ続ける。
「最初に吹っ飛ばした、そちらの気持ち悪い殿方……まだ立つ力があるようですわよ。スピードはあっても、パワー不足じゃないかしら?」
「そうか? 手を抜いてやったからな……あの程度の力で派手に吹っ飛べば、力は殺されるからな」
2人の視線を浴びながらヨロヨロと立ち上がったイヴァンは、アーサーを睨みつけた。
「不意打ちを仕掛ける様な奴が、見下して喋ってんじゃねぇぞ! ティルフィングの力も回復した! まずは、貴様の首から刈ってやる!」
アーサーに怒りをぶつけながら、ティルフィングを構えるイヴァン。
「ふふふっ! 顔を赤くしちゃって、カワイイわね。でも……お二方とも、わたくしに倒される運命ですの。殿方相手に、わたくしの力は絶大なのですわ」
メイヴが胸の前に右手を翳すと、その手に光が集まり輝き始める。
光り輝く右手を床に向けて広げると、光が食堂の床を這い纏わり、魔方陣を描き出す。
「これは……範囲魔法?」
「魔法? そんな甘いモノではありませんわ。この力は、バロール様より授かった力……殿方の力を無力化する至高の力ですわ!」
メイヴの言葉が終わらぬ内に、イヴァンの膝が折れる。
床に突き刺したティルフィングに体重を預ける事で、辛うじて倒れる事に抗ってはいるが、鎧の重さに身体が軋み始めていた。
「貴様、至高の意味を分かっていて言っているのか? これは姑息と言うんだ。自分の力に自信が無い奴が使う技だ。まぁ……別に、どうでもいいがな」
「あらあら、負け惜しみとして聞いておきますわ。こちらの殿方のように、膝が崩ないだけ誉めて差し上げますわ!」
メイヴはそう言うと、身動きの出来ないイヴァンの腹部を思い切り蹴り上げる。
「ごふぅ!」
奇妙な声を上げたイヴァンは、女性の細い足で蹴られたとは思えない程に宙に浮き上がり、背中から落下し食堂の机を破壊した。
「さて……国王様、次は貴方の番ですわよ」
アーサーの方を見たメイヴは、己の目を疑った……目の前からアーサーが消えたのだ。
いや……消えたどころの話ではない。
火の粉と共に黄金の閃光が舞い、メイヴの右腕が薄く斬り裂かれた。
「自分の技に酔い過ぎだな。敵に技の耐性がある可能性も視野に入れておくべきだ。魔眼の力を分け与えられた奴と、魔眼そのものを持つ者では力の差があって当然だろ?」
メイヴは、自らの右腕から流れ始めた血液も気にならない程に目を見開く。
アーサーの胸で赤く光る物……魔眼が力を使っている時の赤に間違いない。
「貴様……勝手に力を使うなと言っているだろうが。この程度の技で、このオレがやられるとでも思っているのか?」
胸元を見ながら独り言を言うアーサー……メイヴはその姿を見て、唇を噛み締める。
かつて、自らの主であるバロールと同じような行動……
「あなた……バロール様から魔眼を奪い取ったのね! 許さないわ!」
振り下ろされたクルージン・カサド・ヒャンをエクスカリバーで軽くいなすアーサー。
メイヴの怒りが、手を取る様に分かる。
「魔眼は奪い取れる物ではない。貴様なら分かる筈だ」
「うるさい! 魔眼がバロール様ではなく、貴様を選んだなどと……わたくしは信じない!」
聖剣と神剣が重なる……クルージン・カサド・ヒャンは飛ばされ、そしてメイヴの身体は壁に叩きつけられた。
「随分と言葉使いが悪くなったな。まぁいい……今までは、魔眼の奴が勝手に力を使っていたまでだ。貴様の土俵で戦ってやる。姑息な技でクーフーリンを倒したらしいが、強制的に従わせている光の剣では、オレを倒せない事を教えてやる」
アーサーによって目の前に投げ落とされたクルージン・カサド・ヒャンの柄を握り締めると、メイヴは立ち上がる。
「本気でいくわ。魔眼の力を放棄した事を後悔させてやる!」
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