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甘い?同居生活

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「だって、ストーカーから美桜のことを守りたいから一緒に住むことを提案したんでしょ。ストーカーがどんな人か分からないけど、美桜に何かあった時はその人とやり合う覚悟がないとそんなこと言えないと思うんだよね」

「やり合うってそんな……」

「バカね。ストーカー被害なんてよくニュースでやってるでしょ。狂暴な人だったら万が一ってこともあるんだから。美桜はもっと危機感を持った方がいいよ。あのストーカー、最近は見かけてないんでしょ?」

「うん。見かけてないよ。アパートにも前の職場にも立ち寄ってないし、その周辺にも行ってないから大丈夫だと思う」

駅にも行ってないし、アパートから職場までの通勤圏内には怖くてまだ足を踏み入れていない。

「それならいいけど油断したら駄目だよ。忘れたころにやってくるかもしれないんだから」

「怖いこと言わないでよ。でも、もしかしたら勘違いかも知れないし、ストーカーだったとしても一定期間離れていたら諦めてくれるんじゃないかな」

そういう願いを込めて言葉にした。
気休めでもいいからさつきに同意してもらいたかった。

「うーん、そうだといいけどこればっかりは分からないよね。とにかく、用心するに越したことはないわね。ん!このピザ美味しい。ハチミツをたらすのもアリね。美桜も食べてみなよ」

さつきはピザを頬張りながら言う。
私もストーカーのことは頭の片隅に追いやってピザを食べた。

「さつきはどうなの?江藤さんとケンカとかしないの?」

仲がいいのは知っているけど、ケンカしたりするのか気になった。

「うち?特に変わりはないわよ。私がギャーギャー喚いているだけで、向こうはハイハイって窘められる感じだからケンカにもならないよ」

「そういえば、五歳年上だっけ?」

「違うよ、八歳。やっぱり考え方も大人で理論的なんだよね。私は感情的に言われるのが嫌だから孝則くんが合ってるんだと思う」

「それは惚気ですかー?」

「そう、いいでしょ。美桜も早く鳴海のことを好きになって存分に惚気てくれてもいいんだよ」

ふふ、と勝ち誇ったように笑う。
テツを好きになる……か。

それよりテツにはずっと甘えっぱなしだ。
いつまでも無職でいる訳にもいかないので、スーパーなどに置いている求人雑誌を持ち帰ったりしている。
そろそろ新しい仕事を見つけないといけないと思い始めていた。
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