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深夜の出来事と元カノの存在
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スマホのアラームが鳴り、目を覚ます。
寝るのが遅かったので目覚めは悪いけど、朝ご飯を作るためにのそりと起き上がる。
部屋から出て顔を洗おうと洗面所に行くと、風呂場にテツの姿があった。
もう起きてたんだ。
お風呂に入らずに寝てしまったからシャワーをしてるんだろう。
昨夜のこともあり、こんなところで鉢合わせするのも気まずい。
私はさっさと顔を洗うと、キッチンに行き、お弁当と朝ご飯の準備に取りかかった。
先に弁当箱にご飯を詰め、次におかずを作り始めた。
そういえば、昨日はだいぶ飲んでたみたいだから、朝ごはんはあっさりとした和食の方がいいよね。
大根を切っていたら、テツが濡れた髪の毛をタオルで拭きながらリビングにやってきた。
上半身裸で下はボクサーパンツ姿、最初はなんて格好をしてるの!と焦ったけど、今はもう慣れた。
風呂上がりのテツはこれが普通だからだ。
「おはよ」
何事もなかったかのように挨拶をしてきた。
あれ、昨日のこと覚えてないの?
嘘でしょ、という気持ちを持ちながら声をかけた。
「おはよ。昨日、たくさん飲んだみたいだけど大丈夫なの?」
冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルをテツに差し出しながら、遠回しに聞いてみた。
「ありがとう。大丈夫」
ペットボトルの蓋を開け、ゴクゴクと飲む。
それだけ?
私はその先が聞きたいんだけど。
もっと攻めて聞いた方がいいかな。
「ねぇ、昨日のこと覚えてる?」
「昨日?あー、ちょっと記憶が曖昧なんだよな。帰ってきてそのまま寝たと思うんだけど。もしかして、何かやらかした?」
気まずそうに聞いてくる。
はぁ?
私にしたことは覚えてないっていうの?
テツのことを意識している私がバカみたいじゃない。
わざわざ言って思い出されても恥ずかしい。
覚えていないなら、あれはテツは酔ってたし、やっぱり犬に噛まれたことにするのが得策だ。
そうじゃないと私が意識しすぎて変な態度を取ってしまいそうだ。
それより私はあの女の人のことが気になった。
だけど、あからさまにそのことに触れるのは出来ない。
「別に何もしてないけど、どうやって帰ってきたかは覚えてる?」
「あー、店を出てタクシーに乗って帰ろうとしたら、取引先のやつも同じ方向だからって勝手に乗り込んできて……部屋までついてきた気がする」
それは覚えてるんだ。
でも、そこから掘り下げる勇気はなかった。
その取引先の人は女性でテツのことを名前で呼んでたけど、なんて言えない。
この話は終わりとばかりに話題を変える。
「朝ご飯、食べれる?和食なんだけど」
「もちろん。あー、腹減った。髪乾かして着替えてくる」
そう言うと、洗面所に髪の毛を乾かしに行った。
その間にみそ汁を作りながら魚を焼く。
二日酔いにはしじみ汁がいいという話を聞いたことがあるけど、残念ながらしじみは買ってない。
今朝は、ご飯、みそ汁、お弁当の残りの玉子焼きとオクラと納豆の梅肉和え、鯖の塩焼きだ。
テーブルの上に並べ終え、テツが椅子に座る。
「今朝も美味そうだな。いただきます」
手を合わせ、食べ始める。
頭が痛いとか言ってないし、見たところ二日酔いにはなってないみたいだ。
あれこれ考えても仕方ない。
私は詰めたお弁当を保冷バッグに入れ、身支度しようと部屋に戻った。
寝るのが遅かったので目覚めは悪いけど、朝ご飯を作るためにのそりと起き上がる。
部屋から出て顔を洗おうと洗面所に行くと、風呂場にテツの姿があった。
もう起きてたんだ。
お風呂に入らずに寝てしまったからシャワーをしてるんだろう。
昨夜のこともあり、こんなところで鉢合わせするのも気まずい。
私はさっさと顔を洗うと、キッチンに行き、お弁当と朝ご飯の準備に取りかかった。
先に弁当箱にご飯を詰め、次におかずを作り始めた。
そういえば、昨日はだいぶ飲んでたみたいだから、朝ごはんはあっさりとした和食の方がいいよね。
大根を切っていたら、テツが濡れた髪の毛をタオルで拭きながらリビングにやってきた。
上半身裸で下はボクサーパンツ姿、最初はなんて格好をしてるの!と焦ったけど、今はもう慣れた。
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「おはよ」
何事もなかったかのように挨拶をしてきた。
あれ、昨日のこと覚えてないの?
嘘でしょ、という気持ちを持ちながら声をかけた。
「おはよ。昨日、たくさん飲んだみたいだけど大丈夫なの?」
冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルをテツに差し出しながら、遠回しに聞いてみた。
「ありがとう。大丈夫」
ペットボトルの蓋を開け、ゴクゴクと飲む。
それだけ?
私はその先が聞きたいんだけど。
もっと攻めて聞いた方がいいかな。
「ねぇ、昨日のこと覚えてる?」
「昨日?あー、ちょっと記憶が曖昧なんだよな。帰ってきてそのまま寝たと思うんだけど。もしかして、何かやらかした?」
気まずそうに聞いてくる。
はぁ?
私にしたことは覚えてないっていうの?
テツのことを意識している私がバカみたいじゃない。
わざわざ言って思い出されても恥ずかしい。
覚えていないなら、あれはテツは酔ってたし、やっぱり犬に噛まれたことにするのが得策だ。
そうじゃないと私が意識しすぎて変な態度を取ってしまいそうだ。
それより私はあの女の人のことが気になった。
だけど、あからさまにそのことに触れるのは出来ない。
「別に何もしてないけど、どうやって帰ってきたかは覚えてる?」
「あー、店を出てタクシーに乗って帰ろうとしたら、取引先のやつも同じ方向だからって勝手に乗り込んできて……部屋までついてきた気がする」
それは覚えてるんだ。
でも、そこから掘り下げる勇気はなかった。
その取引先の人は女性でテツのことを名前で呼んでたけど、なんて言えない。
この話は終わりとばかりに話題を変える。
「朝ご飯、食べれる?和食なんだけど」
「もちろん。あー、腹減った。髪乾かして着替えてくる」
そう言うと、洗面所に髪の毛を乾かしに行った。
その間にみそ汁を作りながら魚を焼く。
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手を合わせ、食べ始める。
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