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愛を確かめ合う

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「店の予約が平日だったから、服だけは違った雰囲気で食事が出来たらいいなと思ったんだ。気に入ってくれたらいいけど、どう?」

「すごく可愛い。よく私の好みが分かったねと思うぐらい」

ワンピースに視線を移し、照れながら口を開く。

「そうか、それはよかった。きっと、美桜に似合うだろうなと思って選んだから」

「ありがとう」

こんなワンピース、持っていなかったのですごく嬉しかった。
テツは私を甘やかしすぎていると思う。
なにかテツに返せれたらいいんだけど……。

「そろそろ行こうか」

テツが立ち上がり、私の横に置いていた紙袋を右手で掴んで左手を差し出してきた。
私も立ち上がってその手を握り、反対側の手でバッグを持って歩き出す。
こうしてテツと手を繋ぐのが自然にできるようになっている私がいた。

エレベーターに乗り込み、着いた先は最上階のスカイラウンジのイタリアンレストラン、『ミルジュ』。

「予約していた鳴海です」

「鳴海さまですね。お待ちしておりました。こちらにどうぞ」

係りの人に案内されたテーブル席は座りながらにして夜景を見ることができる。
しかもピアノの生演奏が聴ける贅沢な空間だ。

ノンアルコールのスパークリングワインで乾杯し、前菜を食べる。
真鯛のカルパッチョ、生ハムと季節の彩り野菜サラダ、オマール海老のトマトソースパスタを食べ進める。
牛肉の赤ワイン煮込みまで食べるとお腹がいっぱいになってくる。
だけど、最後の自家製の桃のジェラートが出てきて私は普通にスプーンですくって食べていた。
ミルクベースのジェラートに桃の果肉が混ざっている。

「美味しい」

その美味しさをテツと共有したくて正面を向くと、目を細めて私を見つめていた。

「な、なに?」

「いや、食べている姿も可愛いなと思って」

テツは照れた様子もなく、当たり前のようにそんな言葉を口にするので私は顔を赤くする。

「そうだ、これ」

テツはリボンのついた長細い箱をテーブルの上に置いた。

「私に?」

「ああ。開けてみて」

私はそれを受け取ると、リボンをほどき箱を開けた。
その中には、ピンクゴールドの桜をモチーフにしたネックレスが入っていた。

「可愛い」

「気に入った?」

「うん」

「美桜と住み始めてから考えていたんだけど、何か俺の選んだものを身に着けてもらいたかったんだ。だから、知り合いのジュエリーデザイナーに協力してもらってオーダーメイドで作ったんだ」

「オーダーメイドなの?」

「ああ。出来上がるのが今日で、早く渡したくて仕事終わりに取りに行っていたんだ。平日で美桜にはバタバタさせてしまったけど」

予約を平日にしたのはそんな理由だったんだ。
でも、なんの記念日でもないのにプレゼントをもらってもいいのかな。
それにワンピースや靴も買ってもらっているのに。

テツは立ち上がり、私の横に来ると箱の中からネックレスを手に取った。
背後に回り、私の首にネックレスをかけてくれた。
目線を下に向けると、私の胸元で桜のネックレスがキラリと輝いていた。
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