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愛を確かめ合う

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***

そのあと、目が覚めた私はバスルームでシャワーを浴びた。
寝室に行くと、テツはベッドに横になって目を閉じていた。
私はベッドの上に腰を下ろして、テツの寝顔を見る。
長いまつげに整った顔はいつもより幼く見える。
さっきまで欲情を孕んだ表情で私を攻め立ててたのに、穏やかな顔で寝ているギャップはヤバイ。
可愛い寝顔に愛しさが込み上げてくる。

テツと抱き合うだけで身も心も満たされる。
真っ直ぐに好きだという気持ちを伝えてくれる。
とことん甘やかし、大切にされて私は本当に愛されているなと実感する。

「テツ、好き」

こっそり呟き、私も寝転がろうとしたら急にテツが目を開けて起き上がって私を抱きしめてきた。

「お、起きてたの?」

「先に寝るわけないだろ」

私を抱きしめたまま、クスリと笑う。
テツに抱きしめられるのは安心し、ずっとこの腕の中にいたいと思う。

「美桜、愛してる。最高のプレゼントをありがとう」

テツは私の唇にキスをし、最上級の笑顔を見せた。
その表情を見て胸がキュンとなり、私もテツの背に腕を回した。
私は好きな人と抱き合える幸せを噛みしめていた。

***

朝、目覚めた時に好きな人がそばにいるというのは未だになれなくてドキドキしてしまう。
テツを起こさないようにベッドから出て着替えを済ませる。

朝食の準備をしていたら、あくびをしながらテツがリビングにやってきた。

「おはよう」

「ん、はよ……」

「朝ごはん出来てるから、顔を洗ったら食べてね」

「サンキュ」

テツは洗面所へと向かった。


食事を終えたテツが神妙な顔つきで私を見ていた。

「どうかした?」

「あのさ、美桜に頼みがあるんだけど」

私は洗い物をしていた手を止めて椅子に座り直した。
改まって言われると思わず身構えてしまう。

「なに?」

「来週、うちの会社の創立記念パーティーに一緒に来てもらえないか?」

「えっ?」

うちの会社?
創立記念パーティー?
一緒に?
あれこれクエスチョンマークが頭に浮かんだ。

「うちの会社っていうのは、海鳴建設ことなんだけど」

テツのお父さんは海鳴建設の社長だと言っていた。
その創立記念パーティーに私が?

「実は、今年で創立三十五周年なんだ。それで、俺も出席しないといけなくて。美桜には婚約者として親に紹介したい」

「婚約者……私が?」

「他に誰がいるっていうんだよ」

私の反応が気に食わなかったのか、テツが不服そうな表情になる。
将来、テツが海鳴建設の跡を継ぐという話を聞いていた。
私がテツと付き合うということは、私もそれなりの覚悟をしないといけないということだ。

「嫌か?」

「嫌じゃないんだけど、突然だからビックリして」

「ごめん、そうだよな。俺もさ、話すタイミングとか見計らっていたらどんどん日にちが経ってたわ」

申し訳なさそうに眉を下げた。
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