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そして、恋の種が花開く。
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そういえば、佳代が『今日は百五十人ぐらい来るから』と言っていた。
さすが高級ホテルで行われる同窓会、かなりの規模だ。
さっきからテーブルを見てると"○席"と書いてあるプレートが極端に小さくて、側まで行かないと見えないから探すのが大変だ。
山田くんが『番号を探しながらいろんな同級生と話せるチャンスだ!』と言っていたから、わざと番号を小さくしているんだろう。
社交的な方ではない私にとってはありがた迷惑な話だ。
なんなら受付の人は席の配置図を持っていて席が一目瞭然だからそれを見せてくれる方が手っ取り早いのに。
まあ、企画してくれているんだから何もしていない私が文句を言うのは筋違いだけど。
さっきからテーブル席と一緒に人も探してるけど、私が仲良くしていた人が全く見当たらない。
このままボッチかもと心配になってくる。
でも、一人は確実に来るって聞いてるから大丈夫!と心の中で自分を励ます。
気をとり直してキョロキョロとプレートを探していたら背後からポンと肩を叩かれた。
「さくら、久しぶり」
その声に振り返ると、さっきまでの心細かった気持ちが一気に吹っ飛ぶ。
「茜だ!よかった、話せる人がいて」
「なにそれ」
クスクス笑うのは坂東茜、旧姓は北村だ。
中学から一緒だった、私の親友と呼べる一人。
私と茜、そして今日来れなかった川島奈津美の三人でよく遊んでいたけど、お互いに働き出すと忙しくなり会う機会が減っていた。
しかも、茜は二年前に結婚して関西方面に引っ越したので滅多に会えない。
たまに連絡を取りあったり、年賀状のやり取りでお互いの近況報告する感じだ。
奈津美は結婚しても地元にいるけど、独身の私が既婚者の人に連絡するのはなんとなく躊躇してしまう。
休みの日は夫婦で過ごしたいと思ってるかも、とかそんなことを考えたら昔のように軽々しく誘えない。
だから、同窓会とか特別なことがないと会えないというのが現状だ。
「茜は今日、実家に泊まるんだよね」
「うん。旦那は家に置いて来たけど、郁は連れてきて今は母親に面倒をみてもらってるの」
「そうなんだ。郁くんも大きくなったよね」
「まぁね。我が息子ながらホントに可愛いんだよ」
そう言ってバッグからスマホを取り出し、待ち受け画面を見せてくる。
そこには、お菓子を手に持って満面の笑みを浮かべている茜の息子、郁くんの姿が写っている。
「うわっ、本当に可愛い」
「でしょ!キッズモデルになれるかも」
だらしなく頬を緩め親バカっぷりを見せる茜が幸せそうで私まで嬉しくなる。
「それにしても同窓会によく来る気になったね。さくらはてっきり欠席すると思ってたのに。会っても大丈夫なの?」
茜がスマホをバッグにしまうと、心配そうに聞いてくる。
最初は意図が掴めなかったけど、あのことかと理解した。
さすが高級ホテルで行われる同窓会、かなりの規模だ。
さっきからテーブルを見てると"○席"と書いてあるプレートが極端に小さくて、側まで行かないと見えないから探すのが大変だ。
山田くんが『番号を探しながらいろんな同級生と話せるチャンスだ!』と言っていたから、わざと番号を小さくしているんだろう。
社交的な方ではない私にとってはありがた迷惑な話だ。
なんなら受付の人は席の配置図を持っていて席が一目瞭然だからそれを見せてくれる方が手っ取り早いのに。
まあ、企画してくれているんだから何もしていない私が文句を言うのは筋違いだけど。
さっきからテーブル席と一緒に人も探してるけど、私が仲良くしていた人が全く見当たらない。
このままボッチかもと心配になってくる。
でも、一人は確実に来るって聞いてるから大丈夫!と心の中で自分を励ます。
気をとり直してキョロキョロとプレートを探していたら背後からポンと肩を叩かれた。
「さくら、久しぶり」
その声に振り返ると、さっきまでの心細かった気持ちが一気に吹っ飛ぶ。
「茜だ!よかった、話せる人がいて」
「なにそれ」
クスクス笑うのは坂東茜、旧姓は北村だ。
中学から一緒だった、私の親友と呼べる一人。
私と茜、そして今日来れなかった川島奈津美の三人でよく遊んでいたけど、お互いに働き出すと忙しくなり会う機会が減っていた。
しかも、茜は二年前に結婚して関西方面に引っ越したので滅多に会えない。
たまに連絡を取りあったり、年賀状のやり取りでお互いの近況報告する感じだ。
奈津美は結婚しても地元にいるけど、独身の私が既婚者の人に連絡するのはなんとなく躊躇してしまう。
休みの日は夫婦で過ごしたいと思ってるかも、とかそんなことを考えたら昔のように軽々しく誘えない。
だから、同窓会とか特別なことがないと会えないというのが現状だ。
「茜は今日、実家に泊まるんだよね」
「うん。旦那は家に置いて来たけど、郁は連れてきて今は母親に面倒をみてもらってるの」
「そうなんだ。郁くんも大きくなったよね」
「まぁね。我が息子ながらホントに可愛いんだよ」
そう言ってバッグからスマホを取り出し、待ち受け画面を見せてくる。
そこには、お菓子を手に持って満面の笑みを浮かべている茜の息子、郁くんの姿が写っている。
「うわっ、本当に可愛い」
「でしょ!キッズモデルになれるかも」
だらしなく頬を緩め親バカっぷりを見せる茜が幸せそうで私まで嬉しくなる。
「それにしても同窓会によく来る気になったね。さくらはてっきり欠席すると思ってたのに。会っても大丈夫なの?」
茜がスマホをバッグにしまうと、心配そうに聞いてくる。
最初は意図が掴めなかったけど、あのことかと理解した。
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