おじ専が異世界転生したらイケおじ達に囲まれて心臓が持ちません

一条弥生

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26.体育会系イケおじ

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引っ越して一ヶ月で、ようやく私は全快して、明さんに付き添ってもらって、ゆっくりと敷地を散策した。

「無理はしたらあかんよ。」

「大丈夫。体も気持ちも凄く軽いの。元気だよ。」

元気さをアピールしようと早足をした私は躓いた。

明さんが私の腕を掴んで止めてくれたけど、明さんはため息を吐いた。

「言うた傍から・・・」

「ごめんなさい。」

相変わらず私は顔が近いと恥ずかしくて目を逸らした。

「明日からプログラムが始まるけど、しんどかったらすぐ言うんやで。無理したらまた寝込むことになるから。」

「うん。ねえ、明さん以外の人は何処に居るの?」

「それぞれ準備をしてるよ。会いに行く?」

「うん!」

明さんは一番近かった建物に案内してくれた。

「ここには一階にスポーツジムと施術室、二階に温水プールと風呂がある。確かこっちに居るはず。」

中に入ると、明さんはスタッフオンリーと書かれたドアをノックした。

「紫々井です。神凪さんが挨拶をされたいといらっしゃってます。」

少ししてドアが開いた。ああ、何故また。

顔を覗かせたのは、短い茶髪で少し醤油顔の爽やかさのあるおじ様だった。

その人は私の前に出てきて握手を求めた。

おずおずと握手をした。ゴツゴツとした手に体育系らしさを感じる。

「お会いできて光栄です。葉山史人ふみとと申します。42歳、日本体育大学卒業、守り手でここに来る前はラグビーの日本代表チームのスポーツトレーナーをしていました。よろしくお願いします。」

「日本代表の!?そ、そんな方が私一人のために!?何でですか!?」

「何でって、守り手ですし・・・」

「神凪さんはまだ自分のことも呼び名しか知りません。」

「そうですか。神凪さん、理の巫女は肉体も特別です。理の巫女の力は人智を凌駕するものですから、常人の体では負荷が大きすぎて耐えられません。ですから、神凪さんの体は特別仕様なんです。」

「私、そんなに運動神経が良い訳じゃないですよ?」

「運動神経の話じゃないですよ。詳しいことは最初のトレーニングでお話します。」

「はい。」

「神凪さん、ちょっと体触っていいですか?」

「はい、えっ!?」

「変な意味じゃないですよ。」

「わ、わかってます!」

葉山さんは私の肩、二の腕、腰、太腿、ふくらはぎを触って唸った。

「な、何か問題でも?」

「ありまくりだなぁ。」

「ありまくり!?」

「前の世界では無茶苦茶な生活をしていたと聞いていたので、ある程度は予想してたんですが、このままだと35歳くらいで腰や膝が痛くなって体が壊れますよ。」

「壊れる!?」

「骨密度はかなり低かったし、食生活は極端に偏ってたんですよね?何食べてました?」

「朝昼晩おにぎりで、具は昆布か唐揚げか角煮か鮭で、エナジードリンクで流し込んでました。」

「その生活どれぐらい続けました?」

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「エナジードリンクは日に何本飲みますか?」

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「夜ちゃんとベッドで寝てました?」

「ほぼ毎日会社の床で鞄を枕にして仮眠を取ってました。寝袋の持ち込みが禁止だったので、デスクの下に潜り込んで体にブランケットを掛けてました。」

「この体よく持ってんな。」

「俺も驚いてます。」

「そんなにやばいんだ・・・」

「しばらくはトレーニングより体のメンテナンスを優先しましょう。カリキュラムを変えておきます。」

「わかりました。」

私達は建物を後にして、次の建物へ向かった。
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