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プロローグ
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深夜2時40分・・・。
寝ずの番をする気だったが、さすがに少し眠くなっているようだ。
「俺もちょっと眠いっす」
欠伸しているのは緑川尊だ。ベッドでスース―寝ている“ドラゴンディセンダント”のリーダー如月葵の横顔を見ている。
「それにしても、たった2ヵ月でこんなに色々あるとは驚きっす」
まあ確かに濃密な2ヵ月だったことは間違いない・・・普通の高校1年生では経験できまい。
ボソボソ小声で独り言を言っている・・・。
「まずジェニファーのお姉さま、あんなスタイルのいい女性は初めてっす。まさしくグラマー美人っす、いっしょにいるカンナさんは対照的な和風美人っす・・・なんかカンナさんは最近、俺に気があるような気もするっすけど・・・まさかっすね。二人とも年上っすけど俺は全然いけるっす・・・」
色々って最近の激戦のことじゃないのか・・・何言っているんだ。
眠気と疲れで何を口走ってるのか・・・・。
「“ドラゴンディセンダント”もかわいい子ぞろいっす。未来ちゃんはファンクラブまでできて・・・そういえば沙羅ちゃんも和風な感じの美人っす、まさかあんな誤解されるとは思わなかったっすけど・・・」なんのこっちゃ・・・。
「そして如月の姐さん・・・美人コンテストは実は5位だったすけど・・・俺の中では不動の1位っす・・・まあ1位の子もぶっちぎりで奇麗だったすけど・・・ID交換したかったっす・・・そうそう由良のお姉さまも良かったっす」
「っは!そうっす・・・連戦で疲れた如月の姐さんの体を拭いてあげた方がいいっす・・・全然、俺にはいやらしい気持ちはないっす・・・全然っす。よく寝てるから今のうちっすね・・・」
そう言って立ち上がり何かを準備し始めている・・・。
拭こうと近づいた瞬間・・・目が合っている。
!!!
「ん~良く寝たぜ」
「げ!・・・き、如月の姐さん、残念。いや、よく寝てたっすね」
ここは如月葵の自室・・・昨日からの死闘で、つい今まで寝ていたのだ。傍にいるのは緑川尊だけ。他のメンバーはすでに帰っている。
「さすがに連戦で疲れてるっすね」と心配そうに言うが「あたしは大丈夫だぜ、緑川だって戦ってたじゃねえか」即座にそう言い放ち上半身を起こす。日中よりずいぶん顔色が良くなって上半身の背伸びをしている。
「俺はジェニファーのお姉さまが助けてくれたんで・・・」
部屋を見渡しても誰もいない。
「他の連中は帰ったんだな?」
「ちょっと前に帰ったっす」
大丈夫とは言うものの葵は本調子ではないだろう。
ふと気づいたことがあるようだ、少し口元は笑っている。
「あたしが寝てる間に妙な真似してねえだろうな?」「ま、ま、ま、まさかっす」女性とみれば結構節操ない緑川だが今晩は大人しく看病していたのだ・・・ついさっきまでは。
「姐さんに相応しい男になるまで手は出さないって決めたっす」
「・・・」
「明日は戦えそうっすか?」
分かっていることを聞くが・・・聞かずにはいられないのだろう。三日連続で死闘・激闘が続いているが明日は葵にしか可能性がないのだ。
「戦えなくても戦うしかねえな」とくに表情を変えずに葵は答えている。
そしてもう一度分かりきっていることを言う。
「相手はあの西園寺桔梗っす、昨日・・・というかもう一昨日っすね・・・自爆技を使ったダメージがどう考えても回復してないっす」
少し考えたが葵の表情は変わらない。
「・・・あいつはあたしのツレだ、助けられるのはあたししかいねえ。贅沢言っても仕方ねえぜ。今日のことは・・・でも“DD-stars”の連中にはいずれ礼を言わねえとな」「そっすね」
妙な事を口走っていることは本人も分かっているのだろうが止められないのだろう。急激に成長していると言っても二人とも15歳・・・厳しめの試練ではある・・・緑川は誕生日って言っていたから16歳になったか。
「分かりきってることっすけど西園寺桔梗はただの召喚戦闘の高校生全国大会優勝者じゃないっす。世界チャンピオンっす。俺の魔装武具レベルだと掠り傷一つ負わせられないっす」
「知ってるぜ」
「・・・できれば日を改めたほうがいいっす、せめて万全で」
「明日・・・多分明日・・・あたしが桔梗に勝たねえと・・・あいつは異能者専用の特別刑務所に送られる・・・桔梗を倒すしかねえんだよ」
難易度は相当に高いが・・・倒せる可能性があるのは葵だけ。
「・・・俺は、それとチーム“ドラゴンディセンダント”は強くなるっす・・・それに強くならないと口説くこともできないっす」
「何言ってんだが・・・後、あたしは同い年なんだから姐さんはやめろ・・・」
寝ずの番をする気だったが、さすがに少し眠くなっているようだ。
「俺もちょっと眠いっす」
欠伸しているのは緑川尊だ。ベッドでスース―寝ている“ドラゴンディセンダント”のリーダー如月葵の横顔を見ている。
「それにしても、たった2ヵ月でこんなに色々あるとは驚きっす」
まあ確かに濃密な2ヵ月だったことは間違いない・・・普通の高校1年生では経験できまい。
ボソボソ小声で独り言を言っている・・・。
「まずジェニファーのお姉さま、あんなスタイルのいい女性は初めてっす。まさしくグラマー美人っす、いっしょにいるカンナさんは対照的な和風美人っす・・・なんかカンナさんは最近、俺に気があるような気もするっすけど・・・まさかっすね。二人とも年上っすけど俺は全然いけるっす・・・」
色々って最近の激戦のことじゃないのか・・・何言っているんだ。
眠気と疲れで何を口走ってるのか・・・・。
「“ドラゴンディセンダント”もかわいい子ぞろいっす。未来ちゃんはファンクラブまでできて・・・そういえば沙羅ちゃんも和風な感じの美人っす、まさかあんな誤解されるとは思わなかったっすけど・・・」なんのこっちゃ・・・。
「そして如月の姐さん・・・美人コンテストは実は5位だったすけど・・・俺の中では不動の1位っす・・・まあ1位の子もぶっちぎりで奇麗だったすけど・・・ID交換したかったっす・・・そうそう由良のお姉さまも良かったっす」
「っは!そうっす・・・連戦で疲れた如月の姐さんの体を拭いてあげた方がいいっす・・・全然、俺にはいやらしい気持ちはないっす・・・全然っす。よく寝てるから今のうちっすね・・・」
そう言って立ち上がり何かを準備し始めている・・・。
拭こうと近づいた瞬間・・・目が合っている。
!!!
「ん~良く寝たぜ」
「げ!・・・き、如月の姐さん、残念。いや、よく寝てたっすね」
ここは如月葵の自室・・・昨日からの死闘で、つい今まで寝ていたのだ。傍にいるのは緑川尊だけ。他のメンバーはすでに帰っている。
「さすがに連戦で疲れてるっすね」と心配そうに言うが「あたしは大丈夫だぜ、緑川だって戦ってたじゃねえか」即座にそう言い放ち上半身を起こす。日中よりずいぶん顔色が良くなって上半身の背伸びをしている。
「俺はジェニファーのお姉さまが助けてくれたんで・・・」
部屋を見渡しても誰もいない。
「他の連中は帰ったんだな?」
「ちょっと前に帰ったっす」
大丈夫とは言うものの葵は本調子ではないだろう。
ふと気づいたことがあるようだ、少し口元は笑っている。
「あたしが寝てる間に妙な真似してねえだろうな?」「ま、ま、ま、まさかっす」女性とみれば結構節操ない緑川だが今晩は大人しく看病していたのだ・・・ついさっきまでは。
「姐さんに相応しい男になるまで手は出さないって決めたっす」
「・・・」
「明日は戦えそうっすか?」
分かっていることを聞くが・・・聞かずにはいられないのだろう。三日連続で死闘・激闘が続いているが明日は葵にしか可能性がないのだ。
「戦えなくても戦うしかねえな」とくに表情を変えずに葵は答えている。
そしてもう一度分かりきっていることを言う。
「相手はあの西園寺桔梗っす、昨日・・・というかもう一昨日っすね・・・自爆技を使ったダメージがどう考えても回復してないっす」
少し考えたが葵の表情は変わらない。
「・・・あいつはあたしのツレだ、助けられるのはあたししかいねえ。贅沢言っても仕方ねえぜ。今日のことは・・・でも“DD-stars”の連中にはいずれ礼を言わねえとな」「そっすね」
妙な事を口走っていることは本人も分かっているのだろうが止められないのだろう。急激に成長していると言っても二人とも15歳・・・厳しめの試練ではある・・・緑川は誕生日って言っていたから16歳になったか。
「分かりきってることっすけど西園寺桔梗はただの召喚戦闘の高校生全国大会優勝者じゃないっす。世界チャンピオンっす。俺の魔装武具レベルだと掠り傷一つ負わせられないっす」
「知ってるぜ」
「・・・できれば日を改めたほうがいいっす、せめて万全で」
「明日・・・多分明日・・・あたしが桔梗に勝たねえと・・・あいつは異能者専用の特別刑務所に送られる・・・桔梗を倒すしかねえんだよ」
難易度は相当に高いが・・・倒せる可能性があるのは葵だけ。
「・・・俺は、それとチーム“ドラゴンディセンダント”は強くなるっす・・・それに強くならないと口説くこともできないっす」
「何言ってんだが・・・後、あたしは同い年なんだから姐さんはやめろ・・・」
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