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第一章
第四話
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「今のところはなんか拍子抜けな感じだな、ビハイム殿下は。もっと悪趣味な命令でもされんのかと思ったが」
「ああ確かにそうだね。まあ俺たちが極力避けてるのもあるんじゃない? それにしても、フリートってなんでそんなに隠れ道知しってるの?」
ビハイムから面倒ごとを頼まれないようにするには、つまり会わなければいいのだ。流石のビハイムも大勢の前で悪だくみを頼むことは出来ない。そのためフリートはゲーム知識によって知った学園内の隠れ道を使い、人気の少ないときに追われても毎回巻いていたのである。
勿論ビハイムは追いながら声をかけているのだが、それは「気付かなかった」ということにする。
皇帝相手ならともかく皇子相手ならこの言い訳は効く。仮にもフリートたちは貴族家の子供なので、本当は気付いていたんだろう、とかいう皇子がするあらぬ疑いには抵抗できるのだ。
「ま、勘だよ勘」
婚約破棄なんかをやらかすビハイムの事である。碌なことをしないのだけは確かだ。故に変な疑問を持たれるリスクを置いて逃げの一手を打っていた。
なにせハッキリ言ってビハイムなどに関わっている時間は無いのだ。フリートの目指すのは自身が確実に生きれるようにすること。確かにそのためには内乱の直接的原因となった第二皇子の婚約破棄を止めるべきかもしれないが、それは出来ない。なにせ、彼の婚約者はまだこの学園にいないのだ。ゲームでは収穫祭で婚約破棄をしているが、それは収穫祭のパーティーは特例として婚約者を呼ぶ事が出来るからである。平時は当然呼ぶことは出来ない。
勿論ビハイムを更生するという手もあるだろう。だが、あくまで婚約破棄による混乱というのは直接的な原因だ。既にあった火種に燃料をくべただけに過ぎず、そも火種をなんとかしない限りそれはいつか必ず劫火になる。
故に彼がやるべきことは、まず第一に内乱で被害を大きく受けない様に、付くべき陣営を見極めることにある。具体的には、主人公がどのルートに進もうとしているかを見極めようとしているのだ。
だが主人公の情報を知りたいとは言え、仲良くなってはいけない。事件に巻き込まれない様に距離を取りつつも様子を伺わなければいけないという面倒なことをフリートは行っている。しかも入学直後の今の時期は色んなヒロインと主人公が関わっていく機関のため、捨てる候補より増える候補の方が多い。
ーーそれでも今の内から準備しておきたいからな。ゲーム知識で必須イベントとかは分かるから、確実に切れるときは切れる。
今のところ主人公は革命側よりと言ったところだろうか。まだルートが確定するほどではないが、革命の聖女となる少女とはすでに出会い仲も良好のようだ。ちなみに皇女関係のイベントについては確定の初回以外は起こっている様子がないため、皇女ルートは既にフリートの中で切られている。
ーーなるべくなら革命側には行って欲しくないんだが、ゲームの製作会社は革命側ルートが一応正史であるって言ってたし。革命側は常に劣勢だからなあ……。最終的に勝利できるとしてもそれまでの被害がシャレにならん。
だからといって主人公に敵対すると負ける可能性が非常に高いので、その時は革命側に、せめて中立ぐらいにはしなければいけないのだが。
「そうだフリート、今日も行くの? 冒険者ギルドに行ってる貴族なんて普通上位貴族でいないよ?」
そして今ラングが言ったことこそが第二にやることだ。
つまり、己の戦力強化。やはり最後に頼れるのは自分の力だ。極論言えば、仲間の犠牲を抜きに考えたとき自分が強ければ強いほど生き残る事が出来る可能性がぐっと高まる。そのためフリートはシントール・ハイナ閥の同級生達と共に冒険者ギルドで冒険者としての活動をしていた。
「ま、いいじゃんか。俺は強くなりたいからな。騎士の戦いが悪いとは思ってないが、冒険者のような戦いも学んで損はない。それに冒険者には強い奴がいるからな。関係を持っておいて悪いことは無いだろ?」
「確かにそうだし、俺は気にしてないんだけどね。やっぱ上位貴族からは変な目で見られるよ」
ーーま、実際言ったのは目的の半分だ。残り半分は別の所にあるんだけどな。
その目的とは一年の夏限定で起きる、冒険者として十分活動していた時に起きるイベントだ。
それはともかくとして、フリートは他のメンバーと合流すると学園を出てギルドへと向かった。
* * *
冒険者ギルドの歴史は古く、リーク帝国の前身であるリーク王国よりも成立は古いとされている。その目的は人類全体の脅威である魔物の対策であり、人類全体に対策となる情報を共有するためにはるか昔各国に存在していた魔物対策組織が大陸規模で協定を結んだことを始まりとしている。
そのため大陸統一を果たしたリーク帝国の出現以前、群雄割拠時代の各国ですら、冒険者ギルドには不可侵を貫いていた。リーク帝国は冒険者ギルドに独自の税を課すことに成功したもののそれ以上の干渉をしようとすることはしていない。
そんな冒険者ギルドの帝都支部は古い雰囲気を纏っているものの建築自体は比較的新しい巨大建造物であった。
「あ、フランの皆さんじゃないですか。今日も以来の受注ですか?」
入ると顔馴染みになった受付令嬢のリンさんが話しかけてくる。
ちなみにフランとは結成したパーティーの名前だ。悩んでいたらフリートのフとラングのランをくっつけることになった。発案者はメンバーの一人であるケビン・フラスコ。リーダーがフリートで、ラングが副リーダーを務めている。
リーダーなのにフリートの方が取られている字が少ない理由は単純に語感が悪くなるためだ。ラをフリートのリに変えれば語感はいいが、それはただの不倫になる。
「はい、そろそろD級を抜け出したいですからね。あと受けなきゃいけない依頼は討伐依頼二つですから」
「かぁーッ! お前ら早えなぁ! ったくいつ抜かれるかヒヤヒヤするじゃねえか、おい」
「ギャモンさん、また昼から酒飲んでるの? 依頼何かすればいいのに」
会話に割り込んでラングに白い顔を向けられたのは冒険者のギャモンだ。偶に一緒に依頼を受ける程仲良くさせてもらっているが、酒癖が酷いのだけが傷だ。
これで冒険者ランクがBだというのだから、冒険者の強さは見た目で測れないものだとつくづく思う。ちなみにA級への昇格も話として出ているらしく、それほどの実力者とつながりを持てるのはやはり冒険者ギルドの良いところというべきだろう。
「俺はな、午前中に十分働いてるんだよ。だから酒飲んでても許されるんだ。ラング、分かるか?」
「ウザ。もう一回行きなよ、依頼に」
なんだかんだ言いつつラングがギャモンと一番仲が良い。丁度扱う武器が同じ片手剣だったこともあり、偶に教えを受けているほどだ。
ーーちなみに俺は弓使いだ。シントール伯爵家のお家芸らしく、幼少期からたくさん仕込まれた。後方からの方がリーダーとして指示も出しやすいしな。
「あー、それで。何か良い依頼ってありますかね?」
グダりかけた雰囲気を立て直しつつ、フリートはリンに尋ねた。
「そうですね……。C級昇格の為の依頼条件に合うものの中ですと、オークの巣の掃討依頼が来ていますね」
ーーオークか。巣ってことは数十体いるな。明日から学園は週末で休みだし、丁度いいか。
「ああ確かにそうだね。まあ俺たちが極力避けてるのもあるんじゃない? それにしても、フリートってなんでそんなに隠れ道知しってるの?」
ビハイムから面倒ごとを頼まれないようにするには、つまり会わなければいいのだ。流石のビハイムも大勢の前で悪だくみを頼むことは出来ない。そのためフリートはゲーム知識によって知った学園内の隠れ道を使い、人気の少ないときに追われても毎回巻いていたのである。
勿論ビハイムは追いながら声をかけているのだが、それは「気付かなかった」ということにする。
皇帝相手ならともかく皇子相手ならこの言い訳は効く。仮にもフリートたちは貴族家の子供なので、本当は気付いていたんだろう、とかいう皇子がするあらぬ疑いには抵抗できるのだ。
「ま、勘だよ勘」
婚約破棄なんかをやらかすビハイムの事である。碌なことをしないのだけは確かだ。故に変な疑問を持たれるリスクを置いて逃げの一手を打っていた。
なにせハッキリ言ってビハイムなどに関わっている時間は無いのだ。フリートの目指すのは自身が確実に生きれるようにすること。確かにそのためには内乱の直接的原因となった第二皇子の婚約破棄を止めるべきかもしれないが、それは出来ない。なにせ、彼の婚約者はまだこの学園にいないのだ。ゲームでは収穫祭で婚約破棄をしているが、それは収穫祭のパーティーは特例として婚約者を呼ぶ事が出来るからである。平時は当然呼ぶことは出来ない。
勿論ビハイムを更生するという手もあるだろう。だが、あくまで婚約破棄による混乱というのは直接的な原因だ。既にあった火種に燃料をくべただけに過ぎず、そも火種をなんとかしない限りそれはいつか必ず劫火になる。
故に彼がやるべきことは、まず第一に内乱で被害を大きく受けない様に、付くべき陣営を見極めることにある。具体的には、主人公がどのルートに進もうとしているかを見極めようとしているのだ。
だが主人公の情報を知りたいとは言え、仲良くなってはいけない。事件に巻き込まれない様に距離を取りつつも様子を伺わなければいけないという面倒なことをフリートは行っている。しかも入学直後の今の時期は色んなヒロインと主人公が関わっていく機関のため、捨てる候補より増える候補の方が多い。
ーーそれでも今の内から準備しておきたいからな。ゲーム知識で必須イベントとかは分かるから、確実に切れるときは切れる。
今のところ主人公は革命側よりと言ったところだろうか。まだルートが確定するほどではないが、革命の聖女となる少女とはすでに出会い仲も良好のようだ。ちなみに皇女関係のイベントについては確定の初回以外は起こっている様子がないため、皇女ルートは既にフリートの中で切られている。
ーーなるべくなら革命側には行って欲しくないんだが、ゲームの製作会社は革命側ルートが一応正史であるって言ってたし。革命側は常に劣勢だからなあ……。最終的に勝利できるとしてもそれまでの被害がシャレにならん。
だからといって主人公に敵対すると負ける可能性が非常に高いので、その時は革命側に、せめて中立ぐらいにはしなければいけないのだが。
「そうだフリート、今日も行くの? 冒険者ギルドに行ってる貴族なんて普通上位貴族でいないよ?」
そして今ラングが言ったことこそが第二にやることだ。
つまり、己の戦力強化。やはり最後に頼れるのは自分の力だ。極論言えば、仲間の犠牲を抜きに考えたとき自分が強ければ強いほど生き残る事が出来る可能性がぐっと高まる。そのためフリートはシントール・ハイナ閥の同級生達と共に冒険者ギルドで冒険者としての活動をしていた。
「ま、いいじゃんか。俺は強くなりたいからな。騎士の戦いが悪いとは思ってないが、冒険者のような戦いも学んで損はない。それに冒険者には強い奴がいるからな。関係を持っておいて悪いことは無いだろ?」
「確かにそうだし、俺は気にしてないんだけどね。やっぱ上位貴族からは変な目で見られるよ」
ーーま、実際言ったのは目的の半分だ。残り半分は別の所にあるんだけどな。
その目的とは一年の夏限定で起きる、冒険者として十分活動していた時に起きるイベントだ。
それはともかくとして、フリートは他のメンバーと合流すると学園を出てギルドへと向かった。
* * *
冒険者ギルドの歴史は古く、リーク帝国の前身であるリーク王国よりも成立は古いとされている。その目的は人類全体の脅威である魔物の対策であり、人類全体に対策となる情報を共有するためにはるか昔各国に存在していた魔物対策組織が大陸規模で協定を結んだことを始まりとしている。
そのため大陸統一を果たしたリーク帝国の出現以前、群雄割拠時代の各国ですら、冒険者ギルドには不可侵を貫いていた。リーク帝国は冒険者ギルドに独自の税を課すことに成功したもののそれ以上の干渉をしようとすることはしていない。
そんな冒険者ギルドの帝都支部は古い雰囲気を纏っているものの建築自体は比較的新しい巨大建造物であった。
「あ、フランの皆さんじゃないですか。今日も以来の受注ですか?」
入ると顔馴染みになった受付令嬢のリンさんが話しかけてくる。
ちなみにフランとは結成したパーティーの名前だ。悩んでいたらフリートのフとラングのランをくっつけることになった。発案者はメンバーの一人であるケビン・フラスコ。リーダーがフリートで、ラングが副リーダーを務めている。
リーダーなのにフリートの方が取られている字が少ない理由は単純に語感が悪くなるためだ。ラをフリートのリに変えれば語感はいいが、それはただの不倫になる。
「はい、そろそろD級を抜け出したいですからね。あと受けなきゃいけない依頼は討伐依頼二つですから」
「かぁーッ! お前ら早えなぁ! ったくいつ抜かれるかヒヤヒヤするじゃねえか、おい」
「ギャモンさん、また昼から酒飲んでるの? 依頼何かすればいいのに」
会話に割り込んでラングに白い顔を向けられたのは冒険者のギャモンだ。偶に一緒に依頼を受ける程仲良くさせてもらっているが、酒癖が酷いのだけが傷だ。
これで冒険者ランクがBだというのだから、冒険者の強さは見た目で測れないものだとつくづく思う。ちなみにA級への昇格も話として出ているらしく、それほどの実力者とつながりを持てるのはやはり冒険者ギルドの良いところというべきだろう。
「俺はな、午前中に十分働いてるんだよ。だから酒飲んでても許されるんだ。ラング、分かるか?」
「ウザ。もう一回行きなよ、依頼に」
なんだかんだ言いつつラングがギャモンと一番仲が良い。丁度扱う武器が同じ片手剣だったこともあり、偶に教えを受けているほどだ。
ーーちなみに俺は弓使いだ。シントール伯爵家のお家芸らしく、幼少期からたくさん仕込まれた。後方からの方がリーダーとして指示も出しやすいしな。
「あー、それで。何か良い依頼ってありますかね?」
グダりかけた雰囲気を立て直しつつ、フリートはリンに尋ねた。
「そうですね……。C級昇格の為の依頼条件に合うものの中ですと、オークの巣の掃討依頼が来ていますね」
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