5 / 5
二人目:聖騎士アグリア
「聖女様の教会と知っての狼藉か?」
しおりを挟む
教会の大扉を破壊して、礼拝堂に踏み込んだ俺を、聖騎士アグリアは月光のなか待ち受けていた。
全身を銀色の鎧で包み、片手に携えた美しい両刃の長剣と、もう一方の手甲に巻き付けられた細い鎖が、うっすら白い光をまとっている。
魔物としての肌感でわかる。どちらも強力な加護を受けた聖武具に違いない。
俺が旅立つときには、中古の皮鎧と剣しか渡されなかったのに。
「貴様が、報告のあった“勇者喰らい”のオーガだな……」
もう情報が入っている。ていうか、勇者は俺に食われたことにされているようだ。
しかもいい感じの二つ名になっていて、勇者のころそんなもの付けてもらえなかった俺としては、なんとも複雑な気持ちになる。
「ここを聖女様の教会と知っての狼藉か?」
青白い月の光が、低く抑えた声で問いかける騎士の、端正な細面を照らす。
短くまとめられた銀髪に、きりりと凛々しき眉の下、朱い瞳が鋭い眼光でこちらを睨みつけた。
とは言え俺より高かった背丈はすでに逆転していて、もはや可愛いものだ。
これだけ綺麗な顔なら男でもアリかも、なんて一瞬思ってしまったのは、オーガになって感覚がおかしくなったのか、それとも……。
「当然」
「――えっ!?」
本来、魔物は人語を解さないから、問いへの答えなど期待していなかったのだろう。
なのに、俺が肯定するようにうなずいたから、アグリアの両目は驚きで見開かれる。
不意をつかれて漏れた声は甲高く、まるで女のようだった。
「行くぞ!」
その隙を、見逃してやる義理はない。両脚にみなぎる筋力で礼拝堂の石床を蹴り、俺は聖騎士を急襲する。
闘争本能に連動して、爪が刃のように尖って伸びるのがわかる。
オーガの戦い方は、身をもって知っていた。なかでも手強かった歴戦のオーガの動きをトレースして、俺は両腕の爪を同時に振るう。
「小賢しいッ!」
しかし相手は聖女の守護を一人で任される聖騎士。王国最強戦力と考えてもいい。
左爪はあっさり聖剣ではね上げられ、反対側の右爪は、手甲に巻き付く聖なる鎖によって阻まれた。
さらに鎖は、意志を持つ生き物のように俺の左の剛腕に巻き付いて、皮膚に喰い込むほどの強さでギチギチと締め付けてくる。
「勇者様の無念、私が晴らそう!」
勝手な宣言をしたアグリアの聖剣が、俺の太い首を切り落とそうと閃く。鎖で左腕を拘束され、間合いを離すこともできない。
――やはり、使うしかないか。
「……剛血、無双……」
俺の全身を包んだ蒼いオーラが、驚愕で見開かれたアグリアの瞳に反射する。
振るわれた聖剣はオーラの輝きに阻まれて、浅い傷を残すだけ。俺の首を落とすことはできない。
左腕に巻き付いていた鎖は、スルスルと緩んだかと思えば、俺の手首のあたりに綺麗に巻き付いた。
どうやら、所有権がこっちに移ったようだ。
いかに強力な加護を受けた聖武具であろうと――いや、だからこそ女神直贈の聖能力には抗えないのだろう。
「これは、なに……」
呆然自失のアグリアの、聖剣の刃を素手で掴んで奪い取り、背後に投げ捨てる。
続けて、左手首に巻き付く鎖に意思を込めた。
「そんな……! どうして、聖なる鎖が!?」
鎖は思い通りに動いて元持ち主の腕を縛りあげる。喉元を一周して首輪を作った後、聖剣を失ったもう一方の腕にまで絡みつき、両腕を背後に拘束した。
さて、そろそろ剛血無双を解除しないと、反動がきつくなるだろう。最後に銀の胸鎧の襟ぐりに両手を掛けた俺は、それを一気に左右に、引き裂く!
「やめてええええ!」
アグリアの絶叫と共に、紙のように引き裂かれた鎧と、巻き込まれたその下の騎士服から――――小振りだけれど形の良い乳房がこぼれて、月光の中で青白く震えていた。
「あ……ぁ……あ……」
やはり、そういうことか。
俺が彼女に欲情していたのは、おかしくなったわけではなく、オーガとしての牡の本能が、相手を雌だと見抜いていたからだった。
へなへなと座り込んだ彼女の目の前で、俺は剛血無双を解除する。全身を襲う強烈に不快な痛みに苦悶する。
初回より発動を短めにしただけ、多少はマシだったが、これは何度味わっても慣れそうにない。
紛らわせるように俺は、すでにこの後への期待で屹立した股間の巨根を、アグリアの美しい顔の前に突きつけた。
「ッ……汚らわしいッ……!」
気丈に言い捨てて顔をそむける彼女の声が、弱々しく震えていた。
嗜虐心をそそられた俺の巨根はビクンと脈打ち、反動で先っぽから先走った透明な汁が飛散する。
「ヒッ……」
青白い頬をべっとりと汚した汁を、伸びていた爪が元通りになった指先に塗りたくり、彼女の薄い唇の中に無理やりねじ込んだ。
「くッ……ころ……んぐッ!」
必死に指に噛み付いてくるが、オーガの分厚い皮膚の前には、心地良い甘噛みでしかない。
汁まみれの指で彼女の舌の、生暖かく柔らかい感触をねぶりまわしていると、やがて……。
「んッ……ふっ……ふアッ……」
朱い瞳がとろんと蕩けて、胸の先では色の薄い乳首が、小指の先みたいにぎちぎちに勃って震えている。
やはり、先走り汁にも媚薬効果があるようだ。
――聖女の前菜は女騎士。悪くないコースだ。
全身を銀色の鎧で包み、片手に携えた美しい両刃の長剣と、もう一方の手甲に巻き付けられた細い鎖が、うっすら白い光をまとっている。
魔物としての肌感でわかる。どちらも強力な加護を受けた聖武具に違いない。
俺が旅立つときには、中古の皮鎧と剣しか渡されなかったのに。
「貴様が、報告のあった“勇者喰らい”のオーガだな……」
もう情報が入っている。ていうか、勇者は俺に食われたことにされているようだ。
しかもいい感じの二つ名になっていて、勇者のころそんなもの付けてもらえなかった俺としては、なんとも複雑な気持ちになる。
「ここを聖女様の教会と知っての狼藉か?」
青白い月の光が、低く抑えた声で問いかける騎士の、端正な細面を照らす。
短くまとめられた銀髪に、きりりと凛々しき眉の下、朱い瞳が鋭い眼光でこちらを睨みつけた。
とは言え俺より高かった背丈はすでに逆転していて、もはや可愛いものだ。
これだけ綺麗な顔なら男でもアリかも、なんて一瞬思ってしまったのは、オーガになって感覚がおかしくなったのか、それとも……。
「当然」
「――えっ!?」
本来、魔物は人語を解さないから、問いへの答えなど期待していなかったのだろう。
なのに、俺が肯定するようにうなずいたから、アグリアの両目は驚きで見開かれる。
不意をつかれて漏れた声は甲高く、まるで女のようだった。
「行くぞ!」
その隙を、見逃してやる義理はない。両脚にみなぎる筋力で礼拝堂の石床を蹴り、俺は聖騎士を急襲する。
闘争本能に連動して、爪が刃のように尖って伸びるのがわかる。
オーガの戦い方は、身をもって知っていた。なかでも手強かった歴戦のオーガの動きをトレースして、俺は両腕の爪を同時に振るう。
「小賢しいッ!」
しかし相手は聖女の守護を一人で任される聖騎士。王国最強戦力と考えてもいい。
左爪はあっさり聖剣ではね上げられ、反対側の右爪は、手甲に巻き付く聖なる鎖によって阻まれた。
さらに鎖は、意志を持つ生き物のように俺の左の剛腕に巻き付いて、皮膚に喰い込むほどの強さでギチギチと締め付けてくる。
「勇者様の無念、私が晴らそう!」
勝手な宣言をしたアグリアの聖剣が、俺の太い首を切り落とそうと閃く。鎖で左腕を拘束され、間合いを離すこともできない。
――やはり、使うしかないか。
「……剛血、無双……」
俺の全身を包んだ蒼いオーラが、驚愕で見開かれたアグリアの瞳に反射する。
振るわれた聖剣はオーラの輝きに阻まれて、浅い傷を残すだけ。俺の首を落とすことはできない。
左腕に巻き付いていた鎖は、スルスルと緩んだかと思えば、俺の手首のあたりに綺麗に巻き付いた。
どうやら、所有権がこっちに移ったようだ。
いかに強力な加護を受けた聖武具であろうと――いや、だからこそ女神直贈の聖能力には抗えないのだろう。
「これは、なに……」
呆然自失のアグリアの、聖剣の刃を素手で掴んで奪い取り、背後に投げ捨てる。
続けて、左手首に巻き付く鎖に意思を込めた。
「そんな……! どうして、聖なる鎖が!?」
鎖は思い通りに動いて元持ち主の腕を縛りあげる。喉元を一周して首輪を作った後、聖剣を失ったもう一方の腕にまで絡みつき、両腕を背後に拘束した。
さて、そろそろ剛血無双を解除しないと、反動がきつくなるだろう。最後に銀の胸鎧の襟ぐりに両手を掛けた俺は、それを一気に左右に、引き裂く!
「やめてええええ!」
アグリアの絶叫と共に、紙のように引き裂かれた鎧と、巻き込まれたその下の騎士服から――――小振りだけれど形の良い乳房がこぼれて、月光の中で青白く震えていた。
「あ……ぁ……あ……」
やはり、そういうことか。
俺が彼女に欲情していたのは、おかしくなったわけではなく、オーガとしての牡の本能が、相手を雌だと見抜いていたからだった。
へなへなと座り込んだ彼女の目の前で、俺は剛血無双を解除する。全身を襲う強烈に不快な痛みに苦悶する。
初回より発動を短めにしただけ、多少はマシだったが、これは何度味わっても慣れそうにない。
紛らわせるように俺は、すでにこの後への期待で屹立した股間の巨根を、アグリアの美しい顔の前に突きつけた。
「ッ……汚らわしいッ……!」
気丈に言い捨てて顔をそむける彼女の声が、弱々しく震えていた。
嗜虐心をそそられた俺の巨根はビクンと脈打ち、反動で先っぽから先走った透明な汁が飛散する。
「ヒッ……」
青白い頬をべっとりと汚した汁を、伸びていた爪が元通りになった指先に塗りたくり、彼女の薄い唇の中に無理やりねじ込んだ。
「くッ……ころ……んぐッ!」
必死に指に噛み付いてくるが、オーガの分厚い皮膚の前には、心地良い甘噛みでしかない。
汁まみれの指で彼女の舌の、生暖かく柔らかい感触をねぶりまわしていると、やがて……。
「んッ……ふっ……ふアッ……」
朱い瞳がとろんと蕩けて、胸の先では色の薄い乳首が、小指の先みたいにぎちぎちに勃って震えている。
やはり、先走り汁にも媚薬効果があるようだ。
――聖女の前菜は女騎士。悪くないコースだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
16
この作品の感想を投稿する
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる