18 / 34
第17話 いざクライル王国へ。
しおりを挟む服屋を出て素材を売り終わった時には既に空が赤く染まっていた。どうやら服屋でゴタゴタしすぎたみたいだ。
「結構金になったな。」
素材屋から出た俺は金の入った袋をポンポン投げる。その後ろには黒いゴスロリを着た薄い紫色の髪の少女と、白いゴスロリを着た耳と尻尾が生えた銀色の髪の少女が付いて歩いている。
ルルは未だヨヨの服を見てムスッとしている。それに比べヨヨはニコニコと嬉しそうにしている。
そんな2人を横目で見ながら宿に向かった。
「いらっしゃい。」
宿に入って出迎えてくれた人に、3部屋で一泊したい。と言うのを伝えるとルルとヨヨが同じ部屋でいい!と言うので結局あの牢獄部屋に3人で寝ることとなってしまった。
「ふぁ…眠いな。」
流石に今日は疲れた。装備を床に投げてベッドに大の字になる。ルルとヨヨが俺の腕を枕にする形で飛び込んできたが気にしている余裕が無いほどの眠気に襲われる。
少し休憩しよう。
そう決め少しだけ目を閉じることにした。
・
・
・
・
・
・
「ユウタっ、朝じゃ~!」
「ユウタっ!朝だよー!」
女の子に呼ばれ目を開けた。
「…知らない天井だ。」
「何を寝ぼけておるのじゃ。」
俺の朝一番の渾身のギャグをスルーし、ルルは俺の頭を尻尾でベシッと叩いた。
朝起きて動く気力もなくボーッとルルを見る。
立派なケモ耳だ。ルルは猫耳とかも似合いそうだな。…待てよ?この世界ってルル以外のケモ耳っ娘も存在するのではないだろうか。
今まで従魔が人化して耳が生えてるだけだと思っていたけど、ルルみたいな従魔は珍しいはずだ。
なのに街に来た時は耳や尻尾なんて誰も気にしていなかった。と言うことはつまり?この世界にはケモ耳っ娘がいることは"普通"なんだよ!!
そんな事を考えていると寝起きだという事はすっかり忘れ、眠気などは吹っ飛んで行った。何これメ○シャキ飲んだ時より効果的!!
「ルル!ヨヨ!ケモ耳探すぞ!!」
本日目覚めて朝一番の開口がコレだ。2人ともポカンとしている。そんな2人にご飯を食べながらケモ耳の説明をしマリエールさんの所へ行ってケモ耳情報を貰おう。と言う話まで持ち込む事に成功した。
ちなみにルルとヨヨに、どうしてケモ耳を探すのか?と聞かれたので「戦力増強のため!」と答えておいた。増強するつもりはないのだけど。
「マリエールさん!ケモ耳ってどこにいます!?」
服屋に入って早々、挨拶もせずマリエールさんに聞いた。質問してから挨拶をしていない事に気付き挨拶をしておいた。
「ケモ耳?」
マリエールさんもケモ耳という単語を知らないそうなので丁寧に説明した。
「あぁ。亜人の事ね。獣人族なら大抵が耳や尻尾があるはずだわ。」
やはりいるのかケモ耳は!
「ケモ耳ってどこに行けば会えます?」
「アルコット帝国の隣にあるクライル王国は他種族との交流が深いわね。」
クライル王国…素晴らしい…!!
「ユウタっ、鼻血が出ておるのじゃ!」
ルルにそう言われ手で鼻を擦ると血が付いていた。マジかよ、ケモ耳想像しただけで鼻血出るのかよ。
この世界きてからちょっと俺ヤバくね…。
「マリエールさん。俺、クライル王国に行きます!」
「…今行くのはあまりお勧めしないわ。」
「どうしてですか?」
も、もしかして俺がケモ耳っ娘を拝むのを阻害するつもりかっ!?
「クライル王国は王位継承権でゴタゴタしてるのよ。」
阻害じゃないのか。それにしても王位継承権とは確かに面倒ごとだな。
「でも見に行くだけなんで俺には関係ないですよ。」
「まぁそれなら大丈夫かしら。」
ケモ耳を拝みに行くだけで王位継承権がどうとか関係ないのだ。マリエールさんのOKも出た。
「ルル。ヨヨ。出発の準備だ。」
なるべく落ち着いた感じを装う。
「ユウタ、嬉しそうじゃな(だね)」
「べ、別にぃ?俺はいつもこんな感じだし?」
ケモ耳生息地がわかった俺はいつもとは一味違う。今なら俺のポーカーフェイスも通用するはずだ。
「ニヤニヤしてるのじゃ。」
こ、これも一種のポーカーフェイスなのだ。
「とにかく!!ケモ…クライル王国に行くぞ!」
今行くぞケモ耳王国っ!
0
あなたにおすすめの小説
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~
松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。
異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。
「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。
だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。
牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。
やがて彼は知らされる。
その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。
金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、
戦闘より掃除が多い異世界ライフ。
──これは、汚れと戦いながら世界を救う、
笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる