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茉莉~まつり~
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今日で私は18歳!
朝一番に起きて湯浴みをした。
今日は私にとって、一生で一番大切な日なのだ!
「おはよう、茉莉。よく眠れた?」
「あ、お母ちゃんおはよー!うん!今日は目の下に隈なんてダメだからね!」
今日は私の誕生日でもあり、村の成人式でもある。
うちの村は過疎化も進み、18歳になったら大概みんな村を出てしまう。
その前に村での成人式をする事が、昔からの習わしだった。
そして…
「茉莉ー!おはよー!もう振袖来たー?」
「さっちゃん、早いよー!私はまだかかるから先行っててー!」
「えー?もう、平助さんもきっと来てるよー!」
「えー!?急ぐからー!」
「わかったー!なら神社の鳥居前で待ってるから!平助さんも足止めしとく!」
「きゃー!ありがとう!」
そう、今日この日は毎年村から出ていった人達が必ず戻って来るのだ。
「……茉莉。これ」
母がこの日のために仕立ててくれた振袖。
白地に赤い絞りが入って、裾には金糸で鶴の刺繍。
本当は、こんな着物を買えるような家じゃないのに……本当に嬉しい。
「ありがとう。お母ちゃん」
目を赤くしながら、着付けてくれる母の手は、少し震えていた。
こんなに長く母と触れ合えるのは、きっと最後になるだろう。
「じゃあ、いくね!」
母は玄関の前で思い切り抱きしめてくれた。
「茉莉……立派に育ってくれて、本当にありがとう。」
私も抱き締め返し、さっちゃんの待つ神社へ向かう。
朝一番に起きて湯浴みをした。
今日は私にとって、一生で一番大切な日なのだ!
「おはよう、茉莉。よく眠れた?」
「あ、お母ちゃんおはよー!うん!今日は目の下に隈なんてダメだからね!」
今日は私の誕生日でもあり、村の成人式でもある。
うちの村は過疎化も進み、18歳になったら大概みんな村を出てしまう。
その前に村での成人式をする事が、昔からの習わしだった。
そして…
「茉莉ー!おはよー!もう振袖来たー?」
「さっちゃん、早いよー!私はまだかかるから先行っててー!」
「えー?もう、平助さんもきっと来てるよー!」
「えー!?急ぐからー!」
「わかったー!なら神社の鳥居前で待ってるから!平助さんも足止めしとく!」
「きゃー!ありがとう!」
そう、今日この日は毎年村から出ていった人達が必ず戻って来るのだ。
「……茉莉。これ」
母がこの日のために仕立ててくれた振袖。
白地に赤い絞りが入って、裾には金糸で鶴の刺繍。
本当は、こんな着物を買えるような家じゃないのに……本当に嬉しい。
「ありがとう。お母ちゃん」
目を赤くしながら、着付けてくれる母の手は、少し震えていた。
こんなに長く母と触れ合えるのは、きっと最後になるだろう。
「じゃあ、いくね!」
母は玄関の前で思い切り抱きしめてくれた。
「茉莉……立派に育ってくれて、本当にありがとう。」
私も抱き締め返し、さっちゃんの待つ神社へ向かう。
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