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一度目は蕩けかけましたけど、誘惑には二度と負けませんわよ!
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再び、エリックの唇がサラディーナの唇に重なる。そっと触れる様な口づけを何度も繰り返す。
「サラディーナ、なんて貴方の唇は甘いんだ」
「お願いだ、もっと私のそばに」
「サラディーナの唇は私だけのものだ」
「貴方を誰にも見せたくない」
「貴方の瞳にうつすのは私だけに」
甘く囁くエリックの声。少しずつ唇が離れるまでの時間が長くなって、口づけなどしたことがなかったサラディーナの息が上がってくる。
「口づけしている時は、鼻で息を吸うんだ」
「......そう、上手だ」
サラディーナは、囁かれるエリックの声に、言うがままになってしまう。エリックの甘く低い声と与えられる口づけの甘美さに、サラディーナの思考は蕩けそうになっていた。
「エリック様、マーベラス侯爵家より使者が参っております。如何しますか?」
こちらの様子をうかがう様に、バラの垣根の向こう方から執事の声が聞こえる。
思考が溶けかける寸前だったサラディーナは、執事の声とマーベラス侯爵という言葉に我に返った。
「い、やっ!」
渾身の力で、両手でドンをエリックの胸を押して突き飛ばし、ガゼボから一目散に逃げ出した。
チッっと舌打ちをして、エリックが指示を出す。
「応接間で待ってもらう様に」
「畏まりました」
執事の気配がなくなると、エリックはガゼボの柱に手を付き、ハーッと大きな溜息をついた。
「話が違うだろ。なんだあれは。昨夜の娼婦の様な手管と男を翻弄するあの態度、今日は何も知らない純潔の乙女の様に震えながらも従順に快楽を受け入れる身体。こんな場所で、うっかりのめりこみそうになった」
サラディーナは幼馴染で、尚且つ母親同士が親友だったから婚約者となっただけで、エリックはサラディーナ自身に全く興味を持っていなかった。侯爵家の後継は兄で、自分は結婚と同時に伯爵家の位を分けられて独立する。その際に両親にも気に入られている、侯爵家の一人娘として身分も釣り合うサラディーナを妻とするのが望ましい。サラディーナとの間に後継を設けてしまえさえすれば、後は自分の好みの女性を囲えばいい、陛下の覚えもめでたく、羨望を集める剣の才能と誰もが焦がれる美麗な容姿を持った自分が妻にしてやるのだから、サラディーナも粛々と受け入れるだろう、そうエリックは考えていた。
だが、サラディーナはそんなエリックを拒否。両親も侯爵夫妻もエリックの在り様に眉を潜め、サラディーナの意向を受け入れた。
エリックは納得がいかなかった。この自分がサラディーナの様な女性を妻にしてやると言っているのに、それを受け入れず拒否する、そんなサラディーナの気持ちが全く理解できなかった。
婚約破棄は絶対にしないとサラディーナに告げると、閨の勝負で負けたら婚約破棄を受け入れろと条件を付きつけて来た時には、一体何を血迷ったのかと呆れ果てた。このわたしに閨で勝負だなぞと。
たが、蓋を開けてみればサラディーナの手練手管に完敗だった。このままでは婚約破棄をせざるを得ないとなった時、月夜の閨の出来事は、処女の貴族令嬢がやれることではないと疑い、サラディーナを足止めするために侯爵家への連絡や純潔を確認する為の女医の手配を済ませ、その疑いをサラディーナにぶつけた。
仮にサラディーナが疑った通り純潔ではなかったとしても、あれだけの閨を過ごせるのであれば、このまま妻として娶ってもいい、あの手管を教授した男とは手を切らせればいいとまで考えた。
だが、動揺することもなく、医師の確認を受けると答えたサラディーナを見て、このまま自分の手から離れ、いずれ知らない、サラディーナを娶った男のモノになるのかと思った瞬間、サラディーナを腕の中に閉じ込めて唇を奪っていた。エリックの腕の中でこれまで感じた事がなかっであろう官能に触れた時に、未知の体験に怯えて震えるサラディーナをこのまま自分のモノにしてしまいたいと、自分でも驚くくらいの執着に我を忘れそうになった。
あのまま邪魔が入らなければ、初めての官能の渦に呑まれたまま、サラディーナは従順にエリックを受けて入れていただろう。だが、サラディーナは腕の中から逃げ出してしまった。
一度警戒されたら、その次に進むのは容易ではない。サラディーナを手に入れる為には、医師が到着するまでの2日間の間に、サラディーナを自分に陥落させねばならない。サラディーナは抵抗するだろうが、腕の中にさえ留めて甘く囁けば、きっと落ちる、二度と逃がしはしない と、エリックは仄暗い笑みを浮かべた。
(バカバカバカバカ、わたしのバカ!!エリックがああいう人間だっていうのは、嫌って程知っているはずなのに、油断してしまったわ)
エリックの腕の中から逃げ出したサラディーナは、一目散に自分に与えられた部屋に逃げ込んだ。勿論、入り口と隣の部屋に入る為の扉の鍵はしっかりかけて。サラディーナはベッドに飛び込んでピローに顔をうずめた。
淑女にあるまじき駆け足で逃げてきたのもあるが、エリックに口づけをされた事に、サラディーナは全身が沸騰するような熱さを感じていた。
(初めてだったのに。エリックに唇を奪われてしまうなんて)
ショックで瞳が潤んでくる。婚約者のいる友人は、口づけなどはとっくに済ませており、その体験談を聞かされる度に、サラディーナは友人達を羨ましく思っていた。エリックへの想いはすっかりなくなっていたので、いつか本当に自分が愛する人と、自分を愛してくれる人と口づけを交わしたい。そんな細やかなサラディーナの願いも、エリックにすっかり台無しにされてしまった。
でも、エリックの腕の中に囚われて、耳元で甘く囁かれただけなのに、サラディーナの身体に衝撃が走った。これまで体験したことのない、未知な何か。エリックの声がそれを中から揺さぶり、サラディーナはエリックのなすがままになってしまった。
自分だったらどうだろうかと、散々夢みた初めての口づけ。優しく触れるエリックの唇と、合間合間に囁かれる甘い睦言。
あの時、執事が声をかけてくれなかったら、マーベラス侯爵の名を聞かなかったら、きっと純潔を失い、自由な未来も失ってしまっていただろうと思うと、二度とエリックには近寄らない、誘惑には二度と負けないとサラディーナは固く誓ったのだった。
でも、そんなサラディーナの誓いをあざ笑うかの様に、試練は訪れる。
「サラディーナ様、少し宜しいでしょうか?」
扉の向こうからメイド長が声をかけてくる。
「どうしたの?」
「いえ、先程、サラディーナ様が慌ててお部屋に戻る姿を拝見したので...。大丈夫でございますか?」
確かに高位な貴族令嬢とは思えない位の逃走っぷり。別邸には執事とメイド長、住み込みの庭師夫婦と馬丁夫婦。あとは通いのコックとメイドが数人しかいなかったから良かった様なものの、あんな姿を見られたら、暫らく社交界には出られなくなってしまったかもと、サラディーナは一人悶えていた。
「えぇ、大丈夫。ガセボで大きな害虫に出くわして、驚いて逃げてきたの」
大層美しい害虫ではあったが。
「あぁ、さようでございましたか。季節も季節ですからね。後で庭師に消毒をしておくように話しておきますね」
「そ、そうね、二度と出てこない様に、しっかり消毒をしておくようにお願いしてね」
「はい。それから、エリック様がダイニングでお待ちでございます。今夜、婚約者のサラディーナ様と共に と、マーベラス侯爵家より夜会に招かれたとの事で」
「サラディーナ、なんて貴方の唇は甘いんだ」
「お願いだ、もっと私のそばに」
「サラディーナの唇は私だけのものだ」
「貴方を誰にも見せたくない」
「貴方の瞳にうつすのは私だけに」
甘く囁くエリックの声。少しずつ唇が離れるまでの時間が長くなって、口づけなどしたことがなかったサラディーナの息が上がってくる。
「口づけしている時は、鼻で息を吸うんだ」
「......そう、上手だ」
サラディーナは、囁かれるエリックの声に、言うがままになってしまう。エリックの甘く低い声と与えられる口づけの甘美さに、サラディーナの思考は蕩けそうになっていた。
「エリック様、マーベラス侯爵家より使者が参っております。如何しますか?」
こちらの様子をうかがう様に、バラの垣根の向こう方から執事の声が聞こえる。
思考が溶けかける寸前だったサラディーナは、執事の声とマーベラス侯爵という言葉に我に返った。
「い、やっ!」
渾身の力で、両手でドンをエリックの胸を押して突き飛ばし、ガゼボから一目散に逃げ出した。
チッっと舌打ちをして、エリックが指示を出す。
「応接間で待ってもらう様に」
「畏まりました」
執事の気配がなくなると、エリックはガゼボの柱に手を付き、ハーッと大きな溜息をついた。
「話が違うだろ。なんだあれは。昨夜の娼婦の様な手管と男を翻弄するあの態度、今日は何も知らない純潔の乙女の様に震えながらも従順に快楽を受け入れる身体。こんな場所で、うっかりのめりこみそうになった」
サラディーナは幼馴染で、尚且つ母親同士が親友だったから婚約者となっただけで、エリックはサラディーナ自身に全く興味を持っていなかった。侯爵家の後継は兄で、自分は結婚と同時に伯爵家の位を分けられて独立する。その際に両親にも気に入られている、侯爵家の一人娘として身分も釣り合うサラディーナを妻とするのが望ましい。サラディーナとの間に後継を設けてしまえさえすれば、後は自分の好みの女性を囲えばいい、陛下の覚えもめでたく、羨望を集める剣の才能と誰もが焦がれる美麗な容姿を持った自分が妻にしてやるのだから、サラディーナも粛々と受け入れるだろう、そうエリックは考えていた。
だが、サラディーナはそんなエリックを拒否。両親も侯爵夫妻もエリックの在り様に眉を潜め、サラディーナの意向を受け入れた。
エリックは納得がいかなかった。この自分がサラディーナの様な女性を妻にしてやると言っているのに、それを受け入れず拒否する、そんなサラディーナの気持ちが全く理解できなかった。
婚約破棄は絶対にしないとサラディーナに告げると、閨の勝負で負けたら婚約破棄を受け入れろと条件を付きつけて来た時には、一体何を血迷ったのかと呆れ果てた。このわたしに閨で勝負だなぞと。
たが、蓋を開けてみればサラディーナの手練手管に完敗だった。このままでは婚約破棄をせざるを得ないとなった時、月夜の閨の出来事は、処女の貴族令嬢がやれることではないと疑い、サラディーナを足止めするために侯爵家への連絡や純潔を確認する為の女医の手配を済ませ、その疑いをサラディーナにぶつけた。
仮にサラディーナが疑った通り純潔ではなかったとしても、あれだけの閨を過ごせるのであれば、このまま妻として娶ってもいい、あの手管を教授した男とは手を切らせればいいとまで考えた。
だが、動揺することもなく、医師の確認を受けると答えたサラディーナを見て、このまま自分の手から離れ、いずれ知らない、サラディーナを娶った男のモノになるのかと思った瞬間、サラディーナを腕の中に閉じ込めて唇を奪っていた。エリックの腕の中でこれまで感じた事がなかっであろう官能に触れた時に、未知の体験に怯えて震えるサラディーナをこのまま自分のモノにしてしまいたいと、自分でも驚くくらいの執着に我を忘れそうになった。
あのまま邪魔が入らなければ、初めての官能の渦に呑まれたまま、サラディーナは従順にエリックを受けて入れていただろう。だが、サラディーナは腕の中から逃げ出してしまった。
一度警戒されたら、その次に進むのは容易ではない。サラディーナを手に入れる為には、医師が到着するまでの2日間の間に、サラディーナを自分に陥落させねばならない。サラディーナは抵抗するだろうが、腕の中にさえ留めて甘く囁けば、きっと落ちる、二度と逃がしはしない と、エリックは仄暗い笑みを浮かべた。
(バカバカバカバカ、わたしのバカ!!エリックがああいう人間だっていうのは、嫌って程知っているはずなのに、油断してしまったわ)
エリックの腕の中から逃げ出したサラディーナは、一目散に自分に与えられた部屋に逃げ込んだ。勿論、入り口と隣の部屋に入る為の扉の鍵はしっかりかけて。サラディーナはベッドに飛び込んでピローに顔をうずめた。
淑女にあるまじき駆け足で逃げてきたのもあるが、エリックに口づけをされた事に、サラディーナは全身が沸騰するような熱さを感じていた。
(初めてだったのに。エリックに唇を奪われてしまうなんて)
ショックで瞳が潤んでくる。婚約者のいる友人は、口づけなどはとっくに済ませており、その体験談を聞かされる度に、サラディーナは友人達を羨ましく思っていた。エリックへの想いはすっかりなくなっていたので、いつか本当に自分が愛する人と、自分を愛してくれる人と口づけを交わしたい。そんな細やかなサラディーナの願いも、エリックにすっかり台無しにされてしまった。
でも、エリックの腕の中に囚われて、耳元で甘く囁かれただけなのに、サラディーナの身体に衝撃が走った。これまで体験したことのない、未知な何か。エリックの声がそれを中から揺さぶり、サラディーナはエリックのなすがままになってしまった。
自分だったらどうだろうかと、散々夢みた初めての口づけ。優しく触れるエリックの唇と、合間合間に囁かれる甘い睦言。
あの時、執事が声をかけてくれなかったら、マーベラス侯爵の名を聞かなかったら、きっと純潔を失い、自由な未来も失ってしまっていただろうと思うと、二度とエリックには近寄らない、誘惑には二度と負けないとサラディーナは固く誓ったのだった。
でも、そんなサラディーナの誓いをあざ笑うかの様に、試練は訪れる。
「サラディーナ様、少し宜しいでしょうか?」
扉の向こうからメイド長が声をかけてくる。
「どうしたの?」
「いえ、先程、サラディーナ様が慌ててお部屋に戻る姿を拝見したので...。大丈夫でございますか?」
確かに高位な貴族令嬢とは思えない位の逃走っぷり。別邸には執事とメイド長、住み込みの庭師夫婦と馬丁夫婦。あとは通いのコックとメイドが数人しかいなかったから良かった様なものの、あんな姿を見られたら、暫らく社交界には出られなくなってしまったかもと、サラディーナは一人悶えていた。
「えぇ、大丈夫。ガセボで大きな害虫に出くわして、驚いて逃げてきたの」
大層美しい害虫ではあったが。
「あぁ、さようでございましたか。季節も季節ですからね。後で庭師に消毒をしておくように話しておきますね」
「そ、そうね、二度と出てこない様に、しっかり消毒をしておくようにお願いしてね」
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