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第148.2話 愛が憎悪に
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(元王太子視点)
ローイから聞かされた真実。それはミーヤが平民の子供であり、父親とされるグリド・ウォーム男爵の実の子供ではないということだった。最初聞いた時は半信半疑だったのだが、ウォーム男爵にカマをかけると真実だと判明した。
……真実を知った瞬間、僕の中でミーヤに対する愛が憎悪に似た何かに変わった。
「誘惑か……ミーヤなら何を言ってもいいんじゃないか? 何しろ、一時の気の迷いでこの僕をおかしくしたんだからな!」
ミーヤ・ウォーム……平民の血筋だった分際でこの僕を誑かして立場を悪くさせた悪女。見た目に騙された自分が恥ずかしいと思う反面、実際ミーヤは可愛い顔の美少女だ。この女ならばミロアを取り戻す礎にはできる。
まあ、僕はもうミーヤに執心するなどという愚行を犯すつもりはないけどな。むしろ、今はミーヤに不快感すら感じる。だからこそ、一切の容赦はしない!
「平民から貴族に成り上がった男爵の娘に執心していた……そんな過去は僕の最大の汚点だ! 僕が王太子に戻り国王を継いだ後に男爵でいられることは保証してやるだけでもありがたく思え!」
「…………はい」
「…………」
ウォーム男爵。この男も気に食わない。自分の子供でないくせに、必死に庇おうとするなんて理解できない。平民だぞ? ……僕は拾の両親に蔑ろにされているというのに! ああもう、見ているだけで気分が悪い。イライラして仕方がない!
この苛立ちを抑えるには、ミーヤが原因で破滅してもらうしかないだろうな。
◇
「殿下、本当ですか?」
「ああ、全てが終わった後になるが、僕はミーヤの出自を明かすつもりだ。どういう結果になろうともな」
ミーヤは可愛い顔をしているから並大抵の男なら引っかかるだろう。成功は約束されたようなものだ。それでもあの女の出自を明かすのはもう決定事項だ。
「ウォーム男爵の立場を保証すると言う約束でしたが?」
「平民の娘のせいで僕の立場が悪くなった事を考えてみろよ。約束を破る理由には十分だろ。そもそも、出自を偽っていた時点で許されることじゃないんだ。それくらいされて当然じゃないか!」
平民が貴族と偽ることは罪に値する。つまり、ミーヤも男爵も裁かれるべき存在なんだ。むしろ、王族である僕が出自の隠蔽を見逃すわけにはいかないんだ。
「……まあ、いいでしょう。もとを辿ればミーヤ嬢もミロア様が苦しむことになった要因。こんな男爵家など潰れて当然でしょう」
「ははは! そういうことだ!」
こいつは本当にミロアのことが好きなんだな。もはや狂気すら感じるよ。ついでにこいつも消えてもらおうかな? ウォーム男爵の隠蔽に加担したってな!
ローイから聞かされた真実。それはミーヤが平民の子供であり、父親とされるグリド・ウォーム男爵の実の子供ではないということだった。最初聞いた時は半信半疑だったのだが、ウォーム男爵にカマをかけると真実だと判明した。
……真実を知った瞬間、僕の中でミーヤに対する愛が憎悪に似た何かに変わった。
「誘惑か……ミーヤなら何を言ってもいいんじゃないか? 何しろ、一時の気の迷いでこの僕をおかしくしたんだからな!」
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まあ、僕はもうミーヤに執心するなどという愚行を犯すつもりはないけどな。むしろ、今はミーヤに不快感すら感じる。だからこそ、一切の容赦はしない!
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「…………はい」
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ウォーム男爵。この男も気に食わない。自分の子供でないくせに、必死に庇おうとするなんて理解できない。平民だぞ? ……僕は拾の両親に蔑ろにされているというのに! ああもう、見ているだけで気分が悪い。イライラして仕方がない!
この苛立ちを抑えるには、ミーヤが原因で破滅してもらうしかないだろうな。
◇
「殿下、本当ですか?」
「ああ、全てが終わった後になるが、僕はミーヤの出自を明かすつもりだ。どういう結果になろうともな」
ミーヤは可愛い顔をしているから並大抵の男なら引っかかるだろう。成功は約束されたようなものだ。それでもあの女の出自を明かすのはもう決定事項だ。
「ウォーム男爵の立場を保証すると言う約束でしたが?」
「平民の娘のせいで僕の立場が悪くなった事を考えてみろよ。約束を破る理由には十分だろ。そもそも、出自を偽っていた時点で許されることじゃないんだ。それくらいされて当然じゃないか!」
平民が貴族と偽ることは罪に値する。つまり、ミーヤも男爵も裁かれるべき存在なんだ。むしろ、王族である僕が出自の隠蔽を見逃すわけにはいかないんだ。
「……まあ、いいでしょう。もとを辿ればミーヤ嬢もミロア様が苦しむことになった要因。こんな男爵家など潰れて当然でしょう」
「ははは! そういうことだ!」
こいつは本当にミロアのことが好きなんだな。もはや狂気すら感じるよ。ついでにこいつも消えてもらおうかな? ウォーム男爵の隠蔽に加担したってな!
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