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147.内輪揉め/ポーズを決める
「もとはと言えば、お前が持ち掛けた話じゃないか! それなのに間違えて別人を連れてくるなんて何てことしてんだよ! 何が復讐だ! こんな失敗しやがって、笑わせんな!」
「…………っ」
アクサンはここぞとばかりに不満と罵詈雑言を言いたい放題口に出す。ただ、言われている側のクァズにしてはたまったものではない。責任転換して難を逃れることにした。
「ぼ、僕のせいではありません! 雇った連中が間違えただけです! 貴族の馬車なんていくらでもあるのに……」
「そ、そんなこと言われても文句を言われる筋合いはねえ! あんただって連れてくる女の特徴と家のことしか教えただけじゃねえかよ! 現場にも来なかったくせに!」
「おい! その時にお前がいればアキエーサだけでも攫えたじゃないか! 元婚約者なんだろう!」
「そ、そう言われましても……それを言うなら殿下だってエリザの元婚約、」
「うるさい! それとこれとじゃ話は別だ!」
遂には雇われの身のならず者も巻き込んで言い争ってしまった。
そんな様子に呆れかえる『アキエーサ』と『エリザ』……とされていた二人の女性は、呆れながら彼らを蔑む。
「ふん、いつまで内輪揉めしてんだよ。情けない男どもだねえ」
「ほんとほんと、予想外の展開が来たら大混乱。単純だねえ」
そう言いながら、自分たちを縛っていた縄が緩んだことをいいことに、自力でほどいてしまった。彼女たちの異変にならず者の一人が気付いて叫ぶ。
「あっ! あいつら縄をほどいてしまいやしたぜ!」
「そんな馬鹿な! きつく縛ったはずなのに!」
「こ、今度は何だ!? 女どもの縄をいつほどいたんだ!?」
「殿下、流石のそれは故意にやってはおりませんよ!」
周りの男どもが驚く中で、彼女たちは余裕で自分たちでほどいた理由を教え始める。
「なぁに簡単なことさ。少し酷だけど自分の関節を外して何とか縄抜けしてやったのさ。護身術の常識だろ?」
「キミの場合、それは片腕だけでしょ。思ったよりきつく縛られてたからボクの隠し持っていたカミソリで縄を切ってしまったんだろ? 忘れたとは言わせないよ」
「おいおい、カッコつけさせてくれよ~。クズな男どもを驚かせたいのにさ~」
「十分驚いてるさ。ごらんよ」
クズな男――つまりアクサンとクァズ、それにならず者共は驚愕のあまり目を丸くしたり、開けた口が塞がらなかったり、悔しそうな顔をしている者しかいなかった。その誰もが女性の身でそんな真似ができることに危機感を抱き始めたのだ。
「お、お前達は一体!?」
「へへん、随分驚いてくれたじゃねえかハクサイ王子」
「は……白菜?」
「違うよ、アクサン王子だよ。わざと間違えない」
「え~、じゃあ、『あ、臭い王子』って言ったほうが笑えたかな?」
「ぷっ……もう真面目にしようよ」
「く、臭いだと!?」
白菜とか臭いなどと『わざと』名前を間違えられたアクサンは顔を真っ赤にして怒りを露わにした。特に、臭いと言われたことが許せなかった。先ほどまでならず者たちを臭いと思っていたばかりなのに、自分まで臭いといわれるのが我慢ならなかったのだ。
「き、貴様ら無礼にもほどがあるわ! この私を誰だと心得る! フーシャ王国第一王子にして王太子アクサンなるぞ!」
「その肩書を失うくせに」
「黙れ! 私のセリフを遮るな! もういい、貴様らは一体何者なんだ!?」
名前を聞かれて、彼女たちは待ってましたとばかりにポーズを決めて自己紹介を始める。
「アタシは名前はショウ・トゥアーロ!」
「ボクは名前はフィル・リップライト!」
そして、最後に二人で左右対称なポーズを決める。
「「我らは二人一組のダブール商会の用心棒だ!」」
「…………っ」
アクサンはここぞとばかりに不満と罵詈雑言を言いたい放題口に出す。ただ、言われている側のクァズにしてはたまったものではない。責任転換して難を逃れることにした。
「ぼ、僕のせいではありません! 雇った連中が間違えただけです! 貴族の馬車なんていくらでもあるのに……」
「そ、そんなこと言われても文句を言われる筋合いはねえ! あんただって連れてくる女の特徴と家のことしか教えただけじゃねえかよ! 現場にも来なかったくせに!」
「おい! その時にお前がいればアキエーサだけでも攫えたじゃないか! 元婚約者なんだろう!」
「そ、そう言われましても……それを言うなら殿下だってエリザの元婚約、」
「うるさい! それとこれとじゃ話は別だ!」
遂には雇われの身のならず者も巻き込んで言い争ってしまった。
そんな様子に呆れかえる『アキエーサ』と『エリザ』……とされていた二人の女性は、呆れながら彼らを蔑む。
「ふん、いつまで内輪揉めしてんだよ。情けない男どもだねえ」
「ほんとほんと、予想外の展開が来たら大混乱。単純だねえ」
そう言いながら、自分たちを縛っていた縄が緩んだことをいいことに、自力でほどいてしまった。彼女たちの異変にならず者の一人が気付いて叫ぶ。
「あっ! あいつら縄をほどいてしまいやしたぜ!」
「そんな馬鹿な! きつく縛ったはずなのに!」
「こ、今度は何だ!? 女どもの縄をいつほどいたんだ!?」
「殿下、流石のそれは故意にやってはおりませんよ!」
周りの男どもが驚く中で、彼女たちは余裕で自分たちでほどいた理由を教え始める。
「なぁに簡単なことさ。少し酷だけど自分の関節を外して何とか縄抜けしてやったのさ。護身術の常識だろ?」
「キミの場合、それは片腕だけでしょ。思ったよりきつく縛られてたからボクの隠し持っていたカミソリで縄を切ってしまったんだろ? 忘れたとは言わせないよ」
「おいおい、カッコつけさせてくれよ~。クズな男どもを驚かせたいのにさ~」
「十分驚いてるさ。ごらんよ」
クズな男――つまりアクサンとクァズ、それにならず者共は驚愕のあまり目を丸くしたり、開けた口が塞がらなかったり、悔しそうな顔をしている者しかいなかった。その誰もが女性の身でそんな真似ができることに危機感を抱き始めたのだ。
「お、お前達は一体!?」
「へへん、随分驚いてくれたじゃねえかハクサイ王子」
「は……白菜?」
「違うよ、アクサン王子だよ。わざと間違えない」
「え~、じゃあ、『あ、臭い王子』って言ったほうが笑えたかな?」
「ぷっ……もう真面目にしようよ」
「く、臭いだと!?」
白菜とか臭いなどと『わざと』名前を間違えられたアクサンは顔を真っ赤にして怒りを露わにした。特に、臭いと言われたことが許せなかった。先ほどまでならず者たちを臭いと思っていたばかりなのに、自分まで臭いといわれるのが我慢ならなかったのだ。
「き、貴様ら無礼にもほどがあるわ! この私を誰だと心得る! フーシャ王国第一王子にして王太子アクサンなるぞ!」
「その肩書を失うくせに」
「黙れ! 私のセリフを遮るな! もういい、貴様らは一体何者なんだ!?」
名前を聞かれて、彼女たちは待ってましたとばかりにポーズを決めて自己紹介を始める。
「アタシは名前はショウ・トゥアーロ!」
「ボクは名前はフィル・リップライト!」
そして、最後に二人で左右対称なポーズを決める。
「「我らは二人一組のダブール商会の用心棒だ!」」
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